No.220790

第1回同人恋姫祭り用作品 雪蓮√ 今傍に行きます 外伝

葉月さん

何とか間に合いました!

『第1回同人恋姫祭り』

はずは自分の作品紹介を

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2011-06-05 01:03:49 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7968   閲覧ユーザー数:5815

第一回同人恋姫祭り作品

 

 

 

 

【夏祭りは二人っきりで】

 

「ねえ。一刀~」

 

「ん?どうしたんだ雪蓮」

 

ベットの上でごろごろ転がっていた雪蓮が話しかけてきた。

 

「暇~」

 

「ひ、暇って言われても」

 

「暇暇暇ひ~~ま~~~っ!」

 

ベットの上でバタバタと暴れる雪蓮。

 

(ピンポーーンッ)

 

「ん?誰だろ。はーい!」

 

「やっほ~。一刀君!遊びに来たよ!」

 

「こんにちは一刀さん!」

 

「失礼します。一刀さま」

 

「失礼するわよ。一刀」

 

扉を開けて入ってきたのは優未たちだった。

 

「あれ?どうしたんだ?皆揃って」

 

「あれ?一刀君今日が何の日か知らないの?」

 

「え?どわっ!」

 

「何々?何か面白いことでもあるの?」

 

優未と話していると雪蓮が後ろから飛び掛り背中に乗ってきた。

 

「し、雪蓮。重い……」

 

「失礼ね~。私それほど重くないわよ?」

 

「わ、わかったから。降りて……」

 

「やーよ。もう少し鍛えなさいよ一刀……それで?何か面白いことでもあるの?」

 

「なんで雪蓮が一刀の部屋に居るよ?」

 

「え?暇だったから一刀をからかいに来たのよ」

 

「からかいにきたのかよ!」

 

「そ♪」

 

笑顔で答える雪蓮に俺はどっと疲れが出てきた。

 

「はぁ、それで。今日は何があるんだ?」

 

「本当に知らないみたいね」

 

「だね。一刀さん。今日はね、神社で夏祭りがあるんだよ」

 

「夏祭り?……あ~。もうそんな時期か。最近、忙しくて忘れてたよ」

 

カレンダーを見て納得した。

 

「夏祭り!なんだそんな面白いイベントがあったのね!」

 

「ちょ!せ、背中で暴れないで!た、倒れる!倒れるから!」

 

雪蓮は俺の背中の上でバタバタと暴れだして気を抜くと倒れそうになる。

 

「いいな~。私も一刀さんの背中におんぶしたいな~」

 

「ふふふ。今は私のものだからだ~め♪」

 

「い、いや雪蓮のものでもないから!」

 

そ、それにさっきから雪蓮のささやかな胸が押し当てられてて理性を抑えるのも限界に!

 

「むっ!一刀、今失礼無いこと考えたでしょ!そんな一刀にはこれなんだから!」

 

「そ、それ以上押し付けないで~~~っ!」

 

「はぁ……。酷い目に遭った……」

 

一人、神社の入り口で立ち溜息をつく。

 

あの後雪蓮は愛紗に耳を引っ張られて連れて行かれた。

 

それはよかったんだけど。なぜか琳からお説教をされる羽目になった。

 

うぅ~。俺のせいじゃないのに。

 

「何うな垂れてるのよ」

 

「え?」

 

うな垂れていると後ろから声を掛けられた。振り返るとそこに立っていたのは雪蓮だった。

 

「ふふっ♪どう一刀。似合うかしら?」

 

雪蓮は浴衣の袖を広げてクルリと一回転してみせてくれた。

 

「……」

 

「ちょっと、何か言いなさいよ」

 

「あ、ああ。凄く似合ってて見惚れちゃったよ」

 

「ふふっ。ありがと一刀♪」

 

「おっと」

 

雪蓮は俺の腕に抱きついてきた。

 

「さ、一刀。早くお祭りに行きましょ♪」

 

「え?皆を待たなくていいのか?」

 

「後から来るでしょ?ほらほら、早くしないとお祭り終わっちゃうわよ」

 

「何が後から来るでしょっよ!もう一度愛紗のお説教が必要かしら?」

 

俺を連れて歩き出そうとした雪蓮だったけど目の前に琳が現れてそれも阻止された。

 

「う……それは勘弁してもらいたいわね」

 

「なら、大人しく皆が来るのを待っていることね」

 

「ちぇ~」

 

