― 袁術Side ―
今日、一刀が来ているらしいのじゃ!
それもわらわに蜂蜜のお土産を持ってきてくれたらしくての~。
うむ!いい心がけなのじゃ一刀。
う~、早く一刀にあいたいのぉ。
城におる者は嫌いなのじゃ・・・・・・あ!?七乃だけは別だがの。
他の者はなんだかいけ好かないのじゃ。
わらわの前ではへこへこしたり何やらいろんな物を持ってくる癖に、わらわがその場所から離れると気持ち悪い笑みを浮かべヒソヒソと話したりしているしの。
わらわはそれが嫌なのじゃ。
難しい事はわらわにはわからんのじゃが、七乃があの者達に近づいては駄目だと言うとるのはその所為だという事ぐらい、わらわにもわかるのじゃ。
それに比べて一刀はわらわを袁家の者だと知っても態度すら変えはしなかったのじゃ。
あの店の店主もわらわが誰か知っていて、おどおどしておったのに突然現れた一刀はずーっと不遜な口調じゃったからのぉ。
他の者は袁家と聞くだけで頭を垂れよるのに一刀はわらわと別れるまでずっとそのままじゃった。
でも、まったく悪い気はせんかった、わらわにあんな態度をとる癖に何故か手を繋いでくれたりしたしの。
七乃が孫策達と話し終わって褒美の話になった時も城におる者たちが怖い声で大声を上げて何か言うた時、
わらわを庇うに背に隠してくれた事ぐらいは、わらわでもわかったぞ。
今まであの者達のなんだか怖い声からわらわを庇ってくれるたのは七乃しかおらん。
でもそれでわかったのじゃ!
一刀は七乃と同じくわらわを助けてくれる人なのじゃ!
わらわを助けてくれる人なんてこの城には七乃しかおらんからの。
じゃから一刀が来てくれたのならわらわはとても嬉しいのじゃ!!
「美羽さまぁ~、一刀さんがお待ちですよぉ~」
「おぉ、七乃!早く行くのじゃ!!」
「むぅ~、なんだか妬けちゃいますねぇ~。まぁ、いいですけどぉ、って、美羽さま!そんなに走ったらあぶないですよ~」
「大丈夫なのじゃ!!ほれ七乃、早く行くのじゃ!!!」
「美羽さまったら・・・・あ!?まってくださぁ~い」
― 張勲Side ―
「はぁ~い、皆さん静粛に~お嬢様のおな~り~♪」
ほら屑さん達~、早く何時も通りの媚を売る顔になっちゃってくださ~い。
そんな見苦しい顔美羽様に見せるわけにはいかないですからねぇ~。
「か、じゃ・・・なかったの・・・・・郷!よく来てくれたのじゃ!!ほれ、もっと近くに来るのじゃ~」
あらあら、美羽様ったら何も知らずに喜んじゃってますねぇ~。
まぁ、そんな美羽様が可愛いんですけどね♪
・・・・・天の御使い様はちゃんと準備してくれたんですかねぇ?
孫策さん達が旧臣を集結させちゃってあの屑さん達は戦々恐々としちゃってますし何とかしてもらわないと困るんですよ?
「久しぶりだな美羽」
あらぁ美羽様を真名で呼んじゃって・・・・一刀さんってば自分の立場余りわかってないんじゃないですか?
ほら、屑さん達が凄い目で睨んでますよ?
「か・・郷、蜂蜜を持ってきてくれたと聞いたが本当かの?」
「あぁ、美羽は蜂蜜が好きみたいだったしな。ほらこれ、昨日収穫したばかりの物を貰ってきたんだ」
「おぉ~、と言う事はできたてほやほやと言う事なのかの?」
「そう言う事。やっぱり何でもできたての物が一番おいしいからな」
あれ?一刀さん持ってきた蜂蜜はそれだけなんですか?
いや、確かにあの文には美羽様の好きなものは蜂蜜だ、とは書いてましたけど・・・・・・。
それだけでどうするつもりなんですかねぇ?
他に何かしら準備でもしてるのならいいですけどもし失敗するようなら私と一緒に首ちょんぱ決定ですよ?
