No.454992

楽しく逝こうゼ?

piguzam]さん

第14話~いつの間にか転校~まるで時間が跳んだように…


この作品はキング・クリムゾン成分が多分に含まれております。
今回はおもしろくないです…

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2012-07-18 04:22:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:16229   閲覧ユーザー数:14038

『~~~♪♪』

 

朝6時30分、学校へ向かう準備をした俺は通学路を歩いている。

HIPHOP調の軽快な曲……『War! War! Stop It』が俺の耳元を鮮やかに彩る。

イヤホンからお気に入りの曲が流れればアラ不思議。

無色の朝を七色にを変えていく…だが、いつもの様に曲には乗れねぇ…なぜなら…

俺は今、昨日までとは違う道を歩いて学校を目指している。

なぜ違う道かと言われれば、昨日までとは学校が『違う』からだ。

 

『~~~~♪』

 

「ハァ…しっかしまあ…」

 

好きな曲が鳴ってもあんまりテンションが上がらねぇ…

まぁ、その原因は判っちゃいるんだが…

 

「まぁた、一から友達作らねぇとな…まぁ、フェイト達がいるからゼロじゃねぇが…」

 

そう、私こと橘禅はこの度『私立聖祥大学付属小学校』へ転校してしまった。

リンディさん達から何を聞いたのかは知らねぇが、お袋のテンションは留まるとこを知らず、天元突破の勢いで事が動き出し、いつの間にか編入、転校、前の学校の友達とお別れ会と、激闘の3週間を過ごした…

前の学校の奴には別れを惜しまれたが、違う学校になっただけで今までどおりに遊べるから涙涙のお別れってワケじゃないのがありがたい。

 

「にしても…リンディさんもプレシアさんもやってくれるぜぇ…俺の平和はどこへ家出しちまったんだか…」

 

『~♪~~♪~~♪~~♪』

 

新調した真新しい制服の着心地を確かめながら俺は自分の平和の行き先を考えていた。

…二度と帰ってこねぇだろうけど…俺よりイイ男の所にでも転がり込んでんだろう。ちくせう。

そんなことを考えながらふと、前を見ると、公立では滅多に見ないほど綺麗な校舎が見えてきた。

そこが俺の新しい学び舎の『私立聖祥大学付属小学校』だ。

今回は転校初日なのでバスには乗らなかったが明日からはバス通学になってる。

 

「今更プレシアさん達に逆らったら…終わっちまう…フェイトが絡むと無敵すぎるだろ?ありゃ…」

 

いくら娘の笑顔のためっつってもココまでします?今更逃げても前の学校には俺の席は無いし…

また泣かせてみろ?俺なんざ、簡単にピチュンされちまう。

普段でも勘弁な強さを誇るのに、プレシアさんはフェイトに何かあれば人が変わる。

その強さは阿修羅すら軽く凌駕してるし……娘への愛って凄い。

もう逃げようの無いのは仕方ないとして、俺は重い足を引きずって新しい学び舎に足を踏み入れる…

 

『~~~♪~~~~♪』

 

なぜかその曲の「愛には勝てない」というフレーズが心に強く響いてきますた。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「じゃあ、名前を呼んだら入ってきてね?」

 

「はい」

 

時間が変わって今は先生と一緒に教室まで行き、扉の前に待機している。

先に先生が教室へ入っていった。

転校なんざ前世でもしなかったから緊張すんなぁ……

ガラにも無く緊張していると先に入った先生の声が聞こえてきた。

 

「皆さん、おはようございます」

 

『おはようございま~す!!』

 

教室から、元気のいい声が響いてくる。

 

「さて、皆さん?実は…今日からこのクラスに新しいお友達がやってきます♪」

 

『おぉ~!!』

 

皆さん?随分とノリがいいね?

 

『どんな人かな?』

 

『先生!男の子ですか!?女の子ですか!?』

 

まぁ、定番な質問だわな。

 

『男の子よ♪』

 

『女の子じゃないのか~』

 

教室から残念そうな声が響いてくる。

悪かったな、コラ

 

『でも、面白い奴だといいな』

 

お?そこまで期待されちゃあ…やるしかねぇよな(笑)

 

『では、橘君、どうぞ?』

 

さぁて、逝きますか!!

