No.184456

TINAMI学園~学園祭の秘密~

mariさん

TINAMI学園に招待されたもの達…。
ごく普通の学園祭。でもその学園はちょっとだけ秘密がありました。


書きなれていない為、誤字等あるかも知れませんが笑って見ないふりをして頂けると有難いです。

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2010-11-14 10:14:17 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1321   閲覧ユーザー数:1299

私は学園祭の守り神。

 

あっちフラフラ、こっちフラフラ。今日ものらりくらりとさ迷っている。

 

この時期は商売繁盛…、あっ、いや活躍の場が多くてまいってしまうよ。

 

今日は…ん?

 

「TINAMI学園?」なんだか制服が可愛いのでここにしようか。

 

では、ではお邪魔しますよ…。

 

******************************************************************************

 

 

「あ、そのタコ焼き…わたしのだよ!!」

 

「ごめん、ごめん(笑)この券あげるからさ」

 

「なにこの券?」

 

「ふっふっふっ…。この券は特別!なんたって…あ、これ以上は秘密」

 

「はぁ?全然分かんないんですけど…」

 

「まぁまぁ、騙されたと思って参加してみてよ。開始時間もまだ先でしょ?それまでに考えてみてさ」

 

「…んー。まぁ…。んー…」

 

「てー事で、奈美、次は焼きそばだぁ~!」

 

「え~、また食べ物ぉ。ったく。よじまちゃんは食べすぎだよ」

 

ふー、(笑)でもホントは凄く楽しみにしてたんだ。

よじまちゃんこと、夜島(やじま)かおりちゃんとはいわゆる幼馴染なんだけど…小学生の時によじまちゃんが転校したきり、ずーっと会っていなかった。

何処に引っ越したのかも聞かないまま居なくなっちゃっていたから、突然、学園祭への招待状が届いた時は凄くびっくりした。

…けど、それ以上に嬉しかった。

よじまちゃんは昔みんなで夢を語った時、わたしの夢を笑わなかった、ただ一人の友達だったから…。

 

「あ、先にあの綿菓子食べよ!」

 

「どんだけ食べるのよ(笑)」

 

何年も会ってなかったなんて嘘みたい…、ふふっ(笑)よじまちゃんは、よじまちゃんのままだ。

よじまちゃんに連れられて、とにかく食べ物屋さん関係をはしごして、騒いで、そして久しぶりにわたしは大笑いをしていた。

 

この所、ちょっと疲れていたから…。

 

 

特に学校が嫌な訳ではない。

 

でも、なんとなく学校にいって…友達といても表面で笑っているような、変な感じがして少し息苦しかった。

家でもただ過ごしているだけで…きっと数日後には何をしていたかも思い出せない程度の決まったような日々ばかりだ。

だから、あのよじまちゃんだから…会えば何かが変わる気がしてドキドキした。

こんなに友達と会うのに楽しみだったのは久しぶりだった。

そして『TINAMI学園の学園祭』も楽しみのスパイスになっていた。

 

この学園は普通の学校ではあるのだけれど、学園祭だけは完全招待制でその招待状を持っている者だけが参加することができる。

参加者は、学園の生徒も含めて内容をあまり語らない。

聞いても何となく誤魔化されてしまうらしい。

そして噂だとその招待状はかなりのプレミアム価格で販売されるが、譲渡での参加者はなぜか学園祭に参加できなくなる…という…ホントかウソか…。

でもなかなかのプレミアム物らしく、学校の友達に随分羨ましがられた。

そう、『TINAMI学園の学園祭』は秘密のベールで包まれていた祭りなのだ。

と、いっても入ってみれば他の学園祭と格別違う所がある訳ではない…が、秘密のベール…。

なんか、その響きだけですっごく楽しい!

今日はよじまちゃんにも会えたし、来て本当に良かった。

 

 

「奈美、もう少しで時間だけど…どうする?」

 

「ん?あ、この券!んー『Mハウス』ってあるげど、どんな催しなの?」

 

「それは秘密。でも、変なイベントじゃないよ。『M』の人が出てきて調教とかじゃないから安心して。」

 

「…?…あっ、ばっ…何言ってんのよ!」

 

「ははっ(笑)奈美。顔、赤いよ!何想像してんのー(笑)…でもホント安心して。きっと楽しめるから」

 

「もー(怒)、よじまちゃんは参加しないの?」

 

「わたしは催すほうだもん!」

 

「あ、そうなんだ。」

 

「もうすぐわたしの当番なんだ。ちょうどその券の時間なのですよ」

 

「…で、内容は秘密なんだ…」

 

