No.308920

そらのおとしもの  宇宙へGO!

BLACKさん

今回は最近作者が見ていたものからやってみたいからやったというような作品です。
今回は作者が今までに書いたものの中から一つあるものが出てきます。(初見でも大丈夫なように説明は書いています)
また作者(BLACK)の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)も出てきます。(約1か月ぶり)

2011-09-28 07:55:29 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1106   閲覧ユーザー数:1082

 

『ロケットキターーーーーーー!!』

 

桜井家の居間にあるテレビでは手作りロケットでどこまで飛ぶのかを競う大会が映し出されていた。

 

「宇宙かぁ~」

 

智樹は思わず空を眺めながらつぶやいた。

 

「お兄ちゃん、宇宙行きたいの?」

 

カオスが尋ねる。

 

「いや、行きたいって言うのかな~、男のロマンかな~」

「でもトモキ、前に宇宙に行ったことあるじゃない」

「あれは行ったって言うか?」

 

智樹は前に巨大化したそはらに踏みつぶされる形で空見町の真反対から宇宙空間に飛び出したことがある。

 

「あの時はギャグパートだったから助かっただけだぜ。

それにイカロスが助けに来てくれなかったら俺は一生宇宙をさまよってたぜ」

「マスターなら大丈夫です」

「根拠は?」

「ありません」

「ないんかい!」

 

イカロスの言葉に智樹がツッコム。

 

「でもトモキ、アルファーは簡単に宇宙に行けるからって私やデルタも簡単に行けるわけじゃないのよ」

「え? そうなの?」

「アルファーは耐水装甲だけじゃなくて耐熱装甲も積んでるから大気圏突破や突入は簡単に出来るけど、私やデルタはアルファーほどの大気圏突破とかはちゃんとした装備がないと無理なのよ。

カオスはどうか分からないけど…」

「カオスは出来るの?」

「う~んと…多分出来るよ」

「エンジェロイドも万能じゃないんだな」

「そりゃあそうだろ」

 

そこに秋山がいつの間にかいた。

 

「秋山さん」

「いつの間に!?」

「瞬間移動だよ」

 

秋山は『邪悪なる闇の魂』と呼ばれるものを宿した異世界人であり、その魂の力で大抵のことは可能である。

 

「万能って言葉はあっても実際はどこか欠点はある。

どこの世界に行っても世の中そう言うものだ」

「………」

「まあ話は戻すが、宇宙に行きたいか?」

「あんたならお手軽に行けそうだけど…」

「瞬間移動で宇宙に行くことも可能だし、このまま一気に飛んで大気圏突破だって可能だ。

やるか?」

「やるかって……出来るか!」

「誰がそのままでやると言ったんだ?」

「へ?」

「庭に出ろ」

 

秋山に言われて庭に出るといつの間にロケットの発射台とその発射台に取り付けられたパンツロボ(自転車形態)があった。

 

「これは……」

「こいつに乗って宇宙に出れるぞ」

「マジで!?」

「それじゃあ早速ギャラリーでも呼ぶとするか」

 

 

それから秋山の呼び掛けにより、そはら、守形、美香子、アストレア、日和もやって来た。

五人がやって来るとすでに智樹は秋山特製の宇宙服を着て、パンツロボに乗り込んでいた。

 

「よっしゃ! それじゃあ行くぜ! エンジン点火!」

 

パンツロボに付けられたロケットエンジンとそのパンツロボを飛ばすのについているロケットのエンジンが点火される。

 

「あの~、秋山さん」

「なんだ?」

「このままだとシナプスに激突する恐れがあります」

「へ?」

 

智樹は間抜けな声を出す。

 

「そう言えばこの空見町の上空には新大陸が移動してないままあったんだな」

「となると、普通に考えると……」

「桜井君はシナプスにぶつかる……」

「ええええええええ!?」

 

智樹は急いでパンツロボのハンドルから手を離そうとするが離れない。

 

「は、離れない!」

「当たり前だ。そのまま離したらお前落っこちて死ぬぞ」

「嘘ーーーーーーー!!」

「だから素直に飛ばされて来い」

「嫌だーーーーー! このままじゃ新大陸にぶつかるーーーーーー!!」

「秋山さん、どうにかできないんですか?」

 

