No.170739

馬超√ 第3章 ~群雄割拠~

nakさん

どうも、nakでございます。
今回は進行上、反董卓連合への導入と言う形になりました。
あ、一緒に投稿したおまけは3話のプロットになってます~
「各話ごとのプロットどんな感じで書いてんだゴラァ」
という質問を頂いたもので(汗)

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2010-09-06 01:32:43 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3682   閲覧ユーザー数:3030

 

 漢朝始まって以来の農民反乱──黄巾の乱が乱世の奸雄、曹孟徳の手による指導者の誅殺と言う形で終結してから早1ヶ月が過ぎようとしていた頃、未だ反乱の傷跡の癒えきらぬ中で、又も大陸を揺るがす大事件が発生した。

 

 十常侍の傀儡、暗愚の皇帝、霊帝の死である。

 

 皇帝と言う最後の支柱を失った漢朝の崩壊は最早止める術も無かった。

霊帝が崩御するや否や、大将軍・何進は自身の甥である弁を小帝として擁立する事によって

禁軍兵権を含むあらゆる権力を掌握したのである。

しかし、それを黙って手をこまねいている十常侍ではない。

張譲を筆頭にあらゆる権謀術数を巧に操り陳留王・劉協を皇帝にすべく奔走する。

しかして権力闘争は激化し、宮中が未曾の混乱へと陥っていく中で、

何進は十常侍の手の者によって暗殺されてしまう。

その報を受けた何進が腹心、袁紹、袁術を筆頭とする反宦官派の行動は非常に素早かった。

疾風迅雷、洛陽を占拠したと思うと、次の瞬間には洛陽の空に宦官達の首が舞っていた。

宦官が次々と処刑される中、宮中の混乱に乗じて生き残った張譲と数名の十常侍達が、

少帝と劉協を連れ逃亡する事となる。

 

 それは血で血を洗う争いの時代を告げる狼煙……。

 そう、今まさに、群雄割拠の時代の幕が切って落とされたのである。

 

 

初夏の昼下がり、ぽかぽかとした、なんとも眠くなる陽気の中、街を歩く。

 

「ふあぁ、いい天気だな。」

 

暢気に欠伸をしながら歩く。

昼間に何の異議も無く町をフラフラ、これって世に言うNEETってやつじゃないのか……?

いや、これには深いわけが有るんだ!深ぁい深ぁい訳が!

そう、それは、ほんの一刻前のこと──。

 

あの日、袁紹上洛の報を受けた馬騰さんは直ちに涼州豪族会議を招集した。

涼州豪族会議、その名の通り涼州連合に名を連ねる豪族達の会議だ。

 

実は前々からそれに疑問を持っていて、いい機会だと我らが軍師達に質問してみる事にしたのだが……。

 

「……なあ稟、馬騰さんは何で西涼連合にに所属する豪族達に一々伺いを立てるんだ?一応盟主なんだろ?

 それに緊急事態ならウチだけ単独で行動した方が何かと便利なんじゃないのか?」

 

「涼州は涼州連合と言う名からも解る様に豪族同士の結び着きが非常に強いですからねー、

 誰かが何か行動すれば他の人達も無関係でいられないのですよ」

 

風がのんびりと言う。

 

「ですから小まめに会合を行い相互連絡を取り合うことで足並みを揃えよう、という訳です。

 しかも今回は事が事ですからね……」

 

文字通り苦虫を噛み潰したような顔で言う稟。

 

「ええ、袁紹さんが張譲達もスッパリ殺ってくれていれば話は簡単だったんですけどねー」

 

流石と言うべきか、風はいつもと何ら変わりの無い飄々とした感じで言う。

しかし、殺るってなんだ殺るって……。

 

「なるほど……だから豪族達を召集したわけだ……」

 

「はい、ですので本日行われる会議は、言わば西涼の行く末を決める会議、つまり非常に重要……」

 

「はぁ、そりゃまあな」

 

当然だよな、アレだけの事件だ、今後の西涼連合の立ち位置も考えて行かなきゃだろうしな……。

 

「というわけで、お兄さんは街の散策でもしていて下さいー」

 