「そ、秘密。好きでしょ、そうゆうの」

 

「うん…」

 

そっか…へー。

よじまちゃんがやってる所のなんだ。へー。

なんだかワクワクしてきた。

 

「じゃ、準備とかもあるんで、一回戻るわ。

そこに書いてある時間になったら、『1年M組』の教室まで来てね。

時間までちょっとあるけど、それまでは…はいコレ。食べながら、ゆっくり来てよ。」

 

「えっ…う、うん」

 

行っちゃった。

…なんか行く事になってしまった…かも。

ま、よじまちゃんがやってるなら全然問題ないけどね。

しかし、よじまちゃん…。

この綿菓子やら、リンゴ飴やら…食べきれないよ…。

 

と言いつつ綿菓子をほお張る。

その綿菓子は夢のように甘くておいしかった。

わたしはまだ続くであろう、ワクワク感のせいだろうか…心持スキップして指定の場所へ向かった。

 

 

******************************************************************************

 

じゃじゃ~ん!!学園祭の守り神ですよ~。守ってほしい人いないかねー。って誰も私の姿は見えないんだけどね~。

おっ、あの喫茶店、メイドのかっこして可愛いじゃないか。

へへっ、お邪魔しま~す。

《びりっ…》

…えっ?

なんだ今の…。

なんか、教室に入ろうしたら、ぴりっときたような…?

…気のせいか? ……?

《びりっ…びりびりっ!!!》

‘うわぁ!!!’なんだ!!入れない。

…え?…結界?

訳が分からん…。本当に結界か?

…ん?…え? ウソだろう…。私は学園祭の守り神で…、人には見えないはずで…。

信じられない。

なんか注目されているような気がするんですけど…。ちょっと後ずさっちゃったりして…。

わぁぁぁ~!!

やばい!こいつら俺が見えてる…!!

何なんだ…こいつら…。

とにかく、逃げる方が勝!ってな…。

 

 

「逃げた…」

 

ドアの所のメイドさんがつぶやく。

 

「あいつ、あれだろ。あの騒ぎの…」

 

となりの執事さんもつぶやく。

 

「他の学園祭でいたずらして回ってるの、きっとあいつ…」

 

「許せねーな。本部に連絡しとこうぜ」

 

「お仕置きだ…あの妖怪…」

 

可愛い顔したメイドさんは、ちょっと青筋を立てながらつぶやいた。

 

******************************************************************************

 

 

「1年M組…、やっと着いた。」

 

やっとのことで指定の場所に着き、ほっと胸をなでおろす。

ちゃんと地図も参加券に書いてあったし1階という事もあって、すぐ着くと思ったのに…なんだか、やたらと分かりづらい校舎でなかなかたどり着けなかったのだ。

あの時、よじまちゃんについて一緒に行けば良かったかも…と、思ったりしたほど、分かりづらかった。

もう少しで、時間に遅れる所だよ。

心の中で、少し愚痴を言って入口に立つ。

なんか入口がおどろ、おどろしてるんですけど、お化け屋敷じゃないよね…。

受付も何もないんだけど…。

『入口』って書いてあるから、ここから入っていいのかな…。

ちょっと不安な面持ちで、扉をそっと開ける。

 

 

パァァァァ―――っと、暗闇から光の洪水か生まれる。

眩しくて、目をつむった次の瞬間…温かい感じがして、そーっと目を開ける…。

 

「な、何これ…」

 

一瞬目を疑った。

だって…、だって…。

目に浮かんできたのは、なんて言ったらいいのだろう。

例えるなら、そう、夢の国。

教室の中のはずなのに、お花畑が広がってるし、いい香りもして…そして…宙に浮かんでいる人たち…。

これは夢なのだろうか…。

…あ…よじまちゃんだ。

わぁーほうきに乗ってるし…。

 

魔法使いみたい…。

 

「奈美もおいでよ」

 

よじまちゃんに誘われるまま、手をとる。気づくとわたしの体は宙に浮いていた。

 

「よじまちゃん!よじまちゃん!わたし飛んでる!空飛んでるよっ!!」

 

興奮で顔を真っ赤に染めながら、声を出していた。

 

「これで、奈美も魔法使いだよ」

 

よじまちゃんが軽くウインクをする。

 

「!!」

 

覚えてたんだ…。

わたしはなんだか涙が出そうになった。

そうだよね、よじまちゃんは笑わなかった。わたしの夢…。

あの頃…本気で思っていた夢。

今の私が、当たり前のように無理だと諦めていた夢。

 

「わたし魔法使いになっちゃった…へへっ…夢、叶っちゃったよ」

 

よじまちゃんは、どんな夢でも叶うんだよ…とでも言うようにわたしに笑いかけてくれた。

わたしがその時どんな顔をしたか分からないけど、よじまちゃんはとても嬉しそうだった。

そして、そのまま光の中に再び包まれた…。

 

 

気づくと、教室の『出口』と書いてある場所の扉に立っていた。

夢…?

