No.458222

ぬこの魔法生活 第12話

pluetさん

無印編

2012-07-23 21:21:36 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:4816   閲覧ユーザー数:4486

 ◆ 第12話 もう一人の魔法少女(ふらいんぐ) ◆

 

 

 どうも。おはようございます、みぃです。

 最近、ベッドの上からのご挨拶がデフォになりつつあるぬこですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 前回の神社での一件から一週間、昨日も副業で魔法少女なるものをやっているご主人は夜に出勤していきました。

 どうやら、この前恭也さんに叱られたらしいのにまったく懲りていなかったようである。夜更かしはいけませんよ、まったく!

 ともあれ、そのせいか知らないけども、今日はいつもよりもゆっくり寝てます。寝顔かわゆいですなぁ。

 

 さて、ご主人に倣ってぬこももう一眠りしますかね、と目を閉じて数分後。

 

 「なのはー、朝だよー、起きないの?」

 「今日は日曜だからもう少し寝かせてよぅ」

 「なのはー」

 

 と、こんな風にフェレットもどきがピーピーうるさいのである。

 何より許せないのが、ご主人の安眠を妨害していることなのだ!!

 

 「なのはー、起き「がぶっ」へっ?」

 

 うる、そぉい!!

 

 「うわぁーー!? ふぎゅるッ!」

 

 壁にたたきつけてやった。ふむ、静かになった。

 でもまた寝てしまうと、翠屋のお仕事に行くのも億劫になりそうなので起きることにする。向こうも寝れるしね!

 その後、ご主人も起きて今日は副業の方をお休みするようだった。

 

 さて、ちょっと早いけど散歩がてら翠屋に向かいますか!

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 そんなわけで散歩をしているぬこなのですが、飲食店の食品サンプルの前でよだれを垂らしそうな勢いでじっと……むしろじっとりと見つめているお姉さんを発見しましたよ。

 手にはなぜか大量のドッグフード。

 

 「……じゅるり」

 

 ちなみに現在午前9時30分過ぎってところである。

 いくら見つめても食品サンプルは喰えないし、開店時間ですらないのである。

 せっかくの美人さんが残念な人にしか見えない。

 

 「食べたい……でも、もう買っちゃったしなぁ。両方食べるわけにはいかないかぁ……」

 

 ………ぬこは耳がおかしくなったの? 今このお姉さん、『両方』食べるとか言いました?

 いやいや! さすがにドッグフードは人間食べれませんよ! せめてキャットフードに!

 ぬこの分けてあげるからっ! ねっ?

 

 「ん、どうしたんだい? じっとこっちを見て? ……はっ、だ、だめだよ!?

 このドッグフードはあたしのだからね!」

 

 ホントに喰うつもりだぁー!? 違うよ!?

 今、自分でドッグフードって言ったじゃん! お姉さんどう見てもわんこじゃないでしょ!?

 

 そんな風に二人、正確には一人と一匹でギャーギャー言ってると一人の女の子がやってきた。

 

 「ア、アルフぅ、恥ずかしいよ、やめてよぅ!」

 「フェイト! だって、この子が私のドッグフードを!」

 「そんなにあるなら分けてもいいんじゃないの?」

 「だめに決まってるじゃないか! これは朝食用、おやつ(10時)、昼食用、おやつ(15時)、観賞用、夕食用、夜食用って全部決まってるんだよ!?」

 

 少なくとも観賞用はいらなくないか? ぬこもいらないけど。

 というかお姉さん、なんか頭とお尻からふわふわしたものが出てきてません……?

 

 「あ、アルフっ! 耳としっぽ出てるっ!」

 「あっ、おっと、危ない危ない」

 

 セーフ、セーフとか言ってますけどどう考えてもアウトじゃね?

 

 「もうっ、アルフったら。ネコさんも内緒だからね?」

 

 あぁ、また魔法関連ですか。もうおなかいっぱいですよ。

 ということは、このアルフさんとやらはわんこが変身した姿と。そんなこともできるのか魔法は。

 いいなぁ、ぬこも欲しいです。

 

 ん? そうなると我が家にいるフェレットもどきことユーノも変身できるのか?

 あるいは変身した姿がアレなのか? これは、本格的にご主人への接触を妨害せねばなるまい!

 ここは恭也さんや士郎さんと協力して対応したほうがいいんだけど、ぬこは喋れないし。

 くそぅ、魔法が使いたいです、安○先生。

 

 「ごめんね、ネコさん。アルフがいじめて。ほら、アルフもちゃんと謝って」

 「うぅ、別にいじめてたわけじゃないのにぃ」

 

 なんか、さすがにかわいそうなのでかばうように間に立ってみる。

 

 「あんた、かばってくれるのかい? うぅ、いい子だねぇ」

 

 そういって抱きしめてくれるアルフさん。おふぅ、なんていいおっぱい! じゃない、抱かれ心地!

 ぬこは答えを得たよ!

 

 「………(じー)」

 

 少女がうらやましそうな目でこちらを見ている!

