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真恋姫無双 天遣三雄録 第二十一話

yuukiさん

董卓軍と北郷軍 拠点三~

2011-07-07 09:26:19 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4330   閲覧ユーザー数:3384

 

始めに、主人公を始めとした登場人物の性格にズレがあるかもしれません。

なお、オリキャラ等の出演もあります。

 

そして、これは北郷一刀のハーレムルートではありません。

そういうものだと納得できる方のみ、ご観覧ください。

 

 

第21話 拠点です by于吉

 

 

拠点  御使いの知らない物語 そして二人は居なくなった、、、

 

 

 

爽やかな朝日、晴れ渡る晴天のなか、俺は廊下を歩いていた。

そして俺は、ふと頭に浮かんだまったく関係のないことを口走る。

 

「よく考えれば、この世界の董卓(月)が暴政とか、むしろご褒美だろ。踏んだり蹴ったり、されてみたい気がする。無統治はアレだろ、放置プレイだろ?」

 

そんなことを呟きながら、廊下を歩いていると前方に賈詡が仁王立ちしていた。

 

「ちょっと、話があるんだけど」

 

「いや、でも、実史じゃ何百人もの女官を侍らせてたんだっけ?それは、ちょっとな~。見てみたい気もするけど、洛陽に百合しかいなくなるのはまずい」

 

女官達を手篭めにする月を想像して、いやいや、と首をふる。

 

「ねえ!聞こえてるでしょ!何、無視してんのよ!」

 

「まあ、そんな所までは華琳に似てなくてよかったな」

 

俺は頷きながら廊下を歩き去っていった。

 

「去っていくなあー!」

 

「がっ」

 

後頭部に竹で出来た書簡が直撃する。少し痛い。

 

「痛いな。何の用だよ。賈詡」

 

「はぁ、はぁ。話が有るって、言ってるでしょう」

 

息を整えた後、睨まれる。なんだよ、俺が何したって言うんだよ。

 

「なんだ?ラブレターなら随時受付中だぞ」

 

「、、、付いてきて。ここじゃ話しにくいわ」

 

「、、、、、、本当に告白なのか!?」

 

「違うわよ!」

 

足早に歩き出した賈詡の後を追って、あるいて行く。

その途中、満面の笑みを浮かべる于吉とすれ違う。

 

「おう、于吉。なんかいいことでもあったのか?」

 

「ええ、よく効く殺虫剤が手に入りましてね。これでようやく害虫が駆除できるのですよ」

 

ふ~ん。良い殺虫剤か。于吉、なんかの害虫に困ってたのか?

 

「私の大切なモノを食い荒らす性質の悪い虫でしてね。それを殺せると思うと、、ふふ、ふふふふ。、、、、、そうだ、丁度いいですから。スポット剤もいたしましょうか?ふふ、ふふふ」

 

スポット剤って、あれだよな?ペットとかに寄生虫とかが付かないようにする薬だよな。

于吉、犬か猫なんて飼ってたっけ?うーん、まっ、いっか。別にどうでも。

取りあえず于吉は機嫌よさそうだし。なんか、眼が病んでる気もするけど、気の所為だろ。

 

「じゃ、なんかよく分かんないけど頑張れよ!」

 

「はい。それでは、これで」

 

そう言って于吉は去っていく。

おいおい、于吉のスキップなんて何時振りに見たよ?幼稚園以来か?

 

「ちょっと、アンタ、何やってんの。早く付いてきなさい」

 

「あ、うん」

 

それで、賈詡は一体どこに向かってるんだろうな?

 

 

 

連れてこられた先は、地下牢だった。

 

「なあ、賈詡。帰っていいかな?俺、こんな場所に何の用も無いし。ジメジメした薄暗い所って苦手なんだよね。ゴキちゃんでるから」

 

「なに、アンタ。あんな虫ケラが怖いんだ。へぇ~、情けないわね」

 

「別に怖がっててるわけじゃない。ただ進んで出会いたくないだけだ」

 

「そんなの同じじゃない」

 

口元を吊り上げる賈詡を見て、眼を逸らす。

まっ、確かにね。ぶっちゃけ、怖いよ。突然、音も無く目の前に現れると驚くもん。

 