そはらもどうにかするようにせがむが……。

 

「無理なもんは無理だ。発射!」

 

秋山が叫ぶと、智樹を乗せたパンツロボロケットは上空へと飛んで行った。

 

「智ちゃーーーーーーん!!」

「桜井君、飛んでちゃったわね~」

「あの~先生、桜井君どうなっちゃうんですか?」

「まず死ぬことはない」

「え? なんで?」

 

アストレアが尋ねてみる。

 

「今の話はギャグパートだ。仮に死んだとしても俺の力無しですぐに生き返る。

それにあのロケットがシナプス衝突如きで壊れるもんじゃない。必ず突き抜ける」

「でもそれじゃあシナプスが……」

「ギャグパートだから突き抜けた簡単に穴も直るだろ」

 

秋山はものすごく簡単に言った。

 

 

「ひいいいいいいやあああああああああ!!」

 

パンツロボロケットに乗った智樹はそのまま上空へと飛んでいき、シナプスの空域へと侵入しかけていた。

そのことはダイダロスやシナプスのマスターの方にも伝わっていた。

 

「何!? 何かが、シナプスに向かって飛んでくるの!?」

「これは……桜井智樹だと!?」

『ぎいいいいやああああああああああ!!!』

 

智樹のパンツロボロケットはシナプスの地面を貫通し、シナプスを通過し、そのまま宇宙の方へと飛んで行った。

 

「あれってトモ君だったの………?」

「よくもシナプスに穴を……許さんぞ桜井智樹!!」

 

唖然とするダイダロスと怒りに燃えるシナプスのマスターをよそに智樹は宇宙へと飛んでった。

 

「あああああああああああああ!!」

 

そしてパンツロボロケットは大気圏を突破、智樹と共に宇宙空間へとたどり着く。

 

「ふぁ~」

 

智樹はパンツロボから離れ、宇宙空間を彷徨う。

 

「なんか、ここまで来たらさっきまでのこと、どうでもよくなるな~」

 

智樹はほとんど現実逃避の精神状態になっていた。

 

「大丈夫ですか? マスター」

 

そこに智樹を追って飛んできた、イカロスとカオスがやって来た。

宇宙空間は空気がないので本来、イカロス達が普通に喋っても空気振動がないので伝わることはないのだが、秋山特製の宇宙服は発せられた言葉を唇などから読み取り、喋ったことをそのまま伝わることが出来るのだ。またその逆も出来る。

 

「ふぁ~」

「お兄ちゃん、聞いてないみたい」

「まあきちんと宇宙空間にこれたから余韻に浸ってるんじゃないのか?」

 

そんなイカロス達の側に全長50メートルほどの黒い巨大ロボットがやって来る。

そのロボットは人型で全身が黒く、翼も黒く、形はドラゴンと悪魔をあわせたように禍々しく手と足も鋭かった。

そしてそんな翼をしていながらも黒いマントを装着している。

顔はマスクをしているような状態であり、目も少し凶暴な感じであった

 

「その声、秋山お兄ちゃん?」

「秋山さん、それは?」

「俺の機体だ。名前は『ダークマスター』。まあ結構久々に出したな、こいつも……」

 

秋山はダークマスターと呼んだ機体の掌に智樹と潰さないように掴み、イカロスとカオスも掌に乗せる。

 

「それでどうする? もう少し、宇宙空間を楽しむか? それとも……」

「帰りましょう」

「うん、このままだとお兄ちゃんずっとこんな感じかも…」

「そうか、それじゃあ帰るか」

 

ダークマスターは地球の方へと方向転換し、そのまま地球へと戻っていった。

 

 

「それで宇宙空間どうだった?」

「なんか色々ありすぎて全然覚えてないな~」

 

ニンフやアストレアにそはらから質問を受けても智樹はそんな答えしか返さなかった。

 

「まあ宇宙行く前に空の大陸に激突だもんな。ある意味頭ぶっての記憶喪失レベルだよな…」

「それって…」

「秋山さんのせいですよね」

「気にするな」

 

秋山は笑った。

 

「それで俺、またこんな目に遭うの?」

「当たり前だ」

 

秋山は断言した。

 

 

 

ひとまず終わり


 
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