No.224873

悪い子(夢小説)

active13さん

みなさん、やっちゃいました。
スターウォーズの夢小説をやっちゃいました。
お相手はアナキンのお師匠さまです。
また、明るい話ではありません。

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2011-06-26 15:17:57 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:10154   閲覧ユーザー数:10140

 

注意

 

本作は夢小説です!

 

誤って入られた方はお戻りください。

 

 

 

 

ジェダイの騎士とは銀河に調和と安定をもたらす銀河の調停者である。

それぞれの星々がそれぞれの正義を貫こうとするとき、必ずしもその正義は他の正義と一致するわけではない。

そのような状況においても双方の正義をできるだけよりよい形で貫けるようにするのがジェダイの騎士の役目である。

だから、ジェダイの騎士は常に客観的に状況を判断できるように己の欲をなくさないければならない。

そうでなければ己の欲が入り主観的な判断をしてしまう恐れがあるからだ。

小さな話なら後々の処置でミスを修復できるかもしれないが、惑星間条約などの事の大きな話になると一つの判断ミスが戦争を招く可能性もあるのだ。

そうなっては取り返しがつかないことになる。

そのため、ジェダイの騎士はジェダイ・オーダーによって非常に禁欲を固守している。

そのジェダイ・コードにはあることが禁止事項として載っている。

 

 

 

恋愛の禁止だ。

 

 

 

2つの太陽が沈む。

夕日が白い壁を赤く染める。

私はジェダイの騎士のセツナ・サンデリア。

ここ、ジェダイ聖堂で立ち入り禁止と書かれている老朽化のため修復が予定されている10階の小部屋に入り込み休憩という名のサボりをしている。

本当は惑星ガルデリアの密輸組織の報告書を書かなくてはならないのだが、なかなか筆が滑らず25階の窓から抜け出してきたのだ。

なぜ、窓から出てきたかって?

それは師匠並みに口うるさく生真面目なジェダイが隣の部屋で見張っているからだ。

まあ、今頃は睡眠薬の効果でぐっすり夢の中だろうだけど。

怒られるかな…?

まあ、あの性格上怒るな。

絶対怒る。

 

怒っているあいつの顔を想像してみたら急に笑いがこみあげてきた。

 

「ぷっくっくっく。額のしわすご。」

 

「額のしわがなんだって?」

 

 

背後から地を這うような低い声が聞こえた。

おおっと、これはかなり怒ってるようだ。

参ったなー。

まあ、とりあえず挨拶はしておこう。

 

 

「おはよう、オビ・ワン。お早いお目覚めで。」

 

「何がお早い目覚めだ!どこに任務のパートナーに睡眠薬入れる馬鹿がいる!!だいたい、どうしておまえはいつも報告書をサボるんだ!」

 

案の定、すごく怒っている。

というか、額のしわすご…。

やばい笑いそう。

 

「悪かったよ。」

 

「棒読みで言うな!」

 

オビ・ワンの声が部屋に響く。

もう夕日の半分は隠れてしまっている。

徐々に夜の帳が降りてくる。

 

彼は気づいているのだろうか。

 

「はいはい。」

 

オビ・ワンと任務をしている時だけ私が報告書をサボることを。

 

「はいは一回でいい!」

 

その意味を知っているのだろうか。

 

「はーい。」

 

 

私がオビ・ワンのことが好きだということを。

 

 

彼を好きになった理由なんてわからない。

ただ昔からずっと一緒にいて、いつの間にか好きになっていた。

 

だけどこの気持ちを表だって表現することは許されない。

それどころかこの類の感情を持つことすら禁じられているのだ。

だから、こうしてワザとサボったりして彼の気を引くことしかできない。

まるで小さな子供の初恋のように幼稚な行為だ。

 

気づいてほしい、気づかないでほしい。

この相反する感情をいつまで持ち続ければいいのか。

先の見えない未来がより不安を掻き立てる。

 

 

「まったく、昔からおまえは教師の間で悪童として評判だったし。ジェダイの騎士の鏡どころか手鏡にもなれないぞ。」

 

「…。」

 

「どうした?」

 

いつもなら軽口で応酬する私が黙ったままなのを不思議に思ったのかオビ・ワンが顔を覗き込んでくる。

オビ・ワンの澄んだ瞳に私が映る。

その一点の穢れも感じさせない瞳に妄執に囚われた私が映っていると考えると、我ながら己の存在に吐き気がする。

己の醜さを感じながらも、それでもその瞳に映りたいと願う私は末期といっても過言ではないだろう。

 

「…。」

 

「あー…、悪かった。言いすぎた。報告書の締め切りが近いからいらついていたんだ。」

 

窓の外を見るともう太陽は2つとも沈みすべてが闇に沈んでいく。

もう、限界だった。

 

「…別にいいよ。」

 

「じゃあ部屋に戻って報告書を…。」

 

「別に手鏡にもなれなくてもいいよ。」

 

「は…?」

 

怪訝そうな顔をしているオビ・ワンに一歩また一歩と近づく。

 

そう、私は昔から悪い子だった。

 

「セツナ、何言って…。」

 

それは今も変わっていないだろう。

 

「ねえ、オビ・ワン。私は…悪い子なんだよね?」

 

だから…。

 

彼のすぐ眼と鼻の先ほど顔を近づけ、あらためて彼の顔をみる。

オビ・ワンの端正な顔には困惑の表情がありありと浮かんでいる。

 

「セ、ツナ…?」

 

 

 

「私、オビ・ワンのこと好きだよ。」

 

 

 

ああ、やっぱり私は悪い子だ。

 

 

 


 
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