思わず返事をしそうになるくらい自然にいわれた。

 

「うn──え?なんで!?何でそうなるの!?」

 

そんな至極真っ当な疑問も稟に一蹴される。

 

「それでは、礼も知らない一刀様が何か出来るとでも……?」

 

そんな見も蓋も無い、割と凹む事をサラッと言ってくれる……。

もう反駁する気にもなれない。

 

「……出来ません」

 

素直にそう言って、城を後にする俺だったとさ。

 

 

そして今に至る……と。

 

「しかし酷いな稟も、いくら俺がこの世界の礼儀作法知らないからって追い出すこと無いだろうに」

 

そういうことだ!俺が使えないだけで別に仕事サボってるわけじゃないぞ!!

単に役立たずなだけなんだ!!

うん、虚しくなるからよそう……。

 

「ぐぅ~」

 

俺じゃない!

お腹がなった気もするが、

俺じゃない!

お、俺じゃないよ……?

……いえ、どう見ても俺でした、本当にスイマセン。

考えてみると最後にご飯を食べてから随分時間がたってるしな。

仕方ない、うん。

 

「あの屋台にでも行くかな」

 

自分に言い訳したところでとりあえず目に付いた屋台に入る事にした。

 

「おっちゃん、肉まんくれるかな?」

 

「あいよ、肉まんね」

 

店主が肉まんを蒸し器から取り出したとたん、良い香りが漂ってきた。

 

「じー……」

 

何処からか視線を感じる。

 

「じー……」

 

気のせいか?

 

「じー……」

 

いや、やはり気のせいでは無いらしい、

触角の様に赤銅の髪を生やした前髪。

整った顔立ちに素人目に見ても解るよく鍛えられて均整の取れた体つき。

そこには『荒々しい美しさ』とでも言うのか筆舌に尽くし難い魅力があった。

そして褐色の肌に綴られた刺青は一層彼女の魅力を引き立てていて……。

とか色々言っては見たが、まぁ要するに美少女だ。

その美少女が俺を見ていた。

 

「じー……」

 

恐る恐る声を掛ける。

 

「これ、ほしいの?」

 

「コクコクコクコク」

 

問いかけに少女は物凄い速さで首を振る。

 

「……一個食べる?」

 

「コクコクコク」

 

は、早い……。

俺が尋ねてから頷くまで間がなかったぞ……。

 

「じゃあ……はい、どうぞ」

 

そう言って肉まんを包みから取り出し手渡してやると

 

「もぐもぐもぐ」

 

あっと言う間に彼女の手から肉まんが消え失せる。

本当に美味しそうに咀嚼するその仕草は俺に仔犬や仔猫を連想させた。

あまりにも美味しそうに食べるものだからもう一つ勧めてみる。

 

「もう一個たべる?」

 

「コクコクコクコク」

 

再び包みから肉まんを取り出し少女に手渡す。

 

「はい」

 

今度は心持ち、ゆっくりと食べているようだ。

 

「はむはむ」

 

か、可愛い……!

これは……なんと言うか本当に小動物でも愛でているみたいだ。

食べ終わる頃合を見てもう一つ勧めようとする。

 

もう一個いる?

 

そう言おうとした瞬間声が上がった。

 

「恋さーん!!」

 

 

声の方に振り向くとそこにはまたもや美少女が。

少しウエーブがかった薄紫のショートカットで女官が着るような緩めの装束に身を包んでいる。

おっとりとした顔つきで非常に保護欲をそそられる。

メイド服とか似合いそうだな・・・。

 

「へぅ~、やっと追いついた~、恋さんひどいですよぉ~」

 

恋と呼ばれた少女は思い出したように言う。

 

「あ……良い臭いしたから……忘れてた……ごめん……」

 

「へぅ~、そんな~」

 

そう言って項垂れる姿も父性本能にビンビン来るものがある。

 

「そういえば名前も聞いて無かったよな、俺の名前は北郷一刀、君たちの名前は?」

 

抱きしめたい衝動に駆られながらも理性で何とかねじ伏せて聞く。

すると意外な言葉が飛び出した。

 

