No.368375

真・恋姫✝無双 呉~新たな外史で綴る物語~ [ 第十三話 ]

tawardsさん

 この作品は真・恋姫✝無双の二次創作となっております。

 第十三話になりますが、ようやく蓮華たちを登場させることが出来ました!
 ひとまず、呉の恋姫が全員登場ということになります。

続きを表示

2012-01-25 23:59:10 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4596   閲覧ユーザー数:3723

 一刀と馬に乗る権利を賭けたじゃんけん大会から時は流れ、ついに出陣の日を迎えた。

 

 一刀たちは黄巾の乱を終わらせるため、主力部隊が集う冀州を目指して行軍していた。

 

 

 

「あはは~♪」

 

「「「「………………」」」」

 

「えへへ~♪」

 

「「「「………“ジ―――”………」」」」

 

「(……無言のプレッシャーは勘弁してくれ……)………あのさぁ、穏。やっぱ落ちると危ないから前に座ってもらえるかな?」

 

「え~♪いいじゃないですか~♪」

 

「いや、でも……(……この状況は雪蓮の時よりやばい//////……)」

 

「大丈夫ですよ~♪落ちないようにこうして『北刀』さんに掴まっていますから~♪」

 

 じゃんけん大会の結果は穏の勝利であった。

 

 穏は馬に乗る時、一刀の前に乗るのではなく、後ろに座って一刀に両腕を回して抱きつくようにして乗っていた。

 

 雪蓮・冥琳・祭・亞莎はそんな光景をただ黙って見続け、一刀にプレッシャーを与えていたのであった。

 

「………穏様………羨ましいです………いつか私も………//////」

 

………ただ一人、違うことを考えていたようだが………

 

 

 

「……はぁ~あ……今回は穏に持って行かれちゃったか。……それにしても穏ってば、ここぞとばかりに見せつけてくるわね~」

 

「雪蓮、あなたがそれを言うのもどうかしら」

 

「うむ。儂と冥琳はあの時、策殿に嫌というほど見せつけられていたからのう」

 

「うぐっ!!………まっ、まぁ、あの時は私が勝ったんだから仕方ないじゃない。………それにしても失敗したわ~………」

 

「あら、勝負を持ちかけたのはあなたでしょ?」

 

「勝負の事じゃなくて穏のことよ」

 

「穏がどうかしたかのう?」

 

「正確には、穏の乗り方…かしら」

 

 そう言って雪蓮は一刀たちの方へと向く。

 

「「乗り方?」」

 

 冥琳と祭も雪蓮につられて一刀たちの方へ向く。

 

「そっ♪……私もあの時、穏みたいに『北刀』の後ろに乗ればよかったなぁ…って思ったの」

 

 雪蓮は自分の胸元へ視線を移し、胸をさすりながら冥琳と祭に答える。

 

「「なるほど」」

 

 冥琳と祭も自分の胸元へと視線を移し、納得の声を上げる。

 

 三人の会話に入ることができず、ただ黙って会話を聞いていた亞莎はというと………

 

「………………うぅっ………明命…早くあなたに会いたいです………………」

 

 雪蓮たちを見て、自分の胸元に視線を移す………少し落ち込み、明命のことを思い浮かべていた………

 

 一方、その頃………

 

 

 

「ふぅ………」

 

「蓮華様、どうかされましたか?」

 

「なんでもないわ、思春。ただようやくお姉様にまた会えると思うとね……」

 

「……そうですね」

 

「私も早く雪蓮様達にお会いしたいです!」

 

「シャオだってそうだよ~♪」

 

 蓮華たちも冀州へ向けて行軍していた。

 

「でも、目が覚めた時は、ホント何が何だかまったく理解できなかったわ……」

 

「はい。ですが、貂蝉とか名乗る者のおかげで…」

 

「そうね。……あの時は突然現れて驚いたけど、貂蝉が持っていた書簡は間違いなくお姉様の字だったわ」

 

「はい!確かに雪蓮様の字でした。……ですが雪蓮様はいったい何を考えているのでしょう?」

 

