No.369857

乱世に降り立った聖闘士 第一話

瑠璃石さん

ハーデスとの戦いから目を覚ますとそこは見知らぬ世界。

果たして星矢達の今後は一体?

とりあえず此処まで試作しましたので公開します。

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2012-01-29 04:16:57 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7259   閲覧ユーザー数:6982

「全く、信じられないな」

 

星矢達が場所もわからぬ所で目を覚ましてから既に一ヶ月。

 

当然それだけの時間があれば人の一人にも出会う。

 

そこで得た情報とは、

 

「漢王朝ってなんだよ」

 

「知らんのか?俗に言う三国志という話の元となった時代だ。この時代は俺達から見れば1800年ほど昔に実際に起きた戦いで、『魏』『蜀』『呉』の三つの国が出来る前の王朝のことだ」

 

星矢のぼやきに、流石三国志の本場である中国『五老峰』に居ただけあって中国の歴史をそれなりに知っている紫龍。

 

「そういうことじゃなくて、何で俺たちがそんな1800年も昔の中国にいるんだよ?!」

 

「一々そんなことに驚いてどうする」

 

1800年前の中国にいるという事実に声をあげる星矢だが、隣の氷河はいたってクールに事実を受け止めている。

 

「これが驚かないでどうする?!」

 

普通に考えれば星矢の反応が正しい。

 

だが、

 

「俺達はアテナと共に、『ポセイドン』や『ハーデス』といった神々と戦い、地獄にまで行って来たん

 

だぞ?いまさら過去に来たからと言って何を驚く必要がある」

 

御伽噺ででしか聞かない神や冥界・海界にその身で殴りこんできた自分達。

 

これまでの出来事からすれば過去に行ったところで何のそのである。

 

「そっ、そりゃそうだけど・・・」

 

あまりにも普通の反論に思わずどもる星矢。

 

色々と普通の人生ではありえない体験を繰り返してきた星矢達聖闘士だが、間違ってはいけない。

 

常識で考えれば星矢の反応が普通なのだ。

 

「起きてしまったことはどうしようもない。まずは沙織さんの無事を確かめることが先決だ」

 

「そうだね。僕達がいるんだから、沙織さんもきっとこの時代にいるよ」

 

瞬と紫龍はこの時代にくる切っ掛けが何であれ、同じ場にいた五人がこうしている以上沙織もこの時代にいると信じている。

 

アテナがいると信じている以上、自分達の役目はアテナを守り抜くこと。

 

そのためには、まず沙織を探さなければならない。

 

星矢達は改めてアテナを探すため旅を続けることにした。

 

 

 

 

 

 

 

更に月日が流れ、星矢達はある事情によりとある村で生活をしていた。

 

「よっと」

 

 

---パコーーンッ!!

 

 

なぜか薪割りに精を出している星矢。

 

「星矢さん、ご苦労様です」

 

そんな村仕事をしている星矢によってくる銀髪の少女。

 

「ありがとう、楽進さん」

 

星矢は村の住人である楽進からタオルを受け取り汗を拭う。

 

 

ちなみに何故この時代にタオルがあるのかという突っ込みは無しで。

既に星矢がやっているので。

 

 

「こちらこそ、無理を言って申し訳ありません。なにぶん人手が足りませんので」

 

 

楽進の暮らしている村は色々な事情のため若者の数が激減している。

 

そのせいで残っているのは子供や老人、後は力仕事には向いていないものばかり。

 

「こっちだって宿を取らせてもらってるんだ、こういうことなら何でも言ってくれ」

 

反対に星矢達は漸くめぐり合った村。

 

此処でなるべくアテナに関する情報を集めたかったのだが、自分たちのような人物の噂など精々どこだ

 

かの占い師の予言に出てくる『天の御遣い』のみ。

 

アテナは神の化身で『御遣い』などという単語を使うわけも無いため、星矢達はこの先の行動に困っていた。

 

そこへ盗賊団が襲来。

 

楽進と他の二人が主力になって村人を率いて迎撃に向かうが人数の差から全滅は時間の問題。

 

盗賊達の行動に我慢できなくなった星矢達が楽進らに加勢。

 

瞬く間に賊を全滅させてしまった。

 

その後、村長をはじめとする村人から必要な情報が集まるまで村で暮らして欲しい。

(用心棒をしてくれれば食住を用意するという条件)

 

星矢達も今後の行動方針を明確にするための時間が少し欲しかったのでこの条件に了承。

 

こうして星矢達はしばしの間楽進達の下に厄介になることになったのだ。

 

 

 

「それにしても、相変わらず一輝の奴は・・・」

 

「一輝さんというと、あの少し怖い方ですよね?」

 

「まぁな、腕なら俺達の中でもダントツなんだが、どうも協調性が無くてな」

 

一輝は元々群れて行動することが嫌いな性分である。

 

その為、彼は一人別行動でこの時代での情報を集める旅にさっさと出てしまった。

 

「この辺りは治安が悪いですから、一人で出歩くのは・・・」

 

楽進は王朝の衰退のせいで人々の不満が爆発し、辺りには賊が急増していることは一輝にも伝えた。

 

しかし彼は、

 

 

「ふっ、賊如きの1000人や万人この一輝の敵ではない」

 

 

そう不遜に笑い去っていってた。

 

「前に会った程度の賊なら例え10万いようと一輝の敵じゃないだろうけど、此処にあいつ戻ってこれんのかな?」

 

自分達が此処にいるという条件がつくが、旅に出た一輝が再び自分達と無事に合流できるのだろうか?

