No.219561

真・恋姫無双-夏の日のとある一日-

獅子丸さん

すいません、連載中の作品をそっちのけでこっちを書いてました(ぁ

『同人恋姫祭り』

の参加作品となります。

続きを表示

2011-05-30 05:28:16 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:20381   閲覧ユーザー数:16045

 

 

 

 

 

「あっついなぁ・・・・・・・・」

 

「流石に今日はあついのぉ・・・・・北郷、天の知識で何とかならんのか?」

 

「天の知識って言ってもなぁ・・・・・・と言うかやっぱり祭さんも暑いんだ」

 

「儂を何だと思っとるんじゃ? 長年この地におるとはいえ暑いものは暑い!」

 

 

本日は晴天。

それも憎らしいほどに。

むかつくほどの暑さで流石に皆参ってるようで、かく言う俺も祭さんと二人で庭の東屋でだらけている。

天の御使いの象徴とも言えるポリエステルの制服なんて着れたもんじゃなくとりあえず持ち歩いてはいるけど、

それすらも億劫になってたり・・・・・。

 

 

「北郷・・・・何とかしてくれんかのぉ・・・・・・・こう暑いと儂の自慢のこの胸が溶けてしまいそうじゃて・・・・・・・」

 

「溶けてたまるか!!!!!・・・・・・・ん?溶ける?・・・・・・・・・それだ」

 

「何じゃ急に!?」

 

 

といってもこの時代にあるのかが問題だなぁ・・・・・。

とりあえず冥琳にでも聞いてみるとするか。

 

 

「祭さん、俺ちょっと冥琳の所にいってくる!!」

 

「お~ぅ、儂は此処で涼んでおるわ・・・・・・」

 

 

と言うわけで場面は変わり・・・・・。

 

 

「なんだこれ・・・・・・・・・・」

 

「見ての通りだ北郷」

 

「かずと~、私もう駄目かも・・・・・・・」

 

 

執務室の床の上で、今にも溶けてしまいそうな様子で寝そべっている雪蓮。

流石の冥琳もこの暑さには参っているようで椅子に腰掛け手ぬぐいで汗を拭っていた。

 

 

「此処がこの様子なら他の皆も似たようなもんだろうな・・・・・・」

 

「かずと~、何かいい方法ないのぉ?」

 

「思いつきはしたんだけど・・・・・・・」

 

「ホント!?」

 

「それが呉にあれば・・・・・・・・というのが前提なんだけどね」

 

「それとは?」

 

「『硝石』って知ってる?」

 

「あぁ、聞いた事はあるが・・・・確か厩などで取れるものだったはずだが。それがどうしたというのだ?」

 

「硝石が大量にあればいいものが作れるよ」

 

「ほぅ・・・・・どんなものだ?」

 

「それは・・・・・」

 

「あ”~もう!!この暑さが少しで和らぐならなんでもいいわよ!!

一刀、これは命令よ!その硝石とやらでいいものが作れるなら作りなさい!!」

 

「は、はは・・・・・わかったよ雪蓮」

 

「雪蓮!こんな事で王の権限を使うな!」

 

「あ~、はいはい。あんまり怒ると小皺が出来ちゃうわよ冥琳」

 

「しぇ~れ~ん・・・・・・」

 

「さ、俺は早速・・・・・・・・」

 

「あ!こら!!一刀にげるなー!!!!」

 

 

またまた場面が変わってここは厩。

 

 

「へぇ~これが硝石なんだ。初めて見たかも・・・・・・・・でも、これだけじゃ足りないよなぁ」

 

「御使い様、これが必要なんですか?」

 

「ん?あぁ、できるなら大量に欲しいんだけど」

 

「それなら城外の家畜小屋の付近に大量にありましたよ?」

 

「おぉ!ありがとう、行ってみる!!」

 

 

そんなこんなで大量に集めた俺は城の中庭にいる訳で・・・・・・。

 

 

「かずと様~桶はこれでいいでしょうか!」

 

「あぁ、ありがとう明命。亞莎、蚤は借りれた?」

 

「あ、あの・・・・それが綺麗な物が無くて・・・・・す、すみません!!」

 

「気にしないでいいよ亞莎、それじゃ包丁で代用するか・・・・・・・。

よし、皆を呼んできて」

 

「「はい!」」

 

 

さて、皆も揃った事だし始めますか。

 

 

「一刀~いったい何するの?」

 

「見てのお楽しみだよシャオ。

さぁ、皆、そこの水を張った桶に足をつけて」

 