そうなったら私の美羽様が・・・・・・・。
「あ~、オホン、一・・・じゃなかった郷さ~ん、今日は美羽様にお話があるといってなかったですか?」
「あ、そうだった」
「なんじゃ?郷、わらわに用事があったのか?」
「あぁ、美羽にちょっとした提案があってね」
「ほう、提案とな?かまわん、言うて見るがいいぞ」
「袁術様!!そんなえも知れぬ男の提案なぞ聞く必要はありません!!」
「そうですぞ!!そんな孫策のたかが護衛である男の話など聞くに値しません!!」
「衛兵!!その無礼な男を摘み出せ!!」
「はいは~い、無礼なのはあなた達ではないですかぁ?郷さんはお嬢様のお客なんですよ?
衛兵さん、その無礼な男達を外に放り出しちゃってくださ~い♪いいですよね美羽様?」
「うむ、七乃の言うとおりにするがいいのじゃ!すまんの郷、で、わらわに提案とはなんなのじゃ?」
とりあえず今の所の邪魔者は排除しちゃいましたから、さっさとやっちゃって下さい。
「美羽ってさ蜂蜜が好きだろ?」
「大好きなのじゃ!!わらわは蜂蜜さえ食べられれば他に何もいらないのじゃ!!」
「そ、そこまで胸を張って言い切るとは流石に思いもしなかったな・・・・・」
「美羽様は本気で言ってるんですよ郷さん♪美羽様は蜂蜜以外のことに一切お金使いませんからねぇ」
「マジで?」
「マジとはなんじゃ?」
「あぁ、ごめん本当に?」
「はぁい、ホントにホントです♪お洋服なんて今着てるいるもの意外は二着しかないんですよぉ?流石に下着は三着ではないですけどねぇ♪」
「合計三着って・・・・・その辺の農民でももう少し持ってるんじゃないか?ってことは・・・・・」
「はい♪」
「そうか、んじゃ、もう気兼ねする事もないな・・・・・・」
やっぱり少し気兼ねしてたみたいですねぇ~。
でも、もう決心ついたみたいですし、ここからは一刀さんのお手並みは意見とさせてもらいましょう♪
「ほれ、郷、七乃とばかり話しておらんで続きを話さぬか!」
「ごめんごめん、んじゃ遠慮なく・・・・・・美羽、最初は一年中・・・・・とは行かないけど蜂蜜に囲まれて暮らしてみたくないか?」
「なんじゃと!?そんな所があるのかや!?」
「あるぞ・・・・、蜂蜜と言うか蜂蜜を作ってもうんだけどな」
「なんと!?作ってもらえるのかや?蜂蜜は山にあるものを採ってくると七乃が言うておったがのぉ・・・・・」
「今はそれしか方法がないだろうね、だけど俺はその方法を知ってる。
そしてさっき美羽に渡した蜂蜜は『蜂』達に俺が『指示した場所』で『蜂』達が作ったものを分けて『貰って』きたんだよ」
「なんと!!それは本当なのか一刀!!あ・・・・・すまんのじゃ・・・・皆の前で呼んではならぬと言っておったのに・・・・・」
「気にしなくていいぞ美羽、天の御使いであるこの俺、北郷一刀が保障する。俺の『指示した場所』でなら好きなだけ蜂蜜を食べて暮らせるぞ」
あはは~・・・・・一刀さんそれは反則じゃないですか?
ほら、後ろにいる屑達もびっくりして固まっちゃってますよ~?
私は確かに美羽様をあの屑さん達から助けて欲しいとは文に書きましたけど・・・・・。
ってっきり一刀さんは大量の蜂蜜を持って美羽様に取り入る程度かなぁって思ってたのに・・・・一気に城ごと乗っ取るつもりじゃないですか!!