「で、なに?俺をなんでここに呼んだよ?用があるならさっさとしろよ」

 

「、、いきなり態度悪くして、、分かりやすい奴ね。はぁ」

 

賈詡は一度ため息をつくと、背伸びするように俺の目を見つめてくる。

なんか、マジッぽい目だな。

 

「言ったでしょう。聞きたいことがあるのって」

 

「それは、賈詡ちゃんとして、それとも」

 

「軍師、賈文和としてよ」

 

「あっそ。つまらなそうな話なら、早めに終わらせてくれよ」

 

背を壁に預けて、賈詡を見る。

蝋燭の灯が、薄暗い地下牢を照らす唯一の太陽だ。

カビ臭い、生臭い風が吹き抜ける。吐き気がした。

 

「“”これ“”は何?」

 

賈詡は一つの牢を指さし言う。

中は薄暗く、よく見えない。

 

「賈詡には、何に見えるんだ?」

 

「塵、いえ、“”これ“”を塵だなんて言ったら塵に失礼だわ」

 

「そうか。俺には、“”彼“”が救世主(メシア)に見えるけどな」

 

「、、、、、、ふざけ、ないでよ」

 

賈詡は絞り出すような声で言う。

俺を見ていた目は、今、俺を睨みつけていた。

 

「“”これ“”の所為で、月が、私たちがどんな思いをしたか、あんただって知っているでしょう」

 

「””彼“”は守ろうとしていただけだろう。ただ、忠義を果たそうとしていただけだ」

 

「“”これ“”の所為で、アンタの軍と戦争になりかけたのよ!それだけじゃない、いったい、何人死んだと思ってるのよ!」

 

「けど、“”彼“”は何一つ間違ってはいなかった。事実、その行いで大陸は救われるかもしれなかった。話はしたんだろう?なら、聞いた筈だ。“”彼“”がいったい何をしたかったのかを」

 

「、、、、、、」

 

「いや、“”あの二人に何をされたかったのかを“”」

 

「くっ、、っっ、、、」

 

賈詡の歯が鳴る。握った拳がぶるぶると震えている。

 

「さてと、行こうぜ。賈詡ちゃん。何時までもこんなかび臭い所にいたら、腐っちまうよ」

 

動かない賈詡の手を引いて、地下牢から出て行く。

 

「じゃ、またな。世界最高の詐欺師」

 

“”彼“”からの返事は、帰って来なかった。

 

 

 

賈詡の手を引いて、廊下を歩いて行く。

わーい!可愛い女の子と手をつないじゃった!やった!やったぁ!

、、、、てっ、空気でもないんだよな。

 

「、、、、は、、し、、よ」

 

「何か言った?」

 

「離し、なさいよ」

 

言われたとおりに手を離す。

賈詡は、目に涙を溜めながら俺を睨みつけてきた。

、、、そんなに嫌だったか?俺と手をつなぐの。軽くショックだな。

 

「、、アンタって、屑よね」

 

「、、、そこまで言われなきゃなんないかな?」

 

手を繋いだぐらいで?どんな貞操観念だよ。

 

「こんなこと、、知りたくなかったわよ。知らなきゃ、、迷わずに済んだのに」

 

ああ、そっちの話か。

ページ変わったし、もう暗い話は終わったと思ったんだけどな。

 

「殺しておけばよかったのよ。アンタが、連れて来た時に、すぐに」

 

睨んでいた目を外して、俯きながらブツブツとつぶやきだす賈詡。

すげぇ、情けない姿だよな。何時もみたいな、偉そうな態度は何処に行ったんだか。

 

「怖いのか?」

 

俺の何げない一言に、賈詡の肩はビクリと震えた。

 

「ま、怖いわな。ついさっきまでは、乱世に踊らされた可愛そうな被害者だったのに、今じゃ、乱世を始まりを告げる加害者になろうとしてるんだからな。はは、そりゃ、怖いよな。されるよりも、するほうが、怖いに決まってる」

 

「、、、うるさいわよ」

 

「怖いんだろ?月が、加害者になることが。月の所為で、乱世が始まることが」

 

「うるさい!」

 

廊下に、賈詡の怒声が響いた。

遠くを歩いていた文官が何事かと顔を向けている。

 

