No.223549

双子の吸血鬼 第1章;幸せな日常 変わる日常

帽子さん

小説書き素人が無謀にも長編小説に挑戦
今作品は魔法先生ネギま!の二次創作です。
稚拙な文章ではございますが楽しんでお読みいただけたのなら
これ幸い。
では、「双子の吸血鬼 第1章;幸せな日常 変わる日常」をお楽しみください。[2722文字]

2011-06-19 14:11:46 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2299   閲覧ユーザー数:2218

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァンガード、マクダウェルの2人がこの村の領主の城に生を受けてから早6年もの歳月が経っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかあさまー、お魚を買ってまいりましたー」

 

その言葉と共に、ヴァンガードとその後ろから一人の女の子が熊のぬいぐるみを持って、ちょこちょこ着いてやってきていた。

 

今しゃべったのは兄のヴァンガードである。そして、後ろから着いてきているのは、妹のエヴァンジェリン。

 

今ヴァンガードは、6歳になっており、容姿は、髪の毛は代々伝わるブロンドで整った顔立ちをしていた。

 

そして、エヴァンジェリンも同じく6歳になっており、容姿も髪はブロンド、整った顔立ち、黙っていれば人形と見間違うほどであった。

 

そんな美男子、美少女が何をやっていたかと言うと

 

母親の手伝いをしたいと言い出しお使いの命を受け、買い物に出かけていた所である。

 

 ちなみに、そのいきさつはこうである。

 

 今朝方、ヴァンガードと、エヴァンジェリンの自室に一人の侍女がやってきた。

 

その、侍女の目的はここで眠っているヴァンガード、エヴァンジェリンの2人を起こすためである。

 

そして、侍女は二人が眠っているベッドの傍らに立った。

 

「ヴァンガード様、エヴァンジェリン様、おはようございます。朝でございます」

 

そして、侍女は2人に声を掛けると

 

「う、うぅん・・・・・・」

 

先に目を覚ましたのはヴァンガードであった。

 

「おはようございます。 ヴァンガード様、今日はすがすがしいほどの晴天でございます」

 

「おはよう」

 

ヴァンガードは侍女の挨拶に答えた。

 

 

侍女はそのまま、部屋の壁の方に行き、太陽の光をさえぎっている、布をどけた。

 

すると、どっと太陽の光が流れ込みこの部屋は外の空気でいっぱいになり、その太陽の光は、エヴァンジェリンを照らしていた。

 

しかし、未だエヴァンジェリンは夢の中で、起きる気配は無かった。

 

ヴァンガードは、その太陽の光に目を細め、眠っている妹を見下ろし、昨晩エヴァンジェリンと話し決めていた事を侍女に話した。

 

「昨日の晩に、今日になったらお母様の手伝いをしようとエヴァンジェリンと話していてな。何をするか決めずに、そのまま眠ってしまったのだが。何か良い考えは無いかな?」

 

そう言われた侍女はこちらを振り向き少し考えるそぶりを見せるてから

 

「そうですね。 いつもお2人のお食事は、ヴァレンタイン様が作っておられるので、お使いにでも出てみてはいかがでしょうか?」

 

そう提案した。

 

「そうか、それは良い考えだ。 今日の朝食のときにでもお母様にそのことを話して、何かお使いに行ってくることにしよう」

 

その提案にヴァンガードは同意を示し、ヴァンガードの今日やる事が決まった。

 

そして、エヴァンジェリンを見下ろしたまま言った。

 

「エヴァンジェリンは僕が起こすから、きみはもう下ってて良いよ」

 

侍女が下がった後、ヴァンガードは起きる事にぐずるエヴァンジェリンを起こし、朝食のときにお使いを頼まれ冒頭に至る。

 

 

 

――――――・・・・・・

 

 

 その2人が、城に入り母親(ヴァレンタインマクダウェル)と、父親(ウィリアムマクダウェル)の姿を確認すると、その2人の元へ、直ぐ様飛んで行った。

 

