No.447387

魔法戦記リリカルなのは 二人の転生者の願い

DFGNEXTさん

そろそろ張ってきた(下手糞な)複線のおかげで
今後の展開がわかってきた人も多いかな?

とうわけで今回はなのはVSフェイト戦。

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2012-07-06 19:38:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:951   閲覧ユーザー数:938

第一章 無印編

第十話「Two people to encounter」

 

 

あれから数日・・・。

なのはと彩斗はその日、すずかの家、というか豪邸に招かれていた。

 

そして今はバスで移動している。

なのはの座る席の後ろには兄の恭也の姿もある。

 

今日のなのはは若干浮かれ気味である。

フェイトに会える日だと知っているからだ。

 

今回の戦いでは絶対勝ちたいと言う気持ちが強いようだ。

 

そんな時に恭也がなのはに言った。

 

「なのは、最近少し疲れているようだが、大丈夫か?」

 

「大丈夫なの。最近は訓練以外してないからね。休めと言われれば休むけど」 

 

「何かあったら言うんだぞ。彩斗も頼む。」

 

「了解です。恭也さん」

 

なのははただ静かに頷いた。

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

 

なのは達はノエルとファリンという月村家のメイド達に出迎えられた。

 

その後、恭也と忍は会うなり、さっそく2人きりになれる別室へと消え、

なのははアリサとすずかのいる場所へと案内された。

 

そしてなのはは庭に用意してあるテーブルとイスに近づきながら、

アリサとすずかに挨拶しながら席に着き、それからしばらくまったりと歓談した。

辺りには数えるのに苦労しそうなほどの数の猫がいる。

 

なのは達はジュエルシードが月村家の敷地のどこかにあるということを知っているが、

あえてフェイトが来るまで、すなわちジュエルシードが発動するまでは放って置くつもりだ。

 

それを取ってしまったらフェイトに会えなくなると言うのが大きい。

 

ちなみにユーノは彩斗のひざの上にいる。

これはアリサたちに正体がもうばれている為、女子達がスカートであるため

ここくらいにしか居場所がないからだ。

仮に下に下りれば猫達に襲われるし・・・。

 

するとすずかが不意に切り出した。

 

「なのはちゃん。最近なんか疲れてない・・・?」

「そうよ!ジュエルシード集めのせい?」

 

またぁ? となのははがっくりと肩を落とす。

 

「さっきもお兄ちゃんに言われたけど、そんなに疲れてるの分かる?」

 

「いや、なのはは基本隠そうとするから、周りの人たちはより注意深くアンタを見てるのよ

 それに彩斗に聞いたけど前世では無理しすぎて大怪我したって言うじゃない。

 だからものすごく心配なのよ!」

 

全く手を焼かせるんだから、というように腕を組んでちょっとそっぽを向きつつアリサが言う。

 

「確かにちょっと疲れてるかもしれないけど、心配ないよ。

 それに前世のあのときのことは私も反省してるんだ。

 だから大丈夫。」

 

なのはがそう言うと、アリサは少し顔を赤くして言う。

 

「まったく、強情なんだから!気よ付けなさいよ!」

 

「あ、ありがとね。」

 

なのははアリサの気持ちに感謝する

 

「俺蚊帳の外じゃね?」

 

「あ、ごめんね彩斗く・・・」

 

すると突然・・・。

 

 ズン

 

と胸に響く感覚をなのはは覚えた。ジュエルシードだ。

 

【ユーノ(くん)】

 

【うん、反応はすぐ近くだ。とりあえずここを離れよう】

 

ユーノが彩斗のひざの上から飛び降り、ジュエルシードの方へ駆けだす。

 

「!?なのはジュエルシード?」

 

「うん、そうだよ。二人はここで待ってて、いくよ彩斗くん!」

 

「了解!」

 

なのは達は「すぐ戻るから!」と言うと木々が立ち並ぶ庭の奥へと踏み入った。

なのは達はユーノを追いかけるが、ユーノは大分先を行っているので、

追いつくまでには少々時間が必要だった。そこでレイジングハートから声をかけられる。

 

