No.185735

デペイズマン・シード 4th season;⑦

とりあえず、くぎゅーのターンがメイン。
話真っ当にすすんでねぇ(いつものこと
そんなわけで管理局(というよりも権力)批判注意!アンチなつもりはないけどそう見えてもぶっちゃけ仕方ないくらいです。ごめんなさい。

あと妙にリアルタイムネタが入ってますが、3rdとか改めてみるとあれ?なんかこっちの方が先取りくさいようnry

2010-11-21 09:49:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2257   閲覧ユーザー数:2183

 

 

 

「死んだほうがマシ」。という言葉が存在する。

プライドを護るため、自分ではない誰かを護るため。

あまりに苦痛が続くから。

死んだことが無いのに、そんな理論を振りかざすのは間違っていると考える人もいるだろう。

だが、少なくともアリサ・バニングスは知っていた。

「死ぬんじゃないか」と思わせる苦痛を以って、決して死なせることはなく、半永久的にボコれるシステムがあることを。

肉体的には決してその痕を残す事無く、正に苦痛のための苦痛・・・・・・

某動画なら「ドMホイホイ」とかタグられそーな「能力」を持つ親友は、まさに牙を向いた優しさを以ってそれを行使するだろう。

いや、それ別の話のネタだからとか聞かない。

 

「逃げなさい」

 

果たして唇を統べるのはその言葉だった。

それはまさに王者による、弱者への哀れみをこめた、それ。

勿論それを悟れるような連中なら、最初からこんなことばを掛けられはしなかったのだろうが。

 

「あぁ?」

 

不審そうな声はそういう意味では当然といえた。

だが的確なのに不透明なアドバイスになってしまったことをアリサは認めざるを得ない。

だが誰が説明できようか。

 

間違いなく、あんたたちを魔法少女がボコりに来るから、逃げろ、なんて。

だから彼女は、彼女なりの誠意すらみせて、自分をとっ捕まえてきた「不運」な男たちに忠告を繰り返す。

 

「しにた・・死なないけど。その年で死に感謝したくなかったらさっさと逃げなさい。

無用心で、あんたらみたいなロクな覚悟もない連中に捕まった私の責任よ。

謝るから、だから変な新世界に踏み入れたくなかったらさっさと逃げなさい。

それが私のできる唯一にして最高の忠告よ」

 

勿論、返答は爆発するかのごとくの嘲笑と爆笑だった。

当然だろう。恐怖のあまり、気の強そうな(実際先ほどまではほとほと手を焼いていたのである)少女が、友達が巻き込まれることの恐怖に心を病んだ。

空想のヒーローに身を任せたのだと、普通考える。

 

だったら、その程度ならばよかったのに、という答えが、返って来るとは思いもよらないだろう。

それにしても。

・・・・・・・・・・・なにを見たんですか、アリサさん。

 

 

 

 

さて一方。

そんなすちゃらかな信頼を向けられているとは露にも思っていない件の魔法少女(白)に対し、高校生男子二人が必死でいろいろを言い含めていた。

普通に考えれば、当たり前である。

 

「いいか、なのはちゃん。

ここは管理局連中の道理が通る世界じゃない。それは判るか?」

「管理外世界だからですか?」

 

それは彼女にとって極自然に出た言葉だったが、正直、その発想自体が異常ともいえた。

まず、そこじゃない。

大体彼女たちが行使できる権利は、この世界では最初から使えるはずも無いのだ。

あのなぁ、と。

「こちらの世界」では結構大人に助けられてきたからこそ、太一はそれを口にする。

 

「管理外なんて向こうさんの勝手に決めた名目みたいなものだろう?

