No.222189

真・恋姫無双アナザーストーリー 蜀√ 桜咲く時季に 第10話

葉月さん

お待たせしました。
第9話の続編になります。

白蓮の元を旅立つ一刀たち一行。
そして一刀たちは覇王を目指す一人の少女と出会うのだった。

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2011-06-12 01:08:56 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:11499   閲覧ユーザー数:7447

真・恋姫無双 ifストーリー

蜀√ 桜咲く時季に 第10話

 

 

 

 

【乱世の奸雄】

 

「それじゃ、そろそろ行くね白蓮ちゃん」

 

公孫賛さんの元を訪れて早三ヶ月。俺たちはとうとうこの日を迎えた。

 

「ああ、元気でやれよ桃香」

 

公孫賛さんは少し落ち込んだ状態で桃香たちを見送っていた。なぜかと言うと……

 

「はぁ……まさかあたしより義勇兵が集まるなんて思っても見なかったぞ」

 

「はっはっは。それだけ桃香殿と北郷殿の人徳のなせるところなのでしょう」

 

愛紗に鈴々、そして俺は周辺の盗賊たちを討伐する為によく郊外を回ったり、兵士達の調練をしていた。

 

朱里に雛里は公孫賛さんの下で文官としてその力を大いに手助けしていた。

 

そして、桃香は城内で政治の勉強をしたり、暇を見つけては町の子供達と遊んでいた。

 

そういった事がこの結果に繋がったんだと俺は思っている。

 

まあ、公孫賛さんには悪いとは思うんだけどね。

 

「それじゃ、あたしに人徳が無い見たじゃないか趙雲!ていうか、いつお前は桃香に真名を預けたんだ?!」

 

「つい数日前ですが」

 

「あ、あたしはまだ真名を預けて貰ってないってのに……」

 

「では、我が真名をさずけましょう。真名は星。これからよろしく頼みますぞ公孫賛殿」

 

「そんなとってつけた見ないな……まぁいいか。あたしは白蓮だ。関羽たちもできれば真名で呼んでくれ」

 

「わかりました、白蓮殿、我が真名は愛紗」

 

「鈴々の真名は鈴々なのだ!」

 

「俺には真名が無いから好きに呼んでくれ」

 

「ああ、わかった、な、なら……か、一刀これからもよろしくな」

 

「ああ、こちらこそ白蓮」

 

俺は白蓮ににっこりと笑う。

 

「~~~~っ!」

 

「おやおや。白蓮殿、顔が真っ赤ですぞ」

 

「う、うるさいぞ!星は!」

 

「あはは♪ご主人様、後でお話があるからね」

 

「奇遇ですね桃香さま、私もご主人様にお話があります」

 

へ?な、なんで?俺何もしてないだろ?

 

この後、なぜか愛紗と桃香から説教を受けることになってしまった。

 

「にゃ?」

 

「はっはっは、北郷殿は人気者ですな」

 

「星勘弁してくれよ……」

 

うな垂れる俺に星は肩を叩いてきた。

 

「それに、私も北郷殿が気に入りましたしな」

 

「な!」

 

「「むっ!」」

 

驚きを見せる俺と星を睨む桃香と愛紗。

 

「あ、あの二人とも?両腕を捕まれては動き難いのですが」

 

朱里と雛里は両腕(と言いながら袖だが)握り締めていた。

 

「はわわ……」

 

「あわわ……」

 

「そ、それじゃ、一緒に行かないか?」

 

「ご、ご主人様!?」

 

俺の提案に愛紗が声を上げた。

 

「これはこれはとても魅力的なお誘いですが、もうしばらく大陸を見て回ろうかと思います。まだ見ぬ地に私に相応しい主が見つかるかもしれませんのでな」

 

「そっか、それは残念だな……それじゃ、見つからないようだったら仲間になってくれるかな。星なら大歓迎だよ!」

 

「ええ、その時はよろしくお願いしますぞ」

 

星と誓いの握手を交わす。

 

「はぁ?!そんな話聞いてないぞ星!」

 

「それはそうでしょ。今話したのですからな」

 

「な、なあ、これからもここの客将としていないか?」

 

「それはごめんこうむる、私とて主を選びたいのでな」

 

「うぅ~、あたしは、主の器じゃないってのは判ってはいるが……即答されると流石に凹むぞ~」

 

「はっはっは、安心されよ。もうしばらくこの地に留まるつもりだ」

 

「そ、そうか、それならいいんだ。桃香たちが居なくなって星も居なくなったら」

 

「寂しいですかな?」

 

「っ!そ、そんな事はないぞ!断じて無いからな!」

 

「はっはっは!強がりを」

 

「う、うるさい!」

 

「「ははははは」」

 

星と白蓮とのやり取りを見て皆で笑った。

 

「お前らまで笑うなーーー!」

 