口を尖らせて渋々納得する雪蓮。

 

こんな仕草も可愛いな。

 

「まったく。油断もすきもないのだから」

 

「ははは。ご苦労様」

 

「まあ、一刀を独り占めされるよりはましだからね」

 

「え?」

 

「な、なんでもないわよ!そ、それよりどうなのよ」

 

「なにが?」

 

「……っ!」

 

「い、いひゃい、いひゃい!ひはらないへ!」

 

「まったく。私の姿の事よ!」

 

「とても似合ってるよ。可愛らしくて」

 

「そ、そう。あ、ありが……」

 

「馬子にも衣装ね(ボソ)」

 

「なんですって!」

 

「ちょ!雪蓮、それは失礼だよ!こんなに似合ってるのに」

 

「え……」

 

「な~に顔赤くしてるのよ」

 

「う、うう、うるさいわね!」

 

顔を赤くして雪蓮に向かい叫ぶ琳。

 

「お待たせしました!……?どうしたんですか琳さん」

 

「お待たせしました。一刀さま」

 

タイミングよく、見計らったように桃香と愛紗が現れた。

 

「ふん!なんでもないわよ!」

 

腕を組んでそっぽを向く琳。

 

「なんでもないわよ。それより似合ってるじゃない桃香。それに愛紗も」

 

「えへへ♪本当ですか雪蓮さん?」

 

「ええ。ねえ、一刀?」

 

「ああ、桃香も愛紗もとても良く似合ってるよ」

 

「ありがと一刀さん♪」

 

「あ、ありがとうございます。一刀さま……」

 

桃香は嬉しそうに、愛紗は恥ずかしがりながらお礼を言ってきた。

 

「あとは優未だけか」

 

「そのようね。随分と手間が掛かってるわね」

 

「優未も浴衣姿なのか?」

 

「ええ。そのはずよ」

 

「ふ~ん。楽しみだな。どんな浴衣姿なのかな~」

 

「なに?私達だけじゃ満足できないの?」

 

「ま、満足って。優未は俺にとって大切な人なんだから」

 

「ぶー。それじゃ私は大切にしてくれないわけ?」

 

「そんなこと無いよ雪蓮だって大切な人だよ」

 

「一刀さん!私は?私は?」

 

身を乗り出して来る桃香に少し引き気味で答える。

 

「と、桃香もだよ」

 

「えへへ♪うれしいな」

 

「あ、あの一刀さま……その……」

 

「愛紗も大切な人だよ。もちろん琳もね」

 

「~~っ」

 

「べ、別に私は聞いてないわよ」

 

「そういいながら頬を赤くしているのは何処の誰かしら?このこの」

 

「ちょ!や、やめなさい!赤くなんかしてないわよ!」

 

「はいはい。照れない照れない」

 

「照れてなんかいないわよ!」

 

「ま、まあまあ。二人とも」

 

「元はといえばあなたのせいでしょ!」

 

「ぐはっ!」

 

琳にお仲を殴られ前のめりになる。

 

「やっほ~!お待たせ!ちょっと遅れちゃった……どうしたの?」

 

「なんでもないわよ」

 

「えっと、なんでしょうね?」

 

「……いつものことだ。優未殿は気にすることではない」

 

「そうそう。琳が照れて一刀を殴っただけよ」

 

「あ~。なるほど。災難だったね一刀君」

 

「は、ははは……」

 

もう苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「それよりどうどう?私の浴衣姿!似合うかな?」

 

「ああ。優未らしくていいんじゃないかな」

 

「ほんと!?よかった~。一刀君にそう言って貰えて一安心だよ!」

 

優未はニカッと笑い俺の腕に抱きついてきた。

 

「あ~っ!優未さんずるい!私も一刀さん抱きつく~っ!!」

 

「ちょ!桃香!?」

 

右腕に優未、左腕には桃香が抱きついてきた。

 

「いいご身分ね。一刀」

 

「……一刀さま」

 

二人のご意見番が鋭い目で俺を見てくる……お、俺のせいなのか?

