No.323390

寂しがり屋の女の子の為に…… 捌話

DOWANNGOさん

こんにちわ~
今回はあの猫耳軍師さんが登場します。
どうやら猫耳軍師さんはデレが人気らしいのでデレさせますがご了承を……
それと今回は色々あって後書きがありません。
では、始まり~

2011-10-24 21:04:22 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4606   閲覧ユーザー数:3884

「華琳もひどいよなぁ……春蘭達の修行の前に盗賊の討伐に出かけるって」

 

俺はそう呟きながら城壁の下に広がる光景を見る。

兵士達は戦で使う装備等を運んでいる。

 

「本当ならさっさと春蘭達に修行を付けてあげたかったんだけどなぁ……」

 

俺が華琳に士官してからたった二日。

正確に言えば春蘭達の鍛練は見ていたが修行は付けていない。

一日目に春蘭の鍛練を見て二日目に秋蘭の修行を見た。

鍛練を見た後に修行を付けてあげても良かったんだが仕事がねぇ……

華琳曰く『仕事をしない者は剣神であろうともここには置かない』と厳しいお言葉をもらったから書類の整理をしたんだけど……慣れないことをしたから疲れた……

 

「帰ってきたら早速修行を付けてあげないとなぁ……」

 

秋蘭の弓矢の腕は流石はあの『夏候妙才』ではあるけど失礼なことを言うと弓矢でも勝てる自信がある。

 

「師匠~~!」

 

「ん?」

 

そんな声が聞こえたと思って声のした方を向くと春蘭が居た。

俺は手を振って返事をする。

 

「師匠、師匠は確か兵糧の帳簿を受け取りに行くように華琳様から言われませんしたか?」

 

「ああ~それな。

美蓮に頼んだ」

 

「し、師匠……」

 

あれ?春蘭が呆れた顔をしてる?

何だろう……春蘭に呆れられるとお終いだって思ってる自分が居る……

 

「劉郷、あなた……」

 

「師匠……」

 

「劉郷……」

 

「お?華琳、秋蘭、夜月。

どうした?」

 

(夜月の真名は華琳に士官した時夜月が教えてくれた)

 

「「「はぁ……」」」

 

もしかして俺が仕事をさぼったって思われてるのか?

ヤバイ、すごい誤解だ。

 

「言っておくけどお前達が思ってるような理由で美蓮に頼んだ訳じゃないからな」

 

「「「え?」」」

 

三人共ひどい!何てひどいんだ!

 

「美蓮から見て兵糧の帳簿を書いた監督官が有能だったら引き抜いてこいって言ってあいつに頼んだんだ」

 

本当は昨日春蘭の鍛練を見ている時秋蘭に『何か城内で起こった事とかあるか?」と聞いたら『荀彧』と言う

者が士官してきたと言ったから『荀彧の持ち場は?』と聞いたら今度の賊討伐の兵糧の調達を任せたって言ったから美蓮に有能だったら連れて来いって言ったんだ。

 

「気が利くわね」

 

「そうだろ?」

 

まぁ、有能じゃなかったら別に良いさ。

だけど……あの『荀彧』だからな。

有能じゃないって訳は無いと思うけど。

美蓮side

 

「全くもう……劉郷さんってば……」

 

いきなり部屋に呼ばれて少し期待しながら行ったら『監督官が有能だったら連れて来い』だなんて!

 

「期待した私が馬鹿みたいです!」

 

そんなことを思いながら私は監督官を探しながら歩く。

そして、重要なことに気が付いた。

 

「監督官の顔を知らないのです……」

 

こうなったら誰かに聞くしかないのです。

そう思って周りを見る。

周りには兵隊さん達が忙しそうに走り回っている。

 

「出来れば忙しそうにしていない人に聞きたいのです」

 

ピリピリしている人には絶対に聞きたく無いのです。

私はもっと周りを見る。

すると猫耳みたいな物を被っている少女を見つけた。

その少女は周りの兵隊さん達と比べると忙しそうにしていなかったらから話しかけることにした。

 

「あの……」

 

私が話しかけると少女は私の方を見る。

そして笑顔になった。

 

「どうしたのかしら?」

 

「監督官の人から兵糧の帳簿を受け取って来るように言われたのですがどこに居るか分かりますです?」

 

「ああ、それは私よ。

はい」

 

