No.400968

超次元ゲイムネプテューヌ Original Generation Re:master 第3話

ME-GAさん

超次元ゲイムネプテューヌ Original Generation Re:master 第3話です

なろうからの方々のために別口でmk2投稿しようかな…とか考える今日この頃

2012-04-01 08:55:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1550   閲覧ユーザー数:1494

というわけで回想シーンは終了し、物語は基本軸に戻った。

その後、なんか適当な紆余曲折があり、テラは3人のパーティに仲間入りしてそれなりの波瀾万丈な旅をしていた。

まだ大陸から出てもいないのに、とテラはこの先に一抹の不安を覚えたがそんなことはどうでもいいのである。

 

場所は移ってプラネテューヌ中央市街に位置する協会前。

「そろそろ大陸の接近情報が出てるわね。次の接近は……ラステイションね」

協会前の掲示板に張り出される情報をアイエフは確認する。

「ラステイションか……。どうする? 鍵の欠片はまだ集めてないんだろ? 移動するか?」

現在、彼らが所持している鍵の欠片はプラネテューヌの鍵の欠片のみ。

残る3大陸に存在する鍵の欠片はまだ集められていない。

「そうね……。ねぷ子」

「ん? 湿布なら無いから買いに行かないとダメだよ?」

「聞いてねーわよ。そうじゃなくて、イストワールさんから何か指示とかないの?」

以前にテラはイストワールと会話したことがあるが、一番交信率が高いのはネプテューヌなので何となくそっちを頼る。

「いーすんからの連絡はないなー。そう言えば最近声聞いてないけど元気かな?」

「もしかしてもう……なんてコトはないです?」

コンパは不安げな声を上げる。

「大丈夫、じゃないのか? 情報はないけど、信じようぜ」

テラの言葉に一同はこくりと頷く。

「さて、そうと決まればやることはさっさと済ましちまおうぜ」

「そうだね!」

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

「クエストの目的地はここか?」

「ええ」

シン、と静まりかえった洞窟からは肌寒い風が吹き付けている。

たまにゴォッと強い風が吹き付けて身体の軽いネプテューヌはテラに支えて貰わなければゴロゴロと転がってしまうほどだ。

「んじゃ、行きますか」

テラは先頭に立ち、他のパーティが強風の被害に遭わないように盾になりながら進む。

 

 

 *

 

 

「ほっ」

モンスター、サンドワームが繰り出す攻撃を横に、上に避ける。

その隙に弾丸を撃ち込み、動きを止める。

「グワ!」

サンドワームは巨体を地上に打ち上げられた魚のように暴れ回っている。

そこにネプテューヌが変身した姿で高速接近、刀の一閃はサンドワームに見事に決まる。

サンドワームは更にのたうち回るが、それらを全てかわし、ネプテューヌは更に連撃を叩き込む。

「これで、終わりっ!」

ネプテューヌが刀を大きく振りかぶり、サンドワームを肉塊に変える。

音もなく着地し、ネプテューヌは刀をブンと振り、付着したモンスターの体液を飛び散らせる。

「フン、暇つぶしにもならない相手だったわ」

「前から思ってたけど、この状態のねぷねぷってスゴイ危ない考え方をするです……」

「私は戦うことが楽しくて仕方がないの……。こうしてモンスターを掃討していると世界を救っているんだと実感できるしね」

「あわわ……言ってることは正義ですけど、行っていることは悪者な気がするです!」

二人がそんな会話をする中で、テラとアイエフはなかなか冷静だ。

「目標は達成できたわね。あとは周囲の確認だけして帰りましょ」

「そうだな……」

二人がそう言ってくるりと向きを変えたとき……

 

 

 

 

 