星と白蓮のおかげで別れが明るいものになった。

 

「それじゃな白蓮、元気でな」

 

「ああ、北郷もな」

 

「白蓮ちゃん、私は?」

 

「お前もだ桃香」

 

「うん♪白蓮ちゃんも元気でね!」

 

桃香たちは手を振り白蓮の元を旅立った。

 

白蓮の元を旅立ち数十日が経った。

 

愛紗や鈴々、朱里や雛里の活躍もあり黄巾党は難なく打ち倒していった、が……

 

「そろそろ厳しいですね」

 

顎に手を当て考え込む朱里がいた。

 

「兵糧がなくなりかけてます。このままでは兵の士気が下がり最悪、瓦解の恐れがあります」

 

雛里は帽子を押さえ目深に顔を隠していた。

 

「う~ん、でもでも、黄巾党に襲われて困っている人たちが居るのに見捨てるわけにはいかないよ」

 

「ですが桃香さま。兵糧が無くては兵たちも力が出ないと言うもの」

 

「お腹が空いたら力が出ないのだ」

 

「ん~困ったな」

 

「申し上げます!」

 

「何事だ!」

 

そんな時だった。一人の兵士が慌てて俺たちの元へ駆けて来た。

 

「は!全方より砂塵を確認。どうやら黄巾党のようです!」

 

「なにっ!数は!」

 

「およそ一万かと……ですが」

 

「ん?まだ何かあるのか?」

 

「はっ。どうやら敵は何かから逃げているようでして」

 

「逃げているだと?どういうことだ?」

 

愛紗たちが首を傾げるなか俺は皆に伝えた。

 

「取り合えず、見過ごすわけには行かないな。みんな!戦闘準備だ!逃げているのなら挟み撃ちにすればいい!」

 

「そうですね、その分こちらの消耗も少なくて済みますし」

 

朱里は俺の提案に賛同してくれた。

 

「よし、戦の準備だ!お前は先に行き皆に戦の準備をさせるのだ!」

 

「御意!」

 

愛紗の掛け声と共に兵士が持ち場に戻っていく。

 

「それではご主人様。私と鈴々も戦の準備に向かいます」

 

「ああ、くれぐれも怪我をしないようにね」

 

「大丈夫なのだ!鈴々たちは強いから負けないのだ!」

 

「うん。でも十分気をつけてね」

 

「わかったのだっ!」

 

鈴々は笑いながら頷いてくれた。

 

「それでは愛紗さんは右翼を鈴々ちゃんは左翼をお願いします!」

 

「わかった」

 

「おうのだ!」

 

「それじゃ、俺は前衛を担当しようかな」

 

「はわわ!ご主人様には後方で桃香さまと待機していただきたかったのですが……」

 

「大丈夫だよ。朱里は心配性だよ。大丈夫、前に出て戦うような事はしないから」

 

俺は朱里の頭を撫でならが笑っていた。

 

「はわわ!」

 

「いいな朱里ちゃん……」

 

「「……」」

 

涙目で羨む者や、無言の圧力を掛ける者もいたけど俺は気づいていなかった。

 

「そ、それではご主人様には前局を桃香さまは後方に待機していてください」

 

「わ、私は前曲でご主人様のお傍に居ます」

 

「ああ、ありがとう雛里」

 

「あわわ……」

 

「いいな雛里ちゃん……」

 

「うん、わかったよ。ご主人様、みんなも気をつけてね!」

 

「ああ、行って来るよ桃香」

 

「うん!気をつけてねご主人様」

 

それぞれが部隊を召集し配置へとついていった。

 

《???視点》

 

一人の少女が逃げていく賊を見据えていた。

 

その少女の髪は太陽に照らされて金色に輝きを放ち、両端で髪を束ねる飾りは髑髏の形をしていた。

 

「華琳様!」

 

華琳と呼ばれた少女は逃げる賊から目を離し話しかけてきた一人の女の子に視線を向けた。

 

「あら、春蘭。どうかしたのかしら?」

 

春蘭と呼ばれた女の子は黒髪の長髪で体に似つかわしくない大剣を担いでいた。

 

「は、逃走中の賊の前方に進軍中の部隊が居ます」

 

「旗は?」

 

「『十』文字の旗を掲げています」

 

「最近力をつけてきた天の御遣い率いる義勇兵ではないかと思われます」

 

そして華琳の隣に控えていた頭巾を被った少女が口ぞえをした。

 

「そう……連中の動きはどうなの?秋蘭」

 

秋蘭と呼ばれた女の子は青髪で左目を髪の毛で隠していた。

 

「は、どうやら、片翼の陣で迎え撃つようです」

 

「そう、ならこちらはそのまま賊の後方を叩きましょう。相手もこちらが追いかけてきているのは気づいるようだし」

 

「「御意」」

 

「天の御遣い、どれほどのものか見定めてみようじゃないの。私の前に立ちはだかる人物なのか」

 