「ホントだよ~!!シャオは一刀の妃なのに~!!」

 

「小蓮!あなたは余計な事を言わないの!……それにしても、お姉様はいったい何を考えているのかしら?今回は小蓮まで呼び寄せて……それに書簡に書いていたことも……お姉様に会ったら問い詰めないといけないわね」

 

「そうです!」

 

「そうだよ~!」

 

「………………」

 

 明命と小蓮は蓮華に賛同するが、思春は黙っていた。

 

「あら、思春。あなたはなんとも思わないの?」

 

「……私は別に……」

 

「ふふっ♪隠さなくてもいいのよ」

 

「そういうわけでは………………それに………」

 

「それに?」

 

「いえ、なんでもありません(不確かなことを蓮華様に話すわけには……)」

 

「そう」

 

「そういえば蓮華様、亞莎は今どうしてるのでしょう?」

 

「……そういえばそうね。……亞莎、あなたは今どこで何をしているの……」

 

 明命に言われて、蓮華は空を見上げ、まだ見ぬ亞莎の事を思い浮かべていた。

 

「蓮華様、今は亞莎の事を心配しても仕方がないのでは?」

 

「思春の言う通りね。それに亞莎のことだからきっと大丈夫なはず。……今は早くお姉様たちと合流することが先ね」

 

「「「そう(ですね)(です!)(だよ~)」」」

 

 蓮華たちは軍を進めるのであった………雪蓮たちと再会するために………

 

 

 

「……ふぅ。だいぶ日も昇ったことだし、そろそろ軍を止めてお昼にしましょ♪冥琳、兵に指示を出してちょうだい」

 

「わかったわ」

 

 雪蓮に言われ、冥琳は兵に指示を出して軍を止める。

 

 そして弁当が支給される。

 

 

 

 一刀たちは輪になって座り、支給された弁当を食べていた。

 

「そういえば穏。蓮華たちは今回、どのくらいで合流するの?」

 

「え~っとぉ……後一刻ぐらいといったところでしょうかぁ」

 

「………へっ!?……ちょっと穏!そんなに早いなら、なんでもっと早く教えなかったのよ!」

 

「あはは~………一緒の馬に乗れるのが嬉しすぎて、伝えるのを忘れてましたぁ………」

 

 穏は苦笑いをし、チラッと一刀を見て、少し俯きながらも正直に答えた。

 

「はぁ~………仕方ないわね」

 

 雪蓮は穏の気持ちが分かっていたため、それ以上強く言うことをやめた。

 

「雪蓮、後一刻ぐらいならこのままここで蓮華様たちを待っていてはどうだ?」

 

「そうね。……穏、忘れてた罰として蓮華たちに伝令を出すこと。それから、兵に言って天幕を二つ組み立てさせといて」

 

「……わかりました~」

 

 穏は少ししょんぼりしながら返事をして立ち上がり、兵に伝えるためその場から離れた。

 

「なぁ雪蓮、なんで蓮華たちを待つだけなのに天幕が必要なんだ?」

 

「穏や亞莎が泣いてくれたように、蓮華たちだって泣いてくれるかもしれないじゃない。戦の前に兵たちに将の泣き顔なんて見せるわけにはいかないでしょ♪」

 

「ああ!そういうことか。…でもそれなら、一つでいいんじゃないのか?」

 

「もう一つは『北刀』に隠れていてもらうためよ♪亞莎もね♪」

 

「えっ!?……私もですか?」

 

 亞莎は自分も隠れているように言われ、驚きの声をあげて雪蓮に聞き返す。

 

「そうよ♪蓮華たちを驚かせようと思って、亞莎の事は伝えてないの♪」

 

「そんなぁ~~~………」

 

 亞莎は雪蓮の言葉を聞いて俯いてしまった。

 

「……亞莎、すまないが雪蓮の言う通りにしてもらえないか?」

 

「冥琳様………わかりました」

 

 冥琳に言われ、亞莎は顔をあげて返事をする。

 

