No.401738

死にたがりの第五十五話 偽物が偉そうに語ってんじゃねぇよ!!

アニスたん上条さん化

2012-04-02 19:20:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2682   閲覧ユーザー数:2566

あらすじ

 

 

嫁宣言とかマジ勘弁……

 

 

アニス君は私のお嫁さんなの!(なのは代打ち)

 

 

アニスは私のお嫁さんだよ?(フェイト代打ち)

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「はろはろ~!アニスたんだよ~!」

 

 

「うわっ!?き、急に現れるな!」

 

 

何か、いきなりクロノに怒られた……。

アニスたん悲しい……。

 

 

「あ、アニス君!私勝ったよ!」

 

 

「うん、見てたよ……嫁宣言までばっちりとね……」

 

 

 

「あ……あはは……あの……あれはつい成り行きで……」

 

 

「成り行きで二人同時に俺を嫁宣言するとかどうなってんの!?おかしいでしょ!?それと俺は婿だぁぁぁぁ!!」

 

 

ツッコミどころが違うって?

気にしたら負けですぜい。

 

 

「それよりも……」

 

 

俺はモニタに目を向ける……。

既に時の庭園には武装局員が配置に付いている状態……。

……はぁ、めんどくさいなこれはこれで……。

 

 

しかも……アリシアが居る所の部屋まで見つけちまってるし……。

あーあ……ホント……めんどくさいねこいつら……。

 

 

「……フェイトちゃん……」

 

 

「……何……?」

 

 

「……今から自分で見る現実に、目を背けちゃ駄目だよ?例えそれが……偽りでも……」

 

 

「……それって……どういう……」

 

 

フェイトが何かを言おうとした時。

その言葉は、プレシアの怒号でその言葉はさえぎられた……。

 

 

《私のアリシアに、触らないで!!!》

 

 

プレシアは、アリシアに近づいていた局員を吹っ飛ばす……。

おいおい、何処にそんな力があるんですか貴女に……。

 

 

《撃てぇ!!》

 

 

一人の局員の合図とともに、他の局員もプレシアに向けて魔力弾を放つ。

だが、プレシアはそれを全てプロテクションで防ぐ。

そしてプレシアは片手間に局員達魔法で落していく……。

 

 

「いけない!局員達の送還を!」

 

 

「りょ、了解です!!」

 

エイミィが急いでコンソールを叩き、気絶したすべての局員をアースラに送還させる。

病気に侵されてるって言うのに……何つぅでたらめさ……。

 

 

「アリ……シア……?」

 

 

フェイトは目の前の現実を受け止めきれていないのか、その目には……ただ驚きの表情しか出ていない……。

 

 

そしてプレシアは、愛おしそうな顔をしながら、アリシアが入っているポッドを触る……。

 

 

《もう駄目ね……時間が無いわ。たった七個のジュエルシードでは、アルハザードに辿り着けるかどうかは分からないけど……でも、もう良いわ……終わりにする……》

 

 

プレシアはこちらが映像で見てる事に気づいてるらしく。

こちらを向いて話す……。

 

 

《この子を無くしてからの暗鬱な時間も……この子の身代わりの人形を娘扱いするのも》

 

 

その言葉に、フェイトは反応する……。

……プレシアの表情には、本当にもうどうでも良いと言う顔になっている……。

 

 

……やっぱりか……。

てめぇは、どれだけプレシアとフェイトを悲しませれば気が済むんだ……。

 

 

《聞いていて?貴女の事を言っているのよフェイト……せっかくアリシアの記憶を上げたのに、そっくりなのは見た目だけ。役立たずでちっとも使えない……私のお人形》

 

 

「……最初の事故の時にね、プレシアは実の娘、アリシア・テスタロッサを亡くしているの……」

 

 

エイミィがポツリポツリと語りだす……。

プレシアの研究……その研究の意味……そして開発コード……。

エイミィは調べた事を全て話す……。

 

 

《……良く調べたわね?そうよその通り。だけど駄目ねぇ……ちっとも上手く行かなかった……作り物の命は所詮作り物。失ったものの代わりにはならないわ……アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ。アリシアは時々我が儘を言ったけど、私のいう事をとて良く聞いてくれた……》