この父母の職業はある村の領主、小さめではあるが、城に住んでおり、その2人の名は成徳者として鳴り響いていた。

 

この世界では魔法というものが一般常識として、確立されているがこの2人はかなりの実力者であった。

 

ゆえに彼等を信頼している諸侯の者たちや、商人たちも数多いため金にも困らず、食い物にも困らず、幸せな日々を送っていた。

 

買い物に出かけ、帰ってきた2人は早速両親に褒めてもらおうと、自分の買ってきたものを見せた。

 

この時代生の魚は非常に高価で、お金を持っている人でしか食べる事ができなかった。

 

母親はどうだ!と言わんばかりに袋の口を広げ、買って来た中身を見せている。

 

中身を見てみると、ちゃんと買えているのを確認して

 

「よーし、よく買えたねぇ」

 

ねぎらいの言葉と、感謝の気持ちを伝えると、2人の頭を少し優しくなでてやる。

 

「えへへ・・・・・・」

 

2人は嬉しいのかはにかむような笑顔を見せている。

 

その光景を少し離れた所から見守っている、父親だった。

 

 

 

 

 そして、そんな日々が数年続いたある曇りの日の事だ。

 

あたりが、騒々しくなっている。

 

いや、村では未だ何も起こっていないのだが、空の様子、そして村の人々を見ていて、いつもとは違うという雰囲気を感じ取る事ができた。

 

その事は感受性の高い子供にも容易に感じ取る事のできる変化だった。

 

そして、幼いこの双子にもこのことは以上であると感じていた。

 

 

 

10歳になった、ヴァンガードと、エヴァンジェリンはこの事について教えてもらうべく、与えられたエヴァンジェリンと一緒の部屋から父と母の元に向っている所だった。

 

しかし、中々両親の姿を見つける事ができなかったので、近くにいた侍女に声を掛けた。

 

「父様と、母様は今何処におられるのか?」

 

尋ねるヴァンガード。

 

「申し訳ありません。何処にいるかはご存知ではありません、もう少しすればお戻りなるとは思いますが・・・・・・」

 

「そうか、お前はここ最近村で起きている事を知っているのか?」

 

「はい、ですが私も詳しくは知らないので推測となってしまうのですが・・・・・・」

 

「ならば、それを教えてくれ!!」

 

その、必死な頼み方に危ない事には巻き込んではいけないという思いが働くが、渋々といった感じで侍女は話した。

 

「ここ最近、近くの都で大規模な戦争がおこなわれようとしているそうなのです。 そして、ヴァンガード様の父君と母君は有名な領主でございますので、その戦争に関することで都にいる人たちに呼ばれているのだと思います」

 

それを聞いて軽くフリーズするヴァンガード、どうやら自分が思っていたよりも、かなり話しが大規模すぎて脳が処理し切れていないのだろう。

 

「兄さま・・・・・・」

 

すると、後ろから少し弱めの声でヴァンガードを呼ぶ声があった。

 

エヴァンジェリンだ。

 

その声にヴァンガードは我に返り、その声と共に握ってきたエヴァンジェリンの手を握り返した。

 

「なるほど、そういうことか。 最近村を出入りする商人や、村の住人たちの様子がおかしいと思っていたんだ」

 

「兄さま・・・・・・」

 

その2人の呟きはここから平穏と言う言葉が無くなっていく事を実に物語っていた。

 

 

 

 

 

それから、しばらくしてヴァレンタインマクダウェル、ウィリアムマクダウェルの両名は都の魔法使いと呼ばれるものと共に帰ってきたが、明らかに出発前と出発後の態度が豹変していた。

 

そして、元から城にいた古参達は全員解雇され、城の中は新しくつれてこられた都の者たちでいっぱいとなった。

 

しかし、その事を不審に思いながらも両親の事を信じる事をやめない双子の兄妹がいた。

 

この事が、この双子にとって永くさびしい不幸を呼びよせるものだとはこの時思いもしなかった。

 

 

 

 

 

後談だが、このとき杞憂されていた、戦争とやらは行われなかった。

 

 

                                         <完>


 
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