No.207334

恋姫無双 ~天が地に還るまで~二章 凪編

くらのさん

毎度おなじみー。くらのです。お久しぶりです。さて、今回は凪の心を書いてみました。暗いです。コメント、もらえると「ヒャッハー」って日常的に使ってる言葉(事実)をコメント欄に乗せちゃいます。では、けろりとお楽しみください。

2011-03-21 03:26:33 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:6942   閲覧ユーザー数:5477

分からない。隊長がいない? そんなことがあるはずがない。だって隊長は嘘をつかない。だから、ここ最近、顔をださないのはつかれたからなんだ。隊長は私たちみたいに体力がないのだから。

きっといる。大方、部屋で寝ているのだろう。

「隊長?」

 部屋にいない。ということは中庭なんだろうか。

「凪ちゃん」

「凪」

「ああ、真桜、沙和。隊長がいないんだ。一緒に探してくれ」

 私の誘いに何故か、沙和と真桜は辛そうな顔をした。一体どうしたんだというんだ?

「わ、悪いな。凪。うちこれから用事があるから手伝えんわ」

「わ、私もなの……」

 ああ、手伝えないことを悪く思っているのか。

「いや、気にしなくていい。隊長のことだ。また、どこかで油を売っているに違いない」

 そうに決まっている。ったく、いつもいつもあの人は。真桜、沙和? どうしてそんな泣きそうな顔をするんだ?

 

中庭には居なかった。食堂にも。隊長のお気に入りのお店も。どこにも居なかった。

どこにも。

 ふと、私の心に何か違和感を感じた。

居ない? 隊長が? どこにも? どこに居ない? この町? この国? ……この世界?

「隊長がいない……」

ああ、認めたくない。認めたくないけど。居ないんだ。隊長は。帰ったんだ。自分達を置いて。

そのとき、また疑問が浮かんだ? どうして? 何で隊長は帰った? 自ら帰った? だとしたらどうして? 何か嫌だった? 

華琳様と喧嘩した? そんなはずがない。隊長がそんなことで居なくなるはずがない。じゃあ、何が? 

「私……?」

 もしかしたら隊長は自分が居たからこの世界から居なくなったんじゃないだろうか。考えてみればそうだ。

いつもいつも隊長に注意ばかりをしている自分が居たからきっと隊長はこの世界が嫌になったんだ。

沙和のように可愛くもない。真桜のように何かが作れるわけでもない。霞様たちのように武があるわけでもない。

桂花様達の様に知があるわけでもない。そんな自分が『天の御使い』である隊長に文句や注意を言ったからなんだ。

皆からの笑顔を奪ったのは自分なんだ。街の子ども達がつまんなさそうにするのも。商いの人達が警備の人達を見るたびに一瞬、誰かを探すようにして、悲しそうに俯くのも。

真桜が何も作らないで外を眺めるのも。

沙和がお洒落をしたとき、誰かを探す様子をして、ため息をつくのも。

流琉様が台所で『はんばーぐ』を作って泣いているのも。

季衣様が時折、中庭を見て悲しそうにするのも。

霞様がふらりと出かけて一週間も戻ってこないで、戻ったときに悲しそうな顔をするのも。

風様が寝ているとき、ふと目を開けたとき悲しそうにするのも。

稟様が時折、空を見上げて重くため息を吐くのも。

桂花様が懸命に、まるで何か気づいてはいけないことを意識しまいと穴を掘っているのも。

春蘭様が何かを吹っ切るように剣を振り続けるのも。

秋蘭様が懸命に仕事をしているのも。

そして、華琳様が無理に笑っているのも。

全部……私が悪いんだ。隊長、帰ってきてください。もう二度と文句も注意も言いませんから。早く、帰ってきてください。そしたら私は居なくなりますから。

隊長が帰ってきてくださるならこの命、捨てますから。だから、早く帰ってきてください。

天にそう願うけど、空は青いままで。

 

はい、遅筆で有名くらのです。皆さん地震大丈夫でしたか? 自分はぎりぎり実家に帰っていたので大丈夫でしたが……。自分に出来ることは大変少ないです。出来て、募金や節電をすることぐらいです。そして、こうして小説を書くことくらいで。暗いお話ですが。

東北のいちはやい復興と、被災者の方々の平穏が戻ることを願っております。

 さて、先ほど書いたとおり暗いです。このお話。けれど、凪だとこういう思いを抱きそうな気がしたのです。なので、凪の心を。

もう、二,三人ほど書く予定です。その方々も基本は後悔をする暗いお話になりそうです。ですが、最後はハッピーエンド予定です。

皆が良かった。って思えるようにするのでよろしくお願いします。コメントなどをしていただきますと嬉しいのでよろしくお願いします。

それでは See you the again!

 


 
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