まったくもって、この世界はなんて天の邪鬼なんだろうな。

何でもかんでも逆にしたいらしい。

女は男に、暴君は善君に、謀反者は忠義の徒に。

そのくせ、歴史だけは正しくなぞっているから始末が悪い。

月が善人だろうが悪人だろうが関係なく、乱世の始まりを告げるのは彼女。

決して大筋を踏み外さないこの世界は、なんて真面目で、なんてふざけているんだろう。

 

「けど、たとえそうだとしても、顔を俯むけるのは間違ってるんじゃないかな?賈詡」

 

「、、、、、、」

 

「確かに、月が間違えなかったせいで乱世が始まる。けど、それは正しいことじゃないって言えるのか?賈詡は、月に洛陽を見捨てて欲しかったかのか?そんな、月を、好きだったのか?」

 

「、、、、そんなわけ、ないじゃない」

 

賈詡は顔を、あげた。

 

「月は、絶対に間違ってなんていないわよ。あの子がやったことは全部正しいに決まってるじゃない!月は、洛陽を救ったの。皇帝陛下を助けたの。民に笑顔を与えたの!それが、間違っていた訳ないじゃない!」

 

「なら、それでいいだろ。賈詡、お前にとっての正しさは月なんだろ?じゃあ、後はそれを他人に押しつけるだけだ。なんで他人と思いを共感しようとなんてするかな?他人がどう思おうと、関係無いだろ。“”自分が正しければ、それでいいんじゃないのか?“”」

 

「けど、月は、自分の所為で乱世が始まったって知ったら、、泣くわ」

 

賈詡は悲しそうに、歯を噛みしめる。

、、、どうも、言葉が足りなかったかな?あんまり、俺の言ってること、伝わってないみたいだな~。

 

「、、、だからさ、“”他人と思いを共感なんてするなよ“”」

 

「は?」

 

わかってない、賈詡は何にもわかってない。

友達だって、親友だって、所詮は何処まで行っても他人なんだよ。

慣れ合うことは出来ても、分かり合えない。俺は、それをよく知っている。

俺自身、左慈と于吉の事は大切にするけど、それでもやはり俺が優先だ。

何事においても、な。そしてそれは多分、左慈と于吉も同じだろう。

 

「それでいいんだよ。誰だって、自分が一番大切だ。役に立つ友情なんて、ウソ臭くて敵わないだろ?だから、お前はただ、信じればいいんだよ。月をじゃなくて、自分をさ。そうすれば、その先には“”賈詡が正しいと信じた月がいるんじゃないのか?“”」

 

「、、、、、、、、、、」

 

賈詡は表情を無くし、数秒呆然とした後、俺を睨みつけてきた。

 

「アンタ、、、何者?」

 

「何者か、ね。深い問いだよな。誰かと尋ねるのとは違う。名を名乗るだけじゃ答えには足りていない。君は、俺の意味を問うか?」

 

「、、、、、、、」

 

「俺は天の御使い。最強の武と、最高の智に挟まれて、歪に育った、、凡人だよ」

 

 

 

拠点   御使いのお使い

 

 

 

 

「へう、へう、へぅへぅへう~」

 

真昼間、往来の真っただ中で月の真似をしてみると、人混みが割れた。

何故だ?あれ?なんかあったのかな?道の真ん中がピンポイントで地割れすんのか?

まだ、2012年には何千年もはえーぞ。

 

「まっ、いっか。お陰で歩きやすくなったし。へぅ」

 

「、、、、お前、何やってやがるですか」

 

なんだか何処からか声がした。けれど、見わたしても誰もいない。

 

「あれ?何処だよ」

 

「ここですぞ!」

 

下から声がした。下を見てみると、黒い学生帽に黒い学ランをはおった幼稚園児が居た。

 

「なんだ、陳宮か。小さすぎて、見えなかったあっああ!」

 

「陳宮キィィクゥゥ!」

 

距離とか重力とか作用反作用の法則とかを無視して、陳宮に飛び蹴りを入れられる。

腹が冗談抜きで痛い。

 

「いきなり、なんだよ。腹は駄目だろ、、、君ね、顔面にリバースするぞ、、こら」

 

