No.310107

仮面ライダーW 時空(とき)を超えるK/アイツは誰だ

春香刻冬さん

こっちにうpするのすっかり忘れておりました。

2011-09-30 15:58:42 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2059   閲覧ユーザー数:2051

これまでの仮面ライダーWは!

 

 

「行方不明の息子さん捜し・・・・・・ですか?」

 

 

「槍君が受け取ったというガイアメモリのような物が本当にガイアメモリなのだとして、なおかつ弥生さんの言っていたことが本当だとしたら・・・・・・彼が受け取ったのは、僕達の持っているT1ガイアメモリか、NEVERの使ったT2ガイアメモリのようなタイプなんじゃないか」

 

 

「そう」「僕達は、2人で1人の」「「仮面ライダーだ!」」

 

 

《ユニコーン! マキシマムドライブ!》

 

 

「それは・・・・・・ロストドライバー!」

 

 

「正義を体現するんだ。この力でな」

 

 

「けっ。でもお前ら、俺が倒したドーパントは討ち漏らしてるじゃねぇか。あんたらにはこの街は守りきれないんだよ」

 

 

「変身」

 

 

「今から俺が、この街の本当の"仮面ライダー"になる。邪魔をするヤツは叩き突くぜ」

 

 

「ではそろそろ、我らの悲願の達成のために邪魔な仮面ライダーどもを一掃する。各自、最善と取れる行動を取れ」

 

 

「つまり、アイツとユニコーンのメモリが過剰適合しちまったってことか」

『おそらくそうだろう。ユニコーンは清き心を持つ者の前にのみ現れるという。ということは、突斑槍のある種"行き過ぎた"正義の心と惹かれ合ったと考えるのが正しいはずだ』

 フィリップと携帯電話型ツール“スタッグフォン”で会話しながら、翔太郎は風都の治安が余り良くない地域を歩いていた。目的は翔太郎達の前から姿をくらませた突斑槍の捜索だ。

 彼が行方をくらませてから数日、翔太郎は街の情報通・ウォッチャマンや、高校生間の横の繋がりに優れる女子高生・クイーンとエリザベスに話を聞いてみたところ、彼は変身し治安の悪い地区で迷惑行為を働いたものや、犯罪者に暴行を加えているという。幸いその“被害者”達の命に別状はなく、保護され照井竜ら風都署の刑事に事情聴取されたあと、それなりの罰を受けているという。

「あぁ、それともう一つ。照井やサンタちゃんたちからも聞いたんだが、ここ最近ドーパントの犯罪が増えてるらしいな。しかもなんか普通のドーパントとは違うらしい」

『普通とは違うドーパント? それは本当かい? 全然気が付かなかったよ』

 翔太郎は横断歩道で立ち止まる。

「まぁまだハッキリそうって決まったわけねぇ。照井が言うには、ただなんとなくって感じらしいけどな」

『あぁ分かった。一応、そっちについても調べておこう』

「頼んだぜ、フィリップ」

 電話を終えると、翔太郎は路地裏に入る。この地区の路地裏は不良がたむろすることで有名で、小さい子供を持つ親には子供を近付けたくない場所ナンバー1と認識されている。

 しばらく歩いていると、ちょうど角を曲がった辺りから不審な物音が聞こえた。翔太郎は、手持ちのメモリガジェット――擬似ガイアメモリ・ギジメモリによって動くサポートメカ――をスタンバイさせる。

《スタッグ》《バット》《スパイダー》

 翔太郎がギジメモリをそれぞれ先ほどの携帯電話、腕時計、ポケットに入れていたデジタルカメラに差し込むと、それらは一瞬にしてクワガタムシ、コウモリ、クモの形を取った。ちなみに、クワガタムシの方は先ほどの携帯電話型ツール・スタッグフォン、コウモリの方は超高性能デジタルカメラ・バットショット、クモの方はウィンチ付高性能腕時計・スパイダーショックだ。