 

「ぶー!さっきまで私が抱きついてたのに~……っ!なら私はここに抱きついちゃお!えい♪」

 

「どわーーーっ!!し、雪蓮!?」

 

雪蓮は俺の背中から首に抱きついてきた。

 

「お、降りて雪蓮……潰れる!潰れるから!」

 

それに周りの目も痛い!凄い目で、特に男達の俺を見る目は殺気に満ちてるし。

 

「と、とにかく神社の中に入ろう!ほ、ほら雪蓮もこれじゃ歩けないだろ」

 

「ぶーぶー!それじゃあとで腕組ませなさいよ」

 

「はいはい」

 

「一刀~。あれが食べたい!」

 

「はいはい」

 

「一刀さん!りんご飴がありますよ!」

 

「はい!どうぞ!」

 

「一刀、のどが渇いたわ」

 

「は、は~い!」

 

「あ、あの一刀さま……わ、綿飴を」

 

「ど、どうぞ……」

 

「一刀君!焼き鳥とたこ焼きとカキ氷が食べたい!」

 

「そ、そんなに!?」

 

いつの間にかみんなのパシリにされていた。

 

「うぅ……俺のお小遣いが……」

 

「なに湿った顔してるのよ。せっかくのお祭りなのに」

 

「そりゃなるだろ。もう俺の財布はすっからかんだよ。はぁ、給料日までまだあるってのに」

 

俺は財布を逆さにしてお金がなくなったことを雪蓮に告げる。

 

「もう、仕方ないわね。ここは私が奢ってあげるわ」

 

そう言うと雪蓮は近くにあった屋台で割り箸にパイナップルが刺さった食べ物を買ってきてくれた。

 

「はい。一刀」

 

「ありがとう雪蓮……?」

 

受け取ろうとしたが雪蓮はなぜか腕を引いてしまった。

 

「ふふふ♪はい、一刀。あ~ん」

 

「い!?こ、こんなところで!?」

 

「こんなところだからいいんじゃない♪ほら、あ~んして」

 

「あ、あ~ん」

 

「どう?美味しい?」

 

「あ、ああ」

 

正直恥ずかしすぎで味なんか分からなかった。

 

「「「「……」」」」

 

「み、皆してどうしたんだ?じっとみて」

 

「か、一刀さん!私のりんご飴もあげます!あーんしてください!」

 

「一刀君!私のたこ焼きも上げるから!あーんして!」

 

「か、一刀さま。わ、綿飴も如何ですか!」

 

「し、仕方ないわね。私がお好み焼きを食べさせてあげるんだから感謝しなさい」

 

「がっ!ちょ!く、口に詰め込みすぎ!」

 

桃香たちは俺と雪蓮のやり取りを見てそれぞれ俺の口に入れてきた。

 

「や、やめて~~~っ!!」

 

そんな時だった。

 

(ひゅう~~~~~~~~………ドーーーーンッ!!)

 

「え?」

 

空を見上げると黒く広がった空に一輪の花が大きく咲き誇っていた。

 

「わ~!花火ですよ!綺麗だね愛紗ちゃん!」

 

「ええ。ですが、ここからだと全体が見えませんね」

 

確かに、周りの木々のせいで花火の全体の姿は見えなかった。

 

「よし!なら移動しよう!あそこならきっと見晴らしもいいしね!」

 

「「「「あそこ?」」」

 

「そっ。皆も知ってるところさ」

 

首をかしげる雪蓮たちに俺は笑って答えた。

 

「なんだ。ここなの?」

 

雪蓮はなんだと少し期待はずれの答えをしてきた。

 

「ああ。でも特等席だろ?」

 

「特等席ではあるけれど。まさかこことはね」

 

琳も。少し呆れていた。

 

「でも、ここなら見晴らしもいいし」

 

「ええ。綺麗に花火が見えるでしょうね」

 

「さっすが一刀君!私の未来のお婿さんだね!」

 

桃香と愛紗には喜んでもらえたようだ。優未については後半部分は聴かなかったことにした。

 

「あ~ん!私のボケを無視しないでよぉ」

 

「どう聞いてもボケじゃなくて本気だったでしょあなたは」

 

「えへへ。半分くらい本気だったかな?」

 

「はぁ、そんなことより早く上りましょう。終わってしまうわよ」

 

「ああ。そうだな」

 

俺達が来た場所。そこは聖フランチェスカ学園の屋上だ。

 

神社から学園はそう離れていないのでこうしてここに来たってわけだ。

 

もちろん。関係者以外立ち入り禁止な訳だけど。大学もこの敷地内にあるのでもちろん何のお咎めも無く堂々と中には入れるんだけどね。

 

「わ~っ!すっごい綺麗ですよ一刀さん!」

 

「ああ。これは凄いな」

 

桃香が言ったように目の前に広がる大輪の花に思わず言葉を失いそうになった。

 