「ふん。出来るもんならしてみやがれです!」

 

「うっぷっ、、、、おぇ」

 

「ぬなっ!本気にするなですぅぅぅ!!」

 

 

 

閑話休題、場面反転、随時移行

 

 

 

「ひっく、ひっぅ、ぅぅ、っっ」

 

「泣くなよな。ほら、付いてこいよ。買い物、付き合ってくれんだろ?」

 

泣きながら、何故か帽子を脱いだ状態の陳宮は、普段では考えられないくらい素直に俺の後を付いてくる。

きっと、精神が崩壊するくらい衝撃的な出来事があったんだと思う。

 

「どこにむかってやがるのですか?」

 

「取りあえず、今は本屋かな。言っとくけど、少し時間がかかるぞ。まあ、お駄賃ぐらいやるからさ、最後まで付きあってくれ」

 

この前、宝箱(ぶたさん貯金箱)をぶっ壊したお陰で、懐には結構な余裕があるしな。

どれぐらい余裕があるかというと、もう一度ぐらいなら恋に飯を奢れるくらいだ。

 

「なあ、陳宮」

 

「なんですぞ」

 

「君って恋と仲がいいよね?」

 

「当然なのです。ねねは恋殿の専属軍師。この世の誰よりも恋殿と仲良しこよしなのですぞ!」

 

「ふーん。じゃあさ、ご飯とか奢ったこともあるよね?ぶっちゃけ、、、あの食欲は困らないか?」

 

「、、、、、なにをかくそう、ねねの給金の八割は恋殿の食費できえていくのです」

 

さっきまでの手を振り上げるほどの元気は何処に行ったのだろう。

ショボーン、という擬音が聞こえてくるほど深いため息を陳宮はつく。

色々、苦労しているんだな。

 

「そうですぞ!お前、さっきの謝礼としてお金をよこしやがれです!」

 

おっと、そんなことを考えている間に、本屋に付いちゃったよ。

HAHAHA!

 

「誤魔化すまなぁ!」

 

ようやく元気になった陳宮と一緒に、本屋を見て回っていく。

 

「陳宮、この中の本で読んだこと無いのはある?」

 

「ここは、兵法書の棚ですか。ふっ、馬鹿にするなですぞ!ねねは恋殿の専属軍師、町の書店に置いてある本など、全て読破しているのです」

 

「まっ、そうだよな」

 

ならば、奥の手を出すだけだ。ふふ、ふはははは。

 

「親仁、例の物、手に入ったか?」

 

「へい!ありやすぜ。少々しか製本されやせんでしたが、御使い様の情報があったおかげで、仕入れることができやした!」

 

店の店主を呼びだして、包みを受け取る。

陳宮は不思議そうにその様子を見ている。

 

「それは、なんなのです?」

 

「ふ、ふふ。陳宮、この本も、読破したのかな?」

 

俺はわざとらしく髪を手で掻き上げながら、受け取った本を見せつける。

陳宮はその本を見た瞬間、衝撃を受けたように一歩後ろに下がった。

 

「そ、そそそそ、その本は、『猛徳新書』。な、なんでその本がこんなかび臭い店においてありやがるのです!」

 

おいおい、かび臭いって、正直するぎるだろ。親仁、涙目になってるぞ。

 

「ほら、俺が元は陳留に居たのは知ってるだろ。その時からこの本が書かれていたことは知っていたし、親仁に無理言って手に入れてもらったんだよ」

 

そう言いながら、本を包みの中にしまう。

 

「そ、その本を、どうする気ですか?」

 

「いや、別にどうもしないけど、、、、」

 

なんか、陳宮の目が怖いんだけど、何かあったか?

