No.194400

心・恋姫†無双 第二十六話

南風さん

明けまして、おめでとうございます。今年も何卒よろしくお願いします。・・・・・というわけで、TINAMIよ私は帰って来た!!って2度目の反省。そして、急に個人的な話になりますが、社会に出ながら執筆活動していらっしゃる方々は本当に凄いと思います。私はちなみに無理でした。その結果がこの度の投稿になるのですが・・・・・もう単純に終わらせたくないという意地です。かなりつまらない意地ですが、これからもとてつもなく長い目で見てください。何だかんだで2年かかってます。本当にすみません。

では、本作品は二次創作です。キャラ崩壊や原作重視な片は申し訳足ません。また、駄文ですので誤字・脱字があるかもしれません。よろしくおねがいします。

長いこと間隔があきましたが、改めて今月中に設定を載せた投稿をしたいと思います。といっても、まだまだ仕事が忙しいので本当に月末の投稿となるとは思いますが・・・・・これからもよろしくお願いします。

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2011-01-06 21:31:03 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:9481   閲覧ユーザー数:7002

心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第二十六話 ~劉備の乱 集いしもの~

 

―劉備軍本隊―

 

「「鈴々ちゃん!!!!!」」

 

絶望の声がこだまする。

 

弾き飛ばされた張飛はなすすべなく橋板に激突し、体を二転、三転とまるで蹴飛ばされた小石のように跳ねる。

 

張飛将軍が負けた。

 

その事実は一瞬にして兵達の士気を下げ、恐怖を増幅させた。

 

「お、おい・・・・・・。」

 

「かないっこないって・・・・・・。」

 

「俺達が間違ってたんだよ・・・・・・。」

 

ざわめきが大きくなっていく。

 

劉備は張飛の傍に駆け寄り、周りが見えていない。

 

諸葛亮は兵を落ち着かせようと声をあげてるが、この状況で彼女の声に耳をかす兵はいない。

 

劉備軍は一瞬にして混乱状態に陥る。

 

「全兵撤退!!後退します!!」

 

この機を逃すまいと恵雨が兵に指示を出す。

 

そして、恵雨は立っていた橋に槍を突き立てる。

 

「劉玄徳!!諸葛孔明!!」

 

「「!?」」

 

「今回は自分達の勝利とします!!また自分達と戦い、己の愚行を深めたいと思うのであれば、この先でお待ちしております!!・・・・・・では!!!!!」

 

突き刺した槍を恵雨が引き抜くと、橋が音を立て始める。

 

諸葛亮は兵に橋から避難するように指示をだす。

 

そして、兵が橋からいなくなった瞬間に、橋は轟音と共に崩れ去っていった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・負けです・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

未だ張飛によりそう劉備の背中、そして撤退する北郷軍の背中を見ながら・・・・・。

 

諸葛亮は唇を噛締めた。

 

 

 

 

 

一方、別働隊

 

一進一退の攻防・・・・・では無かった。

 

互いが互いに様子を見ているだけ。

 

そう、これは軍師の戦であった。

 

どちらかが何かしらの兵を動かせば、動かす。

 

その兵の動き、配置、それはまるで盤上の駒を動かしているかのよう。

 

何も知らないものから見れば、何を遊んでいるのかと笑うかもしれない動き。

 

しかし、その動きが相手にとっての必殺の一手であり、読み違え攻撃でもしようものなら確実に返り討ちになる。

 

関に篭る土竜と、空舞う鳳雛による先の読み合い。

 

それを見守るのは、空翔る龍と地平の彼方にいる大地の包容力をもった天。

 

この戦いの結果を握るのは、信頼と絆。

 

「まだです。まだ、時間をかせがないと。」

 

「・・・・・・おかしいですね。策の読み合いなら負ける気は無いですが・・・・・これは明らかに何か・・・・・・変ですね。・・・・・・・・・・仕掛けますか?いや、兵数で劣る涙たちがそれを行うのは命取り・・・・・・さて、どうしましょうね~。」

 

涙の不安は増すばかり。

 

 

 

「姜維将軍!!」

「どうしました?」

「梁緒将軍は予定どおり、関に篭城中とのこと!!」

「わかりました。自分達も本隊と合流後、関に篭城します。」

「はっ!!」

 

かろうじて出鼻を挫くことができました・・・・・・。

 

しかし、戦はまだはじまったばかりです・・・・・・。

 