 翔太郎は、3つ全てが起動したことを確認すると、スパイダーショックを腕に付けたままにして角の方へと走った。

「おい、何してる!」

「!」

 そこにいたのは、やはり突斑槍だった。今はまだ変身しておらず、ロストドライバーは彼の手にあった。

「突斑、いい加減にしろ! たしかにこいつらは悪モンだが、ここまでやって良いはずがねぇだろ!」

「五月蝿い! 変身!」

《ユニコーン!》

「このっ・・・・・・!! フィリップ!」

 槍がロストドライバーを装着し、メモリをインサートする。同時に翔太郎もダブルドライバーを装着し、メタルメモリを起動する。

《メタル!》

「行くぜフィリップ、変身!」

 すぐさまルナメモリが転送され、翔太郎もメタルメモリを装填。展開した。

《ルナ! メタル!》

 翔太郎の姿が、ダブルへと変わっていく。

「はっ!」

 変身が完了すると同時に、Wはメタルシャフトを手に取り槍へと伸ばした。

「!」

 槍はそれをはたいて落とそうとするが、その先がぐにゃりと曲がって槍の身体にまとわりついた。

 そしてWはそのままメタルシャフトのもう一方の端を隣りに建つビルの屋上まで伸ばし、そのまま槍もろともエレベータのように屋上へ上っていく。

「よっと」

「このっ!」

「ここならまだ良いだろう」

「あぁ。行くぜ、突斑!」

 Wは言い終わる前にメモリをチェンジする。

《ヒート! ジョーカー!》

 Wの右半身が赤色に、左半身が黒に染まる。

 これはW ヒートジョーカー。"熱き記憶"を持つ"ヒートメモリ"と、"切り札の記憶"を持つ"ジョーカーメモリ"によって生み出されたWの形態の一つである。

 ジョーカーの格闘戦主体のスタイルに、ヒートの闘争本能を高める効果と炎熱の属性が加わり、パワーと攻撃力は同じ戦闘スタイルのサイクロンジョーカー・ルナジョーカーを大きく上回る。

「おりゃァっ!」

「こンのっ」

 Wが炎を纏った跳び蹴りを繰り出す。槍はそれを受け止めるが、さらに立て続けにWのパンチが浴びせられる。

「翔太郎、このままダメージを与えてメモリを破壊するよ!」

「あぁ!」

「・・・・・・やらせる・・・かッ!!」

 槍がいつの間にか取り出していた剣を振るう。Wは不意打ち同然のそれをくらい、よろけてしまう。

 その隙に、槍はドライバーを収納してメモリを抜き取った。そのまま、今度は黄色のメモリをドライバーに装填する。

「お前・・・・・・なんだそれ!?」

「誰がもらったメモリは一つ、なんて言った!?」

《ナスカ!》

 槍がドライバーを展開する。

《ナスカ!》

 再び電子音声が鳴り、槍の身体の色が緑から水色に黄色のラインを描いた物へと変わっていく。同時に、角があった頭部には黒地にやはり黄色いラインが引かれたゴーグルが被さる。

「"ナスカ"・・・だと・・・・・・!?」

 翔太郎はそのメモリの名前に気を取られてしまう。

「剣の技ならこのメモリだ!」

 槍はそのまま、唖然としているWへと斬りかかる。Wは何とか反応して避けようとするが、槍が言ったとおりその剣技は先日見た時とは比べものにならないほど優れていた。

「うわっ!」

「翔太郎、武器を持った相手に素手は辛い! トリガーを!」

「お、おう!」

 Wはダブルドライバーを収納し、ジョーカーメモリをトリガーメモリに換えて再度展開した。

《ヒート! トリガー!》

 W ヒートトリガー。"熱き記憶"と"銃撃手の記憶"から成る、W最高の攻撃力を誇る形態だ。しかし、ダイナマイト同然のトリガーのパワーに更にヒートの炎熱属性を付与しているため、一歩間違えればW自身が危険にさらされてしまう、最も危険な形態でもある。

