No.388091

バットVS包丁!フリゲー最凶決定戦!

今生康宏さん

深夜のテンションで書き上げました
色々と許して冷ヤシンス

2012-03-07 05:20:11 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:644   閲覧ユーザー数:644

はじめに

 

 この作品の中では、「操」の主人公アキと、「ゆめにっき」の主人公窓付きに、原作破壊レベルの妙なキャラ付けがなされています。

 そういうものが苦手な方、およびクロスオーバーが嫌いな方は「戻る」を強く推奨させて頂きます。

 また、「操」ver2の真エンディングに関わるネタバレを含みます。「ゆめにっき」についてもエフェクトバレ、イベントバレがありますのでご注意ください。

 最後に、筆者はどちらの作品も大好きです。

 気が付くと、見知らぬ天井。

 あれ……あたし、授業中居眠りしてて、そのまま……。

 って、前にもこんな展開あったっけ。

「んっ、何これ、ベッド?ふぁ……はくちっ!な、なにこれ?なんで雪原のど真ん中にベッドがあるの!?」

 見知らぬ天上というか、雪の降りしきる曇り空だったよ!クレイジー過ぎるよ!というか、凍死するよ!!!

 これが夢なのか、異界なのかわからないけど……とりあえず、何とかして出口を探さないと。

 適当に彷徨っていると、鳥っぽい顔の女の人を見つけた。

「あ、こんにちは。ここの出口ってわかりますかー?」

「出口?そんなもの、ここにはないよ」

「ええー!?」

 まさかの脱出不可能の迷宮!?

 ということは、地獄まで歩いて行くしかないの?

「ただ、頬をつねれば良いんだよ。ほら、テンキーの9を押して」

「テンキー……?」

 あたし、コンピューターって全然わからないんだよね。

 そもそも、現実にキーとかってないし。

「とりあえず頬をつねって……い、いはい!この痛み、現実っぽいよ!?」

「じゃあ、赤の王様に会うか、まじょの飛行イベントから落ちれば良いんじゃね?それか、FCバグ」

「意味わかんないよ!ちゃんとわかるように話してよ!日本語でおkだよ!」

「……ま、ここにいてもしょうがないから、あっちの方にある扉から別の世界に行きな」

「う、うーん。なんか不親切な鳥さんだなあ。鬼瓦さんはもっと親切だったよ?」

 不満を言っていても仕方がないので、なぜか雪原にある扉から出てみた。

 すると、なんか意味わかんないけど同じような扉がいっぱいあるところに出た。何これ?

「順当に考えれば、これはロッ○マンでいうところのステージ選択……他を全てクリアすれば、真ん中にワイ○ーステージが出るのね!」

 その理屈で行くと、雪原のボスも倒さないといけないんだけど、まあ今は無視。アイテム2号とかいりそうだし!

「ふぅ……毎度のことだけど、何なのよあの鳥公。何の恨みがあって私を閉じ込めるんだ、っつーの」

 とかなんとか考えてたら、なんか顔が手な人が現れた!?

 しかも手に目とか付いてるし、何これ、人?モンスター?ゾンビ?

「だ、誰?というか、何!?」

 何はともあれ、明らかにあたしに危害を与えて来そうな外見!ということで、戦闘用アイテム、バットを華麗に装備!

「あ?あんたこそ誰よ。私は……よっ、と。窓付きっていう、通りすがりの夢見る少女よ」

 ピンクっぽい光に包まれたかと思うと、手人間?の頭は普通の人間のものに変わっていて、手には包丁を持っていた。

「に、人間だったんだ。で、でも、包丁!?」

「いや、あんたがそんな物騒な物構えてるから。しかし、あんた不思議ね。私の夢の世界にこんなに意思とかはっきりした登場人物がいるなんて」

「登場人物?あたしは気が付いたら、ここにいたのよ!夢の世界か何だか知らないけど、あたしは巻き込まれただけなんだから!」

 これが夢って、この女の子も随分とカオスな夢を見ているのね。

 というか、なんで人の夢なんかに入りこんでるのよ。あたし。

「そう。でも、こんなの初めてだし、どうすれば良いのかわからないわ。私が夢から覚めたところで、どうにかなるか……」

「ええ!?もしかしてあたし、ずっとこのままなの?」

「そうとは限らないと思うけど、今のところはよくわからないわ。あなたを強制起床イベントで起こすにしても、今回の夢の世界はFCバグも赤の王様も出ない乱数だし、まじょのエフェクトももう私が取っているから……」

