曹操と別れた俺たちは、揚州に来ていた。
孫策に付く気もない。三国のいずれかに付いてもいいんだが、それでは原作通りに
なってしまう可能性がある。
こういう言い方はまずいかも知れんが、それでは面白く無い。先の分かった未来など退屈なだけだ。
だから俺は、違う未来を見てみたい。蜀に付いて三国で仲良くするのでない、
魏に付いて、大陸を覇で覆い尽くすのではない、呉について、魏を打ち倒し二国鼎立するのではない、
全く違った先を見てみたい。だから、呉にも仕えない。
だが、会っておく価値はある。全く違った先でも、彼女達が中心となるのは間違いない。
彼女達が居なくなったら、間違いなくこの大陸は終わるからな。
「兄様、川がありますよ。少し休憩しませんか?」
と、自分の考え事に没頭していた俺に流琉がそう言った。
「そうだな、そろそろ黒兎を休ませるか。それにもう昼時だ。魚でも取って食べるか。」
「はい。」
そう言って川に近づき、黒兎から降りると、
「ああ~!塩とお酒忘れた~!どうしよう、このままでもいいんだけど、やっぱり一杯やりながらじゃ
ないとな~。冥琳に見つかって、焦って来たのが間違いだったな~」
と、困った声をあげているのは、桃色の髪と、褐色の肌が特徴的な、美人な女性だった。
そして、俺たちに気がつくと、
「うん?あ、もしかして旅の人?ねぇねぇ、もし持ってたらでいいんだけど、
塩とお酒分けてもらえないかな?もちろん只でとは言わないわよ。」
そう言って自分で釣ったであろう、大量の魚を見せる。
「兄様、どうしますか?」
「そうだな、美人の頼みを無下に断るのも良くないしな。
流琉、前に寄った街で買った酒を出してくれるか?」
「はい。」
そう言って荷物を漁る流琉を脇目に、
「あら光栄ね、貴方の様に綺麗な人に言われるなんて。」
またか・・・
「何を勘違いしてるかわからんが、俺は男だぞ。」
「え、嘘!本当に?全然見えないわよ~」
俺は下ろしていた髪を後ろで雑に纏める。
「これでどうだ?」
「う、たしかに男に見えるけど・・・」
「見えるんじゃなくて男なんだ。」
まあいいさ。
「それよりどうするんだ。魚、食わせてくれるんだろう?」
「ええ、いいわよ。そっちも塩とお酒くれるみたいだし。」
そう言って腰から提げた、南海覇王を抜き、石にぶつけ火を起こす。
「あの、この魚どうやって食べます?簡単になら調理出来ますけど?」
「私、そのまま塩焼きにして食べるのが好きなのよね。そうしてくれる?」
「はい、分かりました。」
流琉はそのまま、内蔵取りの作業に取り掛かる。
「ほらよ、そこそこいい酒だ。俺の名は韓義、字は紅炎だ、こっちは典韋。」
持っていた徳利に酒を入れ、それを手渡す。
「ありがと。こくっ、ふぅ~。いいお酒ね。
私の名前は孫策、字は伯符。よろしくね♪」
と、ウィンクをしながら言う孫策はかなり可愛らしかった。
「あとは焼くだけですね。もうちょっと待ってくださいね。」
内蔵を取り終わり、魚を串にさして、それを火の前に突き刺す。
「こくっ、ふぅ~。あら、貴方は飲まないの?」
「徳利が一つしかなくてな。流琉はまだ飲めないし。」
「あら、そうだったの。ごめんね~、私ばっかり飲んじゃって。」
そう言って徳利を俺に戻す。
「悪いな、「あ、兄様、注ぎますよ。」ありがとう、流琉。」
流琉は本当にいい子だな。
「ねえ、典韋は貴方の事兄様って読んでるけど、兄妹なの?」
「いや、流琉は俺が旅をしてる途中で出会ってな、それ以来そう呼ばれてるだけだよ。」
そう言うと孫策は、
「ふ~ん。旅をねぇ。あ、そろそろいいんじゃない。」
孫策は魚を一匹手に取りかぶりつく。
「う~ん、おいし~。やっぱり魚は塩焼きに限るわね。貴方達もどうぞ。」
「なら頂くか。」
「はい、頂きます。」
そう言って食べ始め、軽く会話を挟みながら、魚を食べ終える。
「ふぅ~。お腹いっぱい。ご馳走様。」
「「ご馳走様。」でした。」
「そういえば孫策といったな、虎の娘がこんなところに居ていいのか?」
「あら、母様の事を知ってるの?」
「まぁな。」
最近知ったが、やはりこの世界でも孫堅は死んでいた。だから孫策は今袁術の客将に
なっている。
「ちょっと今面倒なことが多くてね~。毎日机に齧り付いて書類仕事ばっかり、
少し息抜きしたかったんだ。」
「そうか、だがいつまでものんびりしてる訳にもいかないようだな。」
そう言って立ち上がる。
「え、どうしてよ。もうちょっと飲みま「雪蓮!」うわ、冥琳!」
孫策の後ろに立ち、般若の如き顔で睨みつけている、周瑜の姿があった。
「あはは~、冥琳どうしたの~こんなところで・・・」
「雪蓮、それはこっちの台詞だ。こんなところで何をしている。まだ今日の分の
書類は終わっていないぞ。ん、貴方は?」
「只の旅人だよ。さっきまで孫策と昼飯を食べていてな。」
「そうか、すまない。我々はここらで失礼する。ほら雪蓮、帰るぞ!」
そう言って、孫策の首根っこを掴み歩き出す。
「ああ~ん、冥琳のいけず~。いいじゃないちょっとぐらい。」
「ちょっとと言って半日も城を空ける太守がどこにいる!さあ帰るぞ。」
「ぶ~ぶ~。冥琳のわからz「何か言ったか?」何も言ってませ~ん。」
渋々馬に乗り、帰ろうとする孫策。
「じゃあな、孫策。魚美味しかったぜ。」
「ええ、お酒の方も美味しかったわ。また機会があったら会いましょう。」
そして、周瑜と護衛の兵を連れて帰っていった。
「なんか、賑やかな人でしたね。」
「ふっ、そうだな。よし、腹も膨れたし出発するか。」
「はい、兄様。」
あとがき
こんにちはnontanです。
今回は少なめで。
という訳で、オリジナリティを増やすため三国には付かず、
その他の勢力に付かせます。
あ、袁家は有り得ませんよ。
ご意見、ご感想、ご指摘があればコメントしていただけると嬉しいです。
でわでわ
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自由人こと孫策さんです。