「ふふふっ」

 

「華琳様?」

 

「なんでもないわ桂花」

 

頭巾を被った少女になんでもないと伝える目線をまた前に向けた。

 

もはやその少女には盗賊など目に入っていない様であった。

 

「(さあ、見せてもらいましょうか。天の御使いの力。そして、私の好敵手となりうるのか……)」

 

《一刀視点》

 

「ご主人様!追撃を掛けている旗がわかりました、『曹』に『夏侯』が二つです」

 

雛里は手に望遠鏡を持って走ってきた。

 

この望遠鏡は俺が便利だろうと思って作ったもので、この時代ではあるはずの無い代物である。

 

これが作ってみて結構便利で雛里と朱里に一個ずつ作って渡してある。

 

「曹に夏候って曹操に夏候惇とかのことか?」

 

「はい、そうだと思います」

 

「こっちの動きに合わせてくれそうかな?なんだったらこっちが合わせる様にするとか」

 

「それは大丈夫だと思います。相手も気づいて陣形を変えていましたから」

 

「そっか、よし!ならこのまま行こう。朱里たちにこのことを伝えてくれるかな」

 

「はい、伝令さーん。桃香さまたちに伝令をお願いしま~す」

 

「はっ!」

 

雛里は伝令の人に指示を伝えると戻ってきた。

 

「お待たせしましたご主人様」

 

「それじゃ雛里、行くよ。危ないから気をつけてね」

 

「はい、ご主人様もお気をつけて」

 

「ああ、よし、みんな!ここいらの村を苦しめている黄巾党を討伐するぞ!」

 

「「おおおおおお!」」

 

そして戦闘は開始された。

 

………………

 

…………

 

……

 

《愛紗視点》

 

「はああぁぁぁっ!!」

 

(ザシュッ!)

 

「ぐはっ!」

 

盗賊共は挟撃に合い対応する事ができずに混乱していた。

 

「いいか!必ず三人一組で戦うのだ!そうすればこのような雑魚に後れを取る事はない!」

 

「「おおぉぉっ!!」」

 

「よし!では、ご主人様の手を煩わせる前に終わらせるぞ!」

 

「「おおぉぉっ!!」」

 

私は皆を奮い立たせるように高らかに声を上げる。

 

すると周りの兵達も声を張り上げてくる。

 

そうする事で己を奮い立たせ逆に盗賊共を萎縮させるのだ。

 

「ひっ!な、なんなんだよこいつら!」

 

「や、やばい!逃げろ!」

 

「誰が逃がすものかぁっ!」

 

「ひぃぃぃっ!!」

 

悲鳴と共に逃げ惑う盗賊たち。

 

お前達には怨みは無い。だが、賊に落ちた以上容赦はせん。

 

「誰か私を倒せるものは居ないのか!」

 

声を張り上げ己を主張する。

 

私を打ち倒すものが居ないかを。

 

「俺様が相手になってやる!」

 

「ほう。勇気だけは認めてやろう」

 

一人の賊が私の前に立ちはだかってきた。

 

「へ、へへっ!お前を倒して慰み者にしてやるぜ!」

 

……下衆が。反吐が出る。

 

私はいやらしい目で見てくるこの賊を興味なさそうに言い捨てた。

 

「威勢だけはいいな。だが、お前では力不足だ。早々に退場してもらおうか」

 

「や、力不足だとっ!?言わせておけば!うぉりゃぁぁぁあああっ!」

 

太刀を振り上げて襲い掛かってくる賊。

 

「だから力不足だと……言っているっ!」

 

(ザシュッ!)

 

「ぎゃぁぁぁああああっ!!」

 

容赦なく私は切り捨てる。

 

賊は断末魔を上げ倒れるとそのまま起き上がることはなかった。

 

「他に誰か居ないのか!」

 

「ひぃぃっ!!」

 

「に、逃げろぉ!」

 

その光景を目にした盗賊共は恐怖の声を上げて逃げ出していった。

 

「腰抜け共め……」

 

「伝令です!」

 

「なんだ」

 

「後方より先程、張飛将軍が敵将を討ち取ったとのこと」

 

「そうか鈴々が討ち取ったか……よし!では我々は残りの盗賊共を片付けるぞ!」

 

「はっ!」

 

敵将が討ち取られたという事はこの戦もそろそろ終わりだな。

 

「それにしても曹操……なんと手際のいい兵の連携だ……」

 

あれは相当な量の調練をしてきた結果なのだろう。

 

所詮我々は義勇兵。徹底された調練は出来ていない。

 

眼前に揺れる色が違う二つの夏候の旗を見てその違いに奥歯を噛み締めた。

 

《一刀視点》

 

結果は圧勝、挟み撃ちにされた黄巾党は対応できずに敗走した。

 

「え、曹操さんが?」

 

「はい、如何なさいましょうか桃香さま」

 

「どうしよう、ご主人様」

 

「ん~、取り合えず会うだけ会って見ようか」

 

「それに、曹操さんと言えば、兵力、財力ともに他の諸侯の群を抜いています。一度は会っておくべきかと」

 

朱里は顎に手を当てながら答えた。

 

「うん、わかったよ。それじゃ、曹操をよ「その必要は無いわ」え?」

 

振り返ると金髪の少女と従者なのだろうか、二人の女性が両脇に立っていた。

 

やっぱり、曹操も女の子なんだな……本当にここはパラレルワールドなのかな?

