No.448348

ぬらりひょんの孫になっちまった!? 第三幕 リクオ、三歳になる

白鶴さん

死んでしまった俺はぬらりひょんの孫の世界に転生することになった。まぁ、適当にがんばればいいかな……って、あれ?なんで俺の名前リクオになってんだ!?……まっ、いいか!百鬼夜行の主になってやるぜ!

2012-07-07 20:07:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:14824   閲覧ユーザー数:14597

さて、ぬらりひょんの孫として転生してしまった俺こと奴良組三代目・・・いや、まだ、若頭だけどさ。

 

それにしても、妖怪に転生させてくれ、とは言ったけど、リクオってなんでじゃいっ!?

と、最初は思ったさ、でも、よくよく考えてみると別に関係ないんじゃないか?むしろ、安全面ではその辺の妖怪として転生させられるよりいいじゃん!

 

三代目だからね、大事にしてくれるよ。過保護なくらい。

 

いやはや、神様がそこまで考えて転生させてくれるとはね。いいとこあるじゃないか!

 

『いや、その、そこまで考えてなかったんですけど・・・』

 

ん?なんか、聞こえたような・・・まあ、いいか!

 

そんなこんなで、奴良リクオは三歳になりました!

 

・・・え?早過ぎるって、いやでもさ、赤ん坊の頃なんて動けないし、喋れないし、特に何にもなかったんだよ。せいぜい、精神が高校生なのにオムツしたり、母乳を飲んだりしなきゃいけないのが複雑な気分だっただけさ・・・もう、二度と思い出したくない。

 

しかし、原作通りになると鯉伴・・・いや、父さんは死んでしまうかもしれない。

なんとかしようとは思うんだけど、三歳じゃ修行させてくれないしなあ。・・・立派な三代目になるためって言えば、させてくれるかな?

 

そういえば、寿命ってどうなるんだ?妖怪の血が半分しか入ってない父さんでも、予想だと四百歳位かもしれない。それであの若さだし、俺も相当長く生きるのかもなあ。

 

「若ー、どこですかー!?もう、降参しますから出てきてくださいー!」

 

おっと、考え事してたせいでつららに気付かなかった。ちなみに、庭でかくれんぼをしている途中だったりする。もう、一時間も隠れてるし、出て行ってあげるか。

 

「つらら、全然駄目じゃないか?今までかくれんぼして俺を見つけられたことないし・・・」

 

そう言いながら畏を解くと、つららが頬を膨らませて怒った。

 

「仕方ないじゃないですか!明鏡止水を発動させている若を見つけられる訳ないですよ!」

 

「じいちゃんや父さんなら、見つけられるよ?」

 

「初代や二代目と比べないでください!」

 

実は、明鏡止水の練習としてかくれんぼをしていたのさ。え?いつの間にできるようになったんだって?いや、なんとなくできるかなーと思って、意識してみたらできちゃったんだよ。ちなみに人間の状態ね。妖怪化はまだできないんだよ。

 

「あー、ごめんごめん。そろそろお昼ご飯の時間でしょ。俺、つららの作った料理が食べたいなー」

 

「えっ!?ほ、本当ですか?冷たくなっちゃいますよ?」

 

「本当だって、冷めててもうまいよ。」

 

これは、原作のリクオと同意見だ。実際に食べたが本当にうまかった。

 

「わかりました!腕によりをかけて作りますね!台所に行ってきます!」

 

パタパタと忙しく、走っていってしまった。突然、機嫌がよくなったな。なんでだ?

 

「おう、リクオやここにおったのかい」

 

「あ、じいちゃん。どうしたの?」

 

話しかけられるまで、気配も感じなかった。さすがぬらりひょんだな。

 

「いつもの飯屋にいくんじゃが、リクオも一緒に行くかい?」

 

「駄目だよ、今日はつららが腕によりをかけて料理を作ってくれるんだから、じいちゃんも一緒に食べようよ!」

 

無銭飲食もほどほどにしとかないとな。・・・俺も一緒にしたけどさ、少しだけ、本当に少しだぞ。

 

「そうかい、じゃあ家で食うことにするかの」

 

じいちゃんは俺にだいぶ甘い。いざという時は普段からは考えられないくらいしっかりしてるんだけどな。

 

「じゃあ、座敷に行って待ってようよ」

 

「そうじゃな」

 

ーーーーーーー

 

座敷で用意された昼飯を食べる。

 

「どうぞ、召し上がってください!」

 

「今日はつららちゃんが特に頑張ってくれたのよー」

 

上から、つらら、母さんの順番だ。

 

「おお!そりゃ、楽しみだな」

 

この感想は父さん。ちなみに納豆小僧とかその他、色々な妖怪が座敷に集まっている。

 

「では、いただくとするかの」

 

「「「「いただきます!」」」」

 

俺はとりあえず、白飯のはいったお茶碗を手に取り、一口食べてみる。

 

ガリッ

 

・・・鳴ってはいけない音がした。どうやら、みんなも同じようだ。

 

「あの、お口に合いませんでしたか?」

 

つららが心配そうに聞いてくる。男ならここで、弱音を吐いてはいけない。

 

「お、おいしいよ。さすが、つららだ。ねえ、父さん?」

 

「お、おう。美味いぞ」

 

「そうですか!良かったー。どんどん食べてくださいね。まだまだ、沢山ありますから!」

 

みんなは絶望的な表情になった。きっと俺もだろう。いつもは冷めてるだけなのになんでこんなことに・・・

 

ーーーーーーー

 

その後、何とか完食した。

なぜか、昼飯を食べたはずなのにかき氷を食べた気分だ。あ、あとじいちゃんはみんなが食べている中こっそり飯屋に行ったようだ。じいちゃんめ!逃げたな!

 

「そういえばリクオ、もう、明鏡止水を発動できるようになったんだって?」

 

父さんが、話しかけてくる。父さんもだいぶ腹がキツそうだ。

 

「うん、なんとなくできたんだ!」

 

これはちょっとした自慢だったりする。原作のリクオより成長が早いのは少し嬉しい。

 

「すごいじゃないか、俺でも三歳の頃はできなかったぞ」

 

そう言って、頭をわしゃわしゃと撫でてくれる。体に精神が引っ張られてるのか、素直に誉められて嬉しい。

 

「鯉伴様も早熟でしたが、リクオ様はそれ以上ですなあ」

 

鴉天狗がパタパタと飛んできた。・・・やっぱり、小さいな。

 

「ん?リクオ様どうかましたか?」

 

「い、いや!なんでもないよ!」

 

「まあ、いいですか。」

 

あ、危ない。自分でも意識しない内にジーっと見てたみたいだ。鴉天狗に一度何で小さいのか聞いてみたら口を聞いてくれなくなったからなあ。気をつけないと。

 

「しかし、これで奴良組は安泰ですな」

 

「おい、待てよ。鴉、それはちょっとばかし気が早いんじゃねえか?」

 

どうやら、父さんは俺が人と妖怪のどちらを選ぶかわからないから心配してくれてるみたいだ。でも・・・

 

「俺は三代目になるよ。父さん」

 

ボソッと誰にも聞こえないくらいの声で言った。でも、妖怪の道を選ぶ訳じゃない、だからといって人として妖怪を避ける訳でもない俺は人と妖怪が仲良くできるようにしたいと思っている。

 

「リクオ、どうしたんだ?」

 

そのためにも

 

「父さん、俺に剣術を教えてくれない?」

 

強くならないといけないな。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択