「なんと!?一刀は天の御使いじゃったのか!?むぅ~、一刀が天の御使いで、天の御使いが一刀・・・・・・。
一刀が嘘をつくわけはないじゃろうし、天の御使いならば嘘をつくはずもないのぉ」
「美羽に嘘はつかないさ。ただし、蜂蜜を分けてもらうからには美羽も頑張らなくちゃいけないぞ?」
「わらわは何を頑張ればいいのじゃ?」
「一つ目は蜂蜜をいっぱい作ってくれるように蜂達が快適に過ごす為の家を守ってあげる事。
二つ目は蜂達の家を綺麗にする為に働いてくれる民達をちゃんとした賃金で雇ってあげる事。
最後に三つ目、蜂蜜を分けてくれる蜂と蜂の世話をしてくれる人に感謝する事とその人達にも蜂蜜を分けてあげる事」
「わかったのじゃ!!一刀の言うとおりにするのじゃ!!」
「よし、良い返事だ・・・・・全部決まったらその場所に案内するよ。
住む所も美羽が快適に過ごせるように準備してあるし他の物も全部用意してあるからな」
「なんと!!そこまで用意してくれおったのか・・・・・・。そうじゃ一刀褒美を取らせる何でも好きなものを言うといいのじゃ!!」
ハァハァハァハァ・・・・・・・・一刀様にいいように誘導されちゃってる美羽様・・・・・・可愛いすぎです!!
っと、今は美羽様成分を補給してる場合じゃなかったですねぇ・・・・・。
これは一刀さん本気で乗っ取りに来ちゃったみたいです・・・・・。
まぁ、私は美羽様がいればそれで良いんですけど美羽様はあくまであの袁家ですから・・・・・・。
早々上手く納得させることなんてできるんですか一刀さん?
「何でもいいのか?」
「いいのじゃ!一刀の欲しいものを言うといいのじゃ!!」
あらら・・・・前回とまったく同じ状況じゃないですか~。
屑さん達も気づいちゃってますよ~?
「お待ちください袁術様!!」
「いけません!!唯でさえ怪しい男であるのにそれに加えて天の御使いなどと名乗る男の願いなど聞いてはなりません!!」
「はいは~「黙るのじゃ!!誰が口を開いていいといったのじゃ!!わらわは一刀と話しておるのじゃ!!口を開くななのじゃ!!」・・・・・・」
「しかし!!」
「口を開くなといったのじゃ!!衛兵、その者も外に放り出すのじゃ~!!」
美羽様が初めて屑さん達を黙らせちゃいました・・・・・・・美羽様も成長してるんですねぇ~・・・・・・。
って言うか私も黙らされちゃいましたけど♪
あぁ~んゾクゾクしちゃう♪・・・・・美羽様に罵られるのもいいかもしれないですねぇ~♪
「すまんのじゃ一刀。ほれ、欲しい物言うて見るがいいのじゃ」
「んじゃ、遠慮なく。美羽、この城を俺に譲ってくれないか?」
「なんじゃ一刀、城が欲しかったのか?」
「正直に言うとそうだ。どうもこの城は腐っている『もの』が多いみたいだから掃除したくてたまらなくてね」
「なんじゃ?どこか腐っておったのか・・・・・。七乃、何処が腐っておるのじゃ?」
「そうですねぇ~主にその辺にゴロゴロしてる『もの』が腐ってるんじゃないんですかねぇ~」
一刀さんはいやらしいこと考えますねぇ~。
私よりも酷いんじゃないですか?
まぁ、このままこの城に居たって美羽様にとってはいい事ありませんしこの際一刀さんの言う通りにして、
美羽様を一生可愛がって過ごすのも悪くないかもしれませんね。
「一刀は腐った城でもいいのかえ?」
「あぁ、腐っていてもちゃんと手入れすれば使えるからね」
「わかったのじゃ!!わらわは難しい事はわからぬから後の事は七乃に任せるのじゃ!!」
「はいは~い、任されました~♪」
「待たぬか張勲!!お主何を考えておる!!」
「そうじゃ!!これがどう言う事かわかっておるのか!!」
「ぴーちくぱーちく本っ当にうるさい人達ですねぇ~♪
わかってますよ?お嬢様が天の御使いさんである北郷さんとお城と魅惑の蜂蜜の園を交換しただけじゃないですかぁ~。
お嬢様が良いって言ったわけですし私はそれに従ってるだけですよ?」
「な!?何を血迷った事を言っているのだ!!」
「いや、七乃さんが言ってる事は何もおかしくないだろ?
