No.210991

恋姫無双 ~約束4~

駄作の第4話です。ではどうぞ

2011-04-10 09:47:54 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:7066   閲覧ユーザー数:5992

朝議が終わって、愛紗は城の中庭で1人悩んでいた。

 

愛紗は普段から、一刀を守るのは自分の使命と考えていたのに守れず、別れの姿を見るこ

 

とができず、更に星に万が一の時の命を下していたことに対して複雑な心境でいた。

 

「私も一緒にご主人様を探しに行きたい、しかし桃香様を置いて探しに行くことはできな

い・・」

 

と呟いたところ、そこに星が酒とメンマをぶら下げてやって来て、

 

「愛紗よ、こんなところにいたのか探したぞ、一杯やらぬか?」

 

と声を掛けたが、愛紗は今、そういう気分では無かったので

 

「いらぬ」

 

と言って立ち去ろうとしたが、先程の朝議の時の愛紗の様子に気が付いていた星が一言

 

「私たちと一緒にご主人様を探しに行きたいのではないか?」

 

と言われ、愛紗は正解を突かれ、無言で立ち尽くした。

 

星は立ち話するのも何だからと言われ、2人は近くの椅子に座り、お互い無言のまま酒を

 

酌み交わした。

 

すると星が

 

「愛紗よ、主が居なくなりお主も探しに行きたい気持ちはよく分かるが、悩んでいるのは

桃香様のことだろ?」

 

と言われると正に図星であったので、愛紗も逆に素直に

 

「ああそうだ、しかし私には桃香様を置いて立場上できない、お前がうらやましいよ」

 

と今の心境を呟いた。

そんな愛紗を見て、星は

 

「探しに行く私が言うのも何だが、愛紗よ、お前も自分の気持ちにもう少し素直になったらどうだ、今まで我儘を言ったことないのだから、一度桃香様に甘えてみろ、桃香様なら

お前と違って素直で正直な方だから、許可してくれるかもしれんぞ、でもそういうことを言うと朱里あたりが「はわわ~」と言って反対するかもしれないが」

 

と言っていると、星の背後から

 

「何が「はわわ~」何ですか~星さん」

 

と言うと星が後を向くと桃香と少し怒っている朱里が立っていた。

 

話を聞いていたのか、2人は席に座り会話に加わりと桃香が

 

「愛紗ちゃん、本当はご主人を探しに行きたいのでしょう?」

 

と言われると愛紗は

 

「行きたいですが、桃香様を置いて探しに行くようなことはできません」

 

とまたいつもの頑固さを発揮し、2人で

 

「行っていいのよ」、「行けません」

 

と問答を何度繰り返すと、桃香は心の中で

 

(もう~素直じゃあないのだから)

 

と呟きながら、笑顔で朱里に

 

「朱里ちゃん、王の命令に聞かない頑固な人に罰を与えないといけないけど、どうかな?」

と話を振ると、朱里も予め打ち合わせをしていたかのようにこれも笑顔で

 

「そうですね、王の命を聞かない場合は最悪死罪もありますが、今回は内容が内容ですから、参内停止くらいがよろしいかと」

 

と答えると、桃香は笑顔で愛紗に

 

「愛紗ちゃん、私の命を聞かなかったから、今から3か月間参内停止するね。ただしその間謹慎ではないから何をしてもいいから、ただしご主人を見つけた場合は参内停止中でも連れてきてよ、そうじゃあないと愛紗ちゃん、それに託けてご主人を独り占めしそうだから」

 

と言うと愛紗は笑顔に涙を浮かべながら

 

「ありがとうございます・・桃香様に朱里」

 

と頭を下げると桃香が

 

「罰を言っているのにお礼されちゃった、これはもう必ずお土産を持って帰って来て貰わないとね、朱里ちゃん」

 

朱里も笑顔で

 

「そうですね、必ずお土産を持って帰ってきて貰って、私たちにも分けていただかないと」

 

と言うと、横にいた星が

 

「ありがとうございます」

 

と言って頭を下げていた。

 

話が一段落すると桃香と朱里は、政務のため席を外し、再び星と愛紗の2人になると

 

愛紗が

 

「星、礼を言うぞ。僅か間しか手伝いはできんが、必ずその間にご主人様を探しだすぞ」

 

と言うと星も

「ああよろしく頼む、必ず主を探し出して、皆の期待に応えないとな」

 

と言うと星は愛紗に

 

「愛紗よ、お主がいる間、お主が大将になってくれ」

 

愛紗が

 

「それはどういう意味だ」

 

尋ねると、星がからかう様に

 

「お主が大将になって、私、翠、蒲公英で先陣を争い、先に主を見つけたら、キスをするつもりだ、だからお主は後で構えてくれ」

 

と言うと愛紗が顔を赤くして

 

「たった4人で先陣や大将もあるまい、私だってご主人様を見つけて・・、(小声で)キスをしたい」

 

と言うと更に星が笑いながら追い打ちを駆けるように

 

「最後の方が聞こえんな~」

 

と言うと愛紗は

 

「星~」

 

と言いながら追いかけ回すのであった。

 

 

 


 
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