No.324948

真・恋姫†無双 ハロウィーン短編 『ハロウィーンには南瓜を食べよう』

TAPEtさん

一太郎さんが作ったのを見て即興で書きました。
ノリは多分いつも通りだと思います。
一刀は出ませんが、よろしく

2011-10-28 00:32:01 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2631   閲覧ユーザー数:2365

今日は雛里と朱里が遊びに来るということで、家で色々と準備しています。

電話で来るって言われた時はちょっとびっくりしたけど、暦を見て納得しました。

今日は10月31日、ハロウイーンです。

 

ピンポーン

 

あ、来たみたいですね。

インターフォンで外を見ると、雛里ちゃんの魔女っ子帽子が見えます。

あれ?朱里は来ていないのかな。

 

『あ、あわわ、TAPEtさん、私です』

「雛里ちゃん、ちょっと待っててね」

 

私はインターフォンを切って玄関の扉を開けました。

 

 

 

 

 

 

 

「雛里ちゃんかと思った?残念、朱里ちゃんでした!」

 

目の前に居るのは魔女っ子帽子の……

 

「………あ、雛里ちゃん、いらっしゃい」

「…はわ?」

「はい、あがって、あがって」

「あ、あの……」

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

 

「雛里ちゃんは帽子が本体な気がするんだよね」

「あわわ?突然何馬鹿なことを言い出すのですか?」

 

それは上のpの事件が起きる少し前の話だ。

 

「いや、なんとなくそう思ってさ。ほら、雛里ちゃんって帽子のイメージ結構強いし、きっとこれを見てる人たちの中でも、朱里と雛里ちゃんを帽子で区別しているという人たちも沢山いるはずだよ」

「あわわ!そんなはずじゃないですか?私たち顔も髪も全然違いますし、…服はちょっと似てるかもしれませんけど……」

「服似てるでしょ?体躯も似てるでしょ?性感帯も…」

「それ以上言ったら許しませんよ?」

「すまん、今のはちょっと自分でもひどかったと思ってる。だからその黒魔術使いそうな顔つきはやめてくれ」

 

一刀、すまん、殺さないでくれ。

 

「僕いつも二人で帽子を替えて一刀が見分けつかないとか言う設定で書いてみたかったんだよね」

「なんでそんな馬鹿なこと思いだしてくれたのですか?」

「………へへへ」

「あわわ、褒めてません。照れないでください」

「じゃあ、賭ける?」

「あわ?」

 

僕は自分の理論を証明するためにこういった。

 

「今日途中で朱里に会って二人で帽子を替えるんだよ。それで、一刀のところに戻った時、一刀がインターフォンで見て雛里ちゃんのことを『孔明』って言うというところに『今度の拠点で雛里ちゃんが一刀を独占出来る』権利を賭ける。

「あわわ、上等です」

 

この時でも、正直、自分が勝つとは思ってなかった。

ただ、そんな馬鹿な賭けを言い訳に、雛里ちゃんが一刀をずっと独占出来てよろこぶ姿を見たら嬉しいかなぁと思う存分で話したことだった。

 

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

そして、その夜

 

「ふええええーーーー、TAPEtさんの大馬鹿ものーー!!」

 

雛里ちゃんが泣きながら僕の家に戻ってきて、彼女を慰めるのに相当な時間をかかった。

一刀の奴、後で痛い目にあわせてやる

 

 

 

 

そんなことが前にあった。

なのに、今日、この金髪魔女が雛里ちゃんの心をえぐるトラウマをネタに僕の家に訪れた。

………許早苗(笑)

 

「雛里ちゃんはそこに座ってて、呑みもの持ってくるから」

「あ、あの、TAPEtさん、私朱里で……」

「アハハ、知ってる、知ってる。変装頑張ったね。服も髪色も全部朱里みたいにして。でも帽子が雛里ちゃんのな時点で既にバレバレだよ」

「はわわ?どうしてそんな発想が出来るのですか?どう考えても私が雛里ちゃんの帽子をかぶっただけじゃないですか?」

「ごめんね、雛里ちゃん。雛里ちゃんがハロウィーンだからって僕を驚かせようと頑張ったことは解ったけど、本体である帽子がある以上それは無理だよ」

「はわわ、意味がわかりません。『帽子が本体』ってなんですか?じゃあ、この帽子を外したら…」

 

「…ソノ時ハオマエノ命ハナイと知レ」

「ひ、ひぃっ!」

 

朱里、いや、雛里ちゃんはすっかり怯えた顔でガタガタしながら僕を見上げていた。

 

