No.394556

そらのおとしもの 番外編 『カオスのとある日常(いちにち)  散歩編』

BLACKさん

前回から引き続き「秋山総司郎(作者の分身のオリジナルキャラ)はどんな奴」シリーズです。
しかしオリジナルのみでは伝わりにくいので、今まで書いたそらのおとしものを使っています。ご了承ください。


2012年3月31日追加

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2012-03-19 20:16:49 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1240   閲覧ユーザー数:1227

 

 

ある日のこと。

カオスは一人で散歩をしていた。

 

「♪~♪~」

 

カオスはある場所へと行った。

そこは神社であったが、初詣の時期を終えていたので、屋台などがなくただの参拝道と階段だけの殺風景なものであった。

 

「なんにもないな~」

「そりゃあそうだろ」

 

カオスの後ろから声が聞こえてくる。

声をかけてきたのは秋山であった。

 

「秋山お兄ちゃん」

「散歩か?」

「うん、秋山お兄ちゃんも?」

「ああ。せっかくだ、少し歩くか?」

「うん」

 

そして二人は何もない神社を散歩し始めるのであった。

 

 

 

『カオスのとある日常  散歩編』

 

 

 

 

 

「なんで今ってここ何もないの?」

「祭りとか特にやることがないからな。まあ特にないとは言っても参拝くらいはしても別に問題ないさ」

 

二人は歩きながら話す。

 

「でも神様って大変だね」

「うん? なんでだ?」

「だっていろんな人のお願いを聞くんでしょ。それを全部聞くんだから…」

「まあ丁寧に一人一人の願いを聞く神もいれば、全然聞かない神もいるけどな」

「そうなの?」

「俺は色んな世界を見てたりしてるんだぜ。神とかが普通にいる世界だって見てきたさ。

それに忘れてないか? 俺だって一応神様だって」

「でも秋山お兄ちゃん、自分は人間だって…」

「お、きちんとツッコんできたか。そうだ、俺はあくまで神の力と言うか魂を持っただけの人間だ。

基本的に人間はどこまで行っても人間さ」

「そうなの?」

「俺はそう思う」

 

二人は歩き続け、階段を上る。

 

「ふぅ」

 

階段を上り終える。

 

「ひとまず座るか」

「うん」

 

二人は階段のところで座り込む。

 

「カオス、ここから何が見える?」

「何って…町だよ」

「ああ、そうだ。けど俺には他のものも見える」

「何が見えるの?」

「俺がこの世界に来て体験した出来事、思い出だな」

「それって走馬灯?」

「別に俺、死にかけてねえから」

「はははは」

「まあとにかく俺に色々見えるな……。

ところでカオス」

「な~に?」

「なんでニンフがリンゴ飴が好きになったか知ってるか?」

「ううん」

「まあ結局は本人しかちゃんとしたことは知らないけどな、ニンフの奴智樹に奢ってもらったんだよ。リンゴ飴」

「それで好きになったの?」

「いや、その時はそうじゃないさ。

その時のリンゴ飴は確かにおいしかったらしいけど、ニンフさ、その時入り組んでた事情で昔のことを思い出して泣いたんだ。

その涙をごまかす時なんて言ったと思う?

『このリンゴ飴がまずいのよ!』だってさ。泣く前においしいって言ったのをいきなり変えてきたんだぜ。

智樹の奴、すごく慌ててたな。そはら達にニンフを泣かせたって言って……」

「ふぅ~ん」

「そんでもってずっと後にまた奢ってもらったんだ。

ちょうどこの神社の祭りの時だったな。アストレアも初参加で美香子に騙されて変な格好してたな」

「どんな格好してたの? アストレアお姉様」

「相撲取りの格好さ」

 

秋山はカオスにその時のことを教えた。

 

「おかしいね、アストレアお姉様」

「まあ本人も分かってるバカだからな」

 

秋山は笑う。

 

「しかしそんな思い出を作りながらも俺はいつかこの世界を去らないと行けない」

「どうして?」

「この世界の人間じゃないってのが理由でもあるけど最大の理由は俺がまだまだ学ばないといけないことが他の世界にいっぱいあるからな。

それと俺はいつかは滅びないといけない」

「滅ぶ? なんで死なないといけないの?」

「闇はいつか光による浄化が必要。そのためさ。

っても俺は抵抗せずに消える気もないし、すぐに死ぬ気もない。

まあこの異世界めぐりはそのための準備とでもいうのかな……」

「大変なんだね」

「大変か…。まあ確かにいろんな意味で大変だが、俺は大変だと思ったことはないな。

そりゃあむかつくことは多かったけど、それ以上に楽しいことの方が多かった」

「そうなんだ」

「ああ」

 

秋山はそう言って黙ってまた町の方を眺める。

 

「秋山お兄ちゃん?」

 

カオスが声をかけるが秋山は返事をせず、ただぼーっとしていた。

 

「どうしたの?」

「ぼーっとしてるだけさ」

 

秋山が何度目かの声でようやく返事した。

 

「ぼーっと?」

「ああ、散歩するときも基本的に考えてないな。ぼーっとしてる」

「それって楽しいの?」

「楽しいか……。そう言われると微妙だな。けど退屈はしない。

まあ退屈だからぼーっとするって言うのが俺の中では正しいかな」

「ぼーっと、ぼーっと」

 

