No.320032

真・恋姫†無双  とうとう奴がやらかした…

レインさん

華琳は可愛い

異論は認めん

2011-10-18 00:37:26 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3607   閲覧ユーザー数:2951

曹孟徳は大変多忙な毎日を送っている。

 

 

大陸の中の三大勢力である魏、呉、蜀。

その中のでも一つ抜きん出ている勢力である、魏。

 

 

 

少女の身でありながらその魏を纏め上げる華琳の忙しさは尋常なものではないだろう。

 

 

 

そして今日も政務をこなすべく、朝早く起きようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「眠い…。」

布団の中で絶賛丸まり中であった。

 

 

掛け布団を取って布団の中から出ようとするが眠いので体が動かない。(動かさない)

 

「ん……ん~。どうしよう…。」

虚空を見つめ、起きたくないなー、寒いなー、とか呟きながら頑なに布団の中から動こうとしない華琳。

 

 

 

 

先に言っておきますが、実はこの娘は曹猛徳なのです。

 

 

 

 

 

「ううう~腰痛い…。」

 

 

 

少し痛む腰をさすりながら『昨日のこと』を思い出す。

 

 

 

 

 

〈回想:飛ばしますか?〉

 

 

 

○はい

 

 

 

●はい

 

 

 

 

読者は『はい』を選んだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈回想終了〉

 

 

「むふ、むふふふふふ…♪」

8割寝ている頭で、鮮明に昨日の出来事を思い出しニヤニヤとだらしない顔でにやける華琳。

 

 

再び言いますが、この娘は曹猛徳なのです。

 

 

 

「一刀のやつ…私に『愛してる』なんて言っちゃって…。」

昨日は一刀との本気のデートだった。

 

 

それも『たまたま街で会った』とかではなく、その日の為に、その日の仕事を前日に全て終わらせるという徹底っぷりである。

 

「私の下着を真剣に考えるなんて…私の事を想ってる証拠ね。」

むふふふふふふふふふ、と笑う華琳。

 

 

「しかもその後、私に無理矢理か、かかか、間接で口づ…きゃーーー!!」

枕を抱きしめながら、いきなり活発に転がり始める華琳。

 

 

三たび言いますが、この娘は曹猛徳なのです!

 

 

 

 

「しかもその後、川の近くであんなこと…!!初めてだったのに…!外だったのにぃ…!」

にやにやにやにや、と布団の中で顔を枕に押し付けながら笑う(にやける)華琳。

 

 

何回も言いますが、この乙女は曹猛徳なのです!!

 

 

「あの子達と『する』のは何回もあったけど…男と『する』なんて…。」

初体験だった。なんてどの口が言いやがりますか。この口ですね、はい。

 

 

「すごく、激しかった…。」

ストップ。それ以上はマズイ。それ以上言うとTINAMIの運営が黙っちゃいない。

 

 

 

ひとしきりニヤニヤし、脳内一刀に語りかけること数分。だんだん華琳の言動はおかしくなっていった。

 

 

 

「しかし悔しいわねー…私がやられるままだったなんて……他の娘達ともやってたからかしら…?」

半分寝ている状態なので、妙に間延びしている声で呟く華琳さん。目はぼーっとしている。

 

 

「むー…一刀のくせに…一刀は私だけのなのに…理不尽だわ…一刀は私の『初めて』を奪ったくせに私は一刀の『初めて』をもらってない…こんな事になるなら…。」

 

嫉妬心丸出しで愚痴る華琳さん。

こんな事を言えるようになったのも全て一刀のお陰だろう。ホントすごいね、彼。

 

 

 

「最初に会ったときに首輪を付けておくべきだったわ…。」

 

 

 

 

 

乙女タイムが終了し、テキパキと身だしなみを整えて髪のクルクルの作成も終了。

今は朝議に向かっているところである。

 

 

「…今日一刀にどうやって話かけようかしら…。」

前言撤回。

乙女タイムはまだ終わっていませんでした。

長いな!この子の乙女タイム!

 

 

「昨日あんな事があったから話しかけづらいわね…。」

顎に手をあてながらマジな顔で考え続ける覇王殿。

 

 

「…いや、あの一刀(たねうま)のことだから、どうせ『おはよ、華琳。今日も可愛いな。』とか言ってくるに違いないわ。」

あながち間違ってなさそうな未来を予見する覇王様。っていうかあんたの脳内補正すごいな。

 

 

 

「一刀ったら…どうせ他の子にも言ってるんでしょう?『ははは、そんな事ないよ。俺が愛してるのは、華琳。君だけさ…。』そんな事言って…駄目よ一刀!まだ朝よ…!」

真っ赤になった頬を両手で押さえてその場で体をくねらせる華琳さん。

 

 

 

…大丈夫なのかね、この国。

 

 

 

んでようやく、いつもの朝議の場の扉に到着。

 

 

 

この時点で乙女タイムは完全に終了。

そこにいるのは覇王、曹猛徳その人であった。

 

 

「「おはようございます。曹操様!」」

扉の前の2人の兵士が挨拶をしてくる。

 

「ええ、おはよう。皆はもう来ているかしら?」

 

「はい!皆様もう到着しております!」

 

「そう。」

軽い問答を終え、兵士に扉を開けるように促す。

 

 

(一刀との子供の名前は何にしようかしら…。)

思考が遥か未来までスっとんでる覇王様でした。

 

 

そしていつも朝議が行われている大広間に一歩を踏み出す。

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

 

 

「………!!!!!!」

 

威圧感

 

 

 

 

『威圧感と思わせるほど』の張り詰めた空気が華琳を包み込んだ。

 

 

 

――ばりばり、ごきっ、ごりゅごりゅ、ごくん……カラン

 

 

 

(これは…!?)

