No.259458

真・恋姫 つなぐ想い 15

kabadiさん

今は、仕事がぼちぼち落ち着いてるんで書けますね。

では、遅々として進まない腐れストーリーの始まり始まり~。

2011-08-04 22:51:20 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5774   閲覧ユーザー数:4345

 

<蜀>

 

城へとのんびりと歩く。

 

しかし、今日も月が綺麗だ。

街灯なんか無いからなぁ。

星も多い気がするな。

 

この季節だとそろそろ七夕かな。

あれってもともと古代中国の節句だよな。

ま、いいや。

 

それにしても風も気持ちよくて、いい雰囲気だな。

 

…………ぐぅ~~~~っ。

 

「……。」

 

…オレって奴は。

 

うん、さっさと戻ろう。

 

 

 

<城>

 

一度空腹を意識してしまうとダメだな。

昼あれだけ食べたのに。

あ~、腹減ったな。

 

ふぅ…。

やっと城門が見えてきたな。

 

 

………ん?

あそこにいるのは…。

 

「…愛紗?」

「あ、か、一刀様。お、おかえりなさいませ。」

「う、うん。ただいま。どうしたの?こんなところで。」

「一刀様に御用がございまして、お待ちしておりました。少しお付き合いしていただけますか?」

「それはもちろんいいけど、大分待ったんじゃない?ごめんね。」

「いいいい、いえ、めめ滅相もございません!!で、ではこちらへ。」

 

そう言って、オレの手を握って愛紗は歩き出す。

 

案内されたのは食堂だった。

 

「一刀様、ゆ、夕食はまだですか?」

「うん。もうお腹がぺこぺこだよ。ははは。」

「も、もしよろしければ、わ、私が作って差し上げましょうか?」

「え?本当?愛紗が作ってくれるの?なら是非お願いしようかな。」

「は、はい!!少々お待ちください!!」

 

そう微笑んでから愛紗は駆けだした。

…うわ。めちゃくちゃ可愛い。

 

おいおいおいおいおい。

手料理ですよ?

美少女の手料理!!

これぞまさに漢の夢!

そう!ドリーム!!

ぃいいやっほぉぉぉっ!

 

「おや、これは一刀様。どうなされた、そんなにだらしない顔をなされて。」

「せ、星。いつの間に?いやぁ、愛紗が料理を作ってくれるらしいんだ。愛紗って料理得意だったんだ?」

「いや、それは初耳ですな。愛紗が料理をしている姿を見たことはござらんが。」

 

「……………。」

「……………。」

「……………。」

「……おっと、急な用事を思い出しましたので、これで失礼します。」

「せ、星?」

「では一刀様。御武運を。」

 

言うが早いか星はさっさと消えてしまった。

 

「ちょ。星~~っ!!」

うわぁ~。

なんだか嫌な予感しかしない。

 

いやっ!!

こう思わせておいて実は料理上手ってパターンかもしれない。

うんうん。

そうだ!そうに違いない!

そうだろう。

 

……そうだといいなぁ。

 

待つことしばし。

星のほかは誰も現れないまま時間が過ぎていた。

こういう時に限って誰も来ないもんだよね。

 

「お、お待たせしました。一刀様。」

愛紗が何やら蓋をかぶせたお皿を持ってやって来た。

「お口に合うかわかりませんが…。」

そう言ってオレの目の前に置かれるお皿。

 

………ごくっ。

 

さて、どのパターンだ?

「あ、愛紗?何を作ったの?」

「炒飯です。」

 

炒飯か……。

うん。

オーソドックスだけど失敗しにくい料理だ。

まあ、せいぜい焦げているくらいだろう。

悪くない選択だ!

 

……………なんて思っていた時期が私にもありました。

 

蓋をとったオレの目の前にある炒飯(!?)らしき物体。

 

それは、具材が大胆にその姿を主張し、刺激的な香りを醸し出していた。

また、その色合いも独創的と言わざるを得ないだろう。

 

うぉ。今なぜか刺さってる魚(まるごと)と目が合ったぞ。

 

 

……ですよね~~~~~~っ?

やっぱりこの展開ですか。

お約束ですよね!畜生!