「……なんで『北刀』にしても、亞莎にしても、冥琳の言うことは素直に聞くのよ~」

 

「まぁそれは冥琳だから……かな」

 

「……そうですね……」

 

「もぉ~!何よ二人して~!ぶぅ~ぶぅ~!」

 

「はっはっはっ♪策殿、頬を膨らませて文句を言ったところで、何も変わらんとは思うがのう」

 

「うわっ!……まさか祭に言われるなんて……槍とか降ってこないわよね」

 

「……策殿。それはいったいどういう意味ですかのう?」

 

 祭が顔を引き攣らせ、こめかみに青筋を浮かべながら、雪蓮に聞き返す。

 

「あははは……冗談よ冗談!そんなに怒んないでよ~」

 

「ははははははははっ♪」

 

「ふふふふっ♪」

 

「あはははっ♪」

 

 雪蓮と祭のやり取りを見て、一刀たちは自然と笑いだしていた。

 

「……うぅ~~……私がいない間、とても楽しそうで羨ましいです~……」

 

「ふふふっ♪……あら、穏。兵にはちゃんと伝えてきたの?」

 

 穏が戻ってきたことに気づいた冥琳が声を掛ける。

 

「はい~♪」

 

「ご苦労だったわ。あなたも早くお弁当を食べてしまいなさい」

 

「そうしますう♪」

 

 穏は自分が座っていた場所に戻り、残していたお弁当を食べていった。

 

 

 

 皆、お弁当を食べ終わり、蓮華たちも合流すると言うことで、改めて今回の戦について確認していた………と、そこへ………

 

「申し上げます!後方、三里ほど離れた場所にて孫権様の部隊を確認いたしました」

 

「そう、わかったわ。ありがと。それじゃあ、蓮華たちが来たらあそこの天幕まで連れて来て」

 

「はっ!かしこまりました!」

 

 雪蓮が伝令に来た兵に、礼を言って新たな用件を伝え、兵は臣下の礼を取ってさがっていった。

 

「さてっと。……じゃあ『北刀』と亞莎はあっちの天幕にいてね♪」

 

 雪蓮は二人に話しながら天幕の一つを指し示す。

 

「了解」

 

「わかりました」

 

 一刀と亞莎は雪蓮が指し示した方の天幕へと歩いて行き、中へと入って行った。

 

「それじゃ、私たちはこっちの天幕で蓮華たちを待ちましょ♪」

 

「「「ええ(うむ)(はい~♪)」」」

 

 雪蓮たちはもう一つの天幕へと入って行った。

 

 

 

 天幕に入ってしばらく待っていると、外から声が掛けられる。

 

「孫策様。…孫権様、孫尚香様、甘寧様、周泰様をお連れいたしました」

 

「ありがと。さがっていいわ」

 

「はっ!失礼いたします」

 

 兵は外から中にいる雪蓮に向けて臣下の礼を取り、蓮華たちにも臣下の礼を取ってさがっていった。

 

「四人とも、入ってきなさい」

 

 雪蓮が天幕の中から蓮華たちに中へ入るよう声を掛ける。

 

「「「「はい(はっ!)(はい!)(は~い♪)」」」」

 

 蓮華たちは返事をし、中へと入っていった。

 

「蓮華、シャオ……思春と明命も……皆、久しぶりね♪」

 

「お姉様………うっ、ううっ……お姉様~~~!ううっ、うわあああぁぁぁ~~~………」

 

「………………ひっく、ひぐっ……おねえちゃ~んっ!!ふええええぇぇぇぇぇ~~~~んっ!!」

 

「………雪蓮様ぁ………ああぁっ、わあああああぁぁぁぁ~~~~………」

 

「………雪蓮様………」

 

「わっ!!……とぉ、危なかったぁ。ありがと♪冥琳、祭………それにしても………ふふふっ♪」

 

 蓮華・小蓮・明命の三人は、雪蓮から自分たちの真名を呼ばれたことで、これまで我慢していたものが堰を切ったように溢れ出し、雪蓮に抱きつき、声を出して泣きじゃくっていた。