 

戦の前の舌戦を彷彿させる空気。

 

 

 

――ばりばり、ごきっ、ごりゅごりゅ、ごくん……カラン

 

 

 

しかも何だか、こう、奇妙な『モノ』まで見える。

 

 

 

えぇと、空中に『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………』とか、『ドドドドドドドドド………』なんていう文字まで見える。

 

 

 

ついでに皆の顔が『濃い』のだ。

 

 

 

例えるならば、荒木飛●彦の描く『人間讃歌』をテーマにした『ジョ●ョの奇妙な冒険』のキャラクターのような顔だ。

 

 

 

(一体何が――!?)

 

 

 

と、その時

 

 

「お早う御座います。華琳様。」

春蘭がいつものように(?)挨拶をしてきた。

 

 

 

――ばりばり、ごきっ、ごりゅごりゅ、ごくん……カラン

 

 

 

「え、ええ、お早う春蘭。」

若干いつもと違う春蘭に戸惑いつつも、何とか返事を返す。

 

「?どうかしましたか…?」

 

 

 

――ばりばり、ごきっ、ごりゅごりゅ、ごくん……カラン

 

 

 

「い、いや、何でもないわ!」

 

 

「華琳さまー、早く朝議を始めましょうよー。」

間延びした声で風が声をかけてきた。

 

「ええ、そうね。すまないわね、ふ――」

う、

 

と続けようとしたが、目の前の景色を見て絶句した。

 

 

――ばりばり、ごきっ、ごりゅごりゅ、ごくん……カラン

 

 

「あむっ…ろーしらんれすかー?らりんらまー(どーしたんですかー?かりんさまー)。」

いつもは一本一本ていねいに舐めている棒つき飴を、噛み砕いていたのだった。

しかも足元には大量の飴たちの残骸がある。

 

 

「ふ、風?そんな食べ方をすると歯を傷めるわよ?いつもみたいに舐めなさい?」

とりあえず指摘したが、あまりの異様さに半疑問系となってしまった。

 

 

「あやー。これはこれは。申し訳ありません華琳様。…それはそうと、早く朝議を始めませんかー?」

 

 

「そうですよ。早く始めましょう。」

次に声をかけてきたのは流琉であった。

 

 

 

流琉の姿を見て、

 

正真正銘、今度こそ華琳は鳥肌がたった。

 

 

 

「………………………。」

 

 

いつも厨房で料理をする際、彼女(るる)が愛用している包丁を空ろな目でひたすらじーーーーーーーーーーーーーーっと眺めているのである。

 

 

「る、流琉。朝議に包丁は必要ないでしょう?何故持っているのかしら…?」

 

「…すみません華琳様。こうでもしないと落ち着かなくて…。」

 

普段はニコニコしている子なので、『こういう顔』は異様に感じてしょうがなかった。

 

 

 

 

それから数分後。

初めは皆の変化に戸惑っていた華琳だったが、途中から普段の落ち着きを取り戻し、ようやくいつもどおりになり始めたと感じた。

 

そして朝議もつつがなく進行し、終わりになりかけたところで

 

 

「他にはない?なければ終わりにするけど。」

と、締めくくろうとしたが、

 

「はぁーい。華琳さま。」

風が手を挙げた。

 

 

「風?」

 

「いけませんかー?結構重要なんですけどー。」

 

「いいわ。言ってみなさい。」

 

 

「はいー。…華琳様、今日お兄さんがいない事…気付いてましたか?」

 

「ええ、気付いていたわよ。…やっぱり『何か』あるのね?」

すっ、と目を細めて言う華琳。

 

 

そうなのである。

 

実はこの朝議に一刀は出席していない。

彼は度々遅刻することはあったが、その時は誰かが必ず『北郷は遅いな』みたいな事を言うのだ。

 

しかし今回は誰一人として、それを指摘するものはいなかった。

 

 

つまりそれは、華琳が来るまでに『何か』があったという証拠である。

 

 

「風。説明しなさい。」

 

 

「はい…では、その前にお兄さんに入って来てもらいましょう。」

 

季衣ちゃん、と風は声をかけ、季衣はそれに反応して入り口とは違うもう一つの扉を開いた。

 

 

「兄ちゃん。もう入ってきていいよ…。」

 

扉から続く廊下に向かって声を掛ける。

 

 

しばらくして、カツン、カツン、カツン、カツン、と廊下を歩く音がし始めた。

 

 

 

「華琳様。」

 

「…何かしら?」

 

「たぶん華琳様もすっごくビックリすると思いますよー。」

 

「…?」

 

風の言葉に疑問を感じつつも、華琳は扉の方に目をやった。

 

 

 

扉からは一刀が入ってきた。

 

 

いつも通りの服装で。

 

違うところがあるとすれば、

 

 

 

 

 

 

一刀にそっくりの黒髪の赤ん坊を抱えている事ぐらいであった。

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと、おはよう、華琳。」

 

 

 

 

 

 

〈なんか続く〉


 
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