《マスター、このまま行けばあの方と会うはずですが・・・どうするつもりですか?》

 

なのはは走りながら答える。

 

「申し訳ないけど、ここは私のわがままを押し通させてもらうつもりだよ」

 

《といいますと?》

 

「この時代のフェイトちゃんとのリベンジ・・・・・・

 いやこの世界のフェイトちゃんとの対決を!」

 

レイジングハートはなのはの物言いに内心苦々しく思った。

 

《仕方ありませんね、マスターに従います。ところでブレイズ・ハートは使用しますか?》

 

「ううん、今回は使わない。前世との私との勝負でもあるから。」

 

《わかりました。マスター。》

 

そろそろ、遠くにユーノの姿が見えてきた。

 

そしてようやく、ユーノの元にたどり着いた。

ユーノはきょろきょろと辺りを見回している。

なのは達もこの辺りからジュエルシードの気配を感じているが、

これ以上細かいところまでは分からない。

 

「この辺りのはずなんだけど。・・・・・・あっ! あの猫!」

 

ユーノの指差す方向に、なのは達も目を向ける。

猫がジュエルシードをくわえている。すぐに何か行動を起こそうとしたが、遅かった。

次の瞬間、青い宝石が光った。

 

「発動する! ここじゃ人目が! ・・・結界!」

 

ユーノが叫ぶと魔法陣が現れ、魔力がドーム状に広がり、

月村家の敷地を覆うような広範囲の空間を切り取った。

 

その間にジュエルシードは完全に発動し、猫が巨大になる。

元の数十倍以上はあるかもしれない。なにしろ、周りの木々の高さより大きいのだ。

それを見た彩斗は思わずつぶやく。

 

「・・・でかいな。でも見た目は子猫・・・。」

 

「うん、大きいね。レイジングハート、写真・・・いや、動画を撮っとこう。

 あとですずかちゃんに見せたいし・・・。」

 

「二人ともそんなのんきな・・・。」

 

ユーノに比べ、なのは達は心の準備がすでに整っている。

二人とも知っているからだ。

 

適当に返事を返し、さらに余裕の行動に出た。

すぐにフェイトが来るだろうと思っているからだ。

 

今から封印を始めても、フェイトが来たら妨害されてしまう。

だったら、少し待った方がいいと判断した。

レイジングハートも《All right.》と言って動画を撮り始めた。

 

すると間もなく、なのはが何者かが近づいてくる気配を感じた。

(来たね、フェイトちゃん。ちょっと早いけど・・・私との真剣勝負受けてもらうよ。)

そう思いつつ、ユーノに警告する。

 

「ユーノくん、誰か来るよ、気をつけて! レイジングハート!」

 

《All right. Stand by ready. Set up》

 

なのははバリアジャケットを一瞬のうちに纏った。

レイジングハートもデバイスモードになって、なのはの手の中にある。

 

ちなみに・・・。

 

「俺は今回は見学ってことでいいのな。予想外のことが起きたら行動するけど。」

 

「うん、それでいいよ。」

 

そこ答えた次の瞬間。

 

 ドオォォン―――

 

眩い金色の閃光が巨大猫に直撃した。フェイトの砲撃魔法だ。

なのははスムーズに空中に飛び上がる。

 

そしてなのはは巨大子猫を攻撃した少女、フェイトの前に立ちふさがった。

 

「そこまでにしてもらうよ」

 

なのははフェイトを下から順に観察した。

 

(前と同じで暗い瞳だ・・・。でも以前よりは大分ましのような・・・?)

