No.287126

飛将†夢想 序幕 『生の終焉』

QUEENさん

この作品は、恋姫†無双、真・恋姫†無双の二次創作作品であると共に、オリジナルキャラクターが多数登場します。注意した上で閲覧して下さい。

2011-08-28 19:26:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2500   閲覧ユーザー数:2329

 

 

 

 

(…俺は死ぬのか?)

 

 

 

 

自分の城であった下邳城に幾つも立てられ風に靡かれる『曹』の旗を見ながら、自身に問う男。

男はボロボロになった鎧を身に纏い、両手首をまとめて太い縄で縛られ、更にその上から胴体ごと鎖で何重にも巻かれ拘束されていた。

その男の事を知っている者ならば、彼のこの姿を想像することは出来ないであろう。一部の者は『そうさせてやろう』と思っていただろう。

男をこの様な姿にさせた者も、後者の内の一人であった。

 

 

 

 

「惨めだな、呂布よ」

 

 

 

 

旗を見ていた男…呂布に語りかける小柄の男。だが、その小柄な身体からは並々ならぬ覇気が溢れ出ていた。

男の名は“曹操”。『乱世の奸雄』と呼ばれた英雄であった。

曹操はそのまま言葉を続ける。

 

 

 

 

「ぬしが消えた時、この群雄割拠の乱世に新しい時代が訪れる。そして、その先の時代の先頭を歩むのは、この曹孟徳」

 

 

 

 

「…俺は、消えるのか?」

 

 

 

 

曹操の言葉に虚ろに尋ねる呂布。言葉に覇気が無い呂布の問いに曹操は哀れに思い、それに答えず右腕をゆっくり高く上げる。

すると、それと同時に呂布の左右に待機していた曹操軍の屈強な兵士が呂布の首に鎖を巻き付け始めた。

 

 

 

 

「…どうなのだ、貂蝉…」 

 

 

 

 

呂布の投げかけた相手が違うことに曹操は気付くこともなく、

 

 

 

 

「さらばだ」

 

 

 

 

その高く上げた右手を振り下ろした。それが合図だったのだろう、呂布の首に鎖を巻いた兵士たちはその鎖を両手で持って、

 

 

 

 

ガションッ!!!!

 

 

 

 

と大きな鎖の音を周囲に響かせながら勢いよく引いた。

 

 

 


 
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