No.418988

異世界冒険譚 魔法生徒ユエま! 七時間目! 中

RYOさん

交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

2012-05-06 03:02:07 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4381   閲覧ユーザー数:4085

 

NEGI side

 

修学旅行3日目の朝。僕は朝食を食べた後、部屋で関西呪術協会に学園長の親書を届けるために準備をしていた。

 

「よーし。みんなも自由行動だし今日こそ親書を私に行けるぞ」

 

「おう。気を付けて行けよ? 俺は3班の子達と一緒に京都見学に行ってくるから」

 

雪人さんが準備をしながら僕に言ってくれる。

 

「はい」

 

「敵に襲われたら隙を見て俺に電話してくれ。俺は行けないけど助っ人が駆けつけてくれるから」

 

雪人さんがそう言ってくれる。助っ人って誰なんだろう?

 

「じゃあ行くか」

 

雪人さんと僕は部屋を出てすぐに別れる。雪人さんはロビーに向かって行った。僕は裏口から行かないと他の生徒さんが付いて来ちゃうかもしれないから。

 

隠れて裏口から旅館を出た。良かった。誰にも見つからなかった。

 

「早いとこ関西呪術協会の本山に向かわないと」

 

「本山ってどこにあるんだ?」

 

僕の肩に乗っているカモ君が僕に聞いてくる。

 

そう言えば知らなかった。

 

僕は本山までの地図を開いて見る。

 

「えっと・・・・・うん。ここからそんなに遠くないよ」

 

「じゃあ、早いとこ私に行っちまおうぜ」

 

「うん!」

 

地図を閉まって僕はアスナさんとの待ち合わせの場所に走っていく。

 

 

アスナさんとの待ち合わせの場所に着いた。

 

「あれ? 朝にアスナさんと一緒に行こうと思ってここで待ち合わせの約束したんだけどなあ?」

 

待ち合わせの場所にアスナさんの姿はまだなかった。

 

「ネギ先生ー!」

 

後ろから声がして振り向く。そこにはアスナさんたち5班の皆さんが居た。皆さん可愛いお洋服を着て立っていた。刹那さんは制服だけど。

 

「わぁ、皆さん可愛いお洋服ですね!」

 

僕は皆さんを褒める。

 

「……じゃなくて! な、なんでアスナさん以外の人がいるんですか~!?」

 

僕はアスナさんに小さい声で聞く。刹那さんはまだ良いですけど。

 

「ごめん。パルに見つかっちゃったのよ」

 

パルって言うのは早乙女ハルナさんの事だ。黒い長髪にメガネをかけた人だ。

 

「ネギ先生そんな地図もってどっか行くんでしょ? 私達も連れて行ってよ」

 

ハルナさんが僕に言う。

 

「え? 5班は自由行動の予定はないんですか?」

 

僕が皆さんに聞く。行きたい所とかないのかな?

 

「ないです」

 

夕映さんが答える。

 

「よーし! んじゃ、レッツゴー!」

 

ハルナさんがそう言って僕はなし崩し的に5班についていく事になった。

 

 

どうやってアスナさん以外をまいて関西呪術協会の本山に行こうかアスナさんと相談して騒がしい場所に行ってドサクサに紛れて逃げるという事になったので近くにあったゲームセンターに入った。

 

「姐さん。兄貴。とりあえず何かゲームでもやって、隙を見て抜け出そうぜ!」

 

カモ君が僕とアスナさんに言う。

 

何かゲームをやるって言っても……一杯あって迷うなぁ。

 

「ネギ君こっちこっち。みんないるえ」

 

このかさんが僕たちを呼んでいる。

 

皆が何かのゲームをやっているみたいだ。

 

僕たちは皆が居る所に向かう。見てみると大きなゲームの筐体で皆さんがゲームをしていた。

 

「何のゲームをやってるんですか?」

 

「魔法使いのゲームですよ」

 

夕映さんが僕の質問に答えてくれた。

 

「ほら、私達が新幹線でやってたカードゲームのゲーセン版なの」

 

ハルナさんが補足で説明してくれる。そう言えば雪人さんもやってたな。

 

「魔法使いですか……僕もやってみようかな」

 

「スターターセットお貸しするですよ先生」

 

そう言って夕映さんがカードの束を差し出してくる。僕はゲームの筐体の椅子に座ってゲームを始める。

 

少しゲームをプレイするとやり方も分かってきて戦えるようになってきた。

 

「となり、ええか?」

 

ゲームをプレイしていると僕の隣に男の子が来た。僕と同じくらいかな? 学ランにニット帽を被った子だ。

 

「あ、うん。いいよ」

 

「大丈夫先生! 勝負だよ!?」

 

僕が男の子に答えるとハルナさんが興奮したように言った。どうやらこのゲームは店内の人と対戦できるみたいだ。

 

勝負か~。

 

「よーし」

 

頑張るぞ~!