それまでは・・・・・・。

 

一時的とは言え劉備軍を迎撃に成功した北郷軍。

 

安堵と不安が入り混じりながらも・・・・・長い一日が終わりをつげる。

 

 

 

―劉備軍本隊 陣中―

「桃香さま・・・・・。」

未だ眠りから覚めぬ末妹の傍を離れない劉備。

「・・・・・・ごめんね。私がこんなんじゃいけないことはわかってるのに・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・ご提案があります。」

「・・・・・・うん。」

 

諸葛亮の口から静かに策が紡がれる。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

「今の私達が勝つにはこれしかありません。」

「・・・・・・・・・・うん。もう、それしかないよね・・・・・今更戸惑っても仕方ないもんね。」

「雛里ちゃんも同じ事を考えているはずですから。」

「わかった。人選お願いしていい?」

「御意。」

「鈴々ちゃんが起きたら私から言うよ。」

「・・・・・・・・ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

そして、三日がたった。

関に篭る恵雨と涙は、場所は違えど同じ不安にかられていた。

三日間、散発的な攻撃はあったが、どこか違和感があった。

しかし、違和感を調べようと関を出ようものなら、数の差で負けるのは眼に見えている。

地の利を利用した正直に言えば時間稼ぎ・・・・・・綱渡りをしているのには違いが無い。

今までは、不意をついていたからこそ辛うじて迎撃できている。

ただ、それだけなのだ。

 

 

 

―対別働隊 梁緒隊―

「むぅ~。」

今日も朝から関の上から、道の彼方を見つめる。

 

涙たちからしてみれば、予定どおりなんですが~。

 

むぅ~、これはもしかして・・・・・もしかしなくても・・・・・・嫌まさかそんな無茶をしてまで・・・・・・・・・・今の劉備軍なら無いとは言い切れないのが・・・・・・・怖いですね~。

 

「梁緒将軍!!」

 

「何ですか~?」

 

「こ、後方から砂塵です!!」

 

「っ!!」

 

やられましたねぇ、まさかこんなにもはやく地の利を失うことになろうとは・・・・・

 

「・・・・・・まさか・・・・・・。」

伝令の報告から導き出される一つの答え。

 

「全兵に通達です!!関を放棄して急ぎ後方の敵を壊滅させ、白帝城に向かうのです!!」

 

「し、しかし、それでは、へ、兵が・・・・・・。」

 

「わかっているのです!!ですが、それではお城にいる民を見殺しにすることになるのですよ!!」

 

その言葉に青ざめていた伝令の顔がさらに青ざめていく。

 

「は、はいっ!!急ぎ伝えます!!」

 

「で、伝令!!」

行き違いに別の伝令が走ってくる。

 

「今度は何ですか!?」

 

「前方より砂塵!!また「趙」の旗を確認!!」

 

「逃がす気はないようですね・・・・・・・・・・・・鳳の旗は?」

 

「そ、それが・・・・・見当たりません。」

 

そうですか・・・・・そういう事ですか・・・・・・・・・・。

 

「すみませんが~。」

 

「はい。」

 

「皆さんに新しく伝令を・・・・・・。」

 

「はい。」

 

「ここを死地とします。涙達が見るのは後方の敵のみ。何が何でも民を守るのですよ。それが、北郷軍にいる涙たちの役目なのです。」

北郷軍・・・・・理想を掲げ、理想に命をかける、愚かで、強い心をもった者達の軍。

 

「はいっ!!」

 

その言葉が伝えられるや否や兵の一人一人が覚悟をもった顔をしていく。

 

そして、静かに関が開いていく。

 

「皆さん、行きますよ!!」

 

「おおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

ここに一つの激戦が始まる。

 

 

 

 

 

―対本隊 姜維隊―

「敵軍来ます!!」

「わかりました。迎撃準備!!」

「御意!!」

 

今日も来ましたか。まだ、まだ少し足りません。もう少しだけ時間をかせげれば・・・・・・。

 

「姜維将軍!!」

 

「どうかしましたか!?」

 

「あ、あれを!!」

 

「っ!!」

 

その光景はありえないものだった。

 

いや、あってはならないはずのものだった。

 

「な・・・・・・あの方角は・・・・・・・・・・・・まさか!!!!!」

 

そう・・・・・

 

それは・・・・・・

 

絶望への一歩・・・・・・。

 

 

 

 

 