 よくわからないけど、脱出は難しいみたい。

 ええ……どうしてこうなったの……。

「ちょっと待って。これがあなたの夢の世界なら、それを壊してしまえば良いんじゃない?」

「世界を壊す……?私が夢から覚めても、エフェクトがリセットされたりしないということは、夢の世界は消えたりしないみたいなんだけど」

「だからね。あなたが死ねば良いの!」

 至近距離でバットを振り下ろす!

 フハハハ、倉田先生を、そして操ちゃん×3を葬り去った一撃を耐えられるはずもあるまい!

「なっ、なんで避けれるの!?」

「エフェクト、★じてんしゃ★……移動の基本にして、私の最強エフェクトよ!ほら、反撃の★ウンコヘアー★!ハエの攻撃を受けなさい!」

「くぅ!そんなの、塩を撒いて撃退してあげるわ!」

 この子……出来る!よくわからないけど、色々と変身しながら戦えるみたいだし、基本的には無抵抗だった倉田先生とは大違いね……。

 でも、あたしだってあの異界で幾度となく死にながら操ちゃんを救ったんだから!

 どういう訳か異界で拾ったアイテムは皆持ってるみたいだし、きっと何とかなる!三種類もある鍵とか、本当にどうしようもないけど!

「どうしたの?もうネタ切れ?」

「パウパウパパウ!起動ディスクカッター!」

「★ゆきおんな★そして、★ぼうしとマフラー★のコンボ!雪だるまに物理攻撃はほとんど効かないわ!」

「さすれば、ポッカリスウェット!どう?頭からスポーツドリンクをかけられる不快感は!」

「★カエル★!気持ち良いぐらいだわ」

 な、なんて芸達者なの!

 しかも、まるであたしの攻撃に完璧にメタはってるみたいに的確な変身をしてくる!

 こうなったら、やっぱり頼れるのはバットだけ!

「カエルといえば、メメタァ!バットでひしゃげなさい!」

「ふっ、貧弱貧弱ゥ!★しんごう★の赤信号!時よ止まれ!」

 え……?

「青信号。そして時は動き出す……」

 いつの間にかに、相手の子があたしの後ろにいる……?

 うそ、あたしが反応できないぐらいの超スピードで回り込んだっていうの?それとも、これは……。

「しんごうに変身している間は攻撃できない……でも、予めトラップをしかけておくことは出来るわ!私はゆめ2っきから逆輸入したバイクをあなたの真上に設置しておいた。そして、時が動き出すと同時にそれは落下!」

「ぐえぇ!い、急いでバットで壊さないと……」

「もう遅い!脱出不可能よ!無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 急に相手の子の体が大きく……というか太って、その巨体から繰り出される連続パンチでバイクは大破、爆発にあたしの体は吹き飛ばされて……。

 ああ、これでBADENDなのね。そういえば、一度もクイックセーブしてなかった。

 もう……諦めるしかない……。

『なんでそこで諦めるの?』

 え……?この声、もしかして……。

『アキちゃんは、私を助けてくれたじゃない。アキちゃんは他のどんな子よりも強くて、優しい女の子だって私、知ってるよ』

 そう……この声は、操ちゃん……。

『だから、こんなところで諦めちゃダメだよ!アキちゃんは絶対に生きて!私の大事な友達なんだから!』

 そっか……あたしは、操ちゃんの友達……。こんな他人の夢の中なんかで死んじゃう訳にはいかないよね!

「ふっ……他愛もなかったわね。もう動かないけど、念のためにこのタオルで首を絞めて、死亡を確認しておこうかしら」

 相手は、完全に油断している……タオルで首を絞めに来るその時がチャンス!

 幸い、バットはまだ手元にあるし、上手くやればこれで首をふっ飛ばせる!

