No.458326

テイルズオブエクシリア~転生者はイレギュラー

第51話 出発前

2012-07-23 23:39:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1588   閲覧ユーザー数:1560

~レオンSIDE~

 

 

あれから時間がたち、俺たちは城の中……王座の間にいる。あれかた数時間たったので今はどうなっているかを知るためだ。

 

 

「ウィンガル、出発までは?」

 

 

「船の機能掌握にまだ数刻はかかるかと」

 

 

どうやら、まだ時間がかかるらしいな。

 

 

「まだかかるみたいだし、また少しの間、休んでいようか」

 

 

「そうだな。皆、各自で休んでてくれ」

 

 

俺たちは一旦解散した。

 

 

 

 

 

 

俺はミラと一緒に王座の間を出て歩いていると、

 

 

「あんたさ、看護師になりたいんだろ?あのボーヤのためか~?」

 

 

レイアがアグリアに絡まれていた。俺とミラは物陰に隠れ、様子を伺うことにした。

 

 

「だ、だからなによ!」

 

 

「どんなにキレイごと言ったって、頭の中はボーヤとのエロいことばっかりだろ」

 

 

うわーストレートに言うなアグリアの奴。レイアも頬を紅くしているし、聞いていたミラまで赤くしているし。

 

 

「ちがっ……そんなことないってば!」

 

 

いや、レイアよ。お前ら、恋人なんだしいつかはそういう行為をするんだろ?

 

 

「けど、あたし、そんなあんたのことを結構、見直したんだ」

 

 

「え、そなの?」

 

 

何かアグリアって絶対に人の傷つくことを言うよな……期待させるような言い方してさ。

 

 

「その志なら、いつか死人を出してくれるってさ~アハハハ!」

 

 

アグリアの奴、すげえ、笑い方だな。地面をたたいているし……って!?

 

 

「(ミラ、落ち着け!)」

 

 

「(これが落ち着いて居られるか!!レイアの夢をバカにしているのだぞ!!)」

 

 

「(ここはレイアの対応を見ていよう!それにこれは俺たちが入りこんでいい問題じゃない!)」

 

 

「(……わかった)」

 

 

……ふぅ……ミラが落ち着いてくれたか。

 

 

「努力が人を殺してもいいんだ?」

 

 

「……そんなことにならないよ!」

 

 

怒ったように言うレイアであったが、アグリアを見て笑いだす。

 

 

「ああ、そうか!アグリアってそんな性格だから男もできないんだね?私、夢の一つは叶っているからね?ジュードと付き合うって言う夢が!」

 

 

「んな!?」

 

 

レイアの斬り返しに驚くアグリア。

 

 

「あなた見ないな人に私の夢をバカにしてほしくないな~夢を見て何が悪いの?どんな人にだって夢を叶えるための努力をするものだよ。できないできないって決めつけるのもよくないよ?うふふ、あなたは自分の夢を叶えられないからそうやって私に絡んでくるのね?妬み?嫉妬?」

 

 

「うぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!!てめえ……あたしに喧嘩を売っているのか!!」

 

 

「別に?そもそもあなたが私に絡んできたのが原因でしょ?こんなふうに言われても自業自得って知ってる?」

 

 

「………ち、面白くねえ」

 

 

アグリアはそのまま、レイアから離れてどこかへ行った。

 

 

 

 

 

 

少し中を見ていると今度はアルヴィンを見つけた。

 

 

「よ、ぶらぶらしてていいのか?」

 

 

プレザに話しかけているところだった。

 

 

「そうやって気安く話されると、気分悪いんだけど?」

 

 

「怒るなって、ひさびさにこうやって一緒に戦ってるんだからよ」

 

 

機嫌の悪くなっていくプレザにいつものような話し方をするアルヴィン。

 

 

「あなた……いつか殺してやるわ」

 

 

ここからでもプレザの殺気を感じるな。

 

 

「物騒な話すんなって、また、前みたく仲よくやろうぜ」

 

 

手を差し伸べるアルヴィン。ここから見てもプレザが頬を紅くするのが見える。

 

 

パァン! 

 

 

プレザはアルヴィンの手を叩いた。

 

 

「あなたのおかげで、私の仲間が何人死んだのか忘れたのかしら」

 

 

「昔の話しはよそうぜ」

 

 

「私だって、敵に捕まって……どんな目にあったと思ってるのよ……」

 

 

「…………」

 

 

プレザの言うことに何も言えないアルヴィン。

 

 

「あの頃のあなたのいる場所が私の居場所だった……二度と、私に期待させないで……もう……捨てられるのはゴメンよ」

 

 

そんな重い空気の二人の間に、

 

 

「プレザ、すぐに来てくれ。ラ・シュガル兵との編成について意見がほしい」

 

 

ウィンガルが現れた。

 

 

「ええ、行くわ」

 

 

そして、アルヴィンから離れていくプレザ。その彼女の背中を見ながらアルヴィンは呟いた。

 

 

「仲間に頼られちゃって……あるじゃねーか。居場所……」

 

 

何か寂しそうなアルヴィンだな。さて、他に行こう……か?