どす黒い煙の塊が・・・・・・・・白帝城からあがっていた。

 

 

 

 

 

そして、その煙は決死の涙の隊からも確認できた。

 

「梁緒将軍!!」

 

そして、涙が煙に気をとられた一瞬。

 

涙の馬に矢が刺さり、涙が落馬してしまう。

 

無様に地面を二転三転する。

 

兵達の間に動揺がはしるが・・・・・

 

「前を向くのです!!あの煙が見えないのですか!!」

 

痛みに対する言葉をもらすより先に、兵達に激をとばす。

 

「御意!!しかしながら将軍も大切な存在です!!」

 

数名の兵が涙を囲み、辺りを警戒する。

 

「急ぐのですよ!!」

 

「しかしながら、将軍にもしもの事がありましたら私達は北郷様に顔向けできません!」

「そのとおりです!」

「動けますか?馬には?」

 

「・・・・・大丈夫なのです。動けるのですよ~。」

 

「おいっ!はやく将軍に馬を!!」

「御意っ!」

 

「皆さん、お馬鹿なのですよぉ・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

「まったくだ。だが、嫌いではない。」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・おやおや、これはこれは・・・・・・絶体絶命というやつですかぁ。」

 

「・・・・・あぁ。そうだな。」

 

一本の槍を手に・・・・・

 

「・・・・・見逃してくれますかぁ?」

 

一人の武将が・・・・・

 

「無理な話だ。我らとて、負けられぬ・・・・・・・・・・・。」

 

獲物を狙う。

 

「ですよねぇ。では、窮鼠猫を噛みましょうか・・・・・・・。」

 

「やれるものなら・・・・・・しかし、残念だが私は龍だ。猫より手強いぞ?」

 

趙子龍の槍が放たれる。

 

 

 

――姜維隊――

「全兵に通達!半分は関で敵を迎撃!!もう半分は自分と一緒に白帝城に向かいます!!」

「御意!!」

民に何かあってはいけません!!あの人の悲しむ顔は見たくありません!!

 

「で、伝令―!!」

「なんですか!?」

「・・・・・・・・梁緒隊、劉備軍の挟撃を受け・・・・・壊滅状態。将軍は生死不明とのこと。」

「・・・・・・・・わかりました。何としても自分達だけでも民の下へ・・・・・・・これは厳命です。」

「・・・・・・御意っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・悲しむ暇はありません・・・・・今は、民の下へ・・・・・・今・・・だけは・・・・・・・・!!!!

 

 

 

 

 

しかし、伝令には一つの誤りがあった。

 

確かに隊は壊滅状態・・・・・だが、涙は・・・・・・

 

――梁緒隊――

 

趙雲の槍さばきは正に一撃必倒。

 

涙を守ろうとする兵は一人、一人となすすべなく地面へ倒れていく。

 

そして、槍先が涙へと向けられたその瞬間だった。

 

「っ!!」

 

僅かだが、確実に殺気を感じた。

 

とても鋭く、凄まじい殺気。

 

体が強張り歩みが止まってしまう。

 

だが、それがかえって趙雲の命を救う結果となった。

 

ヒュン!!

 

「な、なんだこれは。」

 

冷や汗が頬つたう。

 

それも、そうだろう。

 

体が強張った瞬間、

 

何の音も無く、

 

何の前触れも無く、

 

無数の矢が目の前に降って来たのだから。

 

 

 

「あらあら、おしかったわね。」

 

 

 

「・・・・・お主、なにものだ。」

 

 

 

背後から聞こえる、殺気の主に槍を向けなおす。

 

 

 

「私?ただの母親よ。」

 

 

 

「ふん。そんな鋭い殺気を撒き散らしておいて母親とは・・・・・笑えぬ冗談だ。」

 

 

 

「私は本気よ・・・・・・趙子龍、あなたに質問があります。」

 

 

 

「名を名乗れ。」

 

 

 

「・・・・・・・反乱軍所属・・・・・・・。」

 

 

 

そう、彼女は反乱軍で最強の弓使い。

 

 

 

 

 

              「・・・・・・・黄漢升・・・・・・・娘を知りませんか?」

 

 

 

 

 

「紫苑さん・・・・・・。」

 

「涙ちゃん、よく頑張ったわ。あと、もう少しだから。」

 

「そういうことでしょうね~。ではでは、涙は涙の仕事をしましょうか。」

 

