No.447406

魔法戦記リリカルなのは 二人の転生者の願い 無印編

DFGNEXTさん

今回はひたすら話します。
ついでにA'sの複線も張ります。


それではどうぞ!!

2012-07-06 19:52:10 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:863   閲覧ユーザー数:849

第一章 無印編

第十五話「Let's Speak The Truth Now」

 

 

 

三人が案内されたのは、アースラ内の一室であった。

なのはは以前来たことがあるので、特に何も感想はないが、

知識しかない彩斗は興味津々という感じで周りをきょろきょろ見ていた。

ユーノはうまくいくか緊張していた。

 

さて三人が部屋に入って最初に目に入ったのは、盆栽、茶室、ししおどし。

綺麗な正座を組んで座っているリンディのこともあり、違和感が半端ではなかった。

というか「日本なめてんのか?」という気持ちが彩斗にはあった。

 

「お疲れ様。まあ三人ともどうぞどうぞ。楽にして?」

 

なのはは久しぶりといったような感じで彼女を見る。

そんななのはを見るユーノ。

リンディに普通に視線を向ける彩斗。

反応は三者三様であったが、とりあえず三人とも座る。

 

「どうぞ。」

 

差し出される羊羹と緑茶。

 

「あ・・・は、はい。」

 

素直に受け取る三人

 

「さっき名乗りましたが、改めて自己紹介を。時空管理局巡察艦艦長のリンディ・ハラオウンです」

 

「時空管理局執務官のクロノ・ハラオウンだ」

 

「九十九彩斗です。」 ・・・!

 

「高町なのはです」

 

「ユーノ・スクライアです」

 

自己紹介が終わり、事情聴取が始まった。

それが先ほど終わる。

 

「そう・・・ジュエルシードを発掘したのは貴方だったの。」

 

「はい・・・だから、僕が回収しようと・・・・・・。」

 

「立派だわ。」

 

「だけど、同時に無謀でもある。」

 

「無謀いうのは勝手だが、少々言いすぎだ。

 そもそも彼は管理局に許可をもらって来ているんだ。

 

 しかもこちらで俺たちが彼を保護した後

 母さんもう一度連絡した。

 

 随分と到着が遅かったようだけど・・・。

 無謀とか言う前にまずは彼に頭を下げるべきでは?

 口で言うだけなら管理局はいらないでしょ?

 

 彼がいなかったら俺は封印すらできなかったんだ。(厳密にはなのはができたそうだが・・・。)

 

 確かにユーノの単独行動は無謀だったかもしれない。

 けど、彼が来なかったら海鳴や、一つ間違えば地球が終わってたかもしれない。

 今更首を突っ込んできたあなた方よりいい仕事してたと思いますが?」

 

その言葉に管理局側が申し訳なさそうに頭を下げた

彩斗も言いたいことはすべて言えたので特に追求はしなかった。

 

「ところであなた達は我々とロストロギアについて

 どこまで知ってるの?」

 

リンディがそういう。

彩斗となのははアイコンタクトし、彩斗が説明することになった。

 

「世界にはいくつかの世界がある。それを管理局は次元世界と呼んでいる。

 ここ地球は第97管理外世界とも呼ばれている。そして次元世界には色々な世界がある。

 

 ここ地球のように魔法技術が発達していない世界や、

 逆にそちらの世界のように魔法技術が発達している世界も有る。

 

 そして、その中には技術進化が進みすぎてしまった世界と言うのがある。

 そう言う世界で作られた物、普通の人が扱えないような代物・・・

 

 それがロストロギア・・・ですね?」

 

「えぇ・・・その通りよ・・・。」

 

「ジュエルシードもその一つ。願いをかなえるにはかなえるが

 それはかなりゆがんで・・・使用者も歪んでない限りきちんとかなえられることはない。

 つまりこれの使い方は巨大な魔力ジェネレーターが正しい。

 それでも使い方を誤れば暴走するからロストロギアと・・・。」

 

「そこまで知ってるなんて・・・。そういえばさっきあなたお母さまが管理局に連絡した

 と言いましたね?もしかして元管理局のかたですか?」

 

「そうですよ。というよりあなたもご存知ですよね?」

 

「え?」

 

「俺の母さんの名前は「九十九アルト」・・・旧姓は「ハーヴェイ」・・・。

 アルト・ハーヴェイ・・・親友といってましたが?」

 

「・・・・・・はぁああああああ!?????」

 

いきなり叫びだすリンディ

それを見たクロノが・・・

 

「母さ・・・艦長!落ち着いてください!」

 

「え?あ、ごめんなさい。まさか彼女の名前を聞くなんて・・・。」

 

「親友だったんですか?」

 

「えぇ彼女とは学校の同級生。彼女は騎士としてとても優秀な人だったわ。

 たしか十一年前くらいに管理局をやめたといってたけど

 まさか地球に住んでいたなんてね。」

 