 

 

「………」

 

 

「ど、どうしたミラ?」

 

 

ミラの俺を見る目が何やら怖いぞ。

 

 

「お前はプレザとは知り合いだったな……」

 

 

「あ、ああ。3年前からな」

 

 

「3年前、何を話した?何をした?」

 

 

ん?何やらへんな方向に話が……。

 

 

「3年前にプレザの愚痴を聞いたんだよ。前にも話したろ?男に裏切られたって。……アルヴィンのことだったのか」

 

 

「……他にはなかったのか?プレザは私から見てもかなりいい女だ」

 

 

「……おいおい。俺は初めて会った時からミラのことが好きだったんだぞ?他の女なんて見向きも……」

 

 

「しないのか?」

 

 

「…………(汗)」

 

 

俺は逃げようとするが、

 

 

ガシッ!

 

 

「ニガサナイゾレオン!」

 

 

いつもの如く、肩を掴まれる。

 

 

こうなれば!

 

 

「ミラ!」

 

 

「ん――!?んっ…は…んむっ…んんっ…」

 

 

さすがにここでは色々とできないがキスならできるし、こうすればミラも落ち着くだろう。

 

 

「んんっ、ちゅ…ちゅぶ、ちゅ……ミラ……」

 

 

「んっ…は…んむっ…んんっ…レオ、ン」

 

 

唇をゆっくり離す。

 

 

「落ち着いたか?」

 

 

「バ、バカもの!こ、こんなところでなど///」

 

 

「ミラが俺を信じないのがいけないんだぞ?そりゃあ、俺だって男だぜ?好きな彼女に告白できなかったんだ。他の女性を見るだけなら罰は当たらないだろ?何をしてないんだし。キスも色々なものは全部ミラが初めてだったんだから」

 

 

「そ、そうか///なら、いいんだ///」

 

 

顔を紅く染めるミラを見ながらクククっと俺は笑う。

 

 

「じゃあ、次行こうか」

 

 

「そ、そうだな///」

 

 

 

 

 

 

 

また、中を歩いているとエリーゼとティポ、ジャオが話していた。

 

 

「じゃあ、私のお母さんとお父さんを殺した野盗って……ジャオさんだったんですか!」

 

 

「嘘だと言ってよ!おっきい大きいおじさん!」

 

 

……どうやらエリーゼの両親の話をしているみたいだ。

 

 

「……本当じゃ」

 

 

「…………それ、本当なんですか?」

 

 

「ぬぅ?」

 

 

エリーゼはジャオが本当に両親を殺したのかを疑っているな。……そういえば、原作でもジャオが殺したっていう確たる証拠もなかったな。ジャオがそう言っていただけだし……。

 

 

「本当じゃ。儂が娘っ子の両親を……」

 

 

「じゃあ、何で目を逸らすんですか?」

 

 

「っ!?」

 

 

エリーゼの指摘にジャオが慌てる。

 

 

「レオンは言っていました。人は嘘をつくと話している相手と目を逸らすことがあるって。そんな時は大抵嘘を話している……と」

 

 

「レオン君はそーいってたよ?大きいおじさん、本当のことを話してよ!」

 

 

エリーゼとティポ……二人に見つめられるジャオ。

 

 

そんなジャオが遂に、

 

 

「…………わかった。真実を話そう」

 

 

折れた。

 

 

「今から数年前、儂は密猟者どもを追っておった。そんなときじゃ。悲鳴が聞こえてきたのは。その悲鳴のしたところに行くと男女が腹から血を流しておった。儂は密猟者を追わず、治療するために男女を担ごうとしたのじゃが……男女はこう言いおった。

 

 

≪わたしたちはもう、長くないでしょう。だから……名も知らない人にこのようなことを頼むのはダメであると思っていますがお願いします≫

 

 

≪俺たちの娘を……エリーゼのことをお願いします。あの子はまだ幼い……たのみ、ま……≫

 

 

それが儂が離した男女の最後じゃった。その後、儂はその周辺を捜したが、娘っ子、お主はいなかった。それから数年後、お主をあの研究所で見つけたのじゃ。後は娘っ子が知ってからの生活じゃ」

 

 

エリーゼは驚いている。いや、これには俺も驚いている。まさか、エリーゼの両親を殺したのはジャオじゃなくて密猟者だったんだから。

 

 

「そう……でしたか。だから、ジャオさんは私を心配しててくれたんですね」

 

 

「おどろいたけど……ありがとう、大きいおじさん!」

 

 

「本当にありがとうございます!」

 

 

「娘っ子……」

 

 

ジャオが泣いている……そんな気がした。

 

 

「ミラ……」

 

 

「ああ……外に行こう」

 

 

俺はエリーゼとジャオを見守りながら外へ出る。

 

 

 

 

 

 

 

外に出るとミュゼがいた。

 

 

「ミラ。少し二人でお話ししたいの。いいかしら?」

 

 

困ったような表情をするミラに俺は言う。

 

 

「ミラ、話があるんだってさ。俺は先に城に戻っているよ」

 

 

そういい、俺は出たばかりなのに城に入って言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は王座の間の前に集まっている皆と話をしているとミラがミュゼと一緒に来た。

 

 

「お、来たか」

 

 

「全員そろったな。それじゃ、ガイアスのところに行こうぜ」

 

 

「お待ちください、みなさん」

 

 

アルヴィンがいざ行こうと言わんばかりに言っているのをローエンが待ったをかける。

 

 

「この戦い、ガイアスさんたちも本気のようです。準備だけは怠らないようにしましょう」

 

 

「ああ。そうだな」

 

 

俺たちは王座の間に入って、ガイアスに準備ができたことを伝え、艦に乗り込んだ。

 

 

いよいよ、アルクノア……いや、ジランドとの戦いだ!


 
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