No.446464 IS インフィニット・ストラトス ~転入生は女嫌い!?~ 第六話 ~平穏との別離~Granteedさん 2012-07-05 16:03:55 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:24530 閲覧ユーザー数:23686 |
~翌日~
クロウは前日の夜、セットしておいた目覚ましで目が覚めた。するとタイミング良くノックの音と共に
「ブルースト、起きているか?朝食と制服を持ってきたぞ」
「ああいいぜ、入ってくれ」
ドアの開く音と共に、片手に朝食、片手に制服を持った千冬が入ってきた。
「おはよう。よく眠れたか?」
「クラスメイト大半が女子になるんだぜ?俺の平穏はどこにいったか・・・」
「知るか。お前の事情などどうでもいい。それより早く朝食を食べて、制服に着替えておけ。後でまた来る。」
そう言い残すと、千冬はさっさと出て行ってしまった。
「(はあ、とうとうこの日が来たか。まあ、なるようになるだろ)」
半ばやけくそに考えるとクロウは、朝食に手をつけ始めた・・・。
~一時間後~
「(コンコン)ブルースト、準備は出来たか?」
「ああ、今行く」
クロウがドアを開け、廊下に出るとそこにはスーツを着こなしている千冬がいた。
「ここから直接クラスに行く。ついてこい。」
そう言うと廊下を歩き始めた。
「はいはい」
歩きながら千冬は
「ブルースト、少し忠告しておく。」
「何だ?」
「まずひとつ、お前に身の上を明かすな。もちろんお前の年齢もだ、いや絶対にとは言わないが明かす人間は極力減らせ。二つ目、お前のISのことだ。」
「一つ目は俺も同感だ。しかしブラスタの事っていうのはなんだ?」
「しらばっくれるな。元々お前のISは機動兵器だったそうだな。ならば戦闘能力はISを遥かにに上回っているはずだ。最悪対戦相手を殺してしまうことにもなりかねん。自分でリミッターをつけておくか、常に手加減して戦え」
「了解した。俺も相手を殺すようなことはしたくないしな。」
「ああ、それともうひとつ、周囲にほかの人間がいない時は構わないが、それ以外はちゃんと私に敬語を使えよ」
「わかったよ、“織斑先生”」
そんな話をしていると、一年一組の教室にたどりついた。中では自己紹介が行われているらしく、外まで声が漏れてくる程騒がしい。
「お前はここで待っていろ。呼んだら中に入れ」
千冬は一人だけ教室の中に入っていった。しばらくして「バシンッ」という何かで叩いた様な音が鳴り、うるさかった教室は途端に静かになった。
少し待つと全員の自己紹介が終わったらしく、山田先生が
「(最後にもう一人、クラスのお友達になる人がいます。ブルーストくん、はいってください。)」
と山田先生が教室の中で呼ぶので中に入ると、
「・・・・・・」
クロウは絶句していた。ある程度は覚悟していたが、目の前には女ばかり。こんな場所で俺は耐えられるのか?と考えていると
「あ、あのう・・・、ブルーストさん。自己紹介をしてもらえますか?」
「ああ、俺はクロウ・ブルースト。二人目の男でのIS操縦者だ。これからよろしく頼む」
クロウが自己紹介をすると教室は静かになり、
「き・・・」
「き?」
「キャアアアアアア!!!!」
「ぐっはあああああああ!!」
「男!二人目の男!!」
「かっこいい!たれ目も意外といい!!」
「少し気だるい雰囲気もまたいい!!」
教室内の女子生徒は全く静かにならずその間クロウは耳をふさぎ、
「(うるせえええええ!!これだから女って奴は!!)」
必死にやり過ごそうとしていた。まったく静かになる気配はなかったが、
「黙らんかお前ら!」
という千冬の一喝により騒音は収束した。
「えーっと、ブルーストさんの席は一番後ろの空いている席になります。そこに座ってください」
クロウはその席に座ると同時に頭を抱えた。これから本当にこの世界で生きていけるのかと・・
~昼休み~
クロウはクラス唯一の男である織斑 一夏に話しかけていた。というよりそれ以外に話したいと思う相手がいなかったからである。
「あんたが織斑 一夏か?」
「ああ、俺が織斑 一夏だよ。しかし俺以外にもいたんだな、男のIS操縦者って」
「あ、ああ。俺も驚いたよ。織斑と同じようにISを動かせるとは」
「俺の事は一夏でいいぜ、ブルースト」
「わかった、一夏。なら俺もクロウでいい。」
「なあ、クロウ。いきなりなんだけどさ、お前って勉強できるか?」
「ああ、出来ないほうではないと思うぞ」
入学する前に勉強していたのだがISには
「それで相談なんだけどさ、俺に勉強教えてくれないか?」
「ああ、それくらいならお安い御用だ」
「ありがとう!早速なんだけどさ・・・」
一夏は午前中の授業で理解出来なかった部分をクロウに聞き始める。教科書を開き、文章を二人で読み進めていくと・・・
「ちょっとよろしくて?」
「ISのコアは467個しか世界に存在していない、つまりISも最大で467機しか存在していないという事だ」
「そこのお二人、聞こえていますか?」
「へえ~、なるほど。クロウって教えるのが上手いな」
「まあ、人に教えるのは初めてじゃないからな」
と会話していると、
「ちょっと!聞いていますの!?」
二人が勉強している机がバンッ、という大きな音を立てる。二人が音を立てた主を見ると、そこには金髪の髪を縦ロールにした、世間一般で言うところの「美人」がいた。
「聞いていない」
「まあ、失礼な!私が誰か知らないのですか!?」
「お前さんみたいな女と知り合いになった覚えはないんだが・・・」
「ならば教えて差し上げますわ!私の名前はセシリア・オルコット。イギリスの代表候補生ですわ!!」
「なあ、一つ聞いていいか?」
「私に質問ですの?まあ、下々の要求に答えるのも貴族の勤めですので、泣いて頼めば教えて差し上げても」
「代表候補生ってなんだ?」
その言葉が出た瞬間、クラス全員から「ガクッ」と言う擬音が聞こえたのは気のせいでは決してないだろう。
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第六話です。
某小説サイトから追っかけてきてくれた方々、本当に感謝です!!