袁紹の領地を吸収した事により仕事に追われる一刀たち
そんな彼らにある報告がもたらされた
曹操が西涼へ侵攻
結果は曹操軍の勝利
馬騰は死に、馬超と馬岱は生き残った騎馬兵を引き連れて劉備の元へ向かったと・・・・
「多分次に曹操が攻めて来るのはここだな」
一刀はそんな事を言った。
「どうする?勝てるのか?」
白蓮は心配そうに訊ねた。
「まあ、厳しいだろうな。将の数も兵の質もあちらさんが上だからな」
「じゃあ、本当にどうするんだ?」
「・・・とりあえず、準備はしながら待つ。だいたい攻め込む余裕がねえだろうが」
机の案件を処理しながらそう言う一刀
「・・・・そうだな」
はぁ、とため息をつく白蓮
そんな時
コンコンと扉を叩く音がして、文官が一人扉を開けて入って来た
「失礼します、劉備殿から使者が参っています」
「桃香からか?」
「はい、同盟の使者らしいのですが・・・」
「・・・会ってみるか」
「よし、行こう!」
一刀と白蓮は謁見の間に向かった・・・・・
そこには二人の女性の姿があった
「あわわ・・・・」
魔女が被るような帽子を深く被っている少女と
「久しいですな、白蓮殿」
「星!」
白蓮がそう呼ぶ何とも飄々とした、つかみどころのない女性
劉備軍の鳳統、そして趙雲である
「・・・・で、同盟の使者って事だが?」
「は・・・はいでしゅ」
なんとも舌っ足らずな喋り方の鳳統
「北方の巨人、曹操と渡り合うためにも、得な同盟だと思うのですが・・・」
「我々は白蓮殿と争う気はありませぬ。ぜひお受けしてもらいたいのだが」
「う~~ん、私も桃香と争う気はないし・・・」
白蓮は受けたいと思っているようだ
「で・・・では受けていただけるのでしょうか?」
白蓮の様子にほっとした鳳統
しかし
「その前に聞かせてもらいたいんだがな・・・・」
一刀が口を開いた
「失礼ですが、貴公は?」
「俺の名前は北郷一刀だ」
「ほう」
趙雲は探るような目つきで一刀を見てくる
「で、質問に答えてもらえるのか?」
「は・・はい、なんでしょう?」
鳳統がびくびくしながら答える
「劉備の目指してるものはなんだ?」
一刀の質問に鳳統は
「み、皆が笑って暮らせる世の中にする事でしゅ!」
噛んだ鳳統
「・・・なるほどな」
一刀は納得したように、うんうんと頷くと
「おい、白蓮」
「何だ?」
白蓮に語りかけ、
「俺、この同盟反対だわ」
と、あっけらかんと言い放ったのだった・・・・
その言葉に白蓮も動揺を隠せなかった
「お、おいおい!何でだよ!?」
「何か気に入らないと思ってたんだが、今の言葉を聞いてハッキリした。俺は劉備の目標に賛同できねえ」
「いや、だからだなあ・・・・」
理由を、と白蓮が言おうとした時
「な、何故でしゅか!!」
噛みながら鳳統が大声で叫んだ
「・・・そうですな、桃香様の目標が間違っているとは思えませんが・・・・」
趙雲も剣呑な目つきで一刀を見てくる
皆に注目される中、一刀は口を開いた。
「その皆っていうのは、敵や犯罪者なんかも含まれんのか?」
「何を馬鹿な・・・」
趙雲はその言葉を鼻で笑うが
「じゃあ、劉備が指している皆って言うのを具体的に言ってみろ?そしてその目標のために、お前達が殺してきた敵兵士の家族の前で、同じ事が言えんのか?」
「あ・・・・・」
「む・・・・・」
その言葉に二人は言葉を詰まらせる
「お、おい北郷!それは言いすぎ・・・」
「言いすぎ?俺は当然の事を言ってるだけだぜ?そんなドデカイ目標持ってんなら、それぐらいの覚悟はあるんだろう?もしどっちも考えもしなかったとか言うんなら、そんな危なっかしいやつと組む気はこれっぽっちも無いぞ。それでも同盟組みたいなら、ここで俺をクビにしろ白蓮」
「な・・・そんな事」
白蓮は慌てふためく
「あんたらが答えられないなら劉備に伝えな。もし納得できる答えを持ってきたなら同盟組んでもいいぜ?」
そう一刀は言った。
結局同盟が結ばれる事はなく、鳳統、趙雲は帰って行った
「白蓮殿、大変な人間を部下になさいましたな」
「・・・ああ、本当にな」
などと趙雲は一言白蓮と会話を交わしてから出て行ったのだが
・・・そして2人が出て行った後
「白蓮」
一刀は白蓮に語りかけた
「・・・何だ?」
「悪いな、親友と仲違いさせるような事して」
「珍しいな?お前が謝るなんて」
「そうか?」
「・・・まあ、お前が言ってたことは間違ってなかったよ。桃香は優しいやつだけど、確かに危ういからな・・・」
「正論を言えばいいってもんでもないんだがな・・・だが戦乱の世ではあのままじゃ生き残れないだろうさ」
「・・・お前って、教育熱心な先生みたいだなあ」
「そうか?」
「ああ、だってこの問題を桃香が解決したら、きっとすごい成長すると思うぞ?」
「確かに・・・それがいい事か悪い事かは分からんがな。まあ、どういう答えを出すのか楽しみではあるがな」
そんな会話が響く謁見の間
気のせいか、場の空気が少しだけ
暖かくなったようだった・・・・
「・・・・あの男をどう思う?雛里」
「・・・分かりません」
「・・・それで、あやつの問いを桃香様には?」
「・・・言うべきではないと思います、言ってしまったら桃香様は立ち直れなくなってしまうかもしれません・・・・」
「そうか・・・・」
趙雲は悩んでいた
己の正義のあり方を
自分のやってきた事は正義のためと考えていた
そして主である桃香様の考えに共感を覚え、彼女のために己の武を振るおうと決意した自分
たった一言でここまで心が揺らいでしまうとは
「北郷・・・一刀・・・」
その男の名を
趙雲はしっかり刻み付けたのだった・・・・・・・
どうも、アキナスです
曹操対馬騰はすっ飛ばしてしまいました
一刀君が関わってないと正直思いつかなくて
まあ、言い訳なんですけどね・・・・
それでは次回に・・・・・・・
「スカーレットオーバードライヴゥ!!」
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仕事に追われる一刀たち
そんな中届いた報せは・・・・