 

そして予定通りに何も知らない振りをして話を聞こうと口を開いた。

 

「取りあえず話を聞いて。あなたもジュエルシードを集めているみたいだけど、

 これは元々そこのユーノくんが見つけた物だよ! 集めてる理由は!?」

 

「・・・・・・答えても多分、意味がない。申し訳ないけどジュエルシード、頂いていきます」

 

しかしフェイトはその言葉に心は動かされず、淡々と告げた。

そしてデバイスを持ち上げる。

 

《Scythe Form 》

「アークセイバー!」

 

フェイトのデバイスの形が鎌状になり、そこから三日月形の魔力斬撃が打ち出された。

なのははその攻撃に対処し、右へと逃げた。

 

「――ッ!追尾!?」

 

だがそれは、回転しながら弧を描いてなのはを追い続ける。

なのははアークセイバーの正面を向き、左手に持つレイジングハートを前に突き出した。

 

《Protection》

 

バリアが展開されるとすぐさまそれがぶつかり、腕に衝撃が走る。

 

ガリッガリッ、と障壁が削られていく。

 

フェイトはそれを見てとり、素早く次の手を打った。

 

《Explosion》

 

 ドォォォン

 

バルディッシュの声とともにアークセイバーが爆発した。

 

「――ッ」

 

なのはのバリアは強力だったので、なんとか耐え、相打ちになる。

 

なのはの目の前には爆発にともなって爆煙が広がっていた。

なのはは前が見えず、フェイトの姿も見当たらない。視界は完全に0だ。

 

飛行して移動すれば煙から逃れられるが、なのははそれをしない。

今のなのはにとっては視界がふさがれる事は別に不利なことではない。

 

(今こそ使うの! 御神流 心!)

 

なのはは目を閉じ、感覚を研ぎ澄ます。

 

御神流 心とは

目を頼らず、音と気配によって相手の居場所を知る技である。

 

(捉えた!)

 

フェイトが高速移動でなのはの死角、左斜め後ろから現れた。すでに鎌を振り上げている。

だがなのははさらに速く、レイジングハートを振り向かないまま杖の反対側でフェイトの腹めがけて突きを放った。

 

「―――ぅッ」

 

フェイトは移動してきた瞬間に杖で腹を突き立てられた形になる。

 

「ぐぅッ」

 

(やっぱりバリアジャケットの上からじゃダメージは低い。だったら!)

 

《Divine Shooter》

 

間髪いれずに追撃をいれる。

レイジングハートを横に振って、4つの手のひらくらいの大きさの魔力弾を

フェイトに向けて正面から2つ、左右にそれぞれ1つずつ、

その4つを同時に。フェイトに向けて放つ。

 

だがフェイトはそれら魔力弾をしっかりと見据えている。

大きな鎌で、正面と横から来る弾を一閃し3つ一気に破壊しすべての攻撃を防いだ。

 

その後なのははフェイトに言う。

 

「意味がないなんてことはない! 答えることに意味はあるよ、きっと変わる!」

 

「・・・・・・・・・。あなたにはわからない・・・。」

 

フェイトはその言葉の影響か、一瞬硬直するが、すぐになのはに向かって一直線に突撃する。

その途中で鎌から斧へとデバイスを変形させ、正面からなのはを斬りつけた。

 

避ける間もないなのはは受けてたった。

レイジングハートを刀のように握り、向かってくる斬撃に合わせ、切る。

 

《Master!》

 

レイジングハートの警告は届いたが、間に合わなかった。

 

斧の刃と杖の中ほどの部位が「ガッ」という鈍い音を立ててぶつかる。

変化はすぐに現れた。

 

ピキ―――

 

レイジングハートがおかしな音を立ててひび割れる。

 

「しまっ!?」

 

なのはは慌てて離れる。

しかしフェイトはそれを追い、追撃してする。

 

なのははそれを受け止めることなく、卓越した体さばきでかわしていく。

フェイトも速いが、素早さが売りの御神流の剣士らと剣を交えているなのはにとってはこれではまだ遅い。

 

なのははレイジングハートを使わずに、何とかかわし続ける。

しかしどうしてもかわしきれない斬撃は、

なのはのバリアジャケットの腕や胸の部分を引き裂いていた。

 

《マスター!私に魔力を流してください!それで直ります!》

 

要領はわかっていたなのはは返事もせず、即座に実行する。

すると、あっという間にひびが塞がっていった。

 

なのははフェイトの刃の軌道をほとんど先読みするような勢いで避けていく。

しかしそれにも限界があった。

 

フェイトはついになのはの動きを捉え、体の中心に斧を振り下ろした。

なのはは避けられない、と判断するまでもなく、直観的にレイジングハートをすでに振るう。

 

そして鎌の刃には当てず、バルディッシュの先端部分からやや下辺りにレイジングハートの先端を合わせる

 

その後すぐさまなのはは後ろに下がる。

一定の距離がとれたので、レイジングハートは自分の判断でカノンモードへと姿を変えた。

 

そこでなのはが話しかけた。

 

「どうしてそんなに寂しそうな目をしているの!?