 

「そ、曹操殿!なぜここに!?まだお返事を返していないというのに!」

 

愛紗の驚きの声もなんのその曹操さんはさも当たり前の様に答えだした。

 

「そうね。でも、大人しく返事が返って来るのを待つほど私は愚鈍ではないのよ。でなければ大陸の覇者にはなれないのだから」

 

自信たっぷりに答える曹操の青い瞳はまっすぐに俺の目を見ていた。

 

「あなたが、曹孟徳でいらっしゃいますか?」

 

「っ!ええ、よく私の字を知っているわね。さすがは噂の天の御遣いと言ったところかしら?」

 

字を言われ驚きつつも直ぐに表情を戻す曹操。

 

「そんな事なんて無いよ。俺はただの一般人ですよ。それと俺の名は北郷一刀です、天の御遣いなんて大層な者じゃないよ」

 

「あらそうなの?ただの一般人が義勇兵をそんなに集める事なんて出来るのかしら?それに、私の目は誤魔化せないわよ。武の方も相当なようだしね」

 

曹操は鋭い目で俺を見て微笑んだ。

 

「ははは、参ったな……買いかぶりすぎだよ」

 

「ふふふ、ならそういうことにしてあげるわ。さて、本題に入りましょう、何が望みかしら」

 

「望み?」

 

「ええ。賊の討伐に手を貸してもらったのですもの。御礼をするのが筋ってものでしょ?」

 

「いや。俺達はお礼が欲しくて加勢したわけじゃ」

 

「なにっ!貴様は華琳様の褒美を受け取らないつもりかっ!」

 

「落ち着きなさい春蘭」

 

「は、はい……」

 

「そ、それじゃ。望みというか提案なんだけど」

 

「言ってみなさい」

 

「俺たちをしばらく、曹操さんたちの陣営に入れてくれ」

 

「え?!ご主人様!」

 

「なぜですか、ご主人様!」

 

「はわわ!」

 

「あわわ!」

 

「にゃ?どういうことなのだ?」

 

俺の提案に桃香たちは驚き講義してきた。

 

「……なるほど、その代わりに、食料と武具を提供しろってところかしら?」

 

「流石、覇王を目指すだけのことはあるな」

 

「……」

 

「……」

 

俺と曹操は互いに一言も喋らず見詰め合っていた。やがて、

 

「ふ……」

 

不意に曹操は口元を緩め笑った。

 

「いいでしょう。しばらく私たちと行動を共にする事を許しましょう」

 

「ありがとう、助かったよ」

 

俺は顔を綻ばせて微笑んだ。

 

「ホント、食えない男ね。あなたは……秋蘭っ!」

 

「はっ!」

 

「このものたちに進軍に必要な兵糧と武具を支給しなさい。終わり次第、進軍する」

 

「御意」

 

秋蘭と呼ばれた青髪の女性は曹操に礼を取ると手配に掛かった。

 

「一刻後に出発する。あなたたちは私たちの後についてきなさい」

 

「わかった。感謝するよ、曹操」

 

「ふふふ、それは今後の働き次第よ。使えないと判断した時は即刻、貴方たちを見捨てるわ」

 

曹操は不適に笑った。

 

試そうってことか?流石は魏の覇王になる人物だ。

 

「そうしてもらってかまわない。こんな所で遅れをとってるようじゃ、この先生きていけないからな」

 

「よくわかっているじゃない……」

 

「まあね……」

 

そこで俺は曹操から一瞬の殺気を感じて今居た場所から一歩後ろに下がった。その瞬間……

 

「……はっ!」

 

「おっと」

 

曹操は不意に鎌のような得物を取り出し俺に切りかかって来たが、既に一歩後ろに下がっていた俺は難なくそれを避けた。

 

「……やるわね」

 

「どういたしまして」

 

「曹操、貴様!私のご主人様に刃を向けたな!」

 

「黙れ!義勇兵風情が!華琳様を呼び捨てにするな!」

 

俺に刃を向けた曹操に対して愛紗は青龍刀を曹操へと向け、それを見た黒髪の女性が大剣を手に持ち愛紗に対峙してきた。

 

「え?え?」

 

「にゃにゃ!早いのだ」

 

「はわわ!」

 