現実…?

『出口』にいるよね…?

なんだか分からない不思議な気分で…ただぽや~と立ち尽くしていた。

食べきれずにずっと持ったままのリンゴ飴を握りしめて…。

 

「奈美」

 

「!」

 

よじまちゃんのすっとした声で、目が覚めたように現実が帰ってきた。

 

「よじまちゃん!」

 

「どう?」

 

よじまちゃんは、自信満々な面持ちで首をかしげる。

 

「凄い魔法でしょ」

 

「凄い!」

 

ホントに凄いよ、よじまちゃん。

 

「でしょ~」

 

「よじまちゃん、本物の魔法使い…?」

 

自分でも半信半疑な感じで聞く。

 

「どう思う?」

 

もったいぶった感じでよじまちゃんが聞き返す。

 

「だ、だって…空飛んでたし。わたしにも魔法かけし…」

 

わたしは自分でもよく分からないまま口にしていた。

 

「まぁ、近いような…そうでないような…ね。

あ、となりの空いた教室が静かでいいよ、行こ…。

そうだなぁ…何から話せばいいだろ…」

 

そう言いながら、よじまちゃんは自分の事をわたしに話してくれた。

 

 

 

 

「…なんだか信じられない世界だね…」

 

「魔法使いを信じた人が何言ってんのよ(笑)」

 

とにかく、未知との遭遇…という感じだった。

よじまちゃんは魔法使いではなかった。…が、世で言う『エスパー』なのだという。

『エスパー』といってもよじまちゃんの場合、自分で思った事を人に感じさせる事ができる…といった感じらしい。

他にも水を甘いジュースに変えたりできる、といった能力なので、これはわたしにしてみたら、エスパーというより魔法としか言いようがない。

なんでも家系でたまに不思議な力を持って生まれてくる子がいるらしく、両親は普通だったとの事だ。

小学校の時よじまちゃんはその能力がみられたので、慌てた両親が田舎の実家によじまちゃんを連れて引っ越した、というのが真相だった。

 

 

「じゃぁ、この学園は…」

 

「うん、何らかの能力を持った人が多いよ。

中には普通の人もいるって話だけどね。

でも自分の能力とか良く分からない人が…わたしもなんだけど…ほとんどだったりしてるから、どうなんだろねー。」

 

「じゃ、さっきの『Mハウス』はその能力で?」

 

「うん、クラスみんなのね。

わたしがお花畑とかのイメージを送って、物体浮遊の能力を持った子が奈美を浮かせて…って具合に各自の能力を使ったんだ。

人によって、感じ方や、効き目が違ったりもするんだけど。奈美は魔法に関しては信じてくれると思ってたし、大丈夫だと思っていたけどね」

 

「へ~」

 

なんか本当にすべてが凄い…。

 

「まぁ、こういった感じの催しなんで、この『Mハウス』はクラスメイトの友達とか…自分の呼びたい人達に癒しや夢をみせる為のものにしよう、ってなったの。

知らない人だと、何が喜ばれるか分からないし…。

だから特別なものだった訳」

 

特別…って言葉もなんだか凄く嬉しいな。

 

能力者が集う学園…そうだと分かってしまうと、色々と納得してしまう。

普通と変わりないと思いつつ、不自然なほど絶妙な位置で浮かんでいる風船とか、どうやってこの虹色の出しているのだろうかと思わず聞きたくなってしまうリンゴ飴。

そして、この学園祭が秘密のベールで包まれている訳も…。

 

「実は奈美がちゃんと校門をくぐれるかどうか、心配してたんだ。」

 

「?」

 

「ほら、こういう学園じゃない?

不用心に他校の生徒を入れるとまずい事になる恐れがあるって事でセキュリティが凄いの。

特にこの学園祭はね」

 

「え?その割に招待状もあまり見ずに門を通されたよ?」

 

「まず、その招待状には呪文みたいなものがかけられていて、それを持ってない者は門の前ではじかれちゃうのよ。

しかも実際に招待された人以外の人が招待状を持っていても、はじかれる徹底ぶり」

 

えぇ~!そ、そういえば門の前で転んでた人がやたら多かったような…。

 

「で、この学園に対して不穏な気配、害を成す恐れが少しでもあると予知された場合、これもやっぱり実行委員の人に門のとこで捕まっちゃうの」

 

よ…予知…。

 

「この予知の結界みたいなものが一番難しいというか、厳しくて…。

まず、おしゃべりな人とみなされた人なんかは一発アウト!他にも色々とね…」

 

「なんか…凄いんだね…」

 

「うん。凄いの。奈美も凄いよ。

気づいてた?学園の生徒、その家族以外で他校の生徒なんて本当にわずかな人しか通れなかったんだよ?

