No.175259

デペイズマン・シード 4th season;①

デジモンA×なのはA後4作目開始。やっと悪魔と死神登場。
・・・・・・それにしても全く関係ないところで(脳内)電波が酷い。
デジ各組参戦のFate(凛asマサル・バーサーカーが賢、ライダーにヤマトとかっていうとんでも)とか、なのは勢による「ウテナ」介入とか(あの学園自体がロストロギアだよな、管理局の基準からすれば)。横っちinデルフィニアとか。
とにもかくにも先ずこれだ、というわけでデペイズマン・シード4th season開始ー

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2010-09-28 20:39:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3363   閲覧ユーザー数:3238

 

「なぁ空」

「何よ?どうしたの」

「オンナノコって、どういうところ連れて行ったら喜ぶもんなんだ?」

 

・・・・・・

 

「どした?」

「こっちの科白よ。何があった」

「空さん、目が怖いです、マジで」

 

 

 

 

 デペイズマン・シード 4ー①

 

 

 

「はやて!」

 

台場駅の改札口。覚えのある声と声と人影。

軽く振られた手の主に、はやては大きく手を振り替えして人混みの中の自分をアピールする。

 

「たいちにー、ここやー」

 

そういってから車椅子の背後の親友たちを振り返る。

あの人?と戸惑っているフェイトと、わくわくを顔に出しているなのはとに、はやては笑いかけた。

どこか自慢げに。

「せやで、太一兄ちゃんと…もう一人はその友達さんのヤマトさん」

 

迎え入れたのは、先日色んな意味でお互いの秘密を暴露しあった、いとことその仲間の一人だった。

 

 

「どうも。はやてのいとこで今回の案内人。八神太一だ。よろしく」

「付き合いの石田ヤマト。ま、荷物持ちだな」

 

名乗った内一人、代表するように太一が手を差し出した。

それを(普通に)手にとってなのはは勢いよく挨拶する。

 

「よろしくおねがいします。わたし、高町なのはです」

 

その脇でフェイトも長い髪を揺らして頭を下げる。

 

「フェイト・T・・・ハラウオンです。今日はよろしくおねがいします」

「ハラオウン?」

 

果たして意外そうな反応が聞こえてきて、フェイトはともかくなのはも目を丸くした。

既に関係を知っているはやて一人がにやにやと流れを見ている。

 

「クロノの?」

「あ。えっと」

「あ、フェイトちゃん、クロノくんの妹さんなんですっ」

 

どこか自慢げに、その理由は事情を知らない太一たちにはわからないが、なのはが紹介すると二人もなにかを察したように頷いた。

まぁアレだ。母子であれだけ色違いなんだから、妹も違ってたって不思議じゃないだろう。

 

「そうなのか」

「太一さんたちはクロノくん知っているんですか?」

「あぁ。当初のメールは愚痴ばっかりなんだけど」

「最近、なぁ?」

「なぁ」

 

なんとも言いがたそうに言い合った二人の少年に少女たちが目を丸くする。

この反応ははやてにも予想外だったので、首を傾げる。

 

「ややなぁ。クロノくんのストレスは いつものことやで」

「・・・・・・・・・そーなんだろうけどさ」

「あの年で色々面倒なことやってるんだから。いや、それだけじゃなくってさ」

「?」

 

まだまだ言いずらそうな様子が気にならないでもない。

だが意を決したように、ヤマトがフェイトに目を合わせながらこんなことを言い出した。

 

「妹さんなら丁度いいや。あんまり無茶するなって言っておいてくれ」

「へ?」

 

その向こうから太一のうんうん、と頷いている様子が聞こえてきて、フェイトは初めて兄となった人に不安を抱いてしまいそうになるのだが……

 

「一体なにやっとんの?」

 

はやてが聞いてしまう。

いやぁあああきかないでぇぇとフェイトは目だけで叫んでいたが、誰も気がつかない。

 

「いや、光子郎となんか企んでるみたいでさ。こっちも怖いんだよ」

「光子郎さん、ですか?」

 

なのはが首を傾げる。知らない名前だから当然だろうが、企んでいるとは穏やかならない。

 

「まぁ、ちょっとな。

・・・・・・・・・少なくとも詳しいことを俺たちは知らん」

「知りたくないんやね、わかります」

「知らないっていうと、はやて。俺たちは正直こういうところでの案内っていうのが全くからっきし全然わから無いんだが。っていうか作者がわからん」

「へ?」

 

唐突に話題が変わった。

ほっとしているのはフェイトだけで、なのはは勿論、はやてもきょとんとしてその告白を聞いている。

どう見ても女性にモテそうなのが二人、申し訳なさそうに頭を下げて、スポーツショップとかミュージックショップとかなら何とか、と言い出す。

 

「えーと、兄ちゃん?」

「いや、わりぃ」

 

色々聞いてみたりもしたんだけどさ。

苦笑いが、その言葉が冗談ではないことを物語っている。

いやそれにしたって。

 

「それにしてもホンマ二人とも彼女とかおらんの?かっこえぇんやし。

なんや鉢合わせでにらまれたくないで~」

「その辺り大丈夫だと思うぜ。ヒカリちゃんのご下命でもあるからさ。

ま、先日のワビってことで」

 

ヤマトの言葉に、余裕だったはやての表情がかすかに引き攣った。

もっとも、言った当人は気づいていないが……

 

「先日?」

 

傍らのなのはの様子が、ちょっとだけ変わる。

フェイトが無意識に防御魔法を詠唱しようとしたのは彼女だけの秘密だ。

はやては頬を軽く掻く仕草をして、ほんの少し、くいと彼の裾を引っ張り、その唇を耳に近づける。

 

「なぁヤマト兄ちゃん」

「なんだ?はやて」

「あかん、あかんで。私に切り?かかったなんてバレたら」

 

切りかかったわけではないが、まぁ似たようなものだろう。

彼女の目線の先、とっても明るそうなとっても元気そうな栗色の髪の少女がにっこりとこちらを見ている。

なんとなく、ヤマトは察した。

コレと似た気配を持っている人を、よく知っていた。

 

「そりゃ友達なら怒るだろうけど・・・・・・てか」

「・・・・・・・・・・・・・・・ごめんな?」

 

怒るってレベルじゃないんですね、わかります。

目を逸らし、なにも起きていないはずなのに謝ってきたはやてにヤマトは顔を引き攣らせる。

 

「・・・・・・・あかん。せっかくの愉しい日なのにこんな話はもうやめや。

とにかくっ!今日は頼むで。にーちゃんたちっ」

 

ぽんっ、と肩・・・は届かないからと背中をを叩いてくる少女に、気を取り直して(多分色々目をそらして)ヤマトも笑いかける。

 

「あぁ。しっかり荷物持ちさせてもらうよ」

「そっちは話済んだか?んじゃ何処いくよ。お姫様がた」

 

太一の冗談めかした言葉に誰もが大きく頷いた。

気を取り直して、とは言ったものだ。

 

 


 
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