 

 「ん? フェイトも抱いてみるかい? 気持ちいいよ?」

 「えっ? いいのかな?」

 「にゃあ」

 

 存分に愛でるといいよ! ぬこは愛でて何ぼなんですよ。

 ぎこちなくだけども、優しく抱いてくれるフェイト嬢。ふはは、ぬこモテモテ!

 

 「わぁ、ふかふかだ。そういえばリニスもこんな感じだったっけ」

 「むぅ、自分で渡しといてなんだけど、ちょっと複雑だよ……」

 「さ、帰って捜索を始めないとね。じゃあね、ネコさん。アルフ、行こう」

 「あ、うん。そうだ、あんた青い宝石みたいなのを見ても近づいちゃだめだよ?

 アレは危ないものだからね。じゃあね~」

 

 行ってしまった。魔法の関係者みたいだったけど、ユーノのお仲間かね?

 それに青い宝石、ね。どっかで見たような気もするが……気のせいか?

 

 っと、そろそろ翠屋に行かなければ。

 看板ぬこに遅刻なんてないけど、よく訓練されたぬこは遅刻なんてしないのだ!

 

 

 

 

 

 

 翠屋についたぬこはいつも通りに看板ぬことして、入り口で座っています。

 しばらくぼけっとしてると、なにやら士郎さんがサッカー少年たち+ご主人やアリサ嬢たちを引き連れてやってきた。

 

 「さっ、みんながんばったことだし、今日は貸切だ! 遠慮なく食べていってくれ!」

 

 そういえば、士郎さんは少年サッカーチームの監督をしてるって聞いたことがあったな。

 どう考えてもそんなイメージはないがな。剣道とかならしっくりくるんだが。

 

 「なのはたちはどうする? 今日は天気もいいし外でもいいぞ?」

 「あっ、みぃ君やユーノ君もいるし外でいいよ」

 

 ご主人たちは応援だったのか。

 こんな美少女たちの応援がある時点で負けるはずないだろ、jk

 

 「ほら、みぃ君もこっちにおいでー」

 

 はいはい、今行きますよー

 

 で、ご主人たちが座っているテーブルへ行くとユーノがアリサ嬢とすずか嬢にもみくちゃにされていた。

 うらやま、けしからん! 呼んでおいてぬこを放置とは何事ですか!

 そんなプレイで悦ぶような性癖なんてぬこは持ってないよ! 今は!

 

 というか、そんなうらやましいことになってるユーノはというと、なんかなでられて目をぐるぐる回している。

 軟弱な、せっかくなでてもらえてるというのに目を回すとは失礼なやつだな!

 その点ぬこは、どんなになでられても目を回すどころか、すり寄ってあげれるんだぜ?

 ということで、ぬこの方が格上であるとQ.E.D(証明終了)

 まぁ、その後は普通にぬこのことも愛でてくれたので特に文句はないよ。

 

 しばらくすると、アリサ嬢たちはそれぞれに用事があるらしく、ここで解散と相成った。

 それで、ご主人と見送ったわけですがうちのご主人はというと、帰ってごろごろするそうな。

 ぬこみたいだな。というわけで、ぬこも一緒に帰ってまったりするとします。

 アフターファイブを楽しもう。ちょっと早いけど。

 

 

 

 

 

 そして自宅、ご主人はベッドに倒れこみグロッキー状態である。

 そんなに疲れるなら、副業の方の手を抜けばいいじゃないとか思うけど、やると決めたことに妥協しないのがご主人のいい所であり、欠点でもあるんだな、これが。

 

 「なのはー、寝るなら着替えないと」

 「……うん」

 

 いつの間にかユーノがご主人の着替えを覗こうとしていた!

 さ・せ・る・かぁーーー!! 

 

 「ふぎゅう!?」

 

 はい、本日二回目です。

 ご主人が着替え終わるまで部屋の外へ放り出す。無論、ぬこも外に出る。

 危ねぇ、油断も隙もないな!

 今朝方妨害しなければと決意を新たにしてすぐにこんなことになるとは……こいつ、確信犯じゃね?

 

 本気で何か対策を講じなきゃだめなんじゃ、と思っているとご主人とユーノは電波でも受信したかのように何かお互いに確認しあって、外にすっ飛んでいった。

 そしてぬこはいつも通りに置いてけぼりなわけである。

 まぁ、どうせ付いて行っても役立たずになるのは目に見えてるんだけどねぇ……。

 

 

 

 落ち込みながら帰ってきたご主人達を見て、手伝いどころか満足に慰めることもできない自分に腹が立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~おまけ~

 

 

 

 

 ジュエルシード発動時のフェイトさんたち

 

 「ッ!? アルフ、ジュエルシードの反応だ! 行くよ!」

 「ま、待ってよ、フェイト! まだこれ食べ終わってない!」

 「な、何言ってるの!? 早く封印しなきゃ、母さんが!」

 「フェイト。あのクソババアはね、昔こう言ったんだよ。『腹が減っては戦はできないわっ!』ってね。だから、きちんと食べないといけないんだよ(キリッ」

 「えっ、そうなの? じゃあ、しょうがないね」

 

 計画通り(ニヤリ

 

 

 

 

 

 ◆ あとがき ◆

 読了感謝です。

 一応、フェイトとの邂逅でした。おまけは気にしてはいけません。

 

 


 
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