「着て良かったね。愛紗ちゃん」

 

「ええ。とても綺麗ですね」

 

「……」

 

「?どうしたんだ琳?」

 

「え?な、なんでもないわ」

 

「花火に見惚れちゃったとか?もしかして琳って花火見たこと無いとか?」

 

「そ、そんなことあるわけ無いでしょ。花火くらい見たことあるわよ!大体あなたはねえ!」

 

「ああ。また始まっちゃった。どうして琳さんと優未さんはいっつも喧嘩しちゃうんですか?」

 

「ははは。喧嘩するほど仲が良いて言うじゃないか」

 

「「誰がこんな奴!っ!こんな奴って誰の事よ!」」

 

「ほらね」

 

「あはは」

 

言い合いをする二人を周りは笑って見守る。

 

「ねえ。一刀」

 

「ん?どうしたんだ雪蓮」

 

そんな中、雪蓮が俺の隣に立ち小声で話しかけてきた。

 

「今日は楽しかったわ」

 

「俺もだよ」

 

「お金がすっからかんになったのに?」

 

「あははっ。そうだね。でも、みんなとこうして騒げることは何よりも得がたいものだからね」

 

「一刀らしいわね」

 

「そうかな?」

 

「ええ。だから桃香も愛紗も琳も優未も、もちろん私も一刀の事を好きになったのよ」

 

そう言うと雪蓮は顔を近づけてきた。

 

「ん……」

 

花火を背景にお互いの陰が重なり合う。

 

「ふふっ♪」

 

軽く唇同士がくっ付くだけのキス。だけど、そのキスには雪蓮の想いが一杯詰まっているように感じられた。

 

「「「「あーーーーーーーーっ!!!」」」」

 

言い合いをしていたはずの優未と琳もいつの間にか加わり四人で俺と雪蓮を見て叫んできた。

 

「雪蓮さんだけずるいです!私も一刀さんとキスしたいです!」

 

「か、一刀さま!わ、わわ、私ともそ、その口付けを!」

 

「一刀。私達の前で堂々とキスなんかしていい度胸じゃない」

 

「ずるいずるい!一刀君!私ともキスしてよ!」

 

「ちょ!え、ええ!?雪蓮!」

 

「しーらない♪」

 

そう言うと雪蓮は俺から笑いながら離れていった。

 

「「「「一刀(さん)(さま)(君)っ!!」」」」

 

「うわ~~~~~っ!!!」

 

迫ってくる桃香たちに俺はなすすべも無く、唇を奪われていった。

 

「うぅ……もう、お婿にいけない」

 

《END...》

葉月「はい!と言うわけで。今回は短編になります!如何だったでしょうか?」

 

雪蓮「確か、イベント用の作品よね」

 

葉月「はい。甘露様が主催で開催した『第1回同人恋姫祭り』ですね」

 

雪蓮「でも、オリジナルキャラとか出てきちゃってるけどいいの?」

 

葉月「どうなんですかね?特に指定されていなかったので書いちゃいましたけど。それにかなり急ごしらえなので支離滅裂なところが多々あるかと……」

 

雪蓮「まあ、私は久々にここに出れたからいいんだけどね」

 

葉月「確かに久々ですね」

 

雪蓮「それで?もう私はお払い箱なの?」

 

葉月「そんなつもりはありませんけど。じっさいちょこちょこ書いてるでしょ?」

 

雪蓮「それはそうなんだけど。ここ最近の話って殆ど一姫じゃない」

 

葉月「まあまあ、人気投票もやったし。それなりに出てるじゃないですか」

 

雪蓮「ぶー!それでも納得できないの!もっと出しなさいよ」

 

葉月「そんなことしたら愛紗に殺されちゃいますよ」

 

雪蓮「そ。ならここで決めるしかないわよね」

 

葉月「な、何をですか?」

 

雪蓮「そんなの決まってるじゃない。愛紗に殺されるか……今ここで私に殺されるか♪」

 

葉月「わ~。久々に来ましたねこのノリ!」

 

雪蓮「懐かしいでしょ?でも、本気だから、さぁ、決めなさい!」

 

葉月「そう思うならわかっているはずですよ。私の行動を!では、みなさん!またお会いしましょう!」

 

雪蓮「あなたの行動くらい分かっているわよ!待ちなさい、絶対に逃がさないわよ!それじゃみんな。また、会えることを楽しみにしててね♪」


 
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