「オラ!」

 Wがトリガーマグナムを、出力を落として乱射する。槍はそれを軽々と避けるが、Wはその移動先に強力な一発を撃ち込む。

 爆発が起こり、辺りを煙が包む。

「やったか!?」

「甘い!」

 Wが振り返って見上げると、そこには空中で反転をきめる槍がいた。姿は緑。ユニコーンメモリを使っているらしい。

「ユニコーンの運動能力!」

 フィリップが素早く判断する。が、その判断もこの状況では何の意味もないただのつぶやきでしかなかった。

「くらえぇっ!!」

《ユニコーン! マキシマムドライブ!》

「!!」

 Wが槍の攻撃に身構えようとしたその時だった。

「なんだ!?」

 突如現れた光のオーロラが、Wと槍を包み込んで行く。

「おい、なんなんだよこれは!!」

「知るか!」

 三人の視界が、眩い光によって奪われる。

 いつの間にか変身解除していた三人が目を開けると、そこは荒野だった。

 背後には小さな岩山らしきものがそびえ立っているが、それ以外には特に何もない。まさに荒野と言うべき場所であった。

「・・・・・・・・・」

 全員がその状況を理解出来ないでいると、不意に足音がして、三人はそちらを振り返った。そこに立っていた男が言った。

「どうやら、無事に来られたようだな」

 その男の姿を見て、フィリップが声を上げる。

「キミは・・・・・・仮面ライダーディケイド・・・門矢士!」

「・・・・・・あぁ! ディケイドね!」

「・・・・・・・・・・・・お前、忘れてただろ」

 ご機嫌な様子で登場した士の顔が、一気に不機嫌そうになった。翔太郎が手で口を押さえる。

 と、そこで槍も声を上げた。

「なぁアンタ、その声もしかして・・・・・・」

「お、気付いたかボウズ」

「・・・・・・士、一体どういうことなんだい?」

 フィリップが士に尋ねる。それに士は、さらっと答えて見せた。

「コイツにロストドライバーとユニコーン、ナスカのT2メモリをやったのは俺だってことだ」

「!」

 翔太郎が士に詰め寄る。

「おい待て。てめぇがコイツにメモリを? 何の為にだ!」

「落ち着け」

 士が詰め寄る翔太郎の胸を突いて動きを止める。

「このボウズにメモリとドライバーを渡した理由は後だ。今は、コイツにこれを使いこなしてもらわないとな」

 そういって士が差し出したのは、見たこともないドライバーと、そしてやはり見たこともない二本のガイアメモリだった。

「左翔太郎。お前はこの"ゼロドライバー"を付けて、そして突斑槍。お前はそのユニコーンのメモリで闘って貰おう」

 士はそう言って指を鳴らした。その瞬間、再び光のオーロラが四人を包んでいった。

 

 

to be continue......

オマケ

 

・仮面ライダーユニコーン ユニコーンフォルム

突斑槍が変身する仮面ライダー。ロストドライバーとT2ユニコーンメモリで変身する。

緑色のボディに、頭にはまさにユニコーンの如き一本の角を持つ。

この角から専用武器"ホーンセイバー"を生成する。

必殺技はホーンセイバーによる"ユニコーンストライク"と蹴り技である"ユニコーンスマッシュキック"。

 

・仮面ライダーユニコーン ナスカフォルム

T2ナスカメモリで変身するユニコーンのもう一つの姿。

身体の色が水色になり、各部に黄色のラインが走る。そのラインはまるでナスカの地上絵のようでもある。

また、頭部の角が無くなり、代わりにゴーグルが装着される。これは、近接戦闘時に頭部を保護する役目を持つ。

必殺技はホーンセイバーによる"グランド・オブ・ナスカ"と蹴り技"ナスカブレイク"。


 
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