 

 

「……止めて……」

 

 

なのはが涙声で訴える……。

だが、その声はプレシアには届かない……。

否、プレシアの皮を被った何かには届かない……。

 

 

《アリシアは……何時でも私に優しかった……フェイト……貴女はやっぱり、アリシアの偽物よ。せっかく上げたアリシアの記憶を。貴女じゃ駄目だった。》

 

 

「止めて……!止めてよ……!!」

 

 

《アリシアを蘇らせる間に、私が慰めだけに使うお人形……。だから貴女はもう要らないわ……何処へなりと消えなさい!!》

 

 

「お願い!もう止めて!!」

 

 

《フフ……ハハハハハハハハハハ!!!良い事を教えてあげるわフェイト……貴女を作り出してからずっとね……私は貴女が、大嫌いだったのよ!!》

 

 

「………ッ!」

 

 

フェイトの体が一瞬ビクッと震えると……そこからバルディッシュが落ちて、壊れてしまう。

それと同時に、フェイトを倒れてしまう。

 

 

それを見たなのはとユーノが抱きかかえる。

 

 

「くっ……あっははははははははは!!あーっはははははははは!!これはとんだお笑い草だ!あーっはははははははは!!!」

 

 

俺は、気づいたら笑い出していた……。

あー……おっかしい……。

 

 

「アンタ……何笑ってんだい!!!」

 

その瞬間、俺はアルフに掴み掛られる。

だが、俺はアルフの方を向かない……。

 

 

「……くっくっ……おいプレシア……てめぇ、フェイトを偽物だって言ったよな?」

 

 

《……それがどうかしたのかしら?》

 

 

「おっかしいな~。てめぇが言えた義理じゃぁ……ねぇだろうがよぉ……なぁ?偽物さんよぉ!!」

 

 

俺はプレシアであって、プレシアでない者を睨みつける。

そして、その偽物も……。

 

 

《……どういう意味かしら?》

 

 

「うっせぇんだよ。グチグチグチグチ、てめぇがフェイトに言えた義理じゃない言葉を並べやがって……。おまけにその薄汚い笑い声……鼓膜が爛れるっての」

 

 

《………………》

 

 

「良いか、良く聞け。過去に縋り付く亡霊。確かに、フェイトはアリシアの偽物かもしれない。だけど、それがどうした?過去に縋り付く事しかできないてめぇが作り出した者は、ただの体の良いお人形さんで片づけちまって良いのかよ!」

 

 

《えぇ、私にとってはそれだけで済む話なのよ》

 

 

「だったら!お前の中に居る、プレシアはどうなんだ!!間違ったあんたが作り出したフェイトは!!本当にアンタにとって、ただの人形だったのかよ!!」

 

 

《くどいわね、そうだと言って……》

 

 

「お前に何か聞いてねぇんだよ偽物!!俺はアンタの事なんか知らない!知ってるのは、アリシアも、フェイトも……自分の過去も、失敗も、汚点も……そして、現実も受け止めているプレシア・テスタロッサだ!!俺はそのプレシアに聞いてんだよ!!偽物なんかには、これっぽっちも聞いてねぇ!」

 

 

《さっきから偽物偽物うるさいわよ……いい加減に、その口を閉じなさい》

 

 

「どうなんだプレシア!!お前の気持ちは、そんな所で終わりにしちまって良いのかよ!?諦めきれるのかよ!?」

 

 

《……た……は………》

 

 

プレシアは何か小さく言葉をつぶやく。

……聞こえねぇ……聞こえねぇよ……。

 

 

「諦めきれないんだったら、亡霊に何か飲まれてるんじゃねぇよ!!目を覚ませ!少しばかりの悪い夢で折れてんじゃねぇよ!!あんたは、最愛の娘を助けたくないのか!?」

 

 

《わ……た……し……》

 

 

ドンドン言葉が鮮明に吐き出されていく。

でも……まだ聞こえねぇよ……。

 

 

「だったら、いい加減その悪い夢を断ち切ろうぜ!大魔導師!!」

 