俺は何も袁家の財産まで寄越せとは言っていない、袁家の財産は袁家である美羽のものだしな。
だから交換するのは家だけだ・・・・・・と言ってもこの城にある税は民のものだから置いていってもらうけどな」
「と言うわけですので・・・・・はい、一刀さん寿春の統治権の証書とその証の印で~す。朝廷にはその旨を記した書を送っておきますね~」
「確かに受け取った。美羽、蜂蜜は逃げないから、ゆっくり引越しの準備をすると良い。準備が終わり次第俺が護衛と一緒にその場所まで案内するよ」
「わかったのじゃ!!七乃!早速引越しの準備をするのじゃ!!」
「はぁ~い美羽様♪っていっても持って行く物なんて袁家の財産以外両手で持てる位しかないんですけどねぇ~」
一刀さんのおかげで着の身着のままと言うわけでもないですしこれはこれで良かったのかも知れませんねぇ・・・・・。
それよりも一刀さんこの後はどうするか考えてあるんですか?
屑さん達は絶対納得していませんよ?
まぁ、私達は蜂蜜の園に行く事になってますしさっさと退散した方が良いかも知れませんねぇ・・・・・。
「七乃さん、早く美羽を連れて部屋を出てください・・・・・。美羽に見せていいものじゃない・・・・・・」
「一刀さん?・・・・・・・・そうですか・・・・・わかりました。ささ、美羽様いきますよ~♪」
「うん?・・・一刀は一緒に来ぬのか?」
「美羽様、一刀さんは今から少しお仕事があるんですよ♪」
「仕事なら仕方ないの・・・・・一刀や、仕事が終わったらわらわの部屋に来ると良いぞ!!」
「あぁ、終わったら行くよ・・・・・・」
一刀さん・・・・・・・。
後でちゃんと『ありがとう』と言わせてもらいますね・・・・・・・。
― 一刀Side ―
さぁ、これで準備は整った。
後は俺が覚悟を決めるだけだ・・・・・・。
「さて、これで俺はこの寿春の太守となったわけだが・・・・・・何か異論はあるか?」
「誰が貴様など太守と認めるか!!」
「そうだ!!これは明らかに乗っ取りではないか!!」
「貴様、これがどう言う事かわかっているのか!?」
「衛兵!!!あの不埒者をさっさと捕まえろ!!」
「何を馬鹿な事を・・・・・・さっきも言ったよな?
俺の作った養蜂場とこの寿春を正式な手順を踏んで交換したんだ・・・・・これがどう言う事かわかるだろ?
衛兵、今無礼な口を利いた奴らを捕らえろ・・・・・・それとさっき部屋から出された者達をここに連れて来てくれ」
「「御意!!!」」
「太守様の命だ大人しく縄につけ!!」
「貴様等!!わしが誰だかわかっておるのか!!」
「何をする!!話さぬか無礼者!!」
「太守様の命ですので」
「太守様、先ほどの者達を連れてまいりました!!」
「ご苦労、さて、今から城の大改修を始めようと思う・・・・・・・」
周囲からどよめきが溢れかえるがそれを無視して指を鳴らす。
「持ってきたぜ一刀様」
何処からともなく現れた影は竹簡と俺の武器を手渡してくれる。
『さぁ、覚悟は決まったか一刀?もう後戻りはできないぞ・・・・・・。』
あぁ、わかってる。
『いいんだな一刀?』
そう何度も聞くなよ、決心が鈍るじゃないか・・・・・・。
『そりゃ聞くだろう?何せ今から自分の手を自分の意思で血に染めるんだからな』
・・・・・・・・。
『前の時は正当防衛だって事で無理矢理にでも納得できるかもしれないが今回は違うんだぞ?』
そうだな・・・・、でも誰かがやらなくちゃいけない。
『じゃぁ、一刀じゃなくても良いんじゃないか?』
他の人に任せて自分は手を汚さない・・・・・そんな事できるか?