だから奈美が入ってこれた時は嬉しくて…。

そりゃークラスのみんなも張り切っちゃって…。

さっきの通りよ」

 

「うん、魔法そのものだった。本当に夢のようだった」

 

「実はね…、この学園に入学して学園祭の招待状を作る時、奈美の事を思い出してね…。

ほら、わたしやっぱり一般でいう普通の人と違うじゃない?」

 

「そんな…」

 

違うとわたしは首をふる。

 

「(笑)ありがとう。でもやっぱり良く思われない事も結構あってね…。

奈美にも他のみんなにも会っちゃいけないような気がしてて。

でも『Mハウス』を作る時…あ、Mって魔法のMなんだけど、魔法使いになって夢を見てもらおう、って言った人がいて。

それを招待状、作る時に思い出して。

奈美なら…大きくなったら魔法使いになる…って言ってた奈美なら受け入れてもらえそうな気がしてさ。」

 

「ははは…(笑)」

 

…なんか照れる。

 

「…そんで…奈美をちょっと見に行ったんだ。2.3日前…。

今は私、学園の寮に入ってるから奈美の家とか近いしさ…」

 

「へ?」

 

「ほら、あんまり変わってて…奈美がヤンキーとかになってたら…びっくりしちゃうじゃない…?」

 

「あのねー…引越してたらどうするのよ」

 

「はは…(汗)…ごめん、ごめん。

まーそんな訳で見に行ったんだけど、見事に変わってなくてね。

すぐ分かったよ」

 

「悪かったわね」

 

「(笑)……でも何だかつまらなそうな顔をしててさ」

 

「…」

 

「何となく声、かけれなくて…。

ちょっと迷ったけど、それでも奈美だったら…って気持ちが止められない…ていうか、なんかさ…。

だから奈美が門を通れた時は嬉しくて…なんか自分を認めてもらえたような…、会う事を許されたような感じがして凄く嬉しかったんだ」

 

「…わたしね。

朝起きて、学校にいって…なんで笑ってるのか分からない事もあって…。

魔法使いの夢なんて、とっくに諦めちゃって、忘れちゃってて…。

馬鹿な事言ってたな…って感じで…。

つまらなそう…じゃなくて本当につまらなかったんだと思うんだ。

そんな時、よじまちゃんから招待状もらってさ。

よじまちゃんだけだったんだよね、魔法使いになりたいって言った時、笑わなかったの。

それを思い出して…なんかよじまちゃんに会えたら自分が変われるような気がして、だから今日は凄く楽しみで。

…来る時…ちょっとすがるような気持ちだった…。」

 

「うん…」

 

「それがさー、『Mハウス』に『エスパー』ときて…。

つまらないの『つ』の字もどっか行っちゃったよ。びっくりしすぎて。」

 

「うん(笑)」

 

「へへ(笑)…今度は外で遊ぼうね。」

 

「うん!」

 

よじまちゃんは嬉しそうに頷いた。

わたしも嬉しかった。

 

なんだか世界が色づいて見えた。

…窓の外にピンク色の花の形をした雲が浮いていたのを見た気がしたが、気のせい…という事にしておこう。

 

なんといってもここは秘密のベールに包まれた学園なのだから。

 

******************************************************************************

 

‘だぁぁぁっ。私は~守り神~っ……’

どこともなくよく分からない生き物の悲鳴が一部に響き渡る。

 

はぁー。恐ろしい所だここは。死ぬかと思った…。

教室の中どころか、学園至る所に結界を張りやがって…。

なんとか逃げられたけど…なんなんだ、この学園は…。

 

折角、守り神と称していたずら…じゃなくて活力を与えてやろうとしたのに…。

恐ろしや…恐ろしや…。

 

あのメイドも可愛い顔して恐ろしい奴だった。

…全くもって不愉快だ。

もう二度とこんな学園来てやるもんか!!

 

 

ぶつぶつ、文句を言いながら自称『守り神』は飛んでいく。

しっかりと背中に『封』の文字が刻まれたお札を張り付けたまま…。

 

******************************************************************************

 

                                   ―終―

 


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