「あわわ!」

 

「愛紗、青龍刀を降ろして」

 

俺は愛紗の肩に手を置き青龍刀を降ろさせる。

 

「しかし!」

 

「いいから、愛紗落ち着いて」

 

「……判りました」

 

言葉では承諾してくれた愛紗だったけど曹操を睨みつけ愛刀を力強く握り締めていた。

 

「春蘭、貴女も落ち着きなさい」

 

「か、華琳様ですが!」

 

「二度は言わないわよ」

 

「は、はぃ」

 

春蘭と呼ばれた女性は渋々大剣を収めた。

 

「北郷、いい部下を持っているわね」

 

「ああ、でも部下じゃない。愛紗たちは大切な仲間だ」

 

「ご主人様……」

 

「そんな生温い考えでこの先、生き残っていけるとでも思っているのかしら?」

 

「ああ、俺たちは生き残るさ。それが俺たちの絆だからね」

 

「ふふっ、だといいわね。春蘭、秋蘭戻るわよ」

 

「はっ!」

 

曹操たちはきびすを返して戻っていった。

 

「ふぅ~、やれやれ」

 

俺は曹操たちが見えなくなるのを確認して大きな溜め息をついた。

 

「ご主人様!なぜ止めたのですか!曹操はご主人様に刃を向けたのですよ!」

 

愛紗はここぞとばかりに俺に詰め寄ってきた。

 

「落ち着けって愛紗。曹操は多分試しただけだよ、愛紗たちの実力をさ」

 

「試す?」

 

「ああ、どんなに優れた武将でも君主を守れなきゃ意味が無いだろ?それに」

 

「それに、なんですか?」

 

愛紗は首を傾げて俺を見てきた。

 

「愛紗にああ言われてちょっとうれしかったし」

 

「ああ言われて?」

 

そう言っても今だわかっていない愛紗に対して桃香が後ろから近づき……

 

「曹操、貴様~!私の!ご主人様に刃を向けたな~♪」

 

「ひゃう!と、桃香さま!?」

 

桃香なりにアレンジされてるけど肝心のところはそのまんま桃香は伝えていた。

 

「いいな~。私もご主人様に対してあんな台詞を言って見たいよ」

 

「な、なな何を言うのですか!桃香さま。あ、あれはですね!た、他意はなく!ただ、我らのご主人様にもしものことがあったら一大事だと思い!」

 

「ふ~ん。ここでは『我ら』なんだね愛紗ちゃん」

 

「で、ですからっ!」

 

「にゃはは、愛紗、顔が真っ赤なのだ」

 

「煩いぞ鈴々!」

 

「はわわ、私も愛紗さんみたいに言ってみたいです」

 

「あわわ、大胆です」

 

「しゅ、朱里たちまでなにを!」

 

「愛紗ちゃん。わかってるから大丈夫だよ」

 

「や、やっとわかっていただけましたか桃香さま。私は……」

 

「うん。わかってるよ。愛紗ちゃんはご主人様の事が好きなんだよね♪」

 

「……は?はぁぁぁああああっ!?な、なぜそうなるのですか!?」

 

愛紗は数秒の沈黙の後、大きな声を上げて驚いていた。

 

「はわわっ!」

 

「あわわっ!」

 

「??にゃははっ!」

 

朱里に雛里は顔を赤くし、鈴々に至っては分かっていないのかお気楽に笑っていた。

 

「あれ、違うの?いつもご主人様の事を見てるからそう思ったんだけどな~」

 

「わー!わー!そ、そんなことはありません!私は家臣としてご主人様に敬意の眼差しを!」

 

「はいはい。それじゃそういうことにしておくね♪」

 

「そういうことにしておくではなくてですね!聞いておられますか、桃香さまぁ!?」

 

う~ん?なんで愛紗はあんなに慌ててるんだ?

 

(クイッ、クイッ)

 

「あ、あのご主人様?」

 

俺は朱里に袖を引かれ我に返った。

 

「え?あ、うん。何かな朱里」

 

「あ、あの!わ、私はご主人様に助けて頂きました。だ、だからと言うわけではありませんが、そ、その……これからもおそばにいしゃせてくだひゃい!」

 

「あわわ。朱里ちゃん、かみかみだよ」

 

「はわわ~」

 

朱里は噛んだ事が恥ずかしくなったのか帽子を目深に被ってしまった。

 

(クイッ、クイッ)

 

「あ、あのご主人様」

 

今度は反対側から雛里が袖を引いてきた。

 

「雛里?」

 

「あ、あの、あの……わ、私も助けて頂いてか、かんひゃしていましゅ。わ、私もお傍にずっとおいてくだしゃい」

 

ああ、雛里まで顔を赤くして帽子を目深に被っちゃったよ。そんなに噛んだ事が恥ずかしいのかな?とりあえずフォローしてあげないとな。

 