 

 三人に抱きつかれ、倒れそうになった雪蓮を、冥琳と祭が倒れないようにさっと後ろにまわって支え、雪蓮が礼を言ったことに二人ともただ黙って頷いた。

 

 泣きじゃくる三人の頭を、雪蓮は優しく微笑みながら撫で続けるのであった。

 

 思春は蓮華たちのように雪蓮に抱きつき、泣きじゃくりはしなかったが、嬉しそうに笑みを浮かべ、静かに涙を流していた………

 

「ふふっ♪………………三人とも、もういいかしら?」

 

 雪蓮は三人の嗚咽が小さくなったことを確認して、声を掛ける。

 

「……んっ……はい、お姉様」

 

 蓮華が涙を拭いながら顔をあげ、雪蓮から体を離して返事をする。

 

 小蓮と明命も体を離して涙を拭いながらコクコクと頷く。

 

「蓮華様、小蓮様、お久しぶりです」

 

 蓮華たちが落ち着いたのを見て、冥琳が挨拶をする。

 

「冥琳……また会えて嬉しいわ」

 

「シャオもまた冥琳に会えて嬉しいよ~♪」

 

 蓮華と小蓮はまだ涙目ながらも笑顔で冥琳に答える。

 

「ありがとうございます。……思春と明命も久しぶりね」

 

「はっ!冥琳様、お元気そうでなによりです」

 

「冥琳様!また会うことができて良かったです!」

 

「ありがとう」

 

 思春と明命も冥琳に笑顔で応える。

 

「祭と穏も変わりないようね」

 

 静かに見守っていた祭と穏を見た蓮華が、確認するかのように二人に話しかける。

 

「「うむ(はい~♪)」」

 

「よかったわ………………ところで、お姉様っ!『天の御遣い』、一刀はどこにいるんですっ!早く会わせて下さいっ!!」

 

「そうだよ~!シャオも早く一刀に会いたいんだから~!」

 

「私もです!!」

 

「………………」

 

「(あらっ♪さっきまであんなに泣いてたのに…それに思春だけ…これは楽しみね♪)……皆、私は『天の御遣い』を拾ったとは書簡に書いたけど、それが一刀だなんてどこにも書いてなかったと思うんだけど?」

 

「なっ!?それは………」

 

「それに、もう一つ大事なことを書いてたはずなんだけど?」

 

「はっ!……お姉様!新しく仲間になった『北刀』という者は何者ですか!しかも今度はその男の子供を授かれとはどういうことですっ!!」

 

「そうだよっ、おねえちゃん!シャオは一刀の子供以外欲しくないもん!!」

 

「小蓮、あなたは少し黙ってなさい!それに、私も一刀以外の男の子供など授かりたくありませんっ!!」

 

「うわっ!……蓮華もはっきり言うようになったわね~(ホント一刀ってすごいわ……)」

 

 雪蓮は自分が知っていた蓮華と違っていることに驚き、改めて一刀が与えた影響を実感するのだった。

 

「蓮華様、少し落ち着かれては如何ですか。………………それに多分ですが………」

 

「………ありがと、思春。私は大丈夫よ」

 

 思春に言われ、蓮華は落ち着きを取り戻すが、興奮していたからか、小声だったためなのか、思春の最後の言葉は蓮華には聞こえていなかった。

 

(やっぱり思春は気づいてそうね~………冥琳たちも感づいたようね)

 

 雪蓮は思春の言葉を聞き逃していなかった。

 

 そして、冥琳たちを見ると、無言で頷くのを見て、頷き返す。

 

「雪蓮様、それに冥琳様たちも、どうかなさいましたか?」

 

 雪蓮たちの様子を見ていた明命が話しかける。

 

「へっ!?ああ、何でもないわ、明命」

 

「そうですか」

 

「ええ。(ふぅ……危なかったわね……)……四人とも、納得がいかなくても『北刀』には会ってもらうわ。その代わり今回は別に強制はしない。あなたたちの目で見て判断しなさい」

 

「ですがっ!!」

 