 

「その本、ねねによこしやがれです!お前なんかがその本を持っていたって、無意味ですぞ!猫に小判、豚に真珠ですぞ!」

 

「じゃ、次の店に行くか」

 

「流すな!よこしやがれです!」

 

足に蹴りを入れてくる陳宮を適当にあしらいながら、次の店に向かっていく。

 

 

「で、次は裁縫店ですか、、、一体、お前は何がしたいのです」

 

陳宮は頬を膨らませ、ジト目で俺を見てくる。

 

「なにって、ポチたまだよ。時代の流れはまさお君なんだよ。いや、今はだいすけ君だっけか?」

 

「意味が不明なのですぞ」

 

取りあえず、どうしようかな。黄色ってのも、芸が無いというかなんというか。

 

「恋が飼ってた犬って、赤毛だったよな?」

 

「セキトのことですか?それなら、赤毛ですぞ」

 

「じゃ、赤色でいっか」

 

俺は赤色の布地を買って、店を出て行く。

 

「次行くぞ、陳宮」

 

「まったく、慌ただしい奴なのです!いったい、何軒まわるきなのです!」

 

「うーん。次の店で良さそうなのがあったら、終わりかな。、、、、華雄の分は、左慈が買った方が喜ぶだろうし」

 

「何か言いやがったですか?」

 

「いや、何でもないよ」

 

そうして、全ての用事が終わるころには、日が傾いていた。

 

 

 

「で、一体、お前は何が買いたかったのですか?」

 

「なにって、これらだよ」

 

手にもった荷物を誇示するように持ちあげる。

 

「『猛徳新書』二冊に『赤い三角巾』、『月型の首飾り』と『霞草の簪』なんて、統一性が無さ過ぎですぞ」

 

「はぁ、これだけわかりやすくしてるのに分からないなんて、陳宮は馬鹿か?」

 

「なぁ!お前に言われたくはないのです!喰らえ、陳宮キィィクゥゥ!」

 

おお!本日二度目の飛び蹴りだ。しかも、前の失敗を踏まえて容赦なく顔面を狙ってくるところが憎い。

 

「しかし、俺にはこれがある!猛徳新書バリアァァ!」

 

「なにぃ!」

 

もし、華琳が書いた本をこんな使い方してるなんて知られたら、秋蘭と春蘭に殺されるな。

 

陳宮は空中でムーンソルトのように回転した後に、本に触れることなく着地した。

なんだ、あの体の動き。この子、武将としてもやっていけるんじゃないのか?

 

「な、なんて卑怯な奴なのです!猛徳新書を人質にとるなどとぉ!」

 

陳宮は目と口をあんぐりと開けて絶叫していた。

なんか、面白い奴だよな。陳宮って。

 

「ほんと、一緒に居て飽きないよな」

 

「なんか言いやがったですか?」

 

「いや、今日は付きあってくれてありがとな。これ、お駄賃」

 

そう言いながら、猛徳新書を陳宮の頭に置く。

 

「えっ?、、もらって、いいのですか?」

 

「まっ、最初からそのつもりだったからさ。受け取ってくれよな」

 

「、、、、ありがとう、ですぞ」

 

「ん。どういたしまして」

 

じゃあ、と手を振りながら俺は陳宮の元を離れて行った。

 

 

部屋の前に来ると、賈詡が立っていた。

既に辺りは夜。月明かりだけが俺達二人を照らしていた。

 

「迷いは消えたか?賈詡ちゃん」

 

「ええ、消えたわよ。そして、決めたわ。私は、月の為なら何だって利用してやるわ。それが、“”あれ“”だろうと、アンタだろうとね」

 

「そっ、じゃあ、俺は何をすればいいのかな?」

 

「“”月を、裏切りなさい“”」

 

「ああ、わかった。そうなるだろうと思って、お別れの贈りものを買っておいたから、みんなに渡しておいてくれ」

 

俺は手に持った荷物を賈詡に手渡す。

賈詡は荷物と俺の顔を一順して、見た後、呟く。

 

「ごめんなさい」

 

「謝るなら、左慈と華雄にしてくれよ」

 

「ごめん、なさい、、、」

 

ほんと、俺の方からも左慈に、謝らなくちゃな。

多分、初恋だったろうに。

そんな二人を引き裂くなんて、俺は何処の悪役だよ。

 

 

        後書き

 

テストも終わったし、これでいっぱい書けるぞ!

と、思ってたんだけど、、最近かったルーンファクトリー3が面白くって、筆が進まない。

まあ、でも頑張ってみます。

 

ちなみに、次回より反董卓連合編スタートです!

長らく出番のなかった一刀君のマイハニーも登場しますよ!

 

 


 
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