ここは地球、しかも日本だ。ハイテクバチコイの警察は誘拐の検挙率は高いし、犯人はちゃんと罰則があるし、裁判制度も存在する。たとえ武器が無くても海上保安庁は色々性質の悪い連中に対して警告と威嚇でどーにかしなきゃならないくらいのド秩序平和ボケ主義国家だ」

「太一、途中から発言がヤバイやばい」

 

相棒が熱血しすぎてなんかいらない言葉まで追加しているのに忠告する。

が、当人にしてみれば平然と鼻で笑って見せる。

 

「こんな三文作家の思い付きSSまで目を光らせていたら国家公務員の休日なんぞなくなるぜ。とにかく、ベストなのはそのアリサって子の安全を確保した状況で警察に踏み込ませること。それはいいよな?フルボッコとか論外だ」

 

強引に本題に戻る。うん、それでいい。

秩序国家だから、勿論、過剰防衛(しかも明らかに意図的な)は逆に罪に問われかねない。

 

「でも痕は残らないし、無力化するなら一番手っ取り・・・えっと、確実だし」

「それに二度とこんなことしないように頭冷やしてもらわないと!」

「うん、まず落ち着けー?」

 

間違っても小学生女子の発想ではないことは言うまでもない。

いかんせん、頭冷やせって。

しかし、当の一番頭を冷やして欲しいお姫様sはあくまでも冷静な(すくなくともそう見える)目で自分たちのすべきことを判断する。

・・・・・あくまで、本人基準だけど。

 

「落ち着いていますよ。やるべきことは判っています」

「えっとな。何度も言うてるけど、ここは管理局・・・・・魔法が大手振って権力を持っているわけやないんやで?」

 

太一たちの言いたいことを酌めた上で口にした、はやての言葉は最もなものだ。

だが物騒馴れとはおそろしい。

 

「だから足がつかないからいいんじゃないの?」

「その流れがおかしい」

 

ヤマトが苦笑いで大真面目に傾がれた首を無理矢理直すようなツッコミを入れる。

しぱしぱとそんな意外そうに目を瞬かれても。

はぁああ、管理局をよく思っていない二人はつい、揃って息を吐く。

 

「どうも管理局の人間て実力行使に流れやすいような」

「まぁ今更だとは思うが」

「いや、管理局っていうよか・・・・・・この娘たちやからと思うわぁ」

 

だが思わぬ訂正を貰って、今度は男性陣が目を丸くした。

はやてのどこか情けない笑みが妙に目に映える。

 

「そなのか?」

「多分。その管理局のクロノくんがけっこー頭抱えてたみたいやし」

「どんだけだよ」

 

あの暴走系のクロノが頭を抱えるって。

いや、どっちかっていうとクロノくんが感化されたような?

じゃぁアレの大元がこのおじょーさん方と?

まぁ正しい。

・・・・・・・・・・・・・駄目だろ。それ。

 

「でもじゃぁどうするんですか?」

「普通に、言われたとおり、アリサって子の家に連絡」

 

正論に厭きたかのようななのはの問いに、だがすべきことはきっぱりと告げる太一。

ヤマトが少し考えて、けどなぁと肩をすくめる。

 

「だが折角の逆探知は言っても信じてもらえないだろうな」

「まぁどの道連絡はこの携帯に入るって言われてるからな。

逆を言えば俺たちがどこにいるのかも向こうはわかっていない。

多分連絡しろなんていってるんだから鳴海にいると思われているんだろうけれど」

「結局近くの警察署で待機、対応ってことになるな。

・・・・・・・ため息つかれるのが目に見えるぜ」

 

冷静に、かつ良識的な見解。

自分たちは子どもで、本来無力で、頼るべき大人がいるという考え。

それはある意味で理想論の域を出ないのかもしれないけれど、確かな常識。

それを凌駕している経験、つーかさっきまでは?とか言ってはいけない。

未然や被害者が大したことのない「事件未満」とは事情が違うのだ。

そこ、無理矢理「未満にした」とか突っ込まない。

防げたものと、発生してしまったもの、そしてその発生箇所の違いである。

比較的社会というものに触れてきたはやてもその辺りは理解している。

実際、自分たちが動いてもコトがややこしくなるのは事実なのだ。

 

「まぁしゃぁないわ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「なのは?」

 

だが納得できてない彼女はがばっと顔を挙げ、その目にあからさまな意志を浮かべている。

既に手には、紅く光る相棒の姿。

 

「ごめんなさい!レイジングハート!」

<yes,master>

 

