No.196507

大事なこと

リンさん

今日私の住んでいるところは雪がものすごく降りましたww車は渋滞。信号かわるごとに、一スペースぶんの距離しか進まない状態w30センチくらいは積もったかなぁ?

2011-01-17 21:59:20 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:714   閲覧ユーザー数:658

 

 

「大事なこと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は、臨也と帝人の二人でスキーに来ていた。

 

帝人はスキーをしたことがない

 

ほんとはスキーになんて寒くて行きたくなかったのだが、臨也が

 

無理やり誘うものだから仕方なく来てしまったのだ

 

「臨也さん、僕スキーなんてやったことないんですけど・・・」

 

帝人はツーンとした表情ですべる準備をしている臨也に言った

 

「えー?大丈夫だって。意外に簡単だよ?それに俺が手とり足とり教えてあげてあげるから平気だよ」

 

臨也はそう言ってるのだが、とても不安だ。

 

それに何か今日はいやな予感が頭の中を横切って行った

 

が、それは気にしないでおこうと帝人は思った

 

「さてと、じゃあまずゆっくり滑ってみよっか。・・・・うん、それぐらい。なんだ、うまいじゃない!」

 

「うぅう・・で、でも、なんだか・・難しい、です」

 

「最初からそんなにうまくできるなんてすごいよ!さすが俺の帝人君」

 

「俺の、は余計ですよ。それに僕はあなたのものになった覚えないですけど・・」

 

いつもと変わらず、ツーンとした表情。

 

これもいつものこと。

 

練習している間にお昼になり、フードコートで昼食をとっていた

 

数分後、昼食を食べ終わり、山の上から滑ることにした。

 

「け、結構風強いですね・・っ」

 

「そうだね。吹雪になる前に早めに滑っちゃおっか。吹雪になったら大変だよ。」

 

臨也はそういい、山の上から滑り始めた

 

帝人はまだそんなに慣れていないので、少しずつ少しずつ滑って行く。

 

そして、滑っている途中でこけてしまう

 

「ふあっっ、・・・・いったぁ・・っ」

 

「だ、大丈夫?帝人君」

 

帝人は臨也に手を借り立ち上がる

 

「だ、大丈夫、ですぅ・・っそ、それにしても、風、強くなってませんか・・?少しふぶいてきましたし・・・・。」

 

「だね。これは、ほんとに急がないとやばいよ。まだ、さっきのフードコートまで戻るのに30分はかかる。ふぶいてくる前に山を降りなきゃ。急ごう、帝人君」

 

「は、はい・・っ」

 

臨也は帝人のペースに合わせながらも、少しずつ山を滑って行く

 

だが、このペースでいくと滑り下りる前にふぶいてきてしまうだろう

 

そして、滑り始めて15分後山はふぶき始めた

 

見るあたり、真っ白で何も見えない状態だ

 

このままでは、はぐれてしまうと思い帝人に声をかけた

 

「ねぇ、帝人君。このままじゃ、はぐれちゃうからしっかり、そばにいて・・・帝人君・・・?」

 

周りを見渡したが、そこには臨也以外に誰もいなかった

 

「み、帝人君っっ!!?」

 

視界が悪く、帝人は臨也を見失ってしまったのだ

 

視界の悪い吹雪の中臨也は帝人の名前を呼び続ける

 

帝人は必死に臨也を探していた

 

「臨也さーん・・っ・・・・ど、どうし、よ・・・」

 

おろおろとしながらも、臨也を探す。

 

だが、人影すら見当たらない

 

そして、風に押されて転んでしまう

 

「っっ!・・・・ぁ・・・いった・・っっ」

 

吹雪と雪の中なのでうまく動けない。

 

そして、立ち上がろうとしたとき足に痛みが一気に押し寄せてきた

 

「くっっっっ!ぅ・・・っ」

 

転んだときに足をくじいてしまったのだ

 

「っ・・い、ざやさ・・ぁ・・・・ひっく、ぐす・・っ」

 

涙を流しても、臨也はそこにはいない

 

そして、動けないまま冷たい雪、吹雪の中で30分たった

 

帝人は意識がもうろうとしている

 

(どうしよ、う・・・。なんだか、眠くなってきた・・っ・・・だめだ!寝ちゃ・・ダメ・・・なのに・・眠、い・・・・・僕このまま死んじゃうのかな?・・・まだ、大事な人に伝えてないことある、のにな。せめてその言葉を伝えたかった・・・な・・・ぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