 

男の子が勝負を仕掛けてきたことが表示されてゲームが始まる。僕はゲームに集中する。そして……

 

――ボカーン!

 

爆発した音が筐体から聞こえてきて「負け」という文字が表示された。勝負は僕が負けてしまった。

 

「あー負けた―」

 

ゲームでも負けるとやっぱり悔しいなあ。

 

「いやー初めてにしてはよくやったよネギ先生」

 

ハルナさんが健闘を称えてくれる。

 

「そやなあ。なかなかやるなあ、あんた。……でも、魔法使いとしてはまだまだやけどな?」

 

「え? ……うん、どうも」

 

魔法使いという単語にちょっとだけ驚いちゃったけどゲームの話だと思い出して男の子に返事をする。

 

「ほなな。ネギ・スプリングフィールド君」

 

「ええ!? ど、どうして僕の名前を!?」

 

男の子が僕の名前を呼んできたので僕は驚いて聞いてみた。

 

「だってゲームを始める時、自分で入れたやろ?」

 

そう言って男の子は僕がゲームをしていた筐体の画面を指さす。そこには僕の名前が表示されてた。

 

「あ、そっか」

 

びっくりした~。忘れてたよ。

 

「ほなな!」

 

そう言って男の子は走っていった。途中でのどかさんにぶつかってたけど。

 

「よーしこのパル様がお手本見せてあげようかな」

 

そう言ってハルナさんがカードを取り出す。

 

「お相手しますよ」

 

夕映さんもそう言ってカードを取り出す。

 

ハルナさんと夕映さんとこのかさんがゲームに熱中しだした。

 

「今だぜ兄貴!」

 

カモ君が小声で言う。

 

僕とアスナさんはこの隙にゲームセンターの外に出て行った。

 

 

京都府内の電車に乗って関西呪術協会の本山の前に到着した。前と言っても鳥居が沢山あって長い階段が続いてるけど……

 

「ここが関西呪術協会の本山?」

 

「うわーなんか出てきそうね」

 

アスナさんが関西呪術協会の本山を見てそう感想を言う。

 

「……ん?」

 

アスナさんが何かに気が付いたみたい。アスナさんが見ているところを見てみるとそこには……

 

「神楽坂さん! ネギ先生! 大丈夫ですか!?」

 

3頭身の人形みたいにデフォルメされた刹那さんが居た。

 

「なっ……何よあんた?」

 

アスナさんが驚いて小っちゃい刹那さんを指さす。

 

「せ、刹那さんですよ……ね?」

 

「はい。連絡係の分身のようなものです。心配で見に来ました。『ちびせつな』とお呼びください」

 

そう言ってちびせつなさんはぺこりと頭を下げる。

 

「この奥には確かに関西呪術協会の長が居ると思います。一昨日襲ってきた奴らの動向も分かりません。罠などに気を付けてください」

 

ちびせつなさんが僕たちに忠告してくる。

 

「まあ十中八九罠があるだろ。一昨日のが関西呪術協会の過激派とかなら親書とかで長に魔法協会との繋がりを持たれたくないだろうし」

 

そうだよね。気をつけなきゃ。……え!?

 

ここには居ないはずの男の人の声がした。僕は声のした方を見る。そこにはユキトさんが腕を組みながら立っていた。

 

「ゆ、ユキトさん!? どうしてここに……今日は3班と回っている筈じゃ!?」

 

「ゆ、雪人!?」

 

突然現れたユキトさんに僕もアスナさんも驚いた。

 

「まぁ、落ち着けネギにアスナ。俺は分身だ。簡単に言えばそっちにいる刹那のちっこいやつの亜種みたいな物なんだよ。本体は別にいる」

 

「あ、昨日のやつですね?」

 

昨日ユキトさんと一緒に旅館の周りをパトロールした時も自分の分身を出してたっけ。

 