俺は制服の乱れを直して、扉に手を掛ける。

 

「失礼します」

 

中に入って教壇まで歩いていく。

所々から『ちょっとカッコイイかも…』とか『ワイルドな感じがするよね』

と、ひそひそと女子の声が聞こえる…ニヤケちまいそうだぜぇ!!

だが、さすがに初日からそれはまずいので顔に力を入れて前を向く…クラスを見渡すと、フェイト達がいた。

…クラスまでは指定してないのに、まさか一緒のクラスになるたぁな…これなんて運命?

 

なのはとすずかはニコニコしてるんだが、残りの二人は……

 

「……♪♪♪」

 

「ふ~ん、中々似合ってるじゃない…」ニヤニヤ

 

フェイトは満面の笑みで俺を見ている…尻尾があったらブンブン振ってそうな感じだ。

一方のアリサはなんか…ニヤニヤしている。

なんか上から下までジロジロと見られてる気がするんだが…まぁ、いいか。

 

「じゃあ、橘君?自己紹介、お願いね」

 

先生の声でクラスが静かになる。

皆、期待した目で俺を見ている…アリサはニヤニヤしっぱなしだがな…

 

なんだ?俺が自己紹介でなんかやらかすと思ってるのか?

 

よろしい、ならば自己紹介だ。

 

「えぇ~皆さんどうも!こんにちは!」

 

『こんにちは~!!』

 

ノリがいいねぇ、良し!続けて逝くぜぇ!

ここで一礼、頭を上げてにこやかに笑う。

 

「お久しぶりです!!」

 

『今日転校してきたのにッ!!?』

 

息ピッタリだなおい!!?お兄さんビックリだよッ!?

 

「皆さんご存知、橘禅ですかッ!!?」

 

『聞くなよッ!?コッチが聞きたいよッ!?』

 

「特技は料理!趣味は料理!好きなもんは料理です!」

 

『全部同じだッ!?』

 

「そして苦手な物は料理です!」

 

『結局どっちなんだよッ!!?』

 

「こんな適当な俺様ですが…」

 

『丁寧なのに様付けッ!!?』

 

「今日もよろしくなッ!!」

 

『今日からよろしくだろぉおーーーーーッ!?』

 

こんな感じで普通?に自己紹介を終えますた。

なのはとすずかは苦笑いしてるし。

フェイトはオロオロしてるが、アリサは皆と一緒にツッコミをして叫んでる。

やっぱり、俺はこうでなくちゃな!!

久しぶりに騒いで楽しい気分のまま、俺は席に着いて、授業を聞いていく。

ちなみに席はフェイトとはちょっと離れたところで、ショボーンとしたフェイトが印象的だったぜ。

そ・し・て!!俺にとって今最高に嬉しい誤算がある!!そ・れ・は!!

 

「これからよろしくなの♪ゼン君♪」

 

そう、なのはが隣ってことだ!!これは正に神の思し召しってやつだろうよ!!

スェンキューー!!G・O・D!!

そう!!これはまさしく天啓なのだ!!

クックック……覚悟しろよ?な・の・は☆

俺は机から紙を出してペンを走らせ、書き終わったソレを先生に見えないようになのはへ渡す。

 

「?」

 

受け取ったなのはは?って顔で俺を見るので「開け」とジェスチャーで伝える。

それが伝わったようでなのはは紙を開いて中の内容を読み出す。

するとどうだろうか?段々となのはの顔が青くなっていくではないか。

手紙を読み終えたなのはは青くなった顔で俺を見る。

その顔には「冗談だよね?」と思いっきり書いてあった。

俺はなのはに目線を合わせてニッコリと微笑んでやる。するとなのはの顔色も回復してくる。

安心した顔のなのはに俺は微笑んだまま………親指で首をカッ切る動作を見せつける。

その動作を理解したなのはは再び顔を青くさせていく。

 

ちなみに手紙の内容は以下↓

 

『よぉ☆なのは♪この間はよくもまぁ脅してくれたもんだな(笑)

 魔力が無いのを知らされてなくてスッカリ騙されたぜぇ……

 授業中の今ならキッチリお返しができるからよぉ……ちょいと頭……冷やそうか?…

 …時に知ってるか?…『クレイジーダイヤモンド』はなぁ……普通の人には見えないんだぜ?』

 

俺の後ろから『クレイジーダイヤモンド』が現われてなのはの頭の側頭部に両拳を当てて待機させる。

もはやなのははガクブル状態だ。

そこに、なのはが念話で助けを求めたのか、フェイトが驚いた顔をして俺を見ている。

俺はフェイトに「シー」と人差し指を口元に当ててジェスチャーをする。

フェイトは訳がわからずにオロオロしている。

『クレイジーダイヤモンド』は周りではなのはとフェイトしか見えてないので止める事はできない。

 

 

 

……そして……『クレイジーダイヤモンド』が拳にグッと力を入れ始める……

 

 

 

さあ、O☆SHI☆O☆KI☆の時間だぜ?ベイビー?