「わかったわ一刀。ほら、思春も」

 

「御意」

 

「さて、ここ在りますのは塩と硝石でございます・・・・・・・」

 

「能書きはいいからちゃっちゃとはじめちゃって」

 

「はい・・・・・・」

 

 

水を張った桶に大量の塩と硝石を少しずつ入れる。

 

 

「なにこれ!?水がどんどん冷たくなってきてる!!」

 

「なんと!!これは良いのぉ、これだけ冷たいと飲んでも良さそうじゃな・・・・・」

 

「あー!!!祭さん飲んじゃ駄目!!!!」

 

「ん?」

 

「どうして駄目なんですか~?」

 

「実は・・・・・・」

 

「硝石は家畜の糞尿をためた場所に出来る物です」

 

「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」

 

「そう言うわけ。まぁ、飲みたがると思ってちゃんと飲める奴も用意しておいたから」

 

「あら、流石一刀、気が利くわね♪」

 

「って、暑さが揺るいだとたんに酒飲んでるのかよ!」

 

「まったく・・・・・・北郷、他にもあるのだろう?」

 

「さすが冥琳気づいてたみたいだね。そろそろ良いかな・・・・・・・」

 

「うわ~!?すっご~い!!氷だよ!!」

 

「あ、氷は知ってるんだ?」

 

「そんな大きな物は見た事がないですが一応この地でも雪は降りますから」

 

「はは、そう言われればそうだ・・・・・・まぁ、これはちゃんと水だけを氷らせたものだから食べられるんだよ」

 

「え?食べていいのですか!?」

 

「一刀、どうやって食べるの?」

 

「それは・・・・・・」

 

 

厨房から借りてきた包丁を横にして氷を削る。

さ、流石に手作業じゃ骨が折れるな・・・・・・。

皆からの期待の視線を向けられつつも器一杯分の氷の削りカスを器に盛る。

え?溶けるんじゃないかって?

硝石と塩を大量に入れた水の中に空の桶を入れてその中に氷を入れてるのさ!!

これを簡易冷蔵庫と言う!!

後はご都合主義なので気にすんな♪

 

 

「完成!!カキ氷!!!そこに用意してるお好きな果物の果汁をかけて召し上がれ♪」

 

「「「「「「「おぉ~!!」」」」」」」

 

 

そんなこんなで皆でカキ氷パーティーが始まったわけで・・・・・・・。

 

 

「ア"ァ!?頭が!!頭がイタ~イ!!」

「雪蓮・・・・・一気にかき込んで食べるからだよ!」

 

「う~ん♪冷たくておいしー♪」

「喜んでもらえてよかったよシャオ」

 

「ほんと、口の中で溶けて果物の味が広がってとてもおいしいわ一刀」

「よかった、流石の蓮華もこの暑さには参ってただろうしね」

 

「ふん!・・・・まぁ、悪くない」

「そう言いつつも二杯目の癖に・・・・・ってゴメンナサイ!!謝るから鈴音を引いて!!」

 

「流石は天と言う所か・・・・硝石がこんな事に使えるとは」

「冥琳、今くらい難しい事考えなくてもいいんじゃ・・・・・・・」

 

「ん~♪冷たくておいしいですね~一刀さん惚れ直しちゃいました~」

「こんな事で惚れ直されても・・・・・って穏こんなに暑いのに引っ付かないで!!」

 

「はうぁ~♪しあわせです~」

「明命、食べ過ぎるとおなか壊すぞ・・・・・・」

 

「はい、とってもおいしいです!!ごま団子といい・・・・流石は一刀さんです!!」

「・・・・・・え?ごま団子とカキ氷で評価されるの!?」

 

「ふむ、これは酒をかけてもいけるのぉ」

「祭さん・・・・・・・ってちゃっかり酒冷やしてるし!!」

 

 

これは呉のとある一日。

暑い夏の一日。

余談だけどこの後、カキ氷の食べ過ぎで苦しんだ人が数人いたとかいないとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・暑い!!!暑いぞ北郷!!!!」

 

「怒鳴ったら余計に暑いって・・・・・・」

 

「むぅ・・・・・よし!ほれ行くぞ北郷」

 

「っちょ!いきなりなにさ!?」

 

「つべこべ言わずについてこんか!!」

 

「わ、わかったから!自分で歩くから襟を引っ張らないで!!」

 

 

つれてこられたのは城の付近の森の中にある川辺。

木々の影とその間を通り抜ける風のお陰で幾分涼しい。

 