俺は朱里と雛里の目線まで屈みこんで緊張しないように笑いながら頭を撫でて話しかけた。

 

「大丈夫だよ。朱里も雛里も大事な仲間なんだから。それに二人が居てもらえないと俺、すっごく困っちゃうよ。だから、これからも助けてくれると嬉しい」

 

「「はいっ!」」

 

うん。やっぱり笑ってる顔が一番だな。

 

「「……」」

 

そんな俺たちのやり取りを後ろで見ている二つの視線があった。

 

「ご主人様」

 

「ん?どうしたんだ桃香、か?」

 

桃香に呼ばれ立ち上がり振り返ると目の前に桃香と愛紗が居た。

 

「あのね?私今、すっごく怒ってるの。何でかわかるかな?」

 

桃香の顔は笑っているのにその雰囲気は全然穏やかなものじゃなかった。

 

「えっと……なんで?」

 

「桃香さま。そのような優しいお言葉ではご主人様はお気づきになりません。ここはやはり体に教え込まねばいけないかと」

 

ちょ!あ、愛紗!?今、すごく危険な言葉が出てなかったか!?

 

と、とにかく謝らないと!

 

「あ、あの。俺が何かしたのかな?なら謝るよ!ごめん!」

 

「それじゃ、これに答えてくれたら許してあげようかな」

 

「答える?」

 

「うん♪」

 

桃香の声は弾んでるけどやっぱり雰囲気はさっきのままだ。

 

「えっとね。大きいのと小さいのどっちが好き?」

 

「大きい?小さい?何が?」

 

「いいから早く答えて!」

 

「は、はい!」

 

え?え?大きい、小さいってなんだ?なぞなぞ?な訳ないか。

 

「えっと……それじゃ大きい方?」

 

「本当!?よかった愛紗ちゃん!」

 

(ふにっ)

 

「ふおぉ!?」

 

ちょ!と、桃香!胸が!胸が俺の肘に!

 

「はわわ。やっぱり大きい方が……」

 

「あわわ……ご主人様のばか」

 

な、なにが!?なんでそこで朱里と雛里が落ち込むの!?

 

「うにゃ~。お兄ちゃんは大きい方が好きなのか~」

 

って鈴々さん!?なぜ自分の胸を!?はっ!そ、そういう意味だったのか!?

 

「い、いやあのね!違うんだよ!朱里、雛里!小さい方も俺はいいと思うぞ!」

 

「……でも、大きい方がいいんですよね。ご主人様は」

 

ああ~。そんな目で見ないでくれ~。

 

と、とにかく話を逸らさないと!

 

俺は無い頭をフル回転させて何か逃げ道は無いか考え始めた。

 

「っ!そ、そうだ!今後の予定ってどうなってるのかな朱里!」

 

「はわ!よ、予定ですか?えっとですね。曹操さんより食料、武器を分けて頂きその後は曹操さんと共に進軍するという形になってます」

 

ほっ。どうやら話を逸らす事はできたみたいだ。

 

「そっか。これでもう少しは戦えそうかな」

 

「そうですね。ですがずっとこのままというわけにも行かないかと」

 

「どういうことだ朱里よ」

 

「何れこの黄巾党の反乱は収束するでしょう。そうなる前に、私達はもっと功績を残していかなければなりません」

 

「?どういうこと朱里ちゃん」

 

桃香は首を傾げて朱里に聞き返していた。

 

「はい。言い方が悪いのですが黄巾党を踏み台にして私達はどこかの県令などに召し上げてもらう事が今の目標なんです」

 

「今のままじゃダメなの?苦しんでいる人たちの所に行って助けるだけじゃ?」

 

「ダメとは言い切れませんが。桃香さまの掲げる『皆が笑って過ごせる世の中』、にはほど遠いかと思います」

 

「それに食料や武器の問題も有ります。ずっと義勇兵としてやっていくにはそのうち限界が来てしまいます」

 

朱里と雛里が交互に桃香や俺にわかりやすく説明してくれた。

 

「つまり、県令とかになってその地を住みやすくしていこうってこと?」

 

「はい。ご主人様の仰るとおりです」

 

「なるほどな。住みやすくなれば。自ずと噂は広まり人が集まってくるということか」

 

「ふへ~。そうなんだ~」

 

桃香は一人関心したように頷いていた。

 

「って、桃香?知らなかったのか?」

 

「え?!し、知ってるよ~!。何言ってるのご主人様ったら~。あはは、あははは~」

 

「ぷっ」

 

「あ~!ご主人様、ひどぉ~い!笑う事無いのに!」

 

見え見えの嘘に思わず笑ってしまった。

 

「ごめんごめん。余りにも判りやすい嘘をつくからさ」

 

「ぶー。ご主人様なんてきらーい!」

 

桃香は頬を膨らませてプイっとそっぽを向かれてしまった。

 

「機嫌直してくれよ桃香」

 

「ふ~んだ。ご主人様なんてし~らない!」

 

「困ったな~。なんでも言う事聞くから機嫌直してくれよ桃香」

 

(ピクッ!)

