No.222551

Loss Of Memory5.5

紅やまさん

記憶喪失になってしまった主人公が
彼女と一緒に記憶を取り戻そうとする
奮闘物語です!!

2011-06-13 20:56:58 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:582   閲覧ユーザー数:578

暗い暗い夜道を1人で歩く。

目の前に見えたのはあの1本の木と完成した店。

中に入る。

月明かりで照らされる店内。

自分1人しかいないはずなのに

数人の人の気配がする…

《お前が悪いんだ…全部、全部…》

「!?誰だっ!!」

いきなり聞こえた声に思わず怒鳴る。

《お前さえいなければあいつは…ナギサは…》

(!?なんでナギサの名前が…?) 

《いつもお前は俺から欲しいものを奪っていきやがった…

名誉も富も友達も好きな人も何もかも…!!!

…だからお前には消えてもらう。この世から…

それで俺はお前が奪ったものも、お前のものも、全て手に入れる…》

(この声…誰だ、思い出せない…)

「どこだっどこにいる!!出てこいよ!!」

《ああ、お望み通り出てやるよっ!!》

ガッッン!!!!!

「…っ!!!??」

ドタンっ!

床に倒れこむ。

突然のことで何が起きたかわからなかった。

誰かに後ろから殴られた。

「っあ…!ああ」

《どうだ。痛いか?痛いよな。バットで殴られちゃぁな。

でも、まだ足りない。もっともっと痛めつけたい…》

頭がズキズキと痛み、ゆっくりと血が流れていくのがわかる。

コッ、コッ、コッ、

声の主がゆっくりと近づき、

俺を仰向けに、またがる。

「ハッ、ハァ、お前は一体…」

《俺の事忘れちまったのか?それとも…俺が恐い??》

月明かりに照らされた奴の顔は、狂気に満ち溢れていた。

「ハァ、くっ狂ってる…!」

《はっ!なんとでも言え…》

奴はそういうと手を振りかざし、俺の腹部に振り下ろした。

グサッ!!

「うああ!!」

深く突き刺さり、意識が飛びそうになる。

《どうだ??死ぬか?》

グリュグリュッ…と腹部に突き刺さったナイフで腹をえぐる。

「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」

(俺はこのまま死ぬのか…?)

頭からも口からも腹からも、血がドクドクと流れ出し

床が赤黒く染まっていく…。

どんどんと意識が遠のいていく。

〈おい、まさし終わったか?うわっ!!やり過ぎだろ…死んだらどうすんだよ〉

別の声がやってきた。

(まさし…?)

《別に大丈夫だろ。こいつ俺の事覚えてないし。てか死んでくれたほうが好都合。》

(死にたくない…。もう…なにも考えラれナィ…)

〈まあいい。もうそろヤバいから解散だ。〉

《…そうだな。じゃあなサトル。生きてられるといいな。》

「ぅ…まっ…て…」

コッ、コッ、コッ…

足音が離れ、

朦朧とする意識の中で最後に聞こえたのは

《俺がお前になる…》

この一言だった。

 

(シッ…死にたくない…!!死ねない…)

「ハッ、ハァ、ハァ、なっ…ナギサ…)

 

…プツンッ…

そこで意識が途絶えた。


 
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