No.283041

僕と姉さんと偉大な言葉

tanakaさん

はい、バカテスです。最近玲さんに浮気をしそうな気分ですよ。
可愛いよ玲さん。ぺろぺろ

2011-08-23 20:54:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1901   閲覧ユーザー数:1826

「……」

 ドドドドドド。

「…………」

 ゴゴゴゴゴ…………ッ。

「………………」

 この重苦しい空気は何なのだろうか? 何故、こんな一触即発のような状況に

なっているのだろうか?

 そして、何で僕は姉さんの膝の上に座らされているんだろう?

「どうしかしましたか? アキくん」

「いや、何で僕が姉さんの膝の上に座らされてるの!? ほら、姉さんが訳の分からない

ことをするせいで、姫路さんと美波が僕に変な視線を送っているじゃないか!」

 二人ともこれは違うんだ! 僕はシスコンじゃないし、この状態も僕が望んだわけじゃないんだ!

「そうでしょうか? 二人とも普通の視線だと思いますが」

「いやあり得ないから!」

 あの二人の視線が普通だって!? 誰がどう見ても普通じゃないよ! あの二人の視線……

あれは心臓の弱い人なら死んでしまうくらいの鋭い視線だ。

 それを普通と言い切るなんて、姉さんはバカなの!?

「む……今、姉さんをバカにしませんでしかたか?」

「したよ! この状況で平然としていられる姉さんをバカにしたよ!」

「まさかアキくんにバカにされるとは……これはお仕置きが必要かもしれませんね」

「えっ!? ちょっ、ね、姉さん――――っ」

 理不尽だ! 少しバカにしたくらいでお仕置きをされるなんて――

 

 ぎゅっ。

 

「え……?」

「お仕置きにアキくんを後ろから抱き締めます」

 本当に姉さんに後ろから抱き締めらる。

 えっと、そのこれはどういう…………はっ!? な、何だこの殺気は!?

「うふ……っ、うふふふふ……♪」

「ウチらを無視して勝手に二人の世界に入るなんて……許せないわね」

 鬼のような形相の……いや、完璧な鬼がそこに立っていた。

「はは……美波に姫路さん……? これはその――」

「アキくんの抱き心地は最高ですね」

「姉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?」

 余計な発言しないでよ! 姉さんが余計なことを言うから二人が……

「そうですか♪ そうなんですか♪ うふふふふ……♪」

「あはは♪ まずはどこの骨を折ろうかしら?」

 もう完全に僕を殺そうとしているじゃないか! 僕は何もしていないというのに。

あまりにも理不尽すぎるよ。

「アキくんは誰にも渡しませんよ♪」

「姉さん!?」

「アキくんは姉さんだけの物です」

 ギュッと抱き締める腕に力が入る。

「お二人が相手でも……ね」

「な――っ!?」

「ふ、二人は姉弟なんですよ! そんなのダメなんですよ!」

「ふふっ。関係ありません。だってアキくんを世界で一番愛していますから。勿論一人の異性として」

 ごはっ!? こ、この人は相変わらず何を言っているんだ。世界で一番愛している

だなんて、しかも一人の異性としてだって!? それは一番聞きたくなかったよ!

「……」

「…………」

「あら? 瑞希さんに美波さんはどうしたのでしょうか?」

「姉さんのせいでしょ」

 姉さんがバカな発言をしたから、それに呆れているんじゃない?

「? よくわかりませんが……まぁいいでしょう。今日はずっと放しませんからねアキくん」

「そ、そんな!?」

「だって、姉さんはアキくんを愛していますから♪」

「は、はは……」

 

 愛している。これって実に便利な言葉だね。これを言っていれば許されるみたいな?

「――って、そんなわけあるかー!」

「アキくん。うるさいですよ。少しは静かに出来ないのですか?」

「あ、はい……」

 一日ずっと姉さんの膝の上で過ごすなんて……せっかくの休日が台無しだよ。

 …………はぁ。

 


 
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