『俺には無理だな・・・・・・』
だろ?・・・・・どうせこの手は必ず血で汚れるんだ。
それが早まっただけさ・・・・・。
『そんなこと言うなよ、本当は血で汚したくなんかない癖に・・・・・』
わかってるなら聞くなよ。
でも、奇麗事だけじゃこの世界は変えられないのは確かなんだ。
『それは俺もわかってるさ・・・・・・』
ならいい。
お前は消えないでくれよ一刀。
『あぁ、一刀がそう望むなら消えはしない』
お前が消えたら俺は多分、人として生きていけなくなるだろうから・・・・・・。
『だろうな・・・・・』
よし、そろそろ・・・・・。
『がんばれよ一刀』
ありがとな一刀・・・・・。
「さて、今から名を呼び上げるものは前に出ろ・・・・・」
「貴様!何の権限があっ「黙れ、今は一刀様が喋ってんだよ・・・・・・誰が口を利いていいといった?」・・・・・」
影が口を開いた男の喉元に小刀を当てている。
流石、思春が腕だけは一流と言っていただけあるな・・・・・・。
影のおかげで口を開くものがいなくなり滞りなく進む。
「これだけなのか?」
「あぁ、徹底的に調べたから間違いない」
「そうか、腐りきってるな・・・・・・」
最悪だ。
まさかここまで腐りきってるとは思いもしなかった。
「今名を呼ばれ前に出た者、賞賛に値する・・・・・部屋から出ていいぞ」
「ほらさっさと出て行った!」
前に呼ばれた者達・・・・・たったの7人だが、いぶかしみながらも部屋から出て行った。
これで準備は整った・・・・・・・始めよう。
「さてと、お前達はなんでここに残ってるかわかってるよな?」
影に目配せすると短剣を引き俺の横へと場所を移す。
「意見があるなら喋っていいらしいぞ?さっきみたいに言えよ、また短剣を突きつけたりしねぇから」
「お、お前は何が言いたいんだ!!」
「そ、そうだ!!なんで私達だけがここに残される!!」
「俺達はお前を太守と認めないぞ!!」
「・・・・・・俺を太守だと認めない理由は?」
「わ、我等は袁術様だからこそ仕えていたのだ!!それを得体の知れぬ天の御使いなんぞにとって変わられてはたまるものか!!」
「へぇ、それは俺が寿春を統治できないと言う事か?」
「そ、そうだ!!袁術様だからこそこの寿春を統「良くそんな事が言えるな!!!」・・・っな!?何だと貴様!!!!!」
もう少しまともな理由でもでっち上げると思っていたが、それすらもできないとは・・・・・・。
こんな奴らのせいで民が苦しんでたなんて・・・・・・・。
「衛兵達よ・・・・・・部屋から出て声をかけるまで扉を絶対に開けるな」
「「「ぎょ、御意!!」」」
「な、なんだと!?衛兵!!こんな男の命令など聞く必要はないぞ!!」
「そうだ!!あの狼藉者を早く捕まえろ!!」
兵達は言いつけ通り部屋を出て行く。
「ハッハッハ!!長年ここで働いてる筈の衛兵すらお前らの言う事を聞かねぇとはな!それだけお前らが最低だって事だ」
「「「なんだと貴様!!」」」
「おっと、お前達の処遇が決まったようだな・・・・・・耳をかっぽじってよく聞け!!!」
スゥー・・・・・ハァー・・・・・。
心を落ち着かせる為に深呼吸をする。
と言っても落ち着くはずはないが・・・・・・。
「お前達の処遇を申し付ける・・・・・・、お前達の罪は明らかだ。
袁術が幼いのをいいことに、豪族達への便宜を図る見返りに多額の賄賂を受け取り、
なおかつ、それでも満足がいかないかのように税を上げ民からも毟り取り私腹を肥やしていた!!
