No.241342

悠久の時の流れの中で 序章(改定前)

Pichiさん

歴史上ある時代の出来事を私的解釈を織り交ぜて構成するお話。
改定前の序章です。

2011-07-28 21:17:13 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:248   閲覧ユーザー数:248

 

 太古の昔、世界は今のようにいろいろな種族が繁栄しておらず、混沌と呼ばれる塊があるだけだった。

最初のヒト盤古が混沌を太極と名づけ、太極を陰と陽の両儀に分け、さらに両儀を四象に分けた。

 

四象は太陽・少陰・少陽・太陰であり、この四つを組み合わせる事によって、あらゆる物を創造した。

 

 

この中に後に人類と称される種族が生まれ出てくる。

生まれたばかりの人類は、他の種族に比べ、力なく知もない全てにおいて劣った種族であった。

この劣等な種族に、ハジマリのヒト達が、知識を授ける。

 

 

有巣(ゆうそう)氏は、それまで洞穴等に怯えながら暮らしていた人類に、家を作り住む事を教える。

 

燧人氏は、それまで食べ物を生のままで食して病を流行らしていた人類に、火を教える。

 

伏羲氏は、それまで狩猟や採集でその日暮らしをしていた人類に、牧畜や農耕を教える。

その上で、文字を教え、それまで人類の指標となっていた四象を分かりやすくした八卦を教える。

 

神農氏は、それまで病になったら打ち棄てられていた人類に、病に効く植物を教え、医学の元を作る。

 

軒轅氏は、それまで本能の赴くままに生活していた人類に、礼節・婚姻葬儀を教える。

ハジマリのヒトが立ち去りし後、人類の中でもっとも徳のある者が人類を統率する役目を担うようになる。

 

少昊・顓頊・姫嚳・唐堯・虞舜と言った有徳の王が、人々を治め、ハジマリのヒトが去りし後に出来た邑を纏め、国を建国する。この五王は、自分亡き後の政を徳篤き者に位を渡す事によって、人類を劣った種族から世界で最も繁栄し力強き種族へと変貌させた。

 

最後の有徳の王、姒禹が亡くなった後、益なる者が王の地位に付くも、姒禹の子姒啓が反旗を翻し、益を放伐して自ら王と成す。姓を姒から夏后と改め、夏后一族が王となる世界初の王朝を打ち立てる。

 

夏后啓は、父王の善政を引き継ぎ、その子孫もその善政を引き継いだ為、後の世に夏王朝として名を残す。

夏后啓から数えて17代夏王である夏后履癸は、側室の末喜と過ごす事を人類の王という職責より大切な物と考えており、夏王朝きっての忠臣であり賢臣である関龍逢に有徳の人物を探させる。

 

その目に適った者は、夏王朝の諸侯の一人であり、商と呼ばれる地域を治める子履である。

世に名高い賢者である伊尹を召抱え、他の諸侯が手本とする程の政を行っていた。

この為、商の成湯と呼ばれていた。

 

夏后履癸は、この子履を夏王朝の都斟尋に呼び、王位を譲り渡し、夏王朝の終焉と商王朝の成立を宣言する。

 

王となった子履は、王号を湯王し、国号を本拠地の名である商とした。

 

この後湯王から30代の王を輩出する事になった商王朝は、治世600年を数える大繁栄を享受する事になる。

 

しかし、この世に衰える物もなく、滅びぬ物はない。商王朝も例外ではなく、まさに滅びの足音が近くまで鳴り響いていた。

 

 

 

この滅び逝く世界で、才能豊かな5人が誓いを立てる。

 

 

 
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