No.195929

デペイズマン・シード 5th season①

はい、お久しぶりです。まさかのpomera購入。初入力がこのシリーズというキン○ジム涙目。というわけでとうとう予定していたエピソードも最終章。途中から一体どの辺がコラボ要素があったやら(主に4の暴走が原因だと想われ)それでもこのエピソードの為には双方の面通しをしておかなきゃならなかったんだというわけで。デペイズマン・シード第5シーズン、開幕です。

2011-01-14 21:27:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2080   閲覧ユーザー数:2009

 

ポストペットというものがある。

メールの送受信のプログラムにキャラクター性を持たせたいわば「おもちゃ」だが、そこに疑似人格的なものが搭載されていたことも、ひとつのきっかけだったと思われる。

その世界では機会に人格を持たせることも比較的当たり前であり、同時に一般の人間には憧れでもあった。

だから正直発生した世界よりも広まり、開発が進んだ、ということなのだろう。

次元世界ミッドチルダ。

そこでは現在、AIポストペットが流行していた。

勿論、インテリジェントデバイスという程の技術は使われていない。97管理外世界でいう育成ゲーム程度の内容でしかなかったが、それでも職業の最高峰が「魔導師」であるこの世界にあって、その象徴ともいうべきインテリジェントデバイスを思わせるつくりは、子供を中心にした層で広まっていた。

だが、子供が中心であるということも一つの要因か。

ぽつぽつと、エラーが報告されるようになった。

ペットのデザインは実在だったりそうじゃなかったりする動物をディフォルメしたり、カラーリングしたりしているのだが、開発で一切作っていないデザインのものが「レア」キャラクターとして出回っていたのである。

果たして、誰かが作った非公式のパッチだろうとスタッフは当時、あまり気にしていなかった。

機能的にはトラブルもなかったし、不当な改造に対しては補償をしていないと明言していた故の放置だったが、それが後々どんなトラブルを産むかなど、当然想像していなかったに違いない。

どだい、何か対処ができたとは考えにくいだろうが。

 

「れあ」ペットは、むらさき色の半球型に大きな一つの目の奇妙ともいえる不思議なデザインのそれ。

子供らはくらげといっていたが、「それ」を知るものがその世界にいなかったのはミッドチルダにとって不運だったのか、それとも。

 

物語が動くのは、そんな背景から1ヶ月後ほど。

とある少女が、自分のいとこに、こんなのがはやってるんやで、と自分が持っていたその「くらげ」の映像をコピーし、別の世界の別のパソコンから、定期連絡の近況報告をしたことに始まる。

 

 

 1

 

その場所には非常にバラエティに富んだ少年少女が集まっていた。

総勢13名。かつての英国の英雄が預かる騎士団の人数というのは単なる偶然だが、奇妙な一致でもあった。

だがそれを構成するのは、スポーツ系、文系、ビジュアル系、理数系、アイドル系。

非常にバラバラな組み合わせで、その集合場所が休日の団地、本来立ち入り禁止とされている屋上ということも、その彼らの中心におかれたのがノートPC というのも、異様さには拍車をかけていたが、彼らは例外なく、全員が真剣だった。度合いはともかく。

 

「これが、流行ってるの?」

 

ぽつりとつぶやいたのは空だった。ある意味でこの場にいた人間全員の心情を代弁していた言っていいだろう。

実際、誰もがそれを疑問に想っていた。

 

「太一さんのいとこであるはやてさんの性格からすれば、わざわざこんな悪趣味な冗談は言わないでしょうね」

「っていうよか、あいつは例の事件の間丁度検査入院をしてたから、"知らない"だろうな。

大々的に報道されたわけじゃないし」

 

いとことして太一もフォローをいれる。補強するように、妹が首肯をしめすのが大輔の萌えポイントをつく。別に彼のためにしているわけではないが。

 

「これ、異世界からのメールなんですよね?」

 

伊織が改めて確認するように問いかけると、えぇとここにメンバーを召集した・・・・・・太一とひかりの八神兄妹に怒鳴り込まれ、結局そうせざるを得なかったのだが・・・・・・光子郎は大きくうなづいた。

 

「まだ記憶に新しい、デジタルワールドを荒しに来た組織の本部がある世界、です」

「光子郎・・・・・・気持ちは分かるのだけれど、あまり本音を投げないで。今はそこが本質じゃないだろう?」

 

前回、まさにその話題故でブチ切れた遍歴があっただけに、フォローする丈の口振りは些か哀願をはらんでいた。

他の面々もその経過は肌で感じていたので同感だったが、考えてみれば普段冷静な彼がここまで1組織に対して嫌悪感をだだ漏れさせているのか、非常に奇妙な光景といってもいいだろう。

もっとも、どうしたんだと聞く度胸のある人間は一人もいないが。

 

「それにしてもなんでコイツが」

 

話題を変えるように画面を指で軽くはじいたのは大輔だ。

別の意味で度胸の持ち主といえるが、その場全員の感想としては立派な代表発言だった。

 

「前のDW襲撃の時に持っていったのかしら?」

「それってつまり自爆じゃないですかぁ」

「それもそうですね」

 

ミミが首を傾げ、京が笑い、賢が同意する。見事なコラボレイトの流れの中、確かにという空気が場を支配するが、これで放っておけたら彼らはもとよりここに集まっていない。

 

「問題は連中がこいつのデジタマをたまたまもっていけたのか、だとしたらこの現状は意図的な流出なのかそれも。とか、逆に過去の奴のをモデルにした単なるコピーAIなのか、それとも前回の戦いで生きながらえた奴なのか。どういう意味での存在なのかということ。それ1つで事情が変わる」

 

あげる可能性に際限はない。

どれもこれもありそうで、ありえないとしか思えない。ただ確かな感想が許されるのだとすれば、それはこいつがしつこくねちっこいという問題資質だけだ。

ヤマトがめんどくさそうに並べたそれらに、弟が首を傾げた。

 

「でも"これ”ならデータを食うはずだよね?しかも相当どん欲に」

「そういえば当初から手当たり次第だったって聞いてたけど」

 

今度は妹さまもかつての記憶をたどる。

だがそんな真似をすれば流行るはずがないのも事実だ。

 

「じゃぁやっぱり偽物?」

「確かめる手段は、ないこともないでっすよ」

「京ちゃん?」

「いやな予感しかしないけど、なにかな?」

「そりゃぁ勿論」

 

ラブレターを送るんですよ♪

かつてつっこみどころ満載のド派手な挑戦状を叩きつけた情報班の少女は、それはそれは楽しそうに指を鳴らしてそんな提案を投げつけた。

 

 

 

 

======

今更ですが「逆襲」も踏まえて物語が進んでいます

あの話で最たる問題は太一たちの名前よりもなによりも京ちゃんのアレだと想うわけで。

というわけで

「デペイズマン・シード」ラストステージおつきあいしていただければ。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択