「えぇ、お願いね。」

 

趙雲を気にせず、兵に指示をだそうと動き出す涙。

 

しかし、趙雲はそれに目もくれなかった。

 

いや、目もくれられないのだ・・・・・・一瞬でも気をゆるめたら死ぬ。

 

「さて、じゃあ質問に答えてください。」

 

「・・・・・・くくくく。」

 

「何が可笑しいのかしら?」

 

「武人の口を開かせたければ何とする。」

 

「そう、そういうこと。」

 

「そういうことだ。いざ、参る!!」

 

「では、私も参りましょう。」

 

 

 

 

 

――姜維隊――

「な、何故・・・・・・彼のものが我々の手助けを?」

「わかりません。わかりませんが・・・・・自分達は彼女を信じるしかありません。」

恵雨は急ぎ全兵をつれ、白帝城へ向かっていた。

 

何故、全兵を連れて行けたのか?

 

答えは簡単。

 

 

 

「何故、我らに仇をなすのですか!!」

 

劉備に関攻めを任された将が声を荒げる。

 

それも、そうだろう。

 

つい先ほどのことだ。

 

関を攻めていると、突如門が開いた。

 

しめたっ!!

 

そう判断し、突撃の命をだす。

 

しかし、

 

ドゴォォォォォン!!!!!

 

関へ向かっていった味方の兵は、轟音と共に宙に舞う。

 

なにごとかっ!?

 

土煙が舞い上がる。

 

そして、土煙にわずかにだが影が映し出される。

 

矢を放てっ!!

 

その瞬間を見逃さないこの将は正直言って優秀だ。

 

轟音には驚いたが、冷静に攻めの命をだせるのだから。

 

しかし、どんなに優秀だろうと、どんなに強くとも、意味が無い。

 

そう、彼女の前では・・・・・・

 

ブオォン!

 

影が得物をふるったのだろう、

 

風切る音と共に、土煙は霧散し、矢は天高く舞い上がる。

 

そして、影の主の姿があらわになった時、兵に動揺が走った。

 

 

 

「くそっ!!裏切ったのか!!答えよ!!」

 

 

 

 

 

                  「呂奉先!!!!!」

 

 

 

 

 

「違う・・・・・桃香の、目を覚ませにきた。」

 

「だから・・・・・。」

 

恋は静かに方天画戟を構える。

 

「ここは通さない。」

 

その姿、正に鬼神。

――白帝城――

確かに、城からはどす黒い煙が上がっていた。

 

しかし、それは民が異変を知らせるべく、持ってきた家財などを焼いたためだ。

 

だから、白帝城は無傷。

 

そして、白帝城を陥落させるべく劉備本隊がやってくる。

 

しかし、白帝城を守るのは猛将と最速。

 

「来たか。」

 

「・・・・・・。」

 

「では、私が正面。お前が裏門だ、良いな?」

 

「(コクッ)」

 

「なら、我が主の名にかけて、我が武にかけて、全力で相手をしよう。」

 

「・・・・・油断しちゃ駄目。」

 

「わかっている。なんせ、私は生まれ変わったのだからな!!」

 

「・・・・・・・心配。」

 

「大丈夫だと言っているだろう。さっさと行け純!!」

 

「違う。」

 

「何が違うのだ。」

 

「華雄の相手をする・・・・・桃香が心配。」

 

「ふん、ちゃんと手加減するわ!!」

 

「・・・・・・頑張って。」

 

「純もな。」

 

・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・。

 

・・・・・。

 

 

 

「よく、来た。我が友、劉備軍の将兵達よ!!」

 

「我が名は華雄!!我が主を救ってくれた恩人の目を覚まさせるため、今一度、お主達の敵となろう!!さぁ、我が武を恐れぬならかかってこい!!」

 

 

 

猛将が、今立ちはだかる。

 

 

予告

私が間違っていたのか

 

私が悪いのか

 

私に・・・・・もっと強い意志があったなら・・・・・・・・・・

 

私に・・・・・北郷さんの様な・・・・・・強い心があったなら・・・・・・・・・

 

私は・・・・・・・

 

次回 心・恋姫†無双 ~大陸動乱偏~

第二十七話 「劉備の乱 決着 前編」

 

こんな私についてきてくれて・・・・・・・“ありがとう”

 

皆・・・・・・本当に・・・・・・・・・“ごめんなさい”

 


 
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