「蓮華、見たくないと言うなら、目をつぶっていようが、下を向いていようが構わない。でも、紹介する時はここに連れてくるからここにいること。小蓮たちもいいわね」

 

「「「………わかりました(は~い)」」」

 

「御意!」

 

 いつになく真剣な雪蓮に気圧され、蓮華たちは渋々了承するしかなかった………思春を除いて………

 

「はぁ………雪蓮、いつもそれぐらい真剣に政務も行ってもらえるかしら」

 

 冥琳は雪蓮の傍に行き、皆に聞こえないよう、小声で雪蓮に話しかける。

 

「それは出来ない相談ね♪」

 

「ホントあなたは……まぁ、いいでしょ。最後まであなたの好きなようにやりなさい」

 

「ありがと♪」

 

 話し終わり、冥琳は雪蓮の傍から離れた。

 

「さてっと。『北刀』を紹介する前に、つい最近、新しく仲間になった者を先に紹介するわ」

 

「えっ!?お姉様、その者はいったい………」

 

「会えば分かるわ♪……穏、連れてきて」

 

「は~い、わかりました~♪」

 

 穏が雪蓮に言われ、天幕から出て行った。

 

 

 

 少しして、穏が戻ってきた。

 

「雪蓮様~、連れてきましたよ~♪」

 

「……穏、連れてきたって、いったいどこに?」

 

 雪蓮から見ると、穏だけ天幕に入ってきたようにしか見えなかった。

 

「ふえっ!?……えっ、えっ………あっ!」

 

 穏は雪蓮に言われて自分の隣を見るが、連れてきた人物がいないことに慌てたが、少し考え、何かに気づいたのか、天幕の外へと出て行った。

 

「……あぁ~、やっぱりですか~。恥ずかしがってないで早く中に入りますよ~♪」

 

「でっ、ですが穏様っ!//////」

 

「「「「えっ(なっ)!?この声は……」」」」

 

「ふふふっ♪やっぱり声で気づくわよね~♪」

 

「「ふふっ(はっはっはっ)♪そう(ね)(じゃのう)」」

 

 雪蓮・冥琳・祭は、蓮華たちの反応を見て微笑んでいた。

 

「ほらほらぁ♪早く入りますよ~♪」

 

「あっ!ちょっ!穏様~、押さないで下さい~」

 

 亞莎は穏に背中を押されて、天幕の中へと入ってきた。

 

「「「「亞莎っ!!」」」」

 

「ひぁうっ!?」

 

「ぷっ、くくっ、……あはははははははっ♪」

 

「ふふふふふふっ♪」

 

「はっはっはっはっはっ♪」

 

「あはははははははっ♪」

 

 蓮華たちが驚く様子を見て、雪蓮たちは笑い出していた。

 

「お姉様っ!どういうことですかっ!」

 

「わっ!!……まっ、まぁ、蓮華、落ち着いて。それに私より蓮華たちの方がよく知ってるでしょ♪」

 

「それは……その通りですが……」

 

「……蓮華様、お久しぶりです」

 

「……ホントに亞莎なのね」

 

「はい!」

 

「ふぅ……亞莎、久しぶりね。また会えて嬉しいわ」

 

「私もです!それに小蓮様、思春様、明命もお久しぶりです」

 

「亞莎♪ひっさしぶり~♪」

 

「久しぶりだな、亞莎」

 

「亞莎!会いたかったです!」

 

「明命!私もです!」

 

 亞莎と明命は手を取り合って再会を喜び合っていた。

 

「さて、それでは次は『北刀』の番かのう。どれ、儂が連れてくると……」

 

「だめよっ!!」

 

 祭が話しているのを雪蓮が語気を強めて遮った。

 

「はっはっはっ♪言うてみただけですぞ、策殿」

 

 祭はニヤニヤしながら雪蓮に答える。

 

「ぐっ!……祭、それはさっきの仕返しのつもり?」

 

「はて、なんのことですかのう」

 

「祭様、もうそれぐらいでよろしいかと。雪蓮、早く連れてきてあげなさい」

 

