No.224153

恋姫外史・あるところに一刀第33と1/4話

アキナスさん

おまけです。

一刀は後に大きなトラウマとなる事件に巻き込まれる

それは・・・

2011-06-22 16:57:06 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10238   閲覧ユーザー数:7675

何故こんな事になってしまったのだろう?

 

一刀はそう考えていた。

 

「皆!背中合わせに円陣を組め!!」

 

祭の叫びがコダマする。

 

ここは建業からかなり離れた森の中

 

今、一刀達は戦っていた。

 

恐怖と言う名の魔物と・・・

 

 

 

 

 

 

話は数刻前に遡る。

 

「明命を捕まえる?そんな訓練があるのか?」

 

「はい!これから皆で出かける所なのです!」

 

たまたま城門の近くを通りかかったら明命達と会い、何をしに行くのか聞いたらそんな答えが返ってきた。

 

「捕まえるのって、そこにいる全員でか?」

 

一刀が明命の後ろを見る。

 

そこには祭、穏、そして数十名の兵士達が居た。

 

「そうですが?」

 

明命は不思議そうに一刀を見た。

 

いくら何でも大げさじゃあないか?

 

一刀の考えている事が分かったのか祭が

 

「明命の実力を侮っておるようじゃな。だったらお主もついて来い、その眼で確かめるのが一番じゃからのう」

 

そして

 

祭に半ば引きずられるようにして一刀は参加させられる事になった。

 

まさか自分が狩る側でなく、狩られる側であるとは知らずに・・・

いつのまにか残ったのは一刀、祭、穏を入れて十人

 

他は全てやられてしまった。

 

明命一人に。

 

「祭さんよお、アンタ俺を道連れにする為に連れてきたのか?」

 

自分の正面を警戒しながらそう毒づく一刀。

 

「今はそんな事を言っている場合ではなかろう・・・」

 

祭は真剣な表情で言う。

 

ドサッと、一人の兵士が倒れる。

 

皆がその兵士に注目した。

 

その顔には墨で

 

見た目だけの木偶の坊

 

と書かれていた。

 

「酷いな・・・」

 

一刀は呟く。

 

この訓練で明命に敗れた者は、特注の墨で落書きをされる。

 

普通なら只のイタズラで済む所だが、残念ながらそんな可愛いモノではない。

 

その墨は簡単に消えない代物で、更に帰る時落書きを隠す事は許されず、色々な人達に見られながら帰らなければいけないのだ。

 

しかも先程のようなかなり酷い事を書かれた状態で・・・

 

それは実に恐ろしい罰であった。

 

バタッ!

 

皆が先ほど倒れた兵士に気を取られた隙に、また二人倒された。

 

それぞれ

 

こいつの目は節穴

 

腹出過ぎ

 

と顔に書かれて・・・

 

そしてガサガサッ!と近くの茂みが揺れる。

 

「う・・・ウワアアーーー!!」

 

一人の兵士が草むらへ武器を構えて突っ込んでいった。

 

「待て!行くでない!!」

 

祭の叫びも空しく兵士は草むらの奥に行き・・・

 

消えた。

 

残り六人

 

「・・・こちらから仕掛けるか?」

 

「・・・でしたら二手に分かれましょう」

 

祭、一刀、兵士一人のチーム

 

そして穏と兵士二名のチーム

 

それぞれ反対の方へ進んでいった・・・

 

「降伏とか・・・無いよな?」

 

「実戦訓練じゃからな。明命を捕らえるか、こちらが全滅するか・・・二つに一つじゃ」

 

そんな中

 

ドサリと

 

こちらの兵士がやられた。

 

注意散漫兵士失格

 

と顔に書かれている。

 

「・・・穏と合流するぞ?」

 

「・・・もう遅いんじゃないか?」

 

一刀はそう言って、祭と来た道を戻っていった・・・

先程固まっていた所で、穏は倒れていた。

 

二人の兵士達の姿は見えない。

 

多分もうやられてしまったのだろう。

 

「穏!しっかりせい!!」

 

祭が穏を抱き起こす。

 

「・・・うわ」

 

一刀は思わず声を漏らした。

 

穏の胸には

 

おっとり巨乳は存在そのものが罪

 

と書かれていた。

 

他とは比べ物にならない個人的な恨みを感じる

 

ガサガサッ!

 

物音に背中合わせになる祭と一刀

 

「・・・祭さんの言うとおりだったな、明命を侮ってたよ」

 

「・・・・・・」

 

祭からの返事は無い

 

「?祭さ・・」

 

喋り終わる前に

 

ドサッ

 

祭は倒れた。

 

「さ、祭さん!?」

 

一刀は祭を抱き起こす。

 

「・・・・・・」

 

祭の胸には

 

年増の若作りみっともない乳は垂れる

 

と書かれていた。

 

「・・・そこまで巨乳に嫉妬してたのか」

 

思わず呟く一刀

 

そして一刀は立ち上がり、周りを見渡す。

 

・・・明命の姿は見えない

 

そりゃあ呉の武将二人が見つけられないのに一刀が見つけられる訳が無い。

 

そこで一刀は

 

「・・・あ~あ」

 

道の真ん中に寝転がった。

 

・・・しばらくして

 

「観念されましたか?コーチ」

 

一刀の頭の方から声が聞こえた。

 

グルッと一刀は身体を反転させ、立ち上がる

 

そこには明命がいた。

 

「いや?ただ背後からの攻撃は地中からは来ないと思って・・・」

 

そう言って一刀は素手で明命に構えを取る。

 

「・・・そうですか」

 

明命は身構えた。

 

二人はジリジリと間合いを詰める。

 

そして

 

「お覚悟を!!」

 

二人の影が

 

「必殺!烈風正拳突き!!」

 

交差した・・・

 

 

 

 

 

 

帰り道、皆沈んでいた。

 

建業につくまでまだまだかかる。

 

それまでずっと、この落書きを貼り付けたまま皆の好奇の視線にさらされ、笑われなければならないのだから無理もないが・・・

 

そして一刀はその最後尾にいた。

 

 

 

 

その顔には

 

 

 

 

 

私は大陸一の女たらしです

 

 

 

 

とデカデカと書かれていたそうな・・・

 

 

 

 

どうも、アキナスです

 

しばらくおまけが続きます。

 

呉の人達のイベントは結構書いてて楽しいです。

 

次は誰のを書こうかな~~?

 

それでは次回に・・・

 

 

 

 

 

 

「無限拳~~~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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