これは極刑に値する罪だ!!!申し開きはあるか!!!!」
そう言う俺だって美羽が幼いのをいいことに、それを利用したようなもんだ。
その報いを受ける覚悟もできてるさ。
「っそ、そんな事言いがかりだ!!!」
「そ、そうだそうだ!!!何処に証拠がある!!!!」
「証拠ならほれ・・・・・・」
影が指を鳴らすと美羽たちが出て行った扉から北郷隊の者たちが入ってきて抱えた荷物を降ろすと順次部屋から出て行った。
「え~と、なになに?お、これはご丁寧に誰から賄賂を貰ったのか自分で記録してたようだな・・・・・。
おい、そこのお前だよ、そうそう、お前だ。これ、お前の部屋にあったものらしいぞ?
侍女に確認したらお前の字で間違いないって署名つきだ」
「ここにある書簡や竹簡は今までお前達が積み重ねた悪事の証拠だ」
「ど、何処でそれを!?」
「そ、それが俺達のものだと言う証拠は何処にある!!!」
「そんなの簡単じゃねぇか、全部お前らの子飼いの奴らから聞いたんだよ。まぁ、少々手荒な真似なきゃ駄目な奴もいたが・・・・。
殆どはあっさり話してくれたからな」
「そう言うわけだ・・・・・覚悟はいいか?俺の方はとっくにできてるからいつでもいいぞ」
「っく!!な、何をしている!!あいつらたった二人じゃないか!!我等はこれだけいるんだぞ?負けるはずもない!!」
「っそ、そうだ!!い、いくぞ!!!」
「「「「「「「ぉ、おぉ!!!!!!!」」」」」」」」
少し安心したよ・・・・流石に無抵抗な人間を手にかけるのは気が引けるからな。
さて、始めよう。
ここれが『呉将、北郷一刀』としての初めての仕事だ。
弓を構え、番えた矢を放つ。
その矢は向かってくる男の眉間を吸い込まれるように貫いた。
一人、二人・・・・・・。
俺が動くと同時に影も動く。
向かってくる男たちの間をすり抜けるように走りぬけるとその通った道筋が血によって書かれている。
部屋の中は怒声と悲鳴が入り混じる。
それを見て逃げようとするものは影が手配したんだろう。
黒尽くめの衣装を着た細作隊が音もなく切り伏せていた。
八人・・・・・九人・・・・・・・。
流石に弓だけでは大勢向かってくるものたちを相手にできるはずもなく・・・・・。
弓に張られている弦を武器を構える動作と共に外し切りかかってくる剣を石突の部分で受け、それと同時に相手を切り伏せる。
これは余談だが、今の一連の動作が俺の薙刀の特徴だ。
種がわかれば至極単純なもの。
攻撃を受けた反動を逃がさずにそのままの力で相手に返す。
難しく聞こえるかもしれないが原理は簡単なのだ。
割り箸でもストローでも、棒状のものであればなんでもいい。
その棒の中心に爪楊枝が通るより少し大きめの穴を開けてそこに爪楊枝を通す。
その通した爪楊枝を水平になるように持っている、そう想像をしてくれればいい。
爪楊枝が通っている棒は少し穴を大きめに開けてあるからくるくる回転するだろ?
片方を弾くと回転する。
強く弾けば弾くほど、弾いていない方も同じ勢いで回転する。
それと同じ動きをするのが俺の薙刀術の基本動作であり奥義でもある。
相手が強く攻撃してくればしてくるほど、それが受けた方向とは逆側から相手の身に返ってくる。
まぁ、少し考えればわかると思うが反撃が返ってくるまでに多少のタイムラグがある。
だから、ある程度の力を持つ人間には避けられるんだけどね。
それでも、当たりさえすれば相手の攻撃が強ければ強いほどその威力がそのまま相手に返る事になる。
まぁ、余りに強すぎれば俺自身の手首にその負担がかかる訳だけど・・・・・・。
って、誰に話しかけてるんだろうな・・・・。
もう何人切り伏せたかわからない。
100人近くいた者達は皆床に倒れている。
部屋の中は血と内臓から漏れ出る匂いで充満していた・・・・・・。
俺がやった事は罪を犯した者とは言え極刑と言う名の虐殺に過ぎないのかもしれない。
そう思うと言う事は正常な思考が戻ってきたと言う事・・・・・・。
「っっ!?ぅぷ!!・・・『ベチャッ』・・・・・・ハァハァ・・・・・」
「・・・・・・・皆、部屋の片づけを頼む。おい・・・・一刀様もういい・・・・・・・無理するな」
「影か・・・・ぅっ!?・・・・・すまん、ちょっと・・・駄目みたいだ・・・・・・・・・わる・・・・・・・・・い・・・・・・・・・・・・・・」
「気にせずに寝てろ。ってもう寝てるか・・・・・・・。おい!