「あ、ごめん、ごめん、驚かせちゃったかな。ハハッ、こっちが驚かされる側なはずなのに逆になっちゃったね。ごめんね、雛里ちゃん」

「はわわ…もう良いでしゅ……」

 

頭をうつむいてすっかり疲れたような顔をする雛里ちゃんをソファに残して、僕は準備していた料理を見に行った。

今日二人が来るって言われて、ない料理実力でもなんとかしてみようと頑張った結果、普段家に居る時は絶対作らない豪華な献立が出来上がった。

味は保証できないが、まぁ少なくもあの二人が作るには劣るだろう。

でも、こういうのは頑張ったという所に点を入れてほしいな。

 

「あ、あの、私も何かお手伝いしましょうか?」

「うん?いや、雛里ちゃんはそこに座ってて。今日はお客さんだから僕がするよ」

「はわわ…私、ちょっと怖いです」

 

雛里ちゃんが何か言ってるけど、気にしちゃいけないよ。

 

 

 

ピンポーン

 

「あ、来たかな」

 

料理がほぼ出来上がったのを見て火を一番弱くしてから僕はインターフォンへ向かった。

 

「あわわ、一刀さん、私です」

 

インターフォンの画面にベレー帽が見える。

 

「あ、朱里、ちょっと待ってね」

「はわわ、私はここに居るのに……」

 

僕は玄関に行って扉を開けた。

 

「あわわ、トリックオアトリートです」

「いたずらで結構ですよ?」

「今日から毎朝TAPEtさんの家に届く牛乳を飲み干してやります」

「それで胸が大きくなったら僕も嬉しいよ?」

「あわわ……」

 

何なら毎日僕の家に届く牛乳を雛里ちゃんの家に配達してやっても良い。

そして、http://www.tinami.com/view/319269にある大人雛里(Illustrated by ぽんしろさん)みたいになったら……

 

「ああ、もう雛里ちゃんはかわいいな」

「あわわ」

「何で私も雛里ちゃん扱いなのに、雛里ちゃんは雛里ちゃんのままなのですか?」

 

はっ、しまった、つい!

 

「ごほん!じゃあ、朱里ちゃん、あがって」

「はい?………はい……」

 

突然言い方を変えた僕の話に追いついたのか追いついてないのかちょっと分からない顔をしながら、雛里ちゃん、もと言い、朱里は上がってきた。

 

「うん?その持ってるのってハロウィーン南瓜?」

「あ、はい、一刀さんに言われた通りにつくってみたんですけど、重くて被ると頸がいたくて…」

「そうだね…下手すると頸が折れるかもしれないわね」

「あわわ、怖いこといわないでください…」

「ははっ、冗談だよ。朱里は何呑む?ビール?うちに来ると基本マッコリだけどね」

「あわわ…お酒ですか?」

「それが嫌だったら牛乳持ってくるけど」

「マッコリでいいです」

 

あれ、機嫌悪そうにしてる。一体何がいけなかったんだ?

 

「じゃあ、朱里ちゃんもあそこに雛里ちゃん座ってるところで待ってて、直ぐ料理持ってくるから」

「あわわ……さっきからいおうとしたのですけど、どうして私のこと朱里って言ってるんですか?」

「ハハッ、もうバレてるよ、朱里ちゃん。雛里ちゃんが魔女っ子帽子かぶってる時点でもう気づいたよ」

「……………あわわ」

 

僕が暢気にそう言うと、朱里は雛里ちゃんの魔女っ子帽子を見ながらやっと状況を理解したのか呆気ない顔をした。

それに対して魔女っ子帽子の雛里ちゃんはいい加減怖さが充満したのか動きが止まっている。

 

 

 

 

料理が出来上がったので、二人に夕食を振る舞う。

マッコリが何瓶分か消えた際、僕はふと雛里ちゃんに聞きたいことがあった。

 

「そういえば、雛里ちゃんは一刀はどうしたんだ?まさかハロウィーンなのに一人にさせてるわけじゃあるまい」

「あわわ、一刀さんならお友達の方と呑みに行くって」

「及川か……あいつもいい加減リア充を理解したら良いのにな……」

 

彼女に居る奴を夜呼び寄せてどうするつもりだよ。疑われるぞ、特にこの二人には……本が薄くなってしまうではないか。

 

「で何で朱里が答えてるの?」

「はわわ、一刀さん、だから私が朱里…」

「あぁ?」

「ひぃーっ!」

 

雛里ちゃんを凄い勢いでにらみ付くとまた黙りこんだ。

さっきから全然食べてないね。駄目じゃないか。せっかく雛里ちゃんのために僕頑張ったのに。

 

「あ、あの一刀さん『何朱里?』…………あの、コレあげますからもうゆるしてあげてくだしゃい」

 

朱里はそう言いながらハロウィーンの南瓜を差し出した。

 

「……………しゅ…り?」

 

一つ言っておこう。

ハロウィーン用の南瓜は煮てないととても食べられない。それをまま差し出すこの状況を僕はどう飲み込めばいい?

