No.393705

聖杯は砂漠のバラの園に… 01話・心優しき化け物と心冷たき少女

交わるはずのなかった物語。

化け物と少女の無くてはならなかった物語。

こんなものは本当の強さじゃない、、本当に強いのは、、本当に強いのは!人の思いだ!

2012-03-18 12:21:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1452   閲覧ユーザー数:1436

物語は、無限に広がる。

 

ちょっとした些細なことでも。

 

100や1000もの物語に繋がることもある。

 

これは、とある化け物がとある戦いに勝ってしまった物語。

 

オリジナルのブレイドの世界とは、違う終末になった哀しき化け物と、とある少女たちと戦う純心な闇の少女の決して交わらないはずだった物語。

 

 

 

 

 

彼らが出会ったのは、些細な事だった。

 

 化け物…相川 始が、自身を封印してもらう人を全て殺してしまったことだった。

 

始は、自分を封印させようとしていた親友を、間違えて殺してしまった。

 

「…なんで、なんで、最後に手を緩めた!」

 

周りに散らばるのは、52枚のカード。

 

雨の中、親友を抱えながら言う。

 

「無理に決まってる。

 だって、親友を殺すなんて出来るわけ…ゲホゲホ!!。」

 

親友は、血を吐きながら言う。

「もう、

 もう何も喋るな。

 今から救急車を呼ぶから、それから…

「もういいよ、親友を殺すよりましだ。」

 …!!」

 

「ごめん…。

 俺、もう無理だ。」

 

「何言ってんだよ!

 俺を封印するのはお前だろ!!!」

 

「あははは。

 やっぱ性に合わないなこういうの。

 俺、すごく眠い…。

 ごめん、明日にしてくんないか…?」

 

そして、親友は目を閉じる。

 

まるで、永遠の眠りに堕ちる様に。

 

「おい。

 うそだろ。

 冗談だよな。

 なんとか言えよ!

 なあ!

 なあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

始は一瞬怪物の様な姿になりながら咆哮を上げる。

 

だが、彼の望みは叶わず、親友は朽ちて行く。

 

すると、どうだろう。

 

彼の体の中からガーバラ ジェロンド オレンジの花が出てくる。

 

そして、花から光が出てくる。

 

その光が、彼を包む。

 

次の瞬間には、親友の死体以外は、居なかった。

 

ガーバラ ジェロンド オレンジの花言葉は、希望。

 

 その希望が、彼の希望になったのだろうか知らないが彼は、いや、化け物は、少女たちが戦う世界のとある砂漠に落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、彼女…ダークプリキュアは、砂漠の使徒周辺の砂漠を散歩していた。

 

 最初、彼女は、気でも狂ったのかと思ったが、引き寄せられるように砂漠へと歩いて行った。

 

1000m弱でも歩いただろうか。

 

 彼女は、(もういいだろう。)と、思い、砂漠の使徒へ引き返そうと思ったが、100m先ぐらいだろうか、小範囲の光を一瞬発する。

 

気になり、光を発した場所に行く。

 

「なっ!」

 

声を出すほど、目がおかしいと思うほどの光景を目にした。

 

 俯せに倒れ、ほとんど砂に埋もれたコートを羽織った男とその頭の隣にあるきちんと重ねられたカード。

 

 少しずつ近づき、彼の砂を払い、生きているかどうかを確認する。

 

呼吸は、している。

 

彼女は、彼をよく見る。

 

「おかしい…。」

 

確かに、こんなところで俯せになってるのはおかしい。

 

だが、彼女はそんなことはどうでもよかった。

 

本来なら、人間にはあるはずの『心の花』。

 

それが、無かったのだ。

 

これが、化け物と少女のファーストコンタクトだった。


 
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