少女は兵糧の帳簿を私に手渡してくれた。

まるで姉の様な優しさだ。

 

「どうもです」

 

私は帳簿を開いて中身を見る。

 

「!」

 

中を見て驚いた。

劉郷さん、この子は有能です。

 

「ついて来てください。

あなたに会わせたい方々が居ます」

 

「あなた……何者なの?」

 

「私は姓を『司馬』名を『懿』字を『仲達』と申します。

二日前にここに仕官しました」

 

「あなたが……剣神劉郷を支えている。

天女司馬懿?」

 

少し照れる渾名ですが照れてる暇は無いのです早くこの子を連れていくべきなのです。

 

「恐らくその司馬懿で合ってるいます。

それで先程の質問の回答は?」

 

少女は少し考えてこう答えた。

 

「行くわ」

城壁

 

「遅いわね……」

 

「遅いですな……」

 

「遅いですね……」

 

「遅いな……」

 

さっきからこいつ等はこればっかりだ……

どれだけ待つのが嫌なんだよ……

劉弁になってから太陽の動きとかで時刻とかが分かるようになったがまだ大して時間は経ってない。

どれくらい経ったかと言うと二十分も経ってない位だ。

 

「劉郷さ~ん!」

 

「お」

 

声のする方を見ると美蓮が歩いて来ている。

その横には猫耳の様な物を被った少女が居た。

 

「当たりか……」

 

俺はそう呟いて手を振った。

 

「劉郷さん!連れて来たのです。

この子天才なのです!」

 

「少し落ち着け……」

 

何でこんなにテンションが高いんだ……

そんなことを思っていると美蓮は華琳に帳簿を渡す。

 

「天才の理由はすぐに話すのです」

 

華琳はそう言われて帳簿を開いて中身を見る。

すると徐々に華琳の表情が険しくなっていく。

 

「美蓮、何でこの子が天才なのかしら?」

 

「何があったんだよ?」

 

「指定した半分の量しか用意できていないのよ」

 

「は!?」

 

何だと!?そんなことをしたら華琳に首を……まさか……

 

「おい、美蓮?

まさか、この子華琳相手に相当危険な真似をしようとしてないか?」

 

「何に気付いたのかしら?」

 

「いや、俺の予想だけどな?

もしかしたらこの子今回の一件で華琳に自分の名を売ろうとしてるんじゃないかって……」

 

「「「はぁ!?」」」

 

そりゃ驚くよなぁ……

華琳相手にそんなことをするなんて……

俺も最初は分からなかったけど。

美蓮が居なかったら俺がこの子から帳簿を受け取ってた。

それを華琳に見せると華琳は激怒。

そして、この子を呼ぶ。

余程の自殺志願者でなければここで華琳に首を刎ねられて終わりだ。

だけど、この子はそんな風な子には見えない。

恐らく首を刎ねられない策があるんだろう。

それで華琳にその策を見せてその才能を見せて認められようってことだろう。

 

「華琳、多分この子は絶対に役に立つ。

美蓮が認めたんだからな。

美蓮のすごさは分かってるだろう?」

 

「……そうね。

あなた名は?」

 

「姓は『荀』名は『彧』字は『文若』真名は『桂花』です」

 

「では、桂花、今回の賊討伐を兵糧半分で済ませなさい。

それと五人とも自己紹介を」

 

そう言われて最初に春蘭が前に出る。

 

「姓は『夏候』名は『惇』字は『元譲』だ」

 

「姓は『夏候』名は『淵』字は『妙才』だ」

 

「姓は『霍』名は『謹』字は『周幸』」

 

「姓は『司馬』名は『懿』字は『仲達』です」

 

最後に俺が自己紹介をする。

 

「姓は『劉』名は『郷』字は『喬契』だ。

よろしくな(ニコ)」

 

「え、ええ/////」

 

ん?顔が赤いな?

風邪か?

西涼と言いここと言い……まさか、この大陸全土で風邪が流行ってるのか?

 

「「「はぁ……」」」

 

あれ?何で皆溜め息?

 

「荀彧さん。

道のりは遠いですが頑張ってくださいです……」

 

「本当に遠いわね……」

 

本当に何なんだ?

誰かいつか教えてくれねぇかなぁ?

そんなことを思いながら俺達は盗賊を討伐するために行軍を開始した。


 
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