 

「さ、どうぞ。遠慮なさらず。」

そ、そんな目で見ないでくれ。

「あのさ、愛紗?」

「……?」

ああもう、そんなに可愛らしく首をかしげないでくれ。

「味見とか…した?」

「い、いえ。少しでも一刀様に食べていただきたくて。」

 

痛い!その優しさが今は痛いっ!

 

「…そうですよね。見た目も悪いし、私のような者が作ったものなど食べたいはずがありませんよね?」

「い、いや!そんなわけないよ。じゃ、じゃあ、い、いただきま~すっ。」

 

………南無三っ!!!!!!

 

オレは一気に口へレンゲを運ぶ。

 

………………………っっっっ!?!?!?!?

 

 

 

 

 

…………うわぁ。綺麗なお花畑だなぁ…………

 

 

 

 

「……さま…………か…と…ま……」

…ん?

……誰かに呼ばれている気がする。

 

「一刀様。どうされたのですか?いきなり黙り込んで。」

「…っ!?い、いやぁ、ちょっと味わってたんだ。」

 

…アブねえっ!

今ちょっとシャレにならない世界にとんでたぞ?

 

「で、い、いかがですか?」

 

 

 

「う、うん。なんていうか…面白い味だね。」

「そ、そうですか…。すいません。何分料理なぞほとんどしたことがないもので。」

「い、いや、うん、これはこれで…。」

 

がんばれ!!オレ!!

ここが漢の見せ所だ!!

 

オレは、気合を入れて食べ続ける。

 

 

…そして…

途中の記憶がところどころ無いが…

 

オレは食べきった。

食べきったんだ!!

 

「ごちそうさま、愛紗。」

オレは、瀕死を必死に隠し、笑顔で愛紗にお礼を言う。

 

「い、いえ。お粗末さまでした。」

 

「…正直味は何とも言えなかったけど、気持ちはすごくこもってて嬉しかったよ。指にそんなに傷まで作ってくれてさ。本当、ありがとうね。」

 

「あ!いえ。これはっ。」

そう言って慌てて傷を隠す愛紗。

 

「ははっ。まぁ、今度機会があったら味も期待してるよ。」

「は、はいっ!!是非っ!!」

 

「なんか、飯を食べたら眠くなってきたな。悪いけど今日はもう休ませてもらうね。」

「ふふっ。お疲れ様です。ごゆっくりお休みください。」

「ありがとう愛紗。じゃあお休み。」

「はい、お休みなさいませ。」

 

そう言ってオレは食堂を後にした。

そして、なんとか部屋にたどり着き、寝台が目に入った瞬間限界を迎えた。

 

…そこでオレの意識は途切れた。

 

 

…ちなみに、今日一刀君がほとんど他の女の子と会わなかったのは、明日は一刀に付き合うために時間を作ろうと、二日分の仕事をしてしまおうとしていたため子がいたためだったりする。

(愛紗、星はもともと非番の予定だった。)

 

 

 

もひとつおまけに、一刀に夜訪れるのを控えてほしいと言われていた面々だが、逆に二人きりになれるチャンスと皆懲りずに、今夜も一刀の部屋に訪ねていた。

 

しかし、またもや皆と顔を合わせる羽目となり、しかも着の身着のままで倒れこむように寝ている一刀を見て、今夜は皆自重することとした。

 

…ちなみに星が愛紗をからかい、愛紗が一刀のために料理をしたということが広まり、一騒動あったことはまた別の話。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

一方。

一刀が倒れていたその頃、魏の面々は近くまで迫っていた。

この調子で行くと、翌日には着けるほどに。

 

<翌日>

 

…はっ!?

……朝か。

 

うぅ…。生きているって素晴らしい。

 

 

 

 

………あれ?

 

おぉ…!

今日は平和な目覚めだ!

 

……ちょっと物足りなかったりして。

冗談ですよ?…………うん。

 

それにしても何故オレはちゃんと布団をかぶってるんだ?

昨日は寝台を見たあと意識がないからそのまま倒れこんだはずなんだが…?

 

ま、いいか!

深く考えるべきではないな。

 

 

オレは朝の身支度を整えて食堂へと向かうことにした。

 

 

 

………うぉ。

 

今日は昨日の夜とうって変わって食堂が賑やかだな。

食堂には桃香、愛紗、鈴々、星、朱里、雛里、翠、蒲公英、月、詠、恋、音々音がいた。

なんか眠そうな人もちらほらいるな。

やっぱりお疲れなんだな。

 

 

オレも加わりワイワイと楽しく食事をすることになった。

 

すると、突然桃香が爆弾を投下した。

…別にダジャレじゃないよ?