「確か・・・管理局の任務でこの世界に来た母さんは任務には成功するが負傷。

 偶然その場にいた父さんにバリアジャケットと空を飛んでるところを

 見られたらしくすべてを話した。

 父さんはすぐに信じ、手当てをしたそうです。

 

 さすがに異世界からの次元漂流者といっても信じてもらえるわけもなく、

 父さんが記憶喪失ということにして仮の戸籍をとればいいと言ったらしく、

 現在は日本国籍を持って普通に暮らしてますよ。」

 

「なるほど・・・だからあなたも魔導師なのね?」

 

「微妙に違います。・・・これから話すことはすべて本当のことです。

 できれば知られたくないのでお二人だけが聞いて判断してください。」

 

「えぇ・・・わかったわ。・・・・・・はい、これでここでの会話は他には漏れないわ」

 

「ありがとうございます。では話しますね。なのはちゃん」

 

「はい・・・リンディさん・・・。」

 

「なに?」

 

「実はわたし・・・転生者なんです・・・。」

 

「はい?」

 

 

―説明中

 

 

「つ、つまり君は一度死んでいて、過去にまたよみがえった・・・?」

 

その言葉になのはの代わりに彩斗が答える。

 

「簡単にまとめればね。もっというなら一度未来を体験したって奴。」

 

「な、なるほど・・・にわかには信じがたいが・・・。」

 

「信じたほうが楽だ。いろいろと・・・。だからあの二人を帰させたんだ。

 俺達二人は事情を知っているからね。」

 

「君のほうも転生者なのかい?」

 

「いんや、俺のほうは予知夢のレアスキルさ。名前は「予知夢(フューチャーヴィジョン)」

 なのはと同じ未来を経験していると言う意味では同じだな。

 ちなみにこの力で見た未来は絶対じゃない。変えようと思えば変えられるのさ。」

 

「なるほど・・・。」

 

「まあそれなら・・・決心がついたわ。」

 

そういって緑茶に砂糖を入れる。

 

「あっ」

 

なのはが小さく声を漏らす。

その砂糖入り緑茶を飲むリンディ。

それを、なのはを除く二人は信じられない物を見るような目で見る。

 

「あのロストロギア、ジュエルシードについての事なんだけど・・・

 あれを回収するのに、出来れば協力してほしいのだけれど・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

「ロストロギア相手…しかもランクA+となると、

 こちらとしても手が多いに越したことはないわ。

 それに、今貴女達に「今から私達が引き継ぐから出ていけ」なんて言ったら

 確実にこちらが悪者だし・・・

 

 なによりあなた達は事情を知っているし、力もある。」

 

「はい・・・・・・わかりました。」

 

二人は返事をしたが、彩斗の心の中にはほんの少しある疑問があった。

 

(原作よりも誠意がこもってるし、何よりあちらから協力を申し出てきた・・・?

 確かに転生者だとは言ったが・・・。それだけだ・・・何かあったのかな?)

 

「とりあえず、外まで送るわ。貴女達のデバイスにこちらの端末の番号を送るわ。

 連絡をとるときはデバイスを通じてここにかけてちょうだい。」

 

そういうと、レイジングハートとレスキューフォースの中に情報が転送される。

 

「外まで送るわ。クロノ、お願いね?」

 

「はい、艦長。」

 

「それじゃあまた会いましょう・・・。」

 

そういうリンディ・・・だがそれを彩斗が遮る。

 

「いえ、まだちょっと話すことがあります・・・。」

 

「何かしら?」

 

「闇の書・・・についてはご存知ですよね?」

 

「「!!!!!???」」

 

クロノとリンディはその単語に驚く。

 

「未来予知やなのはの知識もありますが、何よりも

 現在の闇の書の主は日本にいて、俺の親友なんですよ。」

 

「なんだって!?」

 

「とりあえず彼女は危害を加えるような人ではないのでこの事件が終わるまでは

 干渉しないでもらいたい。後・・・。」

 

そういって彼は懐から封筒を出す。

 

「これをギル・グレアムという人に渡してほしい。」

 

「ギル・グレアム?それってあのグレアム提督の事かい?」

 

クロノは不審に思いながらもそれを受け取った。

 

「これ、僕が中を見てもいいのか?」

 

「構わない」

 

「ふむ。分かった。念のため中身を調べてから提督に渡す事にするよ。」

 

「それじゃあ、また会おう・・・。」

 

三人は今度こそ地球へと帰っていった・・・。

 

 

 

side クロノ

 

それから僕は自分の部屋に行き、封筒の中身を見た。

そして、

 

「これは・・・・・・。」

 

気づくと僕は、色々書かれていたその書類を握りつぶした。

 

 

 

場所はギル・グレアムのいる部屋。

彼はいつものように雑務をこなしていた。

 