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の授業中、なのはは何度も「にゃ゛ッ!!?」と踏まれた猫のような声を出して先生に注意されていた(笑)

 

 

 

 

 

キング・クリムゾン!!

 

 

 

午前の授業も終わり、お昼休みになったので俺は弁当を出す。

なのははまだ痛そうに頭の両脇を押さえてる。

休み時間は結構な人数が質問しにきたが、ある程度聞きたいことが終わったのか今は質問は来ない。

男子は中々受けたようで『これからよろしくな!』と言ってくれたし、受けはいいようだ。

女子も反応は良かったんだが…クラスの女子と楽しく話していたときのフェイトの視線はキツかった…

目が怒ってるというか、頬がぷっくりと膨らんでた。

クラスの連中の質問が多くてフェイトとは今日はまだ会話ができていない。

そのことに相当怒ってるようで、今も目が合ったらそっぽを向いちまうし……どーしよぉか?

 

「橘君?ちょっといい?」

 

どうやってフェイトに話しかけようかと考えていたら、クラスの男女のグループが弁当を持ってこっちに来た。

 

「ん?なんだぁ?」

 

「良かったら一緒に食べない?皆で食べたらおいしいし、楽しいよ♪」

 

ピクッ

 

ん?なんか動いたような…気のせいか?

 

「橘君?」

 

「あ?あ、あぁワリィ…」

 

まぁ、他に誘ってくる奴もいないし、俺も騒ぐほうが楽しいからいっか。

 

「そうだな、そいじゃ一緒に…」

 

ビュンッ

 

ガッシイィィィイイィッ!!!

 

「食おっぎゃあぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁ………」

 

「あ痛たた……ってフェイトちゃんッ!?」

 

何だッ!?何が起こったッ!?どうなってんのッ!?

弁当を持って立ち上がった突如、首筋に感じた襟を掴まれる感覚の後なのはの声を尻目に、俺の視界いっぱいに廊下の天井が広がってきた。しかもその風景が猛スピードで流れていく。

未だに襟首を掴まれてる感覚があるので誰かに引っ張られてるようだ……廊下を爆走しながら……

 

いやいやいやッ!?何これッ!?

 

そうやって流れる景色を視界にパニクッていると、一瞬襟から手が離れ、弁当を持っていない方の手を掴まれた。

そして……

 

ズガンッ!!

 

「おぶちッ!?」

 

突如後頭部に衝撃が走った。メチャ痛いです。

目の奥がチカチカと光る。

それも衝撃は一定の間隔で絶え間なく襲ってくる……つまりは階段を登っているってことだ。

 

「ちょっ!?まっ!?(ズガンッズガンッズガンッズガンッ)あばばばばばばばばばばばばばッ!!?」

 

待ってっ!?

でちゃうッ!削れちゃうッ!摩り下ろされちゃうぅぅぅぅぅうッ!!?

イキナリのトンデモ事態に思考がおいつきまっせぇえん!!?

 

そして扉が開かれて、視界いっぱいに青空が広がり俺を引っ張ってきた奴の髪が翻る…綺麗な『金色』の髪が…

どう見てもフェイトさんです。本当にありがとうございます。

どうやら、俺は屋上に連れてこられたようだが、一体ナゼェ?

後頭部の痛みに悶えてる俺はそれ以上は考えるどころじゃなかった。

 

「こ…後頭部が…やばいッス…」

 

だが、俺を連れてきたフェイトは俺の声に反応せずに放置して、そのままベンチへ向かってしまう。

そして、一人でベンチに座って弁当を広げる。

目は瞑られ眉毛は八の字を書いている。さっきと変わらず頬は膨れたまんまだ。

…絶対怒ってら、ありゃ……つうか、よく俺を引っ張って来れましたね?フェイトさんや?

フェイトにしてもアルフにしてもその細腕のどこにそんなパワーがあんの?