 

 

 

「あ、あの~、一刀さんって付き合ってる人いるの?」

 

(ぴくっ!!)

 

 

あれ?

空気が……。

なんだ?このプレッシャーは?

 

 

「い、いや。いないよ?」

「「「「「「「「「「本当(ですか/なのか/でしゅか/か/なの/なのですか)?」」」」」」」」」」

「…………………ほんと?」

 

 

おいおい、みんな食いつきすぎだろ。

恋までさぁ。

やっぱり皆女の子ってことか。この手の話題好きなんだな。

 

「ああ。今付き合ってる娘は…いないよ。」

 

…?

なんか…ひっかかるな。

なんだ?この気持ち?

でも、確かに今付き合ってる娘はいないしな

 

質問に答えたことで心なしか空気が緩んできた。

 

「じゃ、じゃあ一刀さんの好みってどんな娘?」

 

……っ!?

一瞬空気が緩んだと思ったらまたなんか張りつめてきたぞ?

 

そ、そんなに見ないで~。

 

「い、いや。オレは特に好きってのは…ないかな?強いて言えば…全部好き?」

「「「「「「「「「「「…………………。」」」」」」」」」」」

 

おおふ。ちょっとした冗談じゃないか。

これは雲行きが怪しいぞ。

 

「…そういえば、もうこんな時間か。オレはそろそろ街へ行こうかな。皆は仕事?」

強引に話題転換を図る。

皆釈然としない様子ながらも話に乗ってきてくれた。

 

 

 

…………で。

皆が皆今日は時間があるから、オレを案内してくれるって言い出した。

 

気持ちはとてもありがたいんだけどさ。

 

 

………国の重鎮をぞろぞろ連れて歩くとかできるわけないじゃん!!

 

 

つーか、本当に大丈夫なのか?

この面々が働かなくて。

…聞いても答えは大丈夫の一本だった。

 

う~ん。

じゃお言葉に甘えるか。

 

でも全員は勘弁だよな。

 

…よしっ。

 

オレは皆にくじ引きを提案した。

正直案内してもらう立場で気が引けるんだけど仕方ない。

 

で、恨みっこなしの一回勝負。

勝者は二人。

 

ということで落ち着いた。

 

……

………

…………その結果。

 

 

 

<街>

 

今オレの隣には恋と朱里がいる。

 

あの勝負は熱かった。

みんなガチだったな。

朱里達なんか気絶しちまうんじゃないかってくらいの空気だったんだが、朱里も雛里も月も気丈に振る舞ってたな。

 

結果この二人が勝ったわけだが。

負けた面々のしょぼんとした顔が…。

せっかくオレのために言い出してくれて、一緒に行けないことを残念がってくれるなんて。

本当皆いい人だよな。

その分、半端なく申し訳ない。

 

 

「~♪」

「……………♪」

で、隣の二人は超ご機嫌だし。

 

なんかこっちまで嬉しくなるな。

最初はどこに行こうかな。

二人に聞いてみるか。

「じゃあ、最初は「きゃ~~~~~っ。」……!?なんだ!?」

「はわわ…。な、なんでしょうか?」

「……………あっち。」

 

二人に話しかけようとした瞬間、突然悲鳴が聞こえてきた。

 

恋が指差した方向へと三人で走る。

 

そこには…

 

警備隊に囲まれた黄色いバンダナの三人組がいた。

 

しかも、なんと昨日一緒に遊んだ子どもの内の一人を人質に取っていた。

 

「動くんじゃねえ!こいつがどうなってもいいのか!?」

ひげ面の男がそう叫ぶ。

 

…っ!!!