彼には、数年前から気にかかる事があった。

過去に闇の書によって犠牲となった友人

クライド・ハラオウン・・・。

 

その友人の仇を取るためなら、どんな方法をも使う。

それが、一人の少女の命を奪う行為だとしても。

永遠に続く呪いを解くためだ、そう思って彼は今まで動いていた。

 

そんな事を考える中、

 

「失礼します」

 

彼の部屋の中に入ってきたのは、若くして執務官となったクロノ・ハラオウンだった。

彼は何かの入った封筒を持って、机を挟んでグレアムの前に立った。

 

「クロノ執務官か。一体何の用かな?」

 

その言葉にクロノは手に持った書類を机に置き、

 

「これを見てください。それで僕が聞きたいことが全てが分かります」

 

グレアムはその封筒から書類を出し、書かれている文面を見た。

そしてそれを読み続けていくごとに、彼の表情が驚きに包まれていった。

 

その書類には・・・

 

・闇の書、本来の名前は夜天の書であり、現在一人の少女が所有している

・それが闇の書と呼ばれる原因は過去に何者かの改造によりバグを抱えてしまったため

・ギル・グレアムはクロノ・ハラオウンの父親の無念を晴らすためと言えば聞こえはいいが、

 その贖罪、そして復讐のために所有している少女を殺す気である

・リーゼロッテ、リーゼアリアの両名もそれを知っていて協力している。

・詳しいことは後日、本人に話したい。予定日は地球時間で今年の6月6日6時。

 

 

大まかにこう書かれていた。

それを見てグレアムの顔は青くなる。

 

「ある程度見たと思います。いろいろ言いたいことはありますが、

 単刀直入に言います。

 僕の父親が貴方の復讐に関係してるのは真実ですか?」

 

厳しい目でグレアムを見つめるクロノ。

何も言わなかったグレアムだったが、その沈黙は肯定を現していた。

 

「・・・私でさえ内密に進めていたのに、誰がここまで細かい情報を?

 闇の書の現在の所有者は管理局でも私しか知らないはずだし、

 ロッテとアリアの事も一般の魔導師は知らないはずだ。

 一体・・・誰がこれを?」

 

「それはまだ言えません。書かれている日に会いに行けばいいでしょう・・・。それよりも!」

 

クロノは机をバンと叩いて叫ぶ。

 

「僕の父さんが死んだのは僕も悲しいです。そんな事実なくなってほしいと思っている。

 だけど貴方はそれを復讐のための言い訳にしか使っていない!

 僕の父さんの名前を・・・そんな事に使わないでください!」

 

その後しばらく沈黙が続いたが、

 

「最終的にどうするかは提督に任せます。では」

 

その言葉を最後に、クロノは部屋を出て行った。

 

クロノが出ていった後、グレアムは飾っている写真を眺め手に取る・・・。

クロノの父親が写っている写真。

その写真を見る度に、当時夜天の書の関係で死んだ彼の事を思い出していた。

 

「・・・私は、どうしたら・・・・・・。」

 

独り言のように呟いたが、彼の言葉に答える者はいなかった。

 

 

 

 

リンディSide

 

「久しぶりね。アルト・・・元気にしていた?」

 

『えぇ、すこぶる元気よ。リンディ。クロノは元気?』

 

「えぇ今執務官として私の下でがんばってるわ。」

 

『さすがね。』

 

私は久々の親友との会話を楽しんでいた。

まさかまた会えるとは思っていなかったけど。

 

『それにしても・・・あなたが提督ねぇ・・・。』

 

「それはこっちの台詞よ。あのあなたが今は専業主婦?」

 

あのときはあんなに戦いに明け暮れていたのに・・・。

 

『なかなか楽しいわよ。あなたみたいに味覚音痴じゃなのよ?』

 

「なんですって・・・?」

 

『事実でしょ?・・・それよりもあのことは聞いた?』

 

「・・・闇の書が地球にあること?」

 

『そう、どうする?』

 

「とりあえず彼らの話を行く限りではまだ時間はありそうだし・・・

 まずはこの事件を解決する予定よ。」

 

『そうか・・・ならリンディ頼みがある・・・。』

 

「なに?」

 

アルトの頼み・・・おそらく・・・。

 

『私のデバイス・・・『キルシュバウム』を返してもらいたいの・・・。』

 

「・・・いいの?それは管理局にもう一度入るって意味よ?」

 

『えぇ夫も納得してくれたし・・・覚悟はできてるわ・・・。』

 

「・・・本気なのね・・・わかったわ・・・それじゃあこの事件が終わったら地上本部に連絡するわ。」

 

『ありがとう・・・ゼストさんにもよろしく伝えておいて』

 

「わかったわ・・・それじゃあね。また」

 

『じゃあね。』

 

そういって彼女は通信を切った。

そう・・・まずは・・・この事件を解決しないと・・・・・・・・・。

 

 

 

 


 
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