 

「なんでも?」

 

チラリと様子を見る様に伺う桃香に俺は頷く。

 

「あ、ああ。俺の出来る範囲ならなんでも」

 

「それじゃ。頭撫でてくれたら許してあげる♪」

 

「ああ。お安い御用だよ」

 

(なでなで)

 

「えへへ♪」

 

「はわわ。いいなぁ~」

 

「桃香さま。羨ましいです」

 

「鈴々も!鈴々も撫でてなのだ!」

 

「ご主人様。人の目がございます。少しは控えてください」

 

朱里と雛里の羨ましそうな目に鈴々のおねだり攻撃。

 

そして、突き刺さるような愛紗の視線に俺はどうすればいいんだよ!

 

「あ、あの。よろしいでしょうか?」

 

そんな時だった。俺を助ける一人の救世主が現れた。

 

「は、はい!どうぞ!」

 

俺を助けてくれたのは曹操軍の人だった。

 

「こちらが兵站と武具を記した竹簡です。ご確認ください」

 

「ああ、ありがとう。出発は後どれくらいで出るって言ってたかな?」

 

「あと半刻ほどで出立と事です」

 

「了解。態々ありがとうね。曹操に『ありがとう。たすかったよ』って、お礼を言っておいてください」

 

「承りました。ではっ!」

 

曹操の兵は礼をとり戻っていった。

 

「よし!それじゃまずは武具を配ろう!時間が無いから迅速にね」

 

「御意」

 

「わかったのだ!」

 

愛紗と鈴々は元気良く返事をして作業に取り掛かった。

 

「それでは私と雛里ちゃんとんで食料の運搬の指示を出してきますね」

 

「うん。お願いね」

 

「これで大丈夫かな?」

 

「ああ。きっと大丈夫だよ」

 

心配そうに聞いてくる桃香に俺は笑顔で答えた。

 

「うん……ご主人様?」

 

「ん?」

 

「続き♪」

 

そういうと。桃香は頭を俺の方に傾けてきた。

 

「み、皆が見てるからまた今度ね」

 

「え~。また今度ていつ?」

 

「今度は今度だよ!ほ、ほら。俺たちも準備しないと!」

 

「ああ!待ってよご主人様~」

 

俺は桃香から逃げるように走り出すと桃香も慌てて追いかけてきた。

 

「「「あははははっ」」」

 

そんなやり取りを皆が笑って見ていた。

 

と、とりあえずリラックスするには役に立てたのかな?

 

それから半刻後……

 

「よし、それじゃ皆、俺たちは曹操軍の後ろについて進軍するぞ」

 

「「「おお!」」」

 

俺は号令を掛け曹操軍と進軍を開始した。

 

《曹操視点》

 

あれから十日がたった。その間、二度の黄巾党との戦闘があった。

 

「それで。劉備たちはどうかしら?」

 

天幕の中で私は劉備たちについての報告を受ける。

 

「はっ。兵は未熟ながらもそれを補うだけの士気が有ります。そして何より関羽、張飛の活躍が大きいようです」

 

猫耳の頭巾をユラユラと揺らし、私の可愛い桂花が報告を続ける。

 

「そう……所で北郷についてはどうなのかしら?」

 

「は?ほ、北郷についてですか?北郷は一度も戦闘には出ず、劉備と共に本陣で待機していましたが」

 

「そう。未だに尻尾を出さない、か……春蘭あなたは北郷の事をどう思うかしら?」

 

「はぁ。北郷についてですか?北郷……北郷……」

 

「姉者、白い服を来た男の事だ」

 

「おぉ!アイツか!」

 

妹である秋蘭に言われ思い出したのか春蘭は一本だけ垂れていた髪の毛が立ち上がった。

 

「そうですね。見た目は軟弱そうに見えますが、あいつの立ち居振る舞いには隙がありませんでした。相当な武を持っているかと」

 

「筋肉ばかの春蘭が言うのだからそうなのでしょうね」

 

「なんだと!誰が脳まで筋肉で突進する事しか知らない莫迦だと!?」

 

「其処まで言ってないでしょ!」

 

「ふふっ」

 

「ああっ!そ、それで北郷が如何いたしましたか華琳様?」

 

桂花は私に笑われたのが恥ずかしかったのか慌てて話を戻してきた。

 

「あら、途惑う桂花も可愛くて素敵だったのに残念だわ」

 

「華琳様ぁ~~♪」

 

桂花は蕩けた様な表情をして私を見てくる。ふふっ、今夜の閨は桂花に決まりかしら?