俺は一刀様を世間知らずの嬢ちゃんの所で寝かせて来るからすまんが後を頼む。
あぁ、それとそいつ等の首は街の各門の外に並べておけ。何も知らずにやってくる豪族達にわかるようにな・・・・・」
「「「「「「「御意」」」」」」」
「さぁ、凌統様、気にせず行って下さい」
「我等北郷隊が責任持って全て片付けておきますので」
「すまんな。後は頼んだ・・・・・・、さて一刀様いきまっせ。
・・・・・・・最初はやれるのかと思ったが心配する必要はなかったようだし、戦闘中に吐かなかったのは褒めてやらねぇとな・・・・・・・。
おい、甘寧!!いるんだろ?愛しの一刀様を運ぶの手伝ったらどうだ?」
「誰が愛しの一刀様だ!!」
「声が大きい・・・・・・起きちまうだろうが」
「す、すまん・・・・・・」
「ほれ、手伝え。・・・・・・で、雪蓮様たちは何処まで来てるんだ?」
「・・・・・この先東、五里ほど行った所だ」
「そうか・・・・・。一刀様を任せていいか?」
「何故だ?」
「雪蓮様に報告すんだよ。甘寧なんぞに任せるのは癪だが俺は緊急時以外一刀様に触れちゃなんねぇって決まりがあんだよ。
お前がいるならもう緊急時じゃねぇしな」
「そうか・・・・・」
「って訳で俺は一足先に報告に行って来る。部屋の場所は・・・・・わかるな?」
「問題ない」
「それじゃ・・・・・・一刀様を頼んだぞ」
「任せろ・・・・・何があろうとこの身に代えてでも守ってみせる」
「・・・・・・じゃぁな」
「あぁ・・・・・・」
あとがきっぽいもの
今回はかなり難産だった気がしないでもない獅子丸です。
今日で遅れてきたGWも終わりです・・・・・。
休みをほぼ文字を書くのに使った気が・・・・・気のせい・・・・・なわけねーか・・・・・・orz
これを書いている現在AM6時55分。
アホデスネ・・・・・・・。
とまぁ、そんな事は置いといて。
今回の話ですが序盤以来書いていなかったシリアス系になってます。
といっても七乃さん辺りまではそうでもないとは思いますけどね。
っていうか七乃さんがいたらどうやってもシリアスには見えない!!
いや、書いてて楽しかったですけどw
策についての詳しい内容は次回になりますが、
皆さんもうお分かりですね?w
まぁ、それも七乃の予想を超えていたようです。
策とは言っても冥琳達のような正攻法の策?(と言うのも可笑しいですが)ではなく
奇策に分類されるものだと思います。
七乃も多分このタイプの策士だと思いますが一刀は七乃とは違ったベクトルの奇策を考え付いて
それを実行したある意味では馬鹿者ですw
まぁ、美羽だからこそそれが成功したんであって他の人間だとまず無理でしょうがw
物語の中盤以降・・・・・とうとう一刀は自らの意思で手を血で汚します。
戦ではなくここで。
雪蓮たちに任せても良かったのですが、それは前の話で一刀が言った言葉に反するので。
これ以上書くと無粋なので今回はこの辺にします。
あ、コメントの件ですが、
返信を呼んでくださる方の手間になる事まで思い至っていなかったので
今まで通りコメント欄に書きたいと思います。
ころころと変えてしまって申し訳ありませんでした。
それでは、今回はこの辺で。
次回も
生温い目でお読み頂ければ幸いです。
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第十九話
一刀の策?発動!!
さぁ、ずっこける用意をしといてください(ぁ
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