No.422516

Rainy days

大好きな貴方が隣にいれば、どんな日だって素敵な時間に変わる。

2012-05-13 22:47:10 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:403   閲覧ユーザー数:393

 

 

休日の昼下がり──

 

 

 

「ん?」

 

 頬に当たる冷たい感触に、買い物帰りの少女が空を見上げる。

 

「……雨?」

 

 パラパラと小雨が降り注ぐ。

 

「間に合うかなぁ?」

 

 近くの喫茶店で雨宿りするか悩んでいると、ふいに自分を呼ぶ大好きな声。

 

「おせぇ……」

 

 そう言って彼は、自分の傘に少女を入れ、彼女の手をとる。

 

「帰るぞ」

 

 グイッと少女の手をひっぱり歩き出す。

 少女は慌てて付いてゆく。

 

 そのまま、手をつないで歩く形になる。

 

「ありがとう」

 

 照れた様に少女が言えば、彼は『フン』とそっけなく返事した。

 

≪恋人繋ぎ……したいな≫

 

 そう思い、少女が彼の指に自分のそれを絡めれば

 答える様にしっかりと握り返してくれた。

 

 自然に少女の顔がほころぶ。

 

「もう少し……歩きたいな」

 

 繋いだ手に力を入れ、引っ張る。

 

 雨が苦手な彼が迎えに来てくれただけでも、十分満足なのだが

 繋いだ手が離れると思うと、寂しい気がした。

 

「風邪ひくだろうが」

 

 繋いだ彼の手に力が入り、少女を自分の方に引き寄せる。

 

「晴れたら、いくらでも歩いてやる」

 

 その言葉に顔を上げれば、穏やかな笑みを浮かべた彼の顔。

 

「うん」

 

 ギュッと彼の手を握り返し

 彼にくっつく少女

 

 

 

 次は 晴れます様に──

 

 

                         fin...

 

 

 

 


 
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