No.216889

漆黒の狂戦士と薄幸の魔王<決戦・10>

流狼人さん

生還!!

tinamiよ!私は・・・これからも頑張る!!

感想、待ってます!!

2011-05-15 17:27:51 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2101   閲覧ユーザー数:1992

鎚と斧、斬馬と長刀が苛烈に打ち合い、終局を迎えようとした時、飛将軍は・・・

 

 

時は遡り。

 

連合軍本陣である袁紹軍に龍が鮮血と共に舞っていた。

 

本陣には八万の兵が、精鋭がいた・・・にも拘らず、彼らは次々と散って逝った。

 

「っく、ええい!誰か、誰かあれを止められませんこと!!」

 

と、袁紹は怒鳴るも。

 

「・・・いく」

 

と鬼神の前では無意味であった。

 

更に、本陣近くではねねの采配により呂布騎馬隊は袁紹軍を翻弄し、其の先頭を走る聖羽の剛斧で兵達は蹴散らされていた。

 

 

彼女の前では矢も槍も意味を成さず、新兵器の巨躯弩ですら簡単に避けられていた。

 

流石に袁紹も懲り・・・覚悟を決めた。

 

「私は連合の・・・いえ、袁家筆頭!袁本初!参りますわ!!」

 

「・・・こい。」

 

と宣言し剣を抜刀し、其のまま恋に突っ込んでいった。

 

恋も追撃に出ようとした時。

 

 

「「まてぃ!我が姫君を討つ前に我らを「・・・煩い」う・・・っが。」と恋の意識を此方に向けようとして、突っ込んだ眭元進・韓莒子の二将を引き裂いたが、

 

「姫を討たせるなーーーー!!」と参謀・審配の号令と共に勇気ある五千の兵が恋に殺到した。

 

それでも、瞬く間に蹂躙し改めて袁紹の方へ向き直し、戟を振り落とそうとして・・・「斬!」と、戟を持った手が宙に舞った。

 

 

「え?」

 

と恋が後ろ向くと、

 

「我が、名、は臧洪。亡、き盟友、張超、の敵、取ら、せて貰った・・・ぐふ。」

 

と、肩から斜めに切られ細かく息をしていた臧洪と名乗った将が、崩れ落ちて逝った。

 

同時に前を向くと・・・眉間に剣先が深く刺さるのが、ゆっくりと見えていた・・・

 

 

連合軍から壮大な雄叫びが戦場に響いた。同時に袁紹の口から、

 

 

「飛将軍、呂布奉先。袁本初が討ち取りましたわ!!」

 

 

と董卓軍に絶望を突き付けたのだった。

 

「あ、有りえ無い・・・有り得ないのです!!恋殿は・・・恋殿は無敵なのですぞ!!それが・・・それが!!!」

 

しかし、ねねの眼前には・・・恋の首級が袁紹軍の軍旗に縫い付けられていた。

 

ねねは必死に精神を保たせ、軍を引き返そうと後ろを向いた刹那、

 

ドスッ

 

と共に落馬してしまったのだった。

 

ねねは急いで立ち上がろうとしたものの、落馬した性で全身が痛み、更には背中に矢を受け立ち上がれなかったのだ。其処に、

 

「はっはっは!死ねぇい。」

 

と、袁紹騎馬隊の先兵・蒋奇に声を上げる間もなく止めを刺されたのだった。

 

 

「はっはっは!これで呂布軍は虫けらも同然。一気に「でりゃーーーーー!!」・・・がぼ!」

 

と、蒋奇もまた、聖羽に一刀のもと討たれたのだった。

 

「恋さん・・・ねね殿・・・っく!!・・・全軍一時本陣まで撤退、二人の死を無駄にするなーーー!!」

 

と、聖羽の号令で撤退する呂布軍の背中は・・・悲しみに覆われていた。

 

 

今言える事は・・・最強を名乗った鬼神は、ここに幕を下ろしたのだった。

 


 
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