 理由があるなら言ってほしい。言えばきっと変わる! でも言わないと、何も変わらないっ」

 

(本当は知っている・・・。だけど伝え合わなくちゃ本当の理解は得られない!!)

 

「・・・・・・・・・。」

 

「答えて!!」

 

フェイトは思わず目を逸らし、そして考える。

(そんなことを言っても、何も変わらない・・・。変わるはずなんかない・・・。 

 なのになんでこの子はわたしのことを・・・。いったいなんなんだろう、この子は・・・一体・・・?)

 

フェイトはまた別のことを考える。

 

(それにしてもこの子、デバイスは杖型なのに、なぜか接近戦も強いみたいだ。

 攻撃がまるで通らない。でもこの子がいくら強くても、

 わたしは母さんのためにジュエルシードを集めなくちゃいけない。

 負けられない・・・!絶対・・・・・・。リニス力を貸して・・・。)

 

フェイトはリニスから教えてもらったある戦術を思い出す・・・。

 

(こんなに言っても、返事もしてくれないなんて・・・・・・。)

なのははフェイトの反応に憤りながら、レイジングハートをフェイトに向かって突きつける。

 

《Thunder Smasher》

《Divine Buster》

 

「サンダー・・・スマッシャー!」

「ディバイィン・・・バスタァァーーーーーー!!!」

 

互いに掛け声とともに砲撃魔法を撃つ。

2人のデバイスからそれぞれの魔力光の色がほとばしり、空間を翔けぬける。

 

ドオオオォォォン―――

 

中間点で金色と桜色の魔力が衝突する。

だが、フェイトはなのはに驚かされる。

 

「!!」

(なんて魔力量!それにやっぱりこの子砲撃型!)

 

一瞬拮抗するがすぐにフェイトが撃ち負けた。桜色が金色を蹂躙する。

しかしフェイトは自分の砲撃がわずかばかりの抵抗をしているうちに上へと逃げさる。

そして間一髪、桜色の砲撃を交わすことに成功した。

 

そして・・・。

 

《Scythe Slash》

 

鎌の魔力刃が強化され、強く光った。

フェイトはなのはの上から、思い切りバルディッシュを振り下ろす。

 

「ッ!」

《Flash Move》

 

なのはは高速移動で鎌をかわした。

そしてフェイトから遠く離れた場所まで移動する・・・。

 

「距離が開いた!遠距離なら私の・・・!?」

 

自分が有利になった。そう思ったなのははレイジングハートを構えようとする。

しかし・・・。

 

「―発動。プロテクト・ホールド・・・。」

 

《Yes,sir Protect hold!》

 

フェイトのその掛け声と共にバルディッシュが瞬間的に魔力を運用し足場を作る。

フェイトは体を持っていかれつつも体勢を立て直し、その魔法陣に着地して膝をかがめ・・・

 

遠距離魔法を撃とうとしていたなのはに飛び掛かった。

 

 

「なっ・・・・・・!?」

 

なのはは予想外の攻撃であったことも会って硬直していた。

そこへ・・・。

 

「サイズスラッシュ!!」

 

・・・金色の斬撃が、なのはを襲った

 

地面に向かって幼い体が飛ぶ。

 

ズン―――

 

鈍い音をさせて地面に叩き付けられ、なのはの意識は途絶えた・・・。

 

彼女は敗北し、フェイトが勝利を収めた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なん・・・で・・・フェイトが俺の「マテリアル・ロード」を・・・?」

 

 

 

 

 

 


 
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