「ハーッハッハッハ! 見つけたぞ、ネプテューヌ! まさか本当に下界に降りていたとはな!」

突如、降りかかる声に一同は周囲を警戒する。

「誰!? この時代遅れな笑い声は!?」

変身を解いたネプテューヌは辺りをキョロキョロと見回す。

「余計なお世話だ!」

ネプテューヌの言葉に他三人も同意したのは秘密だ。

「だが、人をおちょくる意地の悪さも相変わらずだな?」

カツカツとヒールの音が洞窟内に響き、一人の妖艶な女性が現れる。

「これならなんの躊躇いもなく……潰せる! 覚悟しろ!!」

そう叫び、女性はネプテューヌめがけて突っ込む。

さっき時代遅れとか言ったのがいけなかったのかなですー、とかコンパはマイペースなことを考えていたが口には出さなかった。

襲いかかる女性の杖を刀でギリギリ防いだネプテューヌは再び変身し、刀で薙ぐ。

女性は大きく上に跳躍し、火球を作り出す。

「んなっ!?」

ネプテューヌめがけて投げられた火球は辺りを火の海にし、メラメラと燃えさかる。

「ちっ! 運だけはいいなっ!」

ギリギリのところで避けたのが気に障ったのか、女性はビキリと額に青筋を浮かべる。

「ならば、これはどうだ!」

女性は更に多くの火球を生み出し、投げつける。

「きゃっ!」

「コンパ!」

その火球の一つの着弾地点にはコンパが腰を抜かして座り込んでいた。

「くそ!」

テラは地面を蹴ってコンパを抱え込み、なんとか救出する。

「大丈夫か」

「はいですぅ……」

「ここにいろ!」

テラはコンパを岩陰に隠し、再び戦場へ赴く。

「そこだっ!」

「っ!?」

火球の中には小さな氷弾が紛れ込んでおり、それがネプテューヌに触れる。

氷弾はたちまち、巨大な氷塊を作り出し、ネプテューヌを覆い尽くす。

「ねぷ子!」

テラは氷塊に近付き、ダガーを突き立てる。

「おらっ!!」

しかし、氷塊はガキィン、と音を立ててダガーを跳ね返す。

「クソ!」

テラは歯噛みして氷塊を拳で殴るがどうにかなる兆しはない。

「テラ、このままじゃ危ない! 私のことは放って――」

「っざけんな! テメエ一人置いて逃げれるかよ!」

テラは弾き飛ばされたダガーを拾い、女性に向かって突っ込む。

「っだ!」

「ぐ!」

ダガーと杖がぶつかり合い、火花を散らす。

「ねぷ子の術を解け!」

「断ると言ったら!」

「無理矢理にでもやらせてやる!」

ダガーを振り、銃を構えて発砲、女性はサッと避けて右手に雷球を出現させる。

テラに向けて発射された紫電はテラの『腕』によってかき消される。

「!?」

女性は目を見開くが、すぐに体勢を戻して手を地面につく。

そこから地割れが起こり、テラを飲み込む。

「ぐっ!」

地面からドーム状の物体が出来上がり、テラを閉じ込める。

「フン……雑魚が」

女性が杖を地面に突き立てると、ボフッと音が鳴り、ドーム状の物体から煙が上がる。

「貴方だけは……許さない!」

「っ!?」

突如、背後からネプテューヌが女性を襲う。

刀を構えて一撃、二撃と女性に叩き込んでいく。

「馬鹿な! どうやってあの氷の檻から!?」

「そんなことはどうだっていいのよ!」

ネプテューヌは女性を右足で蹴り上げ、空中から地面に叩き付ける。

女性は受け身を取って大きく後退する。

「クソ! 大して強くもないくせに何故!? そうか、プラネテューヌだからか!」

女性は杖をブンと振るい、肩に担ぐ。

「プラネテューヌは貴様のフィールドだったな……。

だが次はない! 覚えておけ!!」

コンパとアイエフに何とか救出されたテラはその女性を睨む。

女性は一度、フッと微笑うと踵を帰して洞窟の出口へ向かって歩いていく。

なんか捨て台詞も古いなー、とかテラは思った。

「それから、そこの男!」

「え、俺?」

いきなり指名されてテラはビクリと身を震わせる。

「……」

「何だ?」

「貴様は面白い。また会おう」

「……おい、それってどういう――」

しかし、テラの声を聞かず、女性はツカツカと歩いていく。

「っんだよ、アイツ……」

「突然わめいて、襲ってきて……いくら何でもストレス溜めすぎじゃない!?」

アイエフはご立腹である。

しかし、ネプテューヌは何時になく、真面目な顔つきだ。

「あの人……私のこと知ってたのかな?」

「え?」

「だって、『相変わらず』とか言ってたんだよ? 昔の私を知ってたとしかか思えない……」

その言葉にテラは『そうか』と思う。

このネプテューヌという少女は、聞いた話だといわゆる記憶喪失なのだ。

ある日を境にそれ以前の記憶が存在せず、この世界の常識も分からないという致命的なものだ。

とはいえ、人間的な道徳、一般常識はあるのでさほど問題ではないが。

この娘は、普段は感じさせないが、やはり元の自分を知りたいという思いがあるのだ。

「悪いな。もう少し俺がどうにかできていれば捕まえられたかもしれないのに……」

「そんな! テラさんの所為じゃないよ!」

ネプテューヌはブンブンと両手を前で振る。

「ったく、迷惑なヤツね……」

「いったい誰だったですぅ?」

「……」

しかし、二人の声はテラには届かなかった。

彼は自分の正体に疑問を持った。

 

 

 

何故、自分は……あんなことができたのかと。

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの胸に疑問を生み出した彼女の正体を一行が知るのはまだ先であった……。

 


 
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