 

なんせ全くといっていいほど土地勘の無い場所だ。

 

しかも自分達の暮らしていた時代と違い、大陸にはいくつもの太守が治めている州があるという。

 

その州は一つ一つが同じようで全く違う政策を取っているので、入るだけで問題になるかもしれない。

 

そうなるとあの一輝が大人しく従うとは思えないので星矢は頭を痛めているのだ。

 

アテナを見つける前にお尋ねモノにはなりたくない、動きづらくなるから。

 

 

「星矢さん、薪割りはもう十分ですよ!」

 

 

「おっと、悪い悪い」

 

 

考えに耽ってしまっていたため予定よりも多く薪を割っていた星矢に楽進が『もう良い』と告げてくる

 

 

「では、また鍛錬のお付き合いをお願い致します」

 

「ああ、やろうか」

 

楽進は星矢達に手が空き次第組み手をしてもらっている。

 

星矢達の力量は前の賊との対戦で実証済み。

 

自分の力が未熟とわかっている楽進は少しでも星矢達に近づこうと努力を重ねているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

そして、更に三ヶ月の月日が流れる

 

 

 

 

 

 

 

 

「黄巾族?」

 

「なんだい、それは?」

 

聞きなれない言葉に瞬が質問する。

 

「黄巾党のことだ。確か張角・張梁・張宝の三人が教祖となって漢王朝に対する反乱を起こした集まりだったはずだ」

 

此処で役に立つのが中国に渡った紫龍。

 

黄巾党についても知識があったようだ。

 

「紫龍さんの仰るとおり、張角が頭となり各地でその猛威を振るっています。何でも行く先々の村で略奪や殺戮を繰り返し、討伐に向かってくる官軍をも薙ぎ払い進むほど勢いに乗っているとか」

 

「このままだとこの村にも黄巾族がやってくるの~!!」

 

「そやっ!!村はなんとしても守らなあかんのや!!」

 

今まで出番は無かったが、口調の延びた方が于禁。

 

彼女はそばかすとメガネが目印だ。

 

関西弁が李典。

 

何故この時代に関西弁が存在しているかは問うてはいけない。

 

彼女はなぜかまたこの時代には似つかわしくないビキニを着ている。

 

ドリルを持っていることも気にしてはいけない。

 

この二人に楽進を加えた三人組。

 

略して三羽烏がこの村の防衛を担っている砦なのだ。

 

「少し前なら私達だけでは心もとなかったが、今では星矢さん達が一緒にいてくださるので、賊に遅れを取ることは無いでしょう」

 

星矢達が暮らすようになって数ヶ月。

 

何度も賊に目をつけられてきたが、その都度星矢達を中心として村の防衛隊によって賊は撃退されている。

 

その強固な村の噂は近くの農村に伝わり、今では他所から移住してくる者もいるほどだ。

 

「頼ってくれるのは嬉しいけど、俺達の拳はむやみに使えないぜ?」

 

星矢達聖闘士はその鍛えた力を正義の下に使うことを決められている。

 

特に私利私欲のためにこの力を使えばアテナの名の下に聖闘士の死角を剥奪され、粛清の対象となる。

 

昔は聖域の邪悪をおびき寄せるため私闘を行ったが、それはアテナの考えの下であったのでお咎めは無かった。

 

しかし防衛のためとはいえ自分達から賊退治に出ることは正義を守る聖闘士として相応しくない。

 

自分達が率先して出て行くのはアテナに刃を向けた者、神話の時代から続く宿命の縁。

 

極めて少数の例のみなのだ。

 

「勿論です。私達は自ら戦いを挑むことなど考えておりません。あくまで自分達の村を守るためにこの拳と命を使います」

 

楽進はそう言って手甲をつけた拳を固く握り締める。

 

「それをわかってくれているなら、俺達も出来る限りの協力は惜しまん」

 

楽進の決意を本物と受け止めた氷河は村の存続の為協力を惜しまないと誓う。

 

「では、いち早く賊の侵入を見つけるための策を考えたいと思います」

 

 

 

 

 

 

 

こうして星矢達はアテナを探す目的の中で、知識の中ででしか知らない神をも超える人間の愚かな戦いの中に身を投じていくことになるのであった。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

色々なクロスを見てきて星矢達が恋姫の世界に入ったらどうなるだろうか?

そういう疑問から出来上がりました。

 

 

補足として、

聖衣は最終段階(アテナの血で復元済み)

星矢はなぜかハーデスの呪いが解除された状態

青銅だけど関連のある黄金の技を身に付けている

青銅はエイトセンシズに目覚め済み

(なので光速の動き取得済み)

 

ほぼ最強ランクの能力で恋姫の世界に参戦です。

あっ、アテナも登場予定

誰かは秘密だけどw

 

その他の聖闘士は登場予定無し

 

物語は出来てるので、評価と気分で気が向いた時に更新する予定です。

あまり過度な期待をしないで興味のある方はお待ちください。

 

 

でわ、またいつか

( ̄▽ ̄)ノ"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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