「北郷様、と言い居ますと……もしかして天の御使い様ですか?」

 

「へ!?なんで俺が天の御使いだって解ったの!?」

 

思わず聞き返す。

 

「それは、御遣い様のお噂は私達の所にも届いていますので」

 

「私達の所……と言うと?」

 

「申し送れました、私、天水で刺史をさせて頂いています、姓は董、名は卓、字は仲穎と申します」

 

衝撃的な言に耳を疑う。

 

「董卓!?」

 

「へぅ~、あの……私の名前がどうかされたんですか?」

 

少々面食らった様子の董卓。

 

「あ、いや天の知識と言うかなんと言うか……ちょっと色々有ってね……」

 

現世での董卓といえば悪逆非道の独裁者とか、

お腹に蝋燭とかそう言うイメージが有るんだけどなぁ。

目の前にいる可憐な女の子が伝え聞く数々の非道な行為をするとは到底考えられない。

 

「恋は……恋」

 

思考が脳内を駆け巡る中で、もう一人の少女が口を開く。

 

「……恋って真名でしょ?」

 

「一刀……肉まんくれた……だから恋で良い……」

 

「それだけで?」

 

「コクコク」

 

またも物凄い速さで頷く恋。

 

「じゃあ真名呼ばしてもらうな……?恋」

 

「ん」

 

少し頬を赤らめながらこたえる恋。

 

「──っと、そろそろ行かなきゃな会議も終わる頃合だ」

 

自己紹介も終わったところで日が傾き始めているのに気づく。

 

「そうですか……御遣様、御遣様は『覇道』ではなく『王道』で世を統べるお力をお持ちです、

 どうかご自愛を……幸い、武威と天水は近いですし、またお会いしましょう……」

 

そう言って寂しそうに笑った。

俺には覇道と王道の違いなんて皆目解らなかったけれど

董卓の真剣な眼差しには俺を頷かせる何かがあった。

 

「ああ、また会おうね董卓さん、恋」

 

そんなありきたりな別れの言葉と共にその場を後にした。

 

夕焼け色に染まる空のなか、静かにに過ぎる午後。

今はまだ誰も知らない……これから彼女達に訪れる過酷な運命を……。

 

 

said 董卓

 

天水への帰る道すがら、馬車に揺られながら今日起きた出来事を夢想する。

偶然にも『天の御遣』そう呼ばれる人物に出会った──

噂どおり柔和で温厚で、優しくて、素敵な人だった。

それは、なぜ真名を預けなかったのだろうと後になって後悔するほどで……。

 

「へぅ」

 

思い出すだけで照れてしまう。

しかし、そんな幸福な時間は長く続かないのが世の道理……。

そんな思いを引き裂くように馬を駆っていた兵士が声をあげる。

 

「董卓様!!前方に人影が!」

 

こんな夜更けに怪しい事この上ないが、大事であれば取り返しが付かない。

 

「……止めてください」

 

そう言って馬車を止めさせ、馬車が止まったのを見計らって人影に声を掛ける。

 

「どうされましたか?」

 

ゆっくりと近づいてくる影は言った。

 

「こんばんは、わたくし張譲と申します……」

 

 

<馬超√ 第3章 ~群雄割拠~ 終>

 

 

あとがき

 

と言うわけで如何だったでしょうか3話目でした。

我ながら内容薄いですね……。

遅筆な上内容薄いとか、どうなんだろう。

さて、次回からが本格的な反董卓連合ですかね。

いよいよ戦の臭いが漂ってきました……。

諸君、私は戦争が大好きだ!!

……嘘です。

戦闘描写とか難し杉です(*ノД`)

 

それよりも、馬超√とか銘打ってるくせに今回翠、出番無し……。

スイマセン。

次回はきっと活躍する……筈!?

 

以上nakのあとがき、もとい言い訳でございました。

ご指摘、ご助言、誹謗中傷、いただけたら嬉しいです。

そして多数のご精読、コメント、支援に心からの感謝を!

それでは、また次回お会いしましょう、アリーヴェデルチ!!


 
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