 

《わ……私……は……。助けたい!!フェイトを!!私の大好きな娘を!!》

 

 

やっと出て来た表のプレシア。

……それが本音なのなら……喜んで手を貸してやる……。

 

 

《グッ!お前は……出て来るなぁ!もう少し……もう少しで……アリシアを!!》

 

 

「……一体……どういう事だい……これは……」

 

 

アルフが、いきなり豹変したプレシアを見て驚きを隠せていない様子。

それに、ここに居る俺以外の全ての人間が驚いている。

 

 

フェイトも……少なからず聞いている……。

 

 

《アリシアはもう居ない!今居るのは……物静かで、いつも笑ってはくれないけど……それでも……優しくて、たまに見せる笑顔が可愛い……私の愛しい娘のフェイトなのよ!!これ以上……私達の邪魔をしないでちょうだい!!》

 

 

「プレシアさん!そのままもう一人のプレシアさんを抑えておいてください!今すぐ行きます!」

 

 

俺は転移符を懐から取り出して、座標を時の庭園に転送するが、それをクロノ達に止められる。

 

 

「うがー!離せコノヤロー!今行かずして何とする!?」

 

 

「少しは落ち着け!こっちは全く話の展開が呑み込めないんだ!!」

 

 

「そうよ。少しは説明してくれないと、こちらも対応が出来ないの」

 

 

あぁめんどくさいなぁ!!

後でじゃ駄目なのかよ!!

 

 

「プレシアさんは二重人格者!以上!んじゃ行ってくる!」

 

 

「だから待てって!!それだけじゃ分からないって!!」

 

 

だぁ!めんどくせぇなおい!

仕方なく、俺はプレシアの事を全て話すことにした。

 

 

「……これが全てだ……」

 

 

「……本当にそんな事が……」

 

 

「でも、それだったら辻褄が合うわ」

 

 

「あのさ……この場合ってプレシアさんどうなるん?この事件はプレシアさんの意志じゃないですし」

 

 

「……そうね……この事件が、もう一人の人格がしたことになると……無罪にはならないわ。その代り、精神病院には通ってもらう事になると思うわ」

 

 

「……そうですか……」

 

 

良かった……だったら、安心かもな。

 

 

「あの……さっきは掴み掛ってごめんよ?」

 

 

「あぁ、別に気にしてません。あの空気で笑った俺が馬鹿なんですから」

 

 

そりゃあんなシリアスな所で笑ったら、フェイトを笑われたって思うわな。

それにしても……。

 

 

「フェイトちゃん、いつまでそうしてるつもり?」

 

 

「………………」

 

 

「さっき、俺言ったよね?今から自分で見る現実に、目を背けちゃ駄目だよ?例えそれが偽りでもって。この通り、さっきのは全部偽り。悪い夢だったんだよ」

 

 

「……悪い………夢………」

 

 

「なのはちゃんにも言った事だけど。フェイトちゃんはまだ何も始まってない。スタート地点からまだ動いてないんだ。だから、なのはちゃんと一緒に始めようよ?フェイトちゃんのこれからを」

 

 

「………私の………これ………から………」

 

 

「そう。だから……先ずは人助けから。困ったお母さんの暴走を止めるのは、娘の務めだよだからね。それじゃあ、俺達は先に行ってるよ?」

 

 

俺は転移符を使い、今度こそ転移を始め、時の庭園に向かう。

 

 

「あぁ、もう!!勝手に行くなって言ったのに!」

 

 

そう行って、クロノも転移をしようとする。

なのはも急いで行こうとしたが、行く前にフェイトに何か一言だけ告げる。

 

 

「フェイトちゃん。私、フェイトちゃんの事待ってるから!一緒に始めよう!!」

 

 

「なのは!行くよ!」

 

 

なのははユーノの呼ぶ声に、急いで着いて行く。

 

 

「……これ………から………一緒……に…………アルフ………アニス………なの………は………」

 

 

フェイトの目は、徐々に光を取り戻していく……。

 

 

 

 

………タイムリミットまで……もう、余り残されては無い。


 
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