「さて、これでチェックメイトよ!」

「その奇麗な顔をふっ飛ばしてやるぜ!」

「ええ!?」

 バットを思いっきり振り抜く!

 これは、あたしと操ちゃんの、百合百合パワーを込めた、未来へと繋ぐフルスイングだああああ!!!

「ふっ、無駄ァ!」

「なん……だと……?」

 操ちゃんの霊圧が、消えた……?

 と、というか、バットが包丁に止められてるし!

「私に不意打ちを決めようとするその心意気、大したやつだ……と賞賛の言葉を贈ってあげても良い。でも、しょせん不意打ちなんて、弱者のすること!真の強者はそんな安い攻撃でやられる訳がない。黄金の鉄の塊で出来た窓付きさんが、皮装備の主人公に遅れを取るとでも思っているの?」

 強い……確かに、この子は強い!

 でも、だから……だからこそ、燃える!

「窓付きちゃん、だっけ。その攻撃の多才さと、冷静な判断力。そして時間停止能力……最強のフリゲー主人公と言っても過言じゃないかもしれないわ」

「でしょう?あなたはしょせん、バットを振り回すのが関の山。ここまで多才な攻撃は出来ないわ」

「うん……それは認める。けど、窓付きちゃん。あなたになくて、あたしにあるものも、あるよ」

「……何よ、それ?知名度、人気、エフェクトの多才さ、グッズ……全て私が勝っているわ!」

「ううん……そんなんじゃない」

 窓付きちゃんはきっと、夢の世界を彷徨い過ぎて、大事なものを忘れちゃったんだね。

 でも、大丈夫。全部あたしが、思い出させてあげるよ。

「あなたに足りないもの!それは!情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!そしてなによりもォォォオオオオッ!!友達が少ない!!」

「と、友達……?」

「そう!夢の中の人とどれだけ仲良くなっても、夢から覚めてしまえばそれまで……。それに、電気を消すだけで裏切られるかもしれないわ!だけど、現実は違う!

 窓付きちゃん。あなたの生きる現実の世界は、辛いことだらけかもしれない。でもね、きっとあなたに優しくしてくれる誰かはいる。必要としてくれる誰かがいるはずなんだよ?」

「……そんなの、あなたに友達がいるから言えることなのよ!」

「そうかもしれない。でも、あたしは一人の寂しい女の子を、救えたよ?あたしみたいな子は、きっと他にもたくさんいる。あなたを暗闇から救い出してくれる子もいるんだよ!!」

「…………そう、なのかしら」

「そうだよ。もし窓付きちゃんがずっと一人でも、その時はあたしが窓付きちゃんの友達になってあげるよ!」

 世界にはヒビが入って、徐々に崩れ始めていた。

 もうこの夢は、窓付きちゃんには必要ないんだね。

 ……あたし、また一人の女の子を救えたのかな。……ちょろいな、案外。

「ありがとう。良ければ、あなたの名前を教えて?」

「あたしはアキ。通りすがりの――女子高生だよ」

「アキちゃん、か」

 夢から覚めて、私はベランダに立っていた。

 相変わらず、外の世界は汚く、歪んでいる。

 私を必要としてくれる誰か……そんな人が、本当にいるのかはわからない。

 でも、少しの間だけでも、信じてみようと思った。

 がちゃり、永らく開けていなかった扉が開かれる。

「……誰?鍵を閉めていたはずだけど」

 そんなことを言いながら、そこにいる少女が誰なのか、なんとなく予想していた。

「現実では初めまして。窓付きちゃん。――じゃ」

 アキはバットを握り締め、振り被る。

 もちろん、私も机の上に置いていた包丁を手に取った。

「第二ラウンドと行きましょうか!」

「うん!夢の中の決着を付けよう!」

 私達は、戦いの中でしか生きられない戦闘民族。

 なら、意思を通わせるのに言葉はいらない。

「ハラワタをぶちまけろぉぉぉ!!」

「大丈夫!撲殺してもぴぴるぴるぴるって唱えて治してあげるから!」

 

 

 ――殺し合い(友情)は永遠に続いて行く。


 
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