 

瞬間頭に血が上りそうになったが何とか抑える。

なんとか冷静さを取りもどした。

 

「………………。」

「待て。恋!!」

「………!?………でも。」

「まず落ち着くんだ。今飛び掛かるとあの子が危ない。」

「はわわわ…。」

「朱里も落ち着いて。」

今にも飛び出しそうな恋をなだめ、慌てている朱里を落ち着かせる。

 

「おら!道をあけろ!」

「あ、あけるんだな。」

残りの背の小さい男と、太めで体の大きい男が言う。

 

…くっ。このままだと逃げられてしまう。

 

 

………仕方ない。

 

「待て!」

「なんだあ?てめえは?」

「その子を離せ。オレが代わりに人質になってやる!」

「……………っ!?一刀…ダメ。」

「ダ、ダメでしゅ~っ。」

「ほぉ~。いい度胸じゃねえか?コラ?」

「知ってるぜ?コイツ今話題の天の御使いとかいう奴だろ?」

「さ、さすがアニキなんだな。」

「こいつあ、上手くすりゃ金も手に入るな。おい!チビ!デク!このいけ好かねえ正義気取りのバカを捕まえな!」

「へいっ!」

「わ、わかったんだな。」

 

そして、オレは二人に両腕を拘束される。

「おら、サッサと行きな。ガキ。」

アニキと呼ばれた男はすぐさまオレの首元に剣を当てると子どもを解放した。

 

……一応律儀だな。

まあ、これでやりやすくはなったかな。

 

 

「……………くっ!」

「ダ、ダメです。恋さん!ここからじゃいくら恋さんと言えども無理です。」

すまん。恋、朱里…。

 

「じゃあな。コイツはいただいていくぜ。」

そう言ってオレの顔を勝ち誇った面で覗いてくるヒゲ。

 

…その瞬間。

オレは顔を少し前に差出す。

 

首の剣が肉にめり込む。

ナマクラな剣だったから少し血が出た程度だったが、その感触に驚いたらしいアニキとかいう奴は思わず剣を首から離した。

やっぱり、今オレに死なれるとまずいよなぁ?予想通りだ。

 

そして、オレを抑えている二人が突然のことに気を取られている隙に両手を振りほどき、すぐに距離をとる。

オレだって修行はしたんだ。

野盗ごときに遅れはとらねーぞ!

 

…そしてオレは奴らと対峙する。

 

 

 

 

………が、その瞬間驚くほどの速さで恋が三人を倒してしまった。

一応手加減はしたみたいだな。

そして警備隊が手際よく捕まえて、連行していく。

 

 

…あれ~~?

オレの出番は?

 

ま、いいか。

皆無事だったんだし。

 

一か八かだけど上手くいって良かった良かった。

 

 

ん??

 

無言で歩み寄ってくる恋と朱里のお二人。

…怖いですよ?

恋は基本無口なんだけど…いつもと違うよね?

 

そのまま黙って傷の手当をしてくれる朱里。

 

終わったみたいだ。

 

「ありがとう。朱r…。」

「一刀しゃま!!」

「は、はいっ!」

 

……かんでも怖いよ?朱里?

 

「一体どういうことですっ!!」

「い、いや~。あの子を助けようと思いまして。つい…。」

「つい…じゃないです!何かあったらどうするつもりだったんですかっ!?」

「いや~。まあ、オレが死んでも恋がいるし、もしあのまま連れ去られてもオレ一人ならなんとかなるかな~って…。」

「何を言ってるんでしゅか!!ご自分の立場を考えて下さい!!」

 

……その後みっちり説教されながら城へと強制連行されることになった。

その間恋はずーっと無言の圧力をかけ続けてくる。

…うぅ。

 

 

 

 

 

 

そして、今私は玉座の間で正座中で、あぁ~~るぅ。ぶるぁぁぁぁ。

 

「一刀様?ちゃんと聞いておられますか?」

「は、はい!聞いております!」

 

そして主だった将のほとんどからお説教を受けています。

 

 

…このまま何時間が過ぎたんだろう。

 

いくら修行で正座になれているとは言え固い床に直接長時間はさすがに辛いぞ…。

なんて思っていた時。

 

「も、申し上げます!」

 

かなり急いだ様子で兵士が駆け込んできた。

 

「魏の曹操様、以下張遼様、程昱様、典韋様、楽進様がお見えになられました!!」

 

 

…つづく。

 

 

あとがき

 

どうも。

おなじみ駄作です。

 

ごめんなさい。いいとこで区切ってしまって…。

思った以上に余計な話が長くなってしまって。

文章力欲しい…。

 

んで、や~っと次回ご対面ですよ。

長かったぁ。

 

どうしようかな~。

わくわくわくわく。

 

ということで、次回!「再会」

 

楽しみにしてくださる方がいればいいなあ…。

 


 
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