 

「やはり暑い時は此処に来るに限るのぉ」

 

「こんな良い所知ってたんだ」

 

「うむ、ここは儂のお気に入りの場所での、めったに人が来る事もない。ゆっくりするにはもってこいの場所じゃ」

 

「そんな場所を俺に教えてよかったの?」

 

「かまわん。北郷はわしの認めた男じゃからのぉ」

 

 

祭さんはそう言いながらおもむろに自身の服に手を掛けて脱ぎ始めた。

あっという間にその褐色の肌をさらす。

 

 

「っちょ!?祭さん!?なんでぬいでんの!!」

 

「そんなの決まっておろう?川で泳ぐんじゃよ」

 

「だからって・・・・・・俺がいるのに」

 

「儂の裸なんぞ見慣れておるじゃろうに・・・・・」

 

「そんな問題じゃないって!!」

 

 

祭さんは俺に話しかけながら髪留めに手を伸ばし留め具を外す。

纏め上げられていた綺麗な銀髪がさらりと地面へと向かって流れる。

その姿に俺は言葉を発せずに見入っていた。

 

 

「なにをしとるんじゃ?はよせんか北郷・・・・」

 

「・・・・・ん?あぁ、わかったよ祭さん」

 

 

そう言いながら自身の服に手を掛けながら川に入っていく祭さんを見つめていた。

健康的な褐色の肌を惜し気もなく晒し、その豊満な身体を水滴がゆっくりとなだらかな曲線に沿って流れ落ちていく。

水に濡れた銀髪はその背中に張り付き、祭さんはなんともいえない色気を振りまいている。

 

 

「暑さをしのぎに来ただけ、暑さをしのぎに来ただけ、暑さを「はよこんか北郷!!」・・・・っは、ハイ!!」

 

「まったく何をそんなにてれてれしておるんじゃ・・・・・・」

 

「面目ございません・・・・・・」

 

「ほれ背を向けろ、儂がが汗を流してやろう」

 

 

こんな状態で抵抗できるはずも無く大人しくされるがままの俺。

背中に冷たい水が流れていくのをはっきりと感じる。

 

 

「いい世の中になったもんじゃの・・・・・・」

 

「祭さん?」

 

「こんな場所で惚れた男の背中をゆっくりと流してやる事なんぞ出来るようになるとは思ってもみんかったわ」

 

「・・・・・・・・」

 

 

祭さんの腕が俺の体の前で組まれる。

背中に心地良い感触が広がる。

祭さんは後ろから俺をを抱きしめる体勢になり俺の右肩に顎を乗せ言葉を綴る。

 

 

「もし、お主が呉に来てくれんかったらどうなっとったんかのぉ」

 

「・・・・どうだろうね」

 

「そんな事はどうでもよいか・・・・今お主はこうして此処におるんじゃしの」

 

「祭さん・・・・・」

 

「一刀・・・・・・」

 

「はい!!そこまで!!!祭、抜け駆けは駄目よ!!!!!」

 

「「!?」」

 

 

声が聞こえたと同時に川岸の茂みから雪蓮が飛び出してくる。

 

 

「・・・・・・なんじゃ策殿か。して、何故策殿がここにおるんじゃ?」

 

「なんじゃって・・・・。祭が一刀を引きずって城から出るのを見かけたからつけて来たに決まってるじゃない」

 

 

俺は驚きすぎて何も言えなかったが二人はそんな俺を置いて口論を始める。

 

 

「なんと趣味の悪い事じゃ。策殿も北郷が欲しいなら堂々とすればよいじゃろうに」

 

「なんですって!?一刀は祭なんかより私の方が良いに決まってるわよ」

 

「なんじゃと!?策殿のような小娘より儂のこの豊満な体の方が好みに決まっておるわい!」

 

「「むむむむむ!!!」」

 

 

あ、この流れは危険だ・・・・・・。

逃げよう・・・・・・・。

 

 

「「一刀!!私(儂)を選ぶわよね(選ぶじゃろ)!?」」

 

「ハ、ハイ!!」

 

 

もう逃げられない・・・・・。

そう悟った俺はいつの間にか裸になった雪蓮と祭さんの二人に挟まれてこう思う。

 

 

『俺の平和な日常はどこ?』

 

 

これは呉の平和な一日。

暑い暑い夏の一日。

 

これは余談だけど、この後、俺はこの暑さの中散々運動する羽目になり日が暮れる頃には死に掛けていたのは言うまでもない。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
50
5

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択