No.185618

恋姫†無双 『蒼天已死 黄天當立』 壱拾伍

遅くなると書いといて速攻で投稿…orz

何だか遅くなるとお知らせした後から急に書けるようになりました。

これは、あれですね。

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2010-11-20 20:17:29 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2320   閲覧ユーザー数:2098

「あなた達の目的は分かったわ。でも、それはあなた達の気持ちの問題であって、あなた達が討たれれば全てが丸く収まるんじゃない?」

 

賈駆は人和に鋭い視線を送る。

 

「黄巾党は指揮するものが居なくなり、放っておいても空中分裂をすることになる。賊にはなるかもしれないけど、黄巾党ほどの驚異ではないわ。黄巾党と決戦になった時を考えれば、どちらが被害が少ないのかは明白。あなたが言ってるのは討たれない為の言い訳にしか聞こえないんだけど?」

 

賈駆は人和から視線を外さない。

 

人和は賈駆の眼を見る。

 

「確かに軍の被害は遥かに減ることになると思います。しかし、それだと解散した黄巾党の人たちは、かなりの数が賊となって村を襲撃するようになります。黄巾党ほどの大きさではありませんが、賊の数が増えて各地でかなりの数の村が襲撃に遭うこになります。それは結果的に民への被害が増えることになります。」

 

賈駆は人和の言葉を聞くだけで表情が変化することはない。

 

「それはどうかと思うわ。今の黄巾党としてのまとまりだからこそ黄巾党は強く出ているのであって、もし、黄巾党が解散すれば個々は強気に出ることなど出来ずに賊ではなくて普通に民として暮らす可能性の方が高いんじゃない?仮に彼らが賊のままだとしても、黄巾党という大きな集まりでやられるよりも小さな集まりの方が王朝や諸侯達は討伐をし易くなるわ」

 

「王朝はこの事態に未だに反応をしません。そんな王朝や、自分を守ることに必死な諸侯が己の領地の賊を討つことなど出来ません。王朝は腐敗の一途をたどり、太守なんかは己の欲望ばかりを満たそうとしています。今までに嫌と言うほどに、そんな者達を見てきました。」

 

人和は顔を顰める。

 

「そして、その結果が黄巾党というものになったのです。私たちの歌に魅了された人も居ますが、多くは今の王朝に不満を持つ人間なのです。あなたにも分かっているのでしょう?」

 

人和は賈駆を見るが賈駆は一切の反応を示さない。

 

「その問いには答えないわ。といより、答えれるような立場じゃない。仮に、あなたが討たれなかったとしても黄巾党をどうするつもりなの?あなたはどうしていくつもりなの?」

 

「私は・・・・・・」

 

人和が初めて言い淀む。

 

玉座に居る全員が人和に注目していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は国を創ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人和からは董卓とは比べものにならないほどの覇気が溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀の覇気とはまた別の異質の覇気に一刀と恋を除く全員が気圧される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、人はこのような者をこう呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『覇王』、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多くの民が笑顔になれる国を。どんな過酷な道になろうとも、私たちの目的を叶えるためならば―――」

 

あまりの覇気に玉座に居る董卓軍の武将は武器を手に持つ。

 

が、人和に向けるようなことはしない。

 

人和は『覇』の者。

 

そのカリスマ性は全ての者を魅了する。

 

味方も敵も関係ない。

 

「私はその道を進みましょう」

 

先ほどまで人和とにらみ合っていた賈駆ですら、身体が震えていた。

 

恐怖ではない。

 

人和という存在に畏怖しているのだ。

 

ただ、畏怖しているのではない。

 

賈駆は同時に嬉しさも感じていた。

 

そのことに賈駆は戸惑いはするものの嫌な感じはまったくしていなかった。

 

人を統べるのは優しさでも誇りでも魂でもない。

 

ただ、相手に認めさせればいい。

 

“自分では勝てない”

 

それは武力的な意味でも知略的な意味でもなく、圧倒的に人としての格が違うのだと。

 

生まれながらにして人を統べる者なのだと。

 

「返答は如何に?」

 

 

「なるほどな、人和が」

 

天幕の中で攅刀が一刀の報告を聞きながら頷いている。

 

一刀と人和が董卓との謁見を終えて三日が経過していた。

 

「で、結局は公演は出来るんだろ?」

 

「うん、天水の近くで場所を用意してくれるらしい。ただし、条件がある。略奪や民を傷つける行為は絶対に行わないこと。民には黄巾党だと気づかれないこと。万が一、気づかれたらすぐに撤退を行うこと。それと、公演の場所の近くには董卓軍の兵士を配置させること」

 

一刀は指を1つずつ立てながら条件を言っていく。

 

「それと―――」

 

「か~~ずと!」

 

天和が天幕の中へと入ってくる。

 

「今ね、私たちの名前をどうするのか考えてるんだけど、なんか良い案ない?」

 

入ってくるなり、天和は一刀に質問を投げかける。

 

一刀は苦笑いをしながら考え始める。

 

「・・・・・・数え役満☆姉妹(シスターズ)とか?」

 

「しすたぁず?」

 

天和は一刀の聞き慣れない言葉に聞き返す。

 

「あ、えっと、姉妹って意味だよ」

 

「ふーーん、そうなんだぁ」

 

一刀は少しだけ戸惑いながらも返事をする。

 

「よし、それにしよう♪」

 

言うなり、天和は天幕を後にした。

 

一刀は息を吐くと攅刀に向かう。

 

「さっきの続きだけど、黄巾党の人数が分かった」

 

天和と話していたときと違う雰囲気に攅刀も真剣に聞いていた。

 

「その数、おおよそ30万。小さい黄巾党の群れが少しずつ集まってるみたい。董卓軍の情報だから完全に間違いではないと思う」

 

それは、黄巾党の決戦が近いことを意味していた。

 

 

『懺悔室』

 

何なんでしょうかね、自分の脳は。

 

遅くなるとお知らせをした後に急に執筆が進むんですから。

 

これが噂の反抗期ですか。

 

まぁ、執筆が進む分には構わないんですけどね。

 

 

さて、今回は舌戦(?)が行われました。

 

舌戦と呼ぶには些か---いや、かなりおかしい気がするんですけどね。

 

黄巾党は次第に集合し始める。

 

決戦の時は近い。

 

それまでは楽しき日々を。

 

 

 

それでは、ここまで見て下さった皆様に多大なる感謝を!!

 

 


 
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