No.344884

寂しがり屋の女の子のために…… 拠点話

DOWANNGOさん

今回は美蓮と華琳の拠点話なります。
グダグダになってしまいましたがよろしくお願いします。
では、始まり~

2011-12-08 20:24:16 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3427   閲覧ユーザー数:2958

華琳拠点

 

 

「華琳、今回の件は俺は罰せられる様なことはしていない」

 

俺はそう言って助命嘆願を目の前で俺を冷たい目で見ている華琳にする。

周りには春蘭や秋蘭や夜月や美蓮、それに桂花が華琳と同じく冷たい目で見ていた。

 

「それに、他の兵だって同じことをしている」

 

「………」

 

華琳は何も言わずに先程から俺の首に鎌を突きつけている。

さっきから冷や汗が止まらないが俺も負ける訳にはいかない。

 

「それなのに俺だけが責められると言うのはどうだろうか?」

 

「………」

 

華琳は何も言わずに難しい顔をしている。

 

「それにこれを見逃してくれなければ他の兵達を罰さなくてはいけなくなる。

そうすると何人の兵士が罰せられるのか分からなくなるだろう」

 

「………」

 

華琳は何も言わない。

俺は論破するのが難しいと思い素直に頼みこむことにした。

俺は少し息を吸って華琳を見る。

この一言さえ言えば良いんだ。

この一言さえ言えば……!

そして俺は覚悟を決めてこう叫んだ。

 

「俺の艶本を返してくれ!」

 

「歯を食い縛りなさい!この変態!」

 

華琳の拳は翁の物より痛かった様な気がした。

「いてて……華琳、本気で殴るなよ……」

 

華琳に殴られた後、俺は華琳の手当てを受けていた。

まさか、隠しておいた艶本が見つかるとは思わなかった。

 

「あの程度で済んで良かったと思いなさい!」

 

華琳はそう言って手当した所をペチンッ!と叩いた。

……結構痛い。

 

「どうやってあの本を見つけたんだ?」

 

見つからない様に色々工夫したんだけどな……

 

「この城で私に隠しごとなんて出来ないのよ」

 

「あ~つまり、詰まらないことでも何で俺の全てを知りたいから隠すな、と?」

 

俺は少し華琳に悪戯がしたくなって笑みを浮かべそう言った。

 

「なっ!」

 

華琳は少し顔を赤らめた。

予想通りの反応で少し可愛い。

そんなことを思っていると華琳は俯いてしまった。

少しやり過ぎたかな?と思い華琳に顔を近づける。

 

「華琳?」

 

俺が華琳を呼ぶと華琳は顔を上げる。

華琳の顔は元に戻っていた。

ただ……青筋を立てていること以外は……

 

「劉郷!歯を食い縛りなさい!」

 

その日二度目の拳は一度目の拳よりも強かった。

華琳side

 

「全く!劉郷は!」

 

私は劉郷を殴り飛ばした後自分の部屋に戻ってきていた。

 

「あの男には礼義と言う物を知らないのかしら!」

 

あの男の能力は智勇共に優れている。

あの男に足りないのは礼儀だと思う。

 

「礼儀さえあれば完璧なのに……」

 

でも……それでも劉郷はとても優しい。

 

「って何を思ってるのよ私は!」

 

あの男の優しい笑顔が私の頭の中に流れる。

あの男の笑顔は周りの人を安心させる。

私だって例外じゃない。

 

「……ああ!もう!集中できないわ!」

 

仕事も集中できない。

私は結局この感情をどうすれば良いのか分からなかった。

美蓮拠点

 

 

今日は快晴。

鍛練するのにも出掛けるにも丁度良い天気。

そんな中俺は……

 

「美蓮、終わったぞ」

 

書類と格闘していた。

 

「ご苦労さまです、そこに置いて欲しいのです」

 

美蓮が指示した所に書類を置く。

こんな天気の良い日にも俺は仕事をしなければならない。

美蓮に手伝って欲しいと上目遣いに言われた時に断固断っておけば良かった……

 

「私も終わったのです。

劉郷さん、街に出かけるのです」

 

「あ?ああ、分かったよ。一度部屋に戻ってからここに来るからちょっと待っててくれ」

 

「分かったのです」

 

俺は財布と不殺を持ってくる為に自分の部屋へと戻った。

 

 

財布と不殺を部屋から持って来た後俺は美蓮に合流して街に来ていた。

 

「劉郷お兄ちゃん!遊ぼう!」

「私もお兄ちゃんと遊びたい!」

「僕も!」

 

いつの間にか子供が俺の周りに集まって前に歩けなくなってしまった。

 

「美蓮、少し良いか?」

 

取りあえず着いて来ている美蓮に許可を取ることにした。

美蓮は微笑んで頷いてくれた。

しばらく子供達と遊んで少し経って俺は美蓮と城に向かって帰っていた。

 

「美蓮、今日はごめんな。あんまり構えなくてさ……」

 

今日したことと言えば子ども達と遊んだことだ。

美蓮とはあんまりどころか何もしていない。

だから、俺は美蓮に謝った。

でも、美蓮は微笑んで首を横に振った。

 

「良いのですよ、劉郷さんの所為では無いのです。

今日のことは仕方ないことなのです」

 

確かに仕方ないことだろう。

子供達もわざとやったことじゃない。

でも、それだと俺の気が済まない。

 

「今度言うこと一つ聞くからそれで埋め合わせってことで。

何もしないと俺の気が済まないから」

 

「はぁ……分かったのです。

考えておくのですよ」

 

「ありがとう、それじゃ、早く帰るか」

 

「はいなのです」

 

そう返事をした美蓮の笑顔は綺麗なものだった。


 
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