「そんなことも出来るのね。さすがはファンタジー」

 

アスナさんがげんなりした表情で言う。

 

「まあ、本体の半分くらいの能力値だから戦力になるか分からないけどね」

 

「そうなの? 役に立たないわね」

 

ユキトさんの言葉にアスナさんが不満げに言う。

 

「とにかく行こうぜ。俺が先行するな? 少しばかり弱くなっても盾ぐらいにはなるし」

 

「良いんですか?」

 

僕はユキトさんに聞く。

 

「良いよ。分身は盾とかサポートとかが任務みたいなものだからな」

 

そう言ってユキトさんは鳥居をくぐって関西呪術協会の本山へと入って行った。僕たちもそれを追って鳥居をくぐる。

 

 

僕たちは階段を走って上り続けていた。もうさっきから30分くらい走っている。

 

「はぁ……はぁ……なんて長い階段なの……さすがに……疲れたわ……」

 

アスナさんがへたり込む。かなりの距離を走っている筈なのに未だに本山に着かないなんて。

 

「確かに……おかしいな」

 

「なんで……あんたは涼しい顔してるのよ……実力の半分じゃなかったの?」

 

アスナさんがユキトさんに言う。

 

「これはもしや……」

 

「え!? 何ですか? ちびせつなさん」

 

ちびせつなさんが何か分かったように言う。

 

「ちょっと先を見てきます。雪人!」

 

「ハイよ。ネギと明日菜は休んでてくれ」

 

そう言ってちびせつなさんとユキトさんが階段を上って行ってしまう。

 

「もう……何なのよ~この鳥居。いくらなんでも長すぎでしょ~」

 

「そうですよね。かなり長い距離を走ってると思うんですけど……」

 

「む? おお、面白いなこれは」

 

僕とアスナさんが話していると何故か後ろからユキトさんの声が聞こえた。

 

「ええ!? 雪人!? どうして後ろから!?」

 

アスナさんも驚いてる。

 

「やはり……雪人! 横の竹林から脱出するぞ!」

 

「おう」

 

僕たちの質問に答えずにユキトさん達は今度は林に駆け込んでいった。数秒後、ユキトさん達が走っていった方向の反対側の林から何かが動く音がしてそっちを向く。見るとユキトさん達が林を走ってこっちに向かっていた。

 

「うわ!? 反対側から戻ってきた!?」

 

「間違いないようです。これは無限方処の咒法です」

 

むげんしょほうのじゅほー?

 

「今、私達が居るのは半径500メートルほどのループ型結界の内部。つまり……」

 

「閉じ込められたって訳だな」

 

「「え、えええええええ!?」」

 

それっていつの間にか敵の罠に嵌ってたって事!? 全然気が付かなかった……

 

「ちょっと、どうすんのよ!? 雪人! あんた何とか出来ないの!?」

 

アスナさんも焦って大きな声を出している。

 

「う~ん……出来なくはない……けど……」

 

「けど?」

 

ユキトさんの言葉をアスナさんが促す。

 

「ここら辺一帯が更地になっちゃうかな? もしかしたら何かを壊さないとすぐに張り直されちゃう結界かもしれないし。そうだったとしたら威力で俺らが全滅しちゃうね」

 

「ダ、ダメですよ! そんな事したら!」

 

更地になっちゃったら魔法がバレちゃうし、何より他の人に迷惑が!

 

「ていうかあんた実力の半分しか無かったんじゃないの!?」

 

アスナさんがユキトさんに聞く。

 

そういえばユキトさんがそう言ってた。もしかしてユキトさんってとってもすごい魔法使いなんじゃ?

 

「いや、凄いのは俺じゃなくて武器だよ」

 

「どんな武器よ!?」

 

「ん? 400年位前の大妖怪の牙でできた刀?」

 

そんな風にどうやって結界から出るかを話していると急にアスナさんが小刻みに震えだした。

 

「ア、アスナさん?」

 

「うわーん!」

 

僕が呼びかけてみるとアスナさんが急に走り出してしまった! 僕も慌ててアスナさんを追っていく。

 

 

しばらく走っていると前の方に休憩所があった。休憩所に着くとアスナさんはすぐにトイレに駆け込んで行ってしまった。

 

……もしかして走ってたのってトイレ行きたかったからなのかな? って! ダメダメ! そんな失礼なこと考えちゃ!