 

「して、華琳様。北郷をどうするおつもりですか?」

 

秋蘭は折り合いを見て話を進めてきた。慣れたものね。

 

「一度アイツの実力を見てみたいわ。何かいい策は無いかしら?」

 

「北郷を戦闘に出させる。ですか……」

 

「やはり。出さざるをえない状況を作るしかないかと」

 

考えていた秋蘭の横でいつも通りに戻っていた桂花が言ってきた。

 

「出ざるをえない状況、か……ふむ」

 

口元に指をあてがい考える。

 

「失礼します!」

 

「なんだ!今は大事な会議中だぞ!」

 

「申し訳有りません!ですが、斥候からの報告で、前方約四里先に黄巾党らしき集団を発見。数は約二万との事です」

 

「二万か、随分と大きいな。如何なさいますか華琳様」

 

「……桂花」

 

「はっ」

 

「すぐに軍を進められるようにしておきなさい。それと、劉備たちには先行するようにも伝えなさい」

 

「御意」

 

桂花はそれだけを言うと天幕から出て行った。

 

「華琳様。まさか劉備たちだけで討伐をさせるつもりですか?」

 

「まさか、私はそこまで酷くは無いわよ。大丈夫よ。ただちょっと遅れて手助けをするだけよ」

 

そう。ちょっと遅れるだけよ。ちょっとね……

 

「また、華琳様の悪い癖がが……」

 

「ふふっ。まあ、北郷が先に全て倒してしまうかも知れないけれどね」

 

さあ、あなたの本当の力を見せなさい。北郷一刀……

 

《To be continued...》

葉月「どもー。一週間ぶりになります!」

 

愛紗「みんな元気にしていたか?」

 

葉月「とうとう。白蓮さんのお城を発ちましたね」

 

愛紗「ああ。これでやっとご主人様の伝説が始まるのだな!」

 

葉月「え。ハーレム伝説ですか?」

 

愛紗「ち、違う!武勇だ!なぜそうなるのだ!」

 

葉月「だって。今でさえ五人も抱え込んでるのにこのあと、星とか月とか紫苑とか翠とか」

 

愛紗「わー!わー!わーーーーーっ!!それ以上言うな!」

 

葉月「知ってます?蜀√って一番、一刀の事を好きになる娘が多いって」

 

愛紗「うぅ……だから私は『真』では無く無印の方がよかったのだ!」

 

葉月「ああ。愛紗エンドがありますものね。まだそのころは」

 

愛紗「うむ。ご主人様と天の世界に行き幸せに暮らしていたのだ!それなのに……」

 

葉月「あ~。はいはい。それ以上は禁句ですよ。それ言っちゃったら元も子ないんで」

 

愛紗「ぐぐっ……この怒りを誰にぶつければいいのだ……おい。葉月よ」

 

葉月「はい?」

 

愛紗「……殴らせろ」

 

葉月「……は?」

 

愛紗「殴らせろ!私この怒りを鎮めるにはお前を殴るほか無いのだ!」

 

葉月「なんですかその無茶振りは!」

 

愛紗「無茶振りでもなんでもいい!殴らせろ!はぁ……はぁっ!」

 

葉月「どは!あ、当たったらどうするんですか!」

 

愛紗「当てに行っているのだから問題ない!」

 

葉月「問題ありすぎです!ほ、ほら!とにかく次回の予告とかしないと!」

 

愛紗「む、そ、それもそうだな……」

 

葉月「はぁ。助かった……さて、次回は黄巾党と一刀たち劉備軍との戦いです。数で圧倒的な不利に立たされている一刀たちは一体どうするのか!」

 

愛紗「まったく。姑息なことをする。私達だけで黄巾党と戦わせようなどと」

 

葉月「まあまあ」

 

愛紗「やはり。あの時、首級を……ぶつぶつ」

 

葉月「何物騒なこと言ってるんですか」

 

愛紗「な、なんでもない!」

 

葉月「さて。それではそろそろお開きにしましょう」

 

愛紗「うむ。次回もまた見に来てくれると嬉しいぞ」

 

葉月「愛紗のポロリもあるよ!」

 

愛紗「あるわけないだろ!(ボフッ!)」

 

葉月「ぐはっ!い、いい拳、です……」

 

愛紗「まったく……次回は黄巾党との戦闘なのだからそんなことあるわけが無いだろ。皆も、こんな莫迦に騙されるなよ」

 

葉月「ば、莫迦とは酷い……頑張って愛紗を可愛く書いているのに!」

 

愛紗「そ、それには感謝しているが……ではない!〆るのだろ!さっさとしろ!」

 

葉月「うぅ。それでは皆さん。またお会いしましょ~」

 

愛紗「さらばだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「お、おい。葉月よ」

 

葉月「はい?」

 

愛紗「いや……出来たらでよいのだが……もう少しご主人様との絡みを増やして欲しいのだが……~~っ」

 

葉月「か、考えておきます」


 
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