果たしてデバイスは忠実に主人の望みをかなえ。

・・・・・・・・・・・その幼くも強い意志を抱く姿を空に舞わす。

 

「ちょっ」

「やっぱり、アリサちゃんが危ないのに、大人しくしてるなんて私イヤですっ!」

 

きっ、と。彼女が宣言する。

それは、とても子どもじみているのと同時、力ある者の傲慢さすら孕んだ覚悟だ。

・・・・・・頭いてぇ。

 

「うわぁ、熱血」

「昔のお前みてるみてぇだな」

 

持って生まれたカリスマのせいでまぁふりまわされたことされたこと。

いやいやお前だって相当だぜ?勝手にキレて落ち込んで喧嘩吹っかけてきてさぁ。

メンバーたちから喧嘩は日常扱いされていた高校生二人が現実逃避気味にそんなことを言い合う。

ザンネンかな、彼らは単独では空を飛べないから、既に高度を上げてしまった魔法少女を追うことは出来ないのだ。

はぁ、と既に何処にもみえない白いスカートの裾を虚空に探しながら、太一はどこか悲しげに呟いた。

 

「俺たちでしかどうにかできなかった時とは違うんだけどな。

さて。どーおっかけるもんか。逆探知はあの子のデバイスって奴がしたって話だし」

「あ、それはバルビッシュも確認してます。あの、でも」

 

フェイトが申し訳なさそうな、困ったような声でこちらに告げてくる。

ここまできて、声を上げたらそちらの方が大人気ないことくらいわかっている。

土台、残っている彼女たちは怒られる立場にない。

 

「あー、わかってる。フェイトちゃんもはやてもどうせいくんだろ?」

「ごめんなぁ。太一兄たちの言ってることが正論てのはわかっとる。

・・・・・・・・けどこういうんは、理屈やないねんな。特になのはちゃんには」

 

ちょっと遠い目をしてるはやてと、なぜかフェイトも。

・・・・・・・・・まぁはやては「闇の書越し」にではあるが、二人とも彼女との「おはなし」経験者だ。

つまり、そういうことであろうが、感染力もあるらしい。

理屈やない、といった部分の彼女は、明らかに真っ黒かった。

 

「うぅ、かわいいいとこが暗黒進化してるよ」

「いとこでいいじゃねぇかよ。俺なんか弟だ」

 

なんてお兄ちゃん二人の会話が交わされていたが、彼らも悲しいかな「戦士」である。

切り替えは早かった。

 

「まぁいい。場所だけ教えてくれ。

あとは、こっちでフォローするさ」

「はい。いってきます!」

 

うれしそうなフェイトと、ほないってくるわーと、比較的肩の力が抜けているはやてが順次飛び立つ。

本来知りえない情報を以って、本来持ち得ない力を以って。

・・・・・・それを当たり前と考えている点の危険さを、彼女たちは果たしてはあくしているのか。

だがそれは本来無関係の彼らに許される忠告ではないのだ。

いくら広く多くの世界を預かる管理局とやらとしても、かといって他の世界でまで権力を行使するのが当たり前と考えるのは迷惑なのだと知っていてもらわなければ困るのだ。

それは「管理局側」であるべきクロノにまかせることにして。

 

「あー、とりあえずフォローか・・・・・・」

「馴れたもんだろ。いくぜ、リーダー」

「あいよ、相方」

 

 

 

 

 

=========

太一さんたちでも止められない。それがなのはさんクオリティ

っつーか止めたら話が進まんしな、という話ですが

実際なんか色々な作品で「誘拐→自分たちで解決」ってお約束展開なんですが、正直どうかな、とおもってる、んだ。

特に「別のところでは権力を持っている」のをいろいろな意味で勘違いされても困るよ、と。大体、太一たちが止めようとした要素はその辺りです。

まぁ結局止められなかったから説得力無いんだけどさ。

 

それにしても3rdでクロノたちがビデオに撮っていた件を5thで使う予定だったんだがこの(リアルの方の)情勢にすごく、悩んでたりする気の小さい三文作家。

 


 
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