 

僕は考えを振り払って休憩所を見てみる。誰も居ないみたいだ。

 

「みんな疲れてるだろうからここで休んでいくぞ」

 

ユキトさんがそう言って休憩所の自動販売機でジュースを買ってくれる。

 

「ほらよ、ネギ」

 

そう言ってユキトさんが僕に缶を渡してくれる。僕はそれを受け取って休憩所のベンチでアスナさんを待つ。ユキトさんが僕の正面に座る。少ししてアスナさんがすっきりした顔でトイレから出て来て僕の隣に座った。

 

「とにかく現状を把握して何とか打開する方法を考えませんと」

 

ちびせつなさんが言う。

 

「もう! そもそも何であいつら親書渡すの妨害しようとすんのよ!」

 

「そ、それはやっぱり東と西を仲良くさせたくないからじゃ?」

 

「何で仲良くさせたくないのよ」

 

僕の答えにアスナさんは馬鹿馬鹿しいとでも言うような顔で質問してきた。

 

「関東の人達が伝統を忘れて西洋魔術に染まってしまった事が原因の一つらしいです」

 

なるほど……

 

「それより今のこっちの戦力の分析をした方がよくねぇか?」

 

カモ君が提案してくれる。

 

「そうですね。この状況ではいつ敵が来るか分かりませんし」

 

ちびせつなさんもカモ君の言葉に同意しているみたいだ。

 

その時アスナさんが自分が魔力供給でどれだけ強くなっているかを聞いてきたのでカモ君がアスナさんに実践させた。

 

結果としては、凄く強くなっている事がわかった。普通に蹴ってもビクともしない岩を魔力供給したキックで粉砕してしまった。しかも、果物ナイフ程度の切れ味では簡単に切れないくらいに防御力もあるみたいだ。

 

「ところでネギ先生の魔法の方はどうなんですか?」

 

ちびせつなさんに僕の事を聞かれた。

 

「ああ、それなら大丈夫よ! こいつなんか凄い強いんだから!」

 

「おうよ! 兄貴は魔法学校首席卒業だぜ!」

 

アスナさんとカモ君がそう言ってくれるけど考えてみると僕が使える戦闘用魔法は9種類しかない。魔法学校では一番基本的な「魔法の射手」と「武装解除」しか教えてくれなかったから先生の目を盗んで書物庫に忍び込んで使えそうな魔法を覚えたんだ。

戦い方だって独学みたいなものだし……戦いのプロが本気で襲ってきたら僕たちだけで勝てるんだろうか? 強いかもしれないユキトさんだって実力は未知数だ。

 

僕はユキトさんを見る。

 

……普通の中学生の男の人だ。鍛えているんだろうけどこうムキムキって感じじゃないし……あれ?

 

僕はそこでおかしなところに気が付いた。

 

「あの、ユキトさん。質問いいですか?」

 

「ん? 何だ?」

 

「ユキトさんって魔法使いなんですよ……ね?」

 

「? 確かに魔法を使えるという意味でなら俺は魔法使いだよ?」

 

ユキトさんは僕の質問の意図が分からないようで首を傾げている。

 

「それじゃあ、杖はどこにあるんですか?」

 

「……え? 杖なんて持ってないよ?」

 

「え? じゃあ、どうやって魔法を使ってるんですか? 他の魔法発動体とか使ってるんですか?」

 

僕がそう言うとユキトさんは少し考えるように腕を組む。数秒後、ユキトさんは驚いた顔をして自分の手を見つめて言った。

 

「あれええええええ!? ホンマや! 俺、魔法発動体ないのに魔法使っとる!?」

 

ええええええええええええええええええええ!?

 

 

 

あとがき

 

こんにちは、作者です。

 

今回はネギ回です。ネギ君が主人公。明日菜も少しだけ出番があったような無かったような。そして今回驚愕?の事実が発覚。雪人は魔法発動体を持っていなかった。魔法発動体を持っていないとネギまの魔法は使えないはず。……はず。ぶっちゃけ答えておくと、忘れてたんだと思う! もしくは使える設定にしたかどっちかです。忘れました。ここで少し言い訳をしておきたいと思う。俺が悪いんじゃないんだ 昔の俺が悪いんだ。

 

あともしかしたら七話は上中下じゃなくてその1~4とかになるかもしれない? ならないように頑張るけど。

 

それではまた次回。またね。

 

 

 


 
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