袁術討伐から帰還した一刀が初めにした事、それは…
土下座だった。
謝罪の内容に、感情こそ穏やかではない睡蓮だが、真っ先に謝罪したことと、
『寝てる間に事が終わってた』事で、一刀が抗いようが無い事も理解できたため、拳骨一発で許した。
……殴りはするんだ……そう、頭の中でつぶやいて、一刀はK.O.した。合掌……
勿論、許したのは一刀だけで、冥琳に対して怒り心頭な睡蓮は、一刀を伸した後、冥琳の部屋に向かった。
---長沙・冥琳の執務室---
冥琳「そろそろ来る頃だと思ってました。」
睡蓮「じゃあ、私が怒ってる理由もわかってるわね。」
冥琳「私が、貴女に対して謀反を起こした事、真に申し訳ございませんでした。」
睡蓮「………は?………へ?」
急に前の外史の事を言われ、睡蓮は虚を突かれた。
睡蓮「ちょっと待って………あの世界の冥琳は、あの世界の建業で焼け死んだはず…」
冥琳「私も、周りが炎に囲まれた所までは覚えています。そして、気付いたらこの世界にいた。それも少し若返って…」
睡蓮「………」
一刀を喰った事を怒ろうと、此処に来たはずなのに、すっかり睡蓮の頭から、その件は抜け落ちていた。
冥琳「雪蓮がいましたので、てっきりあの世と思ってたのですが、にしては、文台様も、公覆様も若い…」
その場に二人がいたら、ボコられそうな事を、さらっと言う冥琳。
冥琳「年号を確認したら…最初は性質(たち)の悪い冗談かと…でも、私たちの外史で雪蓮や文台様、公覆様が亡くなった事件…正確には、その事件の前兆を見つけて、事前に防ぐ事が出来た。ようやく、過去に転生でもしたのかな…と、考える事が出来るようになりました。」
睡蓮「………」
じっと聞き入る睡蓮…
冥琳「そんな中、貴女が、一刀と子供を連れて、やってきた。性質の悪い冗談にも、程があると思いましたが…今回の遠征中に、一刀にさりげなく聞いたら、私の知っている外史ではありませんか。そして、此処にいるのは、かつての主君だったと。」
睡蓮「………」
冥琳「この世界で生きて、雪蓮や文台様が、『実は、天下を狙って無い』事を知った。『目に見える民たちを守るために、覇王の仮面を被ってた』事も知った。でなければ、私が密かに進言した『火薬や火器』の技術を退ける必要は無い。むしろ、飛び付くはず…」
睡蓮「ちょっと待って!?そんな資料あったの?」
冥琳「勿論、全てが載ってる訳では有りません…が、再現は可能だと思います。」
睡蓮「一刀が聞いたら、小躍りしそうね…」
ちなみに、ガレオン船が出来た当初、大砲が無くて、一刀は少ししょげていた…
冥琳「そして、私が『過去』…『前の外史』で起こした謀反が間違っていた…その事に気付けた。一刀にも話したはずですが…」
睡蓮「………へ?………一刀からは聞いて無い………!」
冥琳「どうかしましたか?」
睡蓮「『謀反の件』は水に流します。ただ、一刀を喰ったのは何故?」
今になって此処に来た理由を思い出したが、怒りのボルテージは、駄々下がりである。
冥琳「…その…雪蓮の懐妊に対する焼きもちと、この『資料』の実証を兼ねました。」
と言って、一冊の写しを睡蓮に渡した。
睡蓮「……『オギノ式』?」
冥琳「本来は、避妊を目的としたものですが、裏を返せば『子を宿しやすい日』を知ることが出来ますので…余談ですが、雪蓮の例の病気は、『子を宿しやすい日』の前後に多かったものですから…」
睡蓮「ならば、相手は誰でも良かったのよねぇ?」
冥琳「一刀に関しては『前の外史』から目を付けてましたので………少し失礼」
そう言って、部屋を出る冥琳。
睡蓮「…まさか!!…」
その後、華陀に診てもらった所、冥琳の懐妊が確認された。
その日の夜に、ささやかな宴が催された。その席で、
祭「わしも、夜襲をかけてみるかのう」
と軽口をたたいたが、睡蓮が、龍すら逃げ出しそうなオーラを出していたため、
一同「冗談です…」と口をそろえたとか…
---洛陽・曹操の執務室---
荀彧「華琳様が間違いを容易く犯す方とは思いませんが『此れ』は封印してください!」
郭嘉「私も桂花殿に賛成です。たかが『本』かもしれませんが危険すぎます。」
程昱「ぐぅー」
荀彧「こんな時に寝るなー!!」
曹操「むきになるのも判るわ。けどね『道具に善悪は存在しないわ。善悪を決めるのは、その使い手なのよ。』」
その瞬間、本が光った。そして…
??「レベルコード確認。
あとがき
どうも、nakatakです。
ロッテ、天晴!!
これを、書いてる横でロッテが日本一になりました。
誰が言ったか「史上最大の下剋上」…面白い事になりました。
それより、冥琳はやっぱり、「黒い」ですね。
密かに『火器』について調べていたのですから…
一刀を喰った事を悪いと思って無かった節も…
それでは、また。
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どうも遅くなりました。
対袁術から帰ってきたときの話です。
それではどうぞ。