僕のいたずらが過ぎたというのか?

雛里ちゃん(本)は遠まわしで僕に齒を抜いて死ねと言っているのか?

 

「………(´;ω;`)ブワッ」

「あわわ!何で泣くんですか?」

「ごめんなさい……ごめんなしゃい…」

「はわわ、雛里ちゃん酷いよ…」

「あわわ、朱里ちゃんまで…!私何もしてにゃいよ?!」

 

(※この状態で既にTAPEtは結構酔ってます。)

 

「一刀さん、何で泣くんですか?」

「南瓜こわいよー。齒抜かれたくないよー」

「何言ってるんだか、意味はわかりませんが、南瓜がそんなに嫌いなのだったら遠慮しても大丈夫ですからとりあえず私を悪者にするのはやめてください」

「はわぅぁ……ひっく、私だって…私だってほんの遊び心だっただけなのに、皆私に酷いよ……何で私が雛里ちゃんだって騙したら怒られて、雛里ちゃんはかわいいって言われるの?」

「あわわ、朱里ちゃんも何か酔ってるよ?」

「ふええ、もう良いもん!もうこれから私が魔女っ子するもん!明日から朱華蝶やめて、マジ☆カル魔女っ子朱里ちゃん一人でやっちゃうもん!!」

「あわわ、朱里ちゃん、それはTAPEtさんが今後企画していた話だよ。朱里ちゃんが持って行かないでよー!」

「僕も雛里ちゃんのセリフかませまくりしたいもん!でも難しいんだよ!」

「TAPEtさんも何かこの話と関係ない話愚痴らないで……んもう、私も酔いたい」

 

それで結果的には三人ともども酔って、今後何が起きたかは良く覚えてません。

決して一刀から見てやましいことは起きていません。

 

 

 

 

「………うん?」

 

こたつから起きてみたら朱里と雛里ちゃん二人がそのまま寝てます。

 

「……二人ともこたつの中で寝ると駄目だよ」

 

僕は二人を一人ずつ僕のベッドに運んでおきました。

帽子は外して各々本当の主の枕元に置いて食べたものを片付けるためにこたつに戻ってくると、ふと雛里ちゃんが持ってきた南瓜が目に映ります。

 

「………」

 

『あの、コレあげますからもうゆるしてあげてくだしゃい』

 

「僕がまた雛里ちゃんが言うことには逆らえないのだがね…」

 

だからって生はさすがに無理だが……

 

(♪アンチクロロベンゼン)

 

あ、携帯だ。

 

ピッ

 

「もしもし?…あ、一刀。……ああ、雛里ちゃんここに居る…及川と呑みいったそうじゃん?……あ?違う?じゃあ誰と……(゚Д゚)ハァ?蓮華?!お前……ああ、もう良いわ。雛里には僕がなんとか言ってみるからちゃんと仲直りしろよ……うん…馬鹿か、手出さねーよ…うん……ああ」

 

ピッ

 

「まったく…お父さんはお前をそんな浮気する奴に育てた覚えはないってーの…」

 

天の御使い補正ってやつか。こんちきしょう……

まぁ、良いわ。僕は僕に出来ることすればオッケーよ。

 

・・・

 

・・

 

 

「よし、出来た」

 

南瓜にあずきにお団子を入れて作った南瓜バンバグ…作るのは初めてだけど上出来だと思う。

 

このぐらいに参照写真を入れよう。

 

 

 

 

「……うぅん……一刀さん?」

「雛里ちゃん?」

 

雛里ちゃんが起きて厨房に来た。

誰が一刀さんだよ。

 

「……TAPEtさん……?あ、そうでしゅた」

 

眠気に目をコシコシとしながら良く回らない舌で話す雛里ちゃんを見て、あそこで枕を抱いていたら襲ってたかもしれないと思った。

 

「もっと寝てもいいよ?」

「……甘い匂いがしたので…」

「食べる?雛里ちゃんの南瓜でバンバグ作ったけど」

「……何の料理ですか?」

「南瓜のお粥みたいなの…とにかく甘い」

「……食べます」

「太るよ?」

「一人で全部食え」

「ああ、嘘一緒に食べて。これちょっと量多いの」

 

 

 

 

 

 

そんな、

ハロウィーンなんて実は祝わないある韓国人の家の話でした。

じゃんじゃん。

 

 

 


 
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