 冥琳が止めに入り、雪蓮に早く一刀を連れてくるように促す。

 

「は~い。それじゃあ呼んでくるわ♪」

 

 そして雪蓮は一刀を呼びに天幕から出ていった。

 

「ねぇ、冥琳」

 

「何ですか蓮華様?」

 

「……『北刀』という者はいったい何者なの?お姉様があんな風になるなんて……」

 

「蓮華様、それは自分の目でお確かめ下さい」

 

「でもっ!!」

 

「……嫌なら雪蓮が言ったようにしてても構いませんので」

 

「………わかったわ」

 

 蓮華は雪蓮の様子を見て冥琳に尋ねるが、冥琳も応えるわけにはいかないのではぐらかした。

 

 しばらくすると………

 

「連れてきたわよ~♪……ふ~ん、思春以外は見たくないようね(驚かないってことはやっぱり思春は気づいてたみたいね♪)」

 

 天幕の中へ雪蓮は一刀と腕を組みながら入ってきた。

 

 思春以外は下を向いていたり背を向けていたのだった。

 

「……なぁ、雪蓮。これはどういうこと?」

 

 一刀は雪蓮だけに聞こえるよう小声で話しかける。

 

「まぁ、それは気にしないで♪でも思春は…ほら♪」

 

 雪蓮に言われて、一刀は思春に顔を向け、思春と目が合うとニコッと笑顔を見せた。

 

「っ………//////」

 

 不意打ちのように、一刀の笑顔を見せられた思春は赤くなってしまった。

 

「ぷっ!くっ♪」

 

 雪蓮は赤くなった思春を見て、必死で笑いをこらえていた。

 

「………ふぅ。それじゃあよろしくね♪」

 

「わかった。……ところで雪蓮、離れなくていいのか?」

 

「なによ?嫌だって言うの?」

 

「はぁ~、もうそのままでもいいよ」

 

「ありがと♪」

 

「ふぅ………うしっ!」

 

 一刀は一息ついて、気合いを入れる。そして………

 

「新しく仲間になりました『北刀』といいます。これから仲間としてよろしくお願いします」

 

「「「………えっ!?………」」」

 

 一刀は大きな声で挨拶をした。

 

 蓮華・小蓮・明命は聞き覚えがあり、また、最も聞きたいと思っていた声に反応して、一斉に声のした方へと顔を向ける。そして………

 

「「「………………………」」」

 

「「「ええええええぇぇぇぇぇぇ~~~~~~!!!」」」

 

 三人は一刀の顔を見た瞬間、呆気にとられた表情になり、少しして、天幕の外にも聞こえるぐらい、驚きの声をあげたのだった………

 

 

 

 

 

 

<座談会>

 

作者:はぁ~、やっと十三話が出来ました!

一刀:おつかれさん。

作者:全然セリフや情景が出てこないので苦労しました・・・

一刀:なぁ・・・前回、蓮華たちと再会できるって言ってたよな?

作者:はい。それが何か?

一刀:これは再会と言えるのか?

作者:最後にちゃんと蓮華様たちと顔を合わせてるじゃないですか。

一刀:一番最後だけじゃねぇかっ!しかも蓮華たちと一言もしゃべってねえし!

作者:うおっ!・・・まぁ落ち着いてください。私もこんな予定ではなかったんですから。

一刀:たくっ・・・

作者:ふぅ・・・ホントは私も行軍を再開させるところまで進めたかったんですよ。

一刀:じゃあなんで?

作者:あ~でもない、こ~でもないと書き直しているうちに、どんどん長くなってしまったので・・・

一刀:はぁ、ずいぶんとまぁ予定と違ってるんだな。

作者:私もここまでになるとは予想外でした・・・

一刀:まぁ予定通りには進まないのが現実だしな。

作者:その通りですね。それに、ここは呉の恋姫が全員集まる大事な場面ですし・・・

一刀:それもそうか。

作者:はい。それでは、続きを書くためにこの辺りで・・・

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
40
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択