そのまま、帝人の瞼は静かに閉じていった

 

(あぁ、寒いなぁ・・・・・・・・・・・・・・。)

 

「・・・・ど・・・・・ん・・・・・みか・・・・くん・・・っ」

 

どこからか、声が聞こえた。

 

聞き覚えのある声だった

 

毎日のように聞いている声

 

大好きな人の声

 

(あ・・・れ・・?誰の声・・・・だっけ・・・・・?・・知ってる・・・・この声は・・・っ・・・・・・・・・・・・)

 

「帝人君っっ!しっかりして!寝ちゃダメっっ!!帝人君!」

 

帝人に聞こえるほど大きな声で名前を呼ぶ。

 

「・・・・い、ざ・・・や・・・・・・さん・・・っ・・・?」

 

少しずつ眼を開けていく。

 

そこには、大好きな人の顔。見たことのある顔

 

「よかった、帝人君っ!ほんとによかった、見つかったよかったっ。早くここから降りよう。って、帝人君っ!?ちょ、寝ちゃだめだよっっ!ダメ・・起きて!」

 

またもや、帝人は瞼を落としていく

 

これでは下に降りきる前に帝人の命が危ない。

 

どうすればいいか、考えた

 

そこで周りを見渡す。

 

そして、近くに、家の影のようなものが見えた

 

「・・・家・・・?もしかして・・っ確かあそこには、暖炉とか食料があるはず・・っ・・・!」

 

そう思い、臨也は帝人を背負い家へと歩く

 

そして、ドアを開けて中に入る

 

思った通り、暖炉もあり食料も置いてあったのだ

 

ここは雪山などで遭難した人のための家である。

 

そこで、臨也は木を暖炉に入れて火をつける

 

帝人をなるべく暖炉の近くに連れていく

 

体は臨也も冷たかったが、帝人も冷たかった

 

温かい暖炉で冷えた体を温める。

 

(・・・なんだろう・・・とてもあたたかい・・っ)

 

閉じていた瞼が少しずつ開いていく

 

「み、帝人君!!」

 

「ん・・・いざ、やさん・・っ・・・」

 

「よかったよかったよかったっ・・目が覚めてよかったよ・・っ」

 

「ここは・・・?」

 

臨也の力を借りながら少しずつ起き上がる。そして、臨也の膝の上に座る

 

「っっ・・!」

 

「あぁ、大丈夫?足・・。」

 

「は・・い・・っ」

 

部屋はだいぶ暖まってきていた

 

2人の体もだいぶ元の体温に戻りつつあった

 

「吹雪・・止みそうにないね・・・。朝にならないと止まないかな?」

 

「・・・・・そう、ですね。」

 

そして臨也は毛布を取り出してきて帝人が寒くないかきずかいながら、

 

2人はその家で一晩を過ごした

 

 

 

朝になり、臨也はドアを開けて外の調子を見る

 

外は昨日吹雪だったとは思えないほど青々としていた

 

「ねぇ、帝人君!見てよ、すごく晴れてるよ!」

 

その声に帝人は目を覚ました

 

「んん・・・・うわぁ、ほんとだぁ・・よかった、これで下まで降りれますね!」

 

「だねwでも、その前に朝ご飯食べよっか。あと、暖炉の火もつけなおさなきゃいけないね」

 

「はいw」

 

 

朝食を食べた後、暖炉の火を消し、帝人は足をけがしているので

 

臨也の力を借りながら、雪山を降りた

 

その後、帝人は救急室で足を見てもらい、臨也と2人で池袋へと帰った

 

「なんだかんだ、たのしかったよねー。帝人君、足大丈夫?結構ひねったんでしょ?」

 

「は、はい・・あはは。」

 

(僕・・・あの時、大事な人に伝えたいことがあるのにっておもったんだけどなぁ。誰になんて伝えたかったのだろうか・・。・・・・・・・・・・・)

 

帝人はあの雪の中の出のことを思い出す

 

そこで、よくわかった。自分が誰になんて伝えたかったのかが。

 

(そうか・・・僕は、臨也さんのことが―――)

 

「どうしたの?帝人君、ボーっとしちゃってさ」

 

 

 

 

 

「臨也さん・・・・・僕、臨也さんのことが

 

 

 

 

 

 

                 大 好 き で す 。 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~終わり~

 

 


 
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