No.458662

ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~ 第44話

あっくんさん

神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。

2012-07-24 18:44:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4285   閲覧ユーザー数:4121

第44話~修行の終わりと想い~

 

 

小猫に会いに行ってから数日がたち、今は八月十五日。決戦も近いし、そろそろ

 仕上げの時期かもしれないな。

 俺もけっこう頑張った…気がする。一誠に会ったとき、ドラゴンに追いかけられている

 と聞いたからな。いくら禁手(バランス・ブレイカー)に至らす為だとはいえ、

 やりすぎ感も感じる。

 でも、そのぐらいやらないと禁手に至ったときに、体力がもたないしな。

 

 神器の中に潜って『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』にいる聖書に記されし神

 の遺志を説得してみたが、失敗した。あれは相当龍や蛇が嫌いらしい。

 それでも頑張って説得し続けて、やっとで神が折れてくれたが、条件を出された。

 

 一つ目は、力を極力抑える事。聖槍だけでも強力なのに、赤と白の龍の力も加わる

 と考えたら、大陸が吹き飛ぶほどの強さになってもおかしくはないといわれた。

 

 二つ目は、敵を間違え無い事。今は和平しているから、テロリストの幹部だけ

 に使えといっていた。

 

 そして最後、俺の本当の気持ちを見せろといってきた。神に俺の気持ちを

 いったが、否定された。

 そんなものでは『神滅具(ロンギヌス)』を完全に知る事ができないらしい。

「(俺の本当の気持ちって何だ…?)」

 俺は皆を――親友や主、仲間達を脅威から守りたい。これは本音だ

 でも――仲間達の過去を知ってから、その思いも強くなっている。

 それでも、駄目らしい。

 

 こんな感じで一時間ほど悩み、ある思考に至った。

「まさか…恋愛か?」 

 その言葉で、小猫の顔が浮かんだ。

 前に小猫の寝室にいったときに、見た小猫の涙。正直、未だに覚えている。

 いつもは無表情だから、あの涙には驚いた。

「って、何で小猫が出てくるんだ!?」

 よくよく考えたら、小猫の事ばかり考えていた。

 小猫の事を頭から離そうとして別の事を考えようとしたとき、エリスが爆弾を投下

 した。

『クリスって、小猫の事が好きなんじゃない?』

 …………………………

 …………………

 …………

 ……

「な、なななな何言ってんの!? そそそそそんな訳ない!」

 自分でもわかるぐらいに動揺していた。顔は真っ赤で頭の中は真っ白。

『ふ~ん…でも、そんなに動揺しているのは初めてだけど?』

 …わかった、認める。俺は小猫の事が好きです。

『声に出していいなさい』

 はいはい、わかりましたよ

「…俺は小猫の事が好きです」

「マジでか!? これはリアス達に言わないといけないな!」

 いつの間にか俺の部屋にアザゼルがいた。

「……いつからここにいた?」

 赤くなった顔を隠すように伏せながら聞いた。

「"って、何で小猫が出てくるんだ!?"の所からだ」

 俺の声を真似しながら答えた。

「最初からじゃねぇか! ていうかエリスの奴…図ったな!?」

 あいつがアザゼルが来た事を知らないはずが無いんだ。

『だって…最近、面白い事がないじゃん? だから教えなかったの』

 ……なんか、もういいや。

「クリス、修行は終わりだ。これからグレモリー本邸に向かう」

「やっとか。じゃ、先に行っている」

 俺は上位神滅具の『絶霧(ディメイジョン・ロスト)』で本邸へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 グレモリー本邸前でいきなり姿を現した俺に、先に来ていた一誠達は驚いていた。

「先に来ていたのか。…どうやら、修行の成果は出てきているらしいな」

「まぁな。俺はドラゴンに追いかけられていたからな。いやでも体力が伸びる!」

 そんなドヤ顔しなくても、お前の苦労はわかる

「クリス。さっきのあれは何だい?」

 さっきの霧がきになったのか、祐斗が聞いてきた。

「あれは『絶霧(ディメイジョン・ロスト)』といってな、あれも神滅具の一種なんだ

 説明は面倒だから却下――で、あのミイラは誰だ?」

 後ろで待機していたミイラを指差す。

 一誠は言いにくそうな顔をしながら言った。

「……あれはゼノヴィアだ。ケガして包帯巻いてケガして包帯巻いたらこうなった

 らしい」

 俺はミイラ女化しているゼノヴィアに近づき、言った。

「…死体安置所に持っていくぞ」

「失敬な。私はまだ死んでいない」

「自分の格好を見てみろ。普通の奴だったらミイラにしか見えない」

 ゼノヴィアは自分の姿を見てそうか?といわんばかりに首を傾げた。

 こいつの天然も成長した気がするぞ…

「イッセーさん! 祐斗さんにクリスさん! ゼノヴィアさんも!」

 シスター服姿のアーシアがやってきた。

「アーシア。久しぶり」

「イ、イッセーさん! ふ、服を着てください!」

 一誠の裸を見て慌てるアーシア。なんか微笑ましい光景だ

「あら、外出組は帰ってきたみたいね」

 本邸から部長がやってきた。

「さて、皆、入ってきてちょうだい。シャワー浴びて着替えてきたら、修行の

 報告会をしましょう」

 俺達は部長の後をついていった。

 一誠の顔をチラ見すると少し暗い顔をしていたが、無視した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達グレモリー眷属が全員集合したのは実に約二週間ぶりだった。皆が集まって

 修行の報告会をしている。

 祐斗は師匠との修行顛末、ゼノヴィアも修行の内容も。一誠は元龍王とのサバイバル

 生活について語り出した。

 聞いていく内に、皆引いていた。生き物を狩るなよ…モンハンか!

 最後に俺の修行内容を語った。

 副総督と一緒に神器について調べたり、バラキエルさんとの修行。

 一瞬、朱乃さんが顔をしかめたのが見えたが気にせず、話を続けていると

 みんなため息をついていた。何故に?

「今のクリスになら勝てそうだけど、あのクリスとなると絶対に勝てる気がしない」

 あのクリス…? ああ、HSS状態の事か。

 あの状態は、とんでもない事をしでかすからな…

「確かに。神滅具が数個に神器も数個。その内に禁手に至っているのが半数以上。

 そして神滅具同士の神器融合だからな」

 とアザゼル。

「…俺はまだ禁手に至っていないのに、クリスは禁手をインフレしているのかよ…」

「まぁそんなに悔やむな。あいつは神器を禁手に至っている状態で創造しているからな」

 アザゼルが一誠を慰めている。やっぱりアザゼルは面倒見のいい奴だ。

 

「報告会は終了。明日はパーティーだ。今日は解散だ」

 アザゼルの一言で解散になった。


 
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