カオスも秋山にならってぼーっとしようと思うが思うようにならない。

 

「ぼーっとって言ってるうちはぼーっとできないぞ。

無意識のうちにやるもんさ」

「難しいね」

「あまりに退屈なことを体験すれば出来ると思うぞ」

 

秋山は立ち上がる。

 

「今度はどうしたの?」

「いや、思ったより時間が経ってるなと思ってな。

日が暮れ始めてる」

 

秋山が日の方を指差すと既に日が沈み始めていた。

 

「本当だ」

「俺はともかくお前は帰らないと心配されないか?」

「そうだね」

 

カオスも立ち上がる。

 

「それじゃあ帰るとするか。送っていくぞ」

「うん」

 

そして二人は智樹の家に向かった。

 

 

帰り道にカオスは歩きながら周りの景色を見た。

 

「ここは……」

「私とニンフお姉様にイカロスお姉様と最初に戦った場所…」

「アストレアもだろ。ついでに俺も…」

 

二人はその時の戦いのことを思い出す。

 

「あの時の秋山お兄ちゃん、今思うと怖かった」

「あの時はお前が悪いんだぞ。俺をあの状態…滅フォームにさせちまったんだからな」

 

「滅フォーム」。秋山が持つ「滅モード」を無理矢理フォーム化させた力であり、自分の持つ闇の魂とは別の深い闇の心に触れたことによる怒りと憎しみによる破壊と殺戮の衝動に非常にかられやすい状態であった。

 

「まあその時よりももっと後の方が俺的にはまずかった。本当に世界崩壊させかけてたからな」

 

秋山は思わず頭をかく。

 

「ごめんなさい」

「今更謝られてももう過ぎたことだ。それに世界になんともなくってよかったさ」

 

二人は再び歩き出す。

 

「あ」

「今度はどうした?」

「ここで会長さんと初めて会ったんだよ」

「美香子とここでか?」

 

そこはなんも変哲のない何もない道であった。

 

「うん。会長さん、犬の散歩してた」

「そう言えばあの家、犬いたっけっか。それで声、かけたのか?」

「ううん、あの時は何も…。ただ通り過ぎただけ」

「まあそんなこともあるか」

 

二人はそのまま智樹の家へと着いた。

 

「ただいま~」

「どこ行ってたのよ?」

 

ニンフが出迎えた。

 

「散歩」

「散歩? 散歩ってつまらないだけじゃない」

「そうでもないぞ」

「あんたには聞いてない」

「楽しかったよ」

「まあ楽しかったのなら別にいいけど…」

「おかえりなさい、カオス」

「お、カオス帰って来たのか」

 

イカロスに智樹もやって来る。

 

「ただいま、イカロスお姉様、お兄ちゃん」

「秋山さんも…」

「いや、俺はただ送っただけだぞ。それに一応は俺も自分の家ってもんあるし……。

それじゃあな」

 

秋山はすぐに智樹の家を出て行った。

 

「カオス、どうだった?」

「とても楽しかった♪」

「そうか」

 

智樹はどこか嬉しそうな顔をするのであった。

 

 

 

 

秋山について分かったことその2

 

 

 

秋山は色々学ぶために世界を放浪している

 

 

 

 

 

秋山はいずれは滅びないといけない存在である

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

作者「さてさて」

カオス「投稿少し早くない?」

作者「俺は明日から4日間だけだがものすごく忙しくなる。だから今のうちに投稿した。

それにしばらくはその4日間以外でも忙しくなる可能性も出てきたからな」

カオス「作品の方は大丈夫なの?」

作者「まだ『秋山ってどんな奴』シリーズは3つのストックもあるし、新ネタは2つ3つはできてる。問題ない。

それはそうと最近は色々投稿作品が多くなった気がする」

カオス「それがどうしたの?」

作者「いや、いつも軽く新しく投稿したものを見てるんだが、連続投稿が多すぎて追いつけなくなったと思ってな」

カオス「秋山お兄ちゃんも結構してると思うけど?」

作者「俺は秋山じゃねえ。まあMEGAMAXの時は1つにしようとしたら長すぎるとあったからやむを得ず3つに投稿したけど、それ以外だと俺は連続投稿は2作品までしかしてないぞ」

カオス「なんで?」

作者「連続すぎると読者がなかなか追いつかずに読んでくれないからだ。だから最初は基本的に1日1作品としていた。今じゃ1週間に1作品とペースが落ちた」

カオス「でもすごい数だよ」

作者「まあな。最近はそれだけじゃなくてオリジナルキャラ主人公も多くなった」

カオス「秋山お兄ちゃんも同じじゃないの?」

作者「多分だけど、オリジナルキャラの中でも秋山を超えるやつはそういないと思うぞ。まあ基本強いオリキャラは『俺つえええ』だからな。強くて当たり前だ。けど、秋山は話の主役にはなっても主人公になることはない」

カオス「そうなんだ」

作者「とりあえずこんなものにするか。それでは!

ああ、早く第2次スパロボZ再世篇やりたい。PV見たせいでなおさら…」


 
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