 

「お~…いちち……」

 

俺はなんとか痛みをこらえてフェイトのいるベンチへ向かう。

何とか機嫌直してもらわんと…このまま無視されんのは辛いし…プレシアさん達にブッ飛ばされちまう…

 

「あ~…フェイト?」

 

「…………」

 

俺の声には反応せず、弁当をパクついている。

なんか、メチャ拗ねてるって感じだな。

 

「その~…き、今日から一緒のクラスだな?……よろしくな?」

 

「…………」

 

心が…泣きそうです…

 

「え~と、そのぉ…なんかゴメンな?中々喋れなくて…」

 

「………ばか…」

 

「ぅえ?」

 

小さくて聞こえづらい声で返答されたので情けない声が出ちまったい。

 

「ゼンの…ばか…クラスの娘とばっかり、喋ってたもん…」ウルウル

 

なんか…少しばかり目が潤ついてるんですが…涙声に近いような…やっべえ…

 

「い、いや!その…ホ、ホントに悪かったって!謝るから許してくれ!」

 

「……知らない」ぷい

 

フェイトは俺の言葉に耳も貸さず、そっぽを向いちまった。

や、やべえ!!

このままじゃマジでプレシアさんに…ガクブル…

 

「な、何でも一個だけ言うこと聞くからよ!このとーり!」

 

俺は両手を合わせて拝み倒す。

ハタから見りゃ、彼氏が彼女に謝ってるようにしか見えない情けない図だが、命の方が大事よッ!!

 

「…………」

 

「うぅ……」

 

沈黙が……辛いです…ちなみに今、情けない声(二度目)を上げたのは俺です…

 

「………本当に?」

 

「うぇ?」

 

いきなり聞き返されて情けない声(三度目)が出ちまった。

 

「………本当に…何でもいいの?…」

 

「お、俺にできる範囲なら…」

 

頭を上げてないから俺にはフェイトの表情は判らないよい。

 

「…じゃあ…許してあげる…」

 

うおぉぉっ!?た、助かった!!

俺は急いで顔を上げる。

 

「よかったぜぇ…あのままフェイトに嫌われちまったらどぉしようかと…」

 

「……嫌いになんてならないもん(ぼそっ)///」

 

「そ、それで?俺は何をすりゃいい?」

 

「え、ええと…///」

 

なんかフェイトは自分の箸をみてモジモジしだしたんだが…可愛いすぐる。

 

「……せて///」

 

「ん?」

 

声が小さすぎて聞こえなかったので聞き返すとフェイトは一度目をギュッと閉じて俯く。

少しして、フェイトはゆっくりと首を上げ、俺を真っ直ぐ見つめてくる。

……右手に持った箸を俺に差し出して……ゑ?

 

「ゼンが…食べさせて///」

 

 

 

 

 

 

……ゑ?何そのご褒美?

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「ほれ。ア~ン」

 

「ア、ア~ン///」

 

フェイトは幸せそうな顔でご飯を食べている。

なんか……ひな鳥に餌を与えてるような……すっげえ可愛いんですけど。

 

「ほら。ア~ン」

 

「ア、ア~ン///」

 

フェイトに二口目を食べさせながら俺も弁当の包みを解く。

俺も食いますか…腹減ったし…

弁当を開けて中身を咀嚼していく…途中、視線を感じて顔を上げると…スッゴイ驚いた顔のフェイトが俺を見ている

なんだ??

 

「ゼ、ゼンッ!?///」

 

「?…あっ~…」

 

フェイトが驚いている理由はどうやら俺の手元にあるらしく、それが何かは見て一発で判った。

間違えてフェイトの箸で食っちまったわ。

 

「わ、悪い…洗ってくるわ…」

 

「う、うううんッ!!?///そ、そそそそのままで良いですッ!!///」

 

良いのかよッ!?ってフェイトさんッ!?なんかお顔が真っ赤ですけど!?

湯気どころか蒸気噴いとる!?

 

「うぅぅ~…あうあぅあぅ……///」プシュ~~

 

そのまま暫く、フェイトは自分の箸で食べさせられる度、顔を赤くしていった……

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

その日は屋上に来ると、口から白い粉を吐く生徒が続出したそうだ。

 

その中には彼女の親友達の姿も発見されている…

当事者の彼女は